前回 P「……地球プロ?」

2: 矢橋P 25/06/20(金) 23:05:08 ID:LMGN
これまでのあらすじ

パライソタウンで日本政府公認の反ツナミ組織に所属するコードネームP
彼はとある任務で箱崎財閥の令嬢箱崎星梨花をプロデューサーとして導くことに
しかし彼はアイドル嫌い。プロデューサー経験もゼロの有様で、
星梨花を成り行きとして見守っていたが彼女のアイドルになりたい気持ちに心を動かされ、次第に彼女の思いを応援したいという気持ちに変わっていく

3: 矢橋P 25/06/20(金) 23:05:30 ID:LMGN

同時に世界を掌握するツナミグループが表向きはアイドル業界を支援し実態はアイドル業界を支配していた
ツナミに意に沿わないアイドルはまともに活動出来ないという現状に強い反発を覚えたPは
ツナミに染まらず二階堂千鶴や徳川まつりを有する地球プロに星梨花と共に所属することに決めた

その後、永吉昴と周防桃子を加えアイドルユニット『真珠星』を結成
ツナミグループへの反抗を開始した
 

4: 矢橋P 25/06/20(金) 23:08:45 ID:LMGN
それを察知したツナミグループの日本代表でありアイドル業界総括者を務める上守甲斐は何故か彼女達にアピールする機会を与える
無事甲斐の思惑に応えた真珠星はアイドランクとしてDランクを与えられ、
ツナミが主催するSランクのアイドルを決める大会、World・Destiny(ワールド・デスティニー)の出場を目指すことになる

同期は星梨花のライバル、黒羽九羽有する『ブラスジョーカーズ』
そしてアイドル業界の古参、765プロを背負った『ストロベリーポップムーン』と『clover』

はたして彼女達と世界の行く先は……

5: 矢橋P 25/06/20(金) 23:10:00 ID:LMGN


第七章    『変わる世界』

 

6: 矢橋P 25/06/20(金) 23:10:47 ID:LMGN

地球プロ 事務所







P「この書類を提出するにはこの書類が必要です。このみさん、この書類ありますか」

このみ「これとこれね。それとPくん宛にメールが5件……」

 

7: 矢橋P 25/06/20(金) 23:11:57 ID:LMGN

<プルル……

<ガチャ


このみ「はい、地球プロです。はい、真珠星の件ですね。まず内容を伺ってもよろしいでしょうか……」

 

8: 矢橋P 25/06/20(金) 23:13:05 ID:LMGN
<ガチャ





このみ「これで電話も7件よ。内容は全部、真珠星へのオファーね」

P「いくら何でも多過ぎじゃないですか」
 

9: 矢橋P 25/06/20(金) 23:13:35 ID:LMGN

このみ「こないだのアイドルショーウィンドウはかなり話題になったもの。注目されるのも当然よ」

P「こっちはアイドルランクを得たことで色んな手続きを済ませなきゃいけなくて、てんてこ舞いなんだけどな……」



P(アイドルショーウィンドウが終わった翌日から、俺とこのみ姉は真珠星のアイドルコード周りの処理に忙殺されていた)

P(公式に発表するアイドル達のデータ、アイドルサブスクの許可等色々だ)

P(それに加えて真珠星に仕事のオファーもいっぺんに押し寄せてくるとは)

10: 矢橋P 25/06/20(金) 23:14:18 ID:LMGN

このみ「だからアイドルショーウィンドウまでに出来ることはやっておきなさいと言ってたでしょ」


P(うう……返す言葉もない)

P(アイドルランク授与まで準備する時間はあった。だが真珠星のレッスンに構ってばかりだったな)

このみ(まるで夏休みの宿題をサボった小学生。Pくんはそういうところはまだ子供よね)




P「今まで真珠星にオファーなんて来るそぶりも無かったのに、いったいどういうことなんだ……」
 

11: 矢橋P 25/06/20(金) 23:15:22 ID:LMGN
ザッ


黒月「それがアイドルコードの影響力ということだ」


P「黒月代表」

黒月「真珠星がアイドルランクとアイドルコードを得た。これはつまり真珠星はツナミが認定したユニットになったってことだ」

P「それだけでこんなに変わるもんなんですか?」


P(正直Dランクを受けるまでこんなことになるなんて予想だにもしなかった)

P(まるで世界がガラッと変わったみたいだ)

12: 矢橋P 25/06/20(金) 23:16:20 ID:LMGN

黒月「アイドル業界のはぐれ者からツナミのお墨付きへと180°変わったんだ。今まで真珠星には興味はあってもツナミを恐れて手を出さなかったところから一気に押し寄せているんだろ」

黒月「ひとえにツナミの力とも言えるがな」


P「結局はツナミの力ですか。面白くない」

黒月「そうだ。お前と真珠星の実力ではない」

P「…………」


黒月「だがこれが第二次アイドルブームの本流と言える。のんびり構えていると流れに足を掬われるぞ」








 

13: 矢橋P 25/06/20(金) 23:17:36 ID:LMGN
レッスンルーム





桃子「お兄ちゃんは書類仕事でしばらくレッスンには来れないって」

星梨花「最近帰って来るのも夜遅くですし、大変そうですね」

昴「残業してまで処理しているんだな……」

14: 矢橋P 25/06/20(金) 23:19:11 ID:LMGN

桃子「このどっとっぷNet。さっそく試してみたけど確かに凄いね」

星梨花「どんな風にすごいんですか?」



桃子「ツナミが無料で配信しているアプリを起動して」タップ

桃子「この検索欄に桃子のアイドルコードを入力すると……」カチカチ


<ピロン

   『地球プロ所属 周防桃子 』


 

15: 矢橋P 25/06/20(金) 23:21:55 ID:LMGN

星梨花「本当に出ました!」


桃子「桃子の欄をクリックすれば桃子の経歴も出るし、持ち歌もすぐ聴けるサブスクにワンクリックで飛べる」

桃子「過去のライブ情報から今後のイベントの予定情報まですぐわかるよ。ライブのチケットだってここから購入サイトに飛べるの」

昴「すげ-な……。こんなに便利だったらアイドルを推すのも楽ちんだぜ」
 

16: 矢橋P 25/06/20(金) 23:22:09 ID:LMGN

桃子「見知らぬアイドルのライブに当日券で突撃して、このサブスクでゼロからライブ開始までの2時間で予習!……なんてことをする人もいるぐらい」

桃子「どっとっぷNetの誕生でアイドル推し活動の敷居が低くなったのは確かだね」

昴「オレ達がアイドルコードがなかった時は全く注目されていなかったけど……」

昴「これじゃあアイドルコードが無いアイドルを敬遠するのも無理ないか」


 
 

17: 矢橋P 25/06/20(金) 23:22:57 ID:LMGN
ガチャ





千鶴「おはようございますですわ」

星梨花「千鶴さん!」

千鶴「今日はPに代わって私がレッスンを見ますわ。あの人から頼まれましたの」

星梨花「黒月さんからですか」

昴「そうか。よろしく頼むぜ」







 

18: 矢橋P 25/06/20(金) 23:23:30 ID:LMGN
そして、その日の夜

地球プロ 代表室








ガチャ


千鶴「ただいま戻りました」

黒月「お疲れ。ウチのニューホープに付いていけたか?」

19: 矢橋P 25/06/21(土) 08:49:43 ID:nVm3

千鶴「全く問題無いですわ。私の実力、疑ってましたの?」

黒月「わかってて聞いた。まだまだウチのエースの座をあいつらに譲ったつもりはないからな」

千鶴「あなたは一言多い人ですわね」


黒月「……それで。真珠星についてどう思う?」

20: 矢橋P 25/06/21(土) 13:20:15 ID:nVm3

千鶴「そうですわね」

千鶴「このままだと……真珠星は潰れます」



黒月「お前もそう思うか」

千鶴「ええ、あなたの予想通りに」

21: 矢橋P 25/06/21(土) 18:26:39 ID:AtYA

黒月「上守甲斐め」チッ

千鶴「上守さんに悪気はなさそうですが、優しくもなさそうですわね」

黒月「それで潰れるならそこまで……とか思っていそうだな」ハァ

黒月「……手を打たねばいけないな」









 

22: 矢橋P 25/06/21(土) 18:27:55 ID:AtYA
数日間後

地球プロ事務所




P「あ゛あ゛あ゛……終わった」

このみ「お疲れさま。肩でも揉んであげましょうか?」

P「いや、いいよこのみ姉。仕事はまだ残っているし」

P(アイドルコード周りの処理は終わったが今度は大量に来たオファーをどうするか)



このみ「一人で悩むくらいならあの子達と相談してきたらいいんじゃないかしら」

P「それもそうか」





 


23: 矢橋P 25/06/21(土) 18:29:13 ID:AtYA






P「これ全部が真珠星に来たオファーだ」

星梨花「これ全部ですか!」パァァ

桃子「結構な数だね。お兄ちゃん営業頑張ったんだ」

P「いや、そんなに営業はしていないんだがな」

桃子「なら今だけかな。こないだのアイドルショーウィンドウ、今でも話題だもん」

P「そうだな。これが続くように頑張んなきゃな」
 

24: 矢橋P 25/06/21(土) 18:30:52 ID:AtYA

星梨花「でも色々種類がありますね。イベントの出演依頼に写真撮影……」ペラ

昴「でも全体的にステージ関連が多いかな、バックダンサーの依頼とか。別のDランクアイドルとアイドル勝負!ってのもあるし」ペラ

桃子「桃子達のイメージ、他のユニットと喧嘩上等!って思われているみたいだからね。桃子はお芝居の仕事とかやりたいんだけど」ペラ

星梨花「お仕事いっぱいあって嬉しいですね」

桃子「そうだよね。どれから受けようかな~」ウキウキ


 


25: 矢橋P 25/06/21(土) 18:32:02 ID:AtYA
ガチャ




千鶴「ご機嫌よう。今日もよろしくお願いしますわ」

星梨花「おはようございます」

昴「千鶴は今日も同じレッスンか?」

千鶴「ふふっ。今日はみなさんに見てほしいものがあるんですの」

P「何でしょうか千鶴さん」

千鶴「テレビモニターとBlu-rayの機械を用意しました早速拝見しましょう」





千鶴「Pさん、ちょっと真珠星をお借りしますわよ」ヒソヒソ

P「それは別に構わないですが……」ヒソヒソ

26: 矢橋P 25/06/21(土) 18:34:57 ID:AtYA






千鶴「この映像はブラスジョーカーズのデビューシングル『トレース・ジョーカー』のPVです。あなた達のライバルユニットでしょう?」

千鶴「こないだの発表と共にユニットは発足したみたいですがPVはあらかじめ作っていたみたいですわね」


星梨花「九羽さんのユニットですね!」

昴「確かにライバルの動向はチェックしておかないとな」

桃子「またいずれ相まみえることになりそうだしね」



P(千鶴さんには何か考えがありそうだが……)

27: 矢橋P 25/06/21(土) 18:35:43 ID:AtYA

ズン ズン ズン ズン!





星梨花「九羽さん歌上手ですよね……」

昴「ひかりのやつもダンスの腕上がってるなー」

桃子「リーダーのケイさんもあの二人を見事まとめあげてるね」
 

28: 矢橋P 25/06/21(土) 18:36:19 ID:AtYA


~~~~♪





昴(あれ、なんだか……)

桃子(これって……)

星梨花(…………すごい)

29: 矢橋P 25/06/21(土) 18:37:50 ID:AtYA
ドン!





千鶴「さて次は765プロですわ。シアタープロジェクトのPV『Brand New Theater! 』です」

千鶴「これはシアタープロジェクトのメンバーが自力で作って動画サイトにアップしたものです。少しでも宣伝にとね」



昴「続けて見るのかよ」

桃子「ちょっと休憩……」


千鶴「ダメです。今の心境のまま見なさい」

P「千鶴さん……」

30: 矢橋P 25/06/21(土) 18:38:44 ID:AtYA


「ひらけ!情熱の舞台(もっともっとあつく!)」

「でっかいコール 響け Go! Go! Going on!」







昴「さすが765プロだよな……」

星梨花「……」

桃子「……」

31: 矢橋P 25/06/21(土) 18:40:29 ID:AtYA


「私たちの Brand New Theater Live!~」






星梨花「終わりました……」

千鶴「最後に……あなた達のアイドルステアウェイ。こないだステージに立つ前に一回練習のためビデオを撮ったでしょう。それを見ます」


P「あの千鶴さん……」

千鶴「異議は受け付けないですわ。これは黒月代表の指示です」

32: 矢橋P 25/06/21(土) 18:43:16 ID:AtYA


「駆け上がってゆけ、空へ架ける階段(ステアウェイ)」







昴(あれ……俺達ってこんなにダンス下手だったか?)

桃子(歌……音が綺麗じゃない、音量も足りてない)

星梨花(だんだん恥ずかしくなってきました……)

33: 矢橋P 25/06/21(土) 18:44:15 ID:AtYA

♪~~~~~~



ピッ



千鶴「どうでしたか」



星梨花「……」

昴「……」

桃子「……」

34: 矢橋P 25/06/21(土) 18:45:57 ID:AtYA

千鶴「理解出来たみたいですわね。これが今の真珠星の実力です」

千鶴「はっきり言ってあのDランクの四ユニットの中では一番実力が低いですわ」

千鶴「特に経験者の昴はともかく、星梨花と桃子が未熟なのは明らかです」



P「それは……」

千鶴「あなた達に才能が無いというわけではありません。努力もしているとは思います」

千鶴「ですがDランクとしてみればアイドルの経験値が足りてないのです」

35: 矢橋P 25/06/21(土) 18:46:36 ID:AtYA

千鶴「あなた達はMaihamanに喧嘩を売ったり黒羽九羽とアイドル勝負したりして注目を集めた」

千鶴「それが悪いこととは言いません。それが無かったら今頃アイドルランクすら無かったでしょうし」

千鶴「ですがそれはいわば”奇策”なのですわ。アイドルランクを得て認められた今こそ奇策に走らず地に足を付け、アイドルとしての実力を付けるべきなのです」



P「……」

昴「……」

星梨花「……」

桃子「……」

36: 矢橋P 25/06/21(土) 18:48:25 ID:AtYA
千鶴「本来これくらい未熟な時はどのアイドルでも必ずあります。私だってそうでした」

千鶴「ですがそれはFランクやEランクの時。Dランクにもなって、『まだ未熟ですが、すみません』は通用しませんわ」

千鶴「あなた達は色々すっ飛ばしてDランクに来てしまった。仕方ないこととはいえ、このままでは……潰れますわよ」





昴「……確かにそうだよな」

星梨花「……私、浮かれてました」

桃子「……桃子達、九羽さんに勝ってどこか上から見下ろしてたけど、アイドル活動期間もレッスンの量も九羽さん達の方が上だもんね」

37: 矢橋P 25/06/21(土) 20:09:58 ID:AtYA

桃子「それじゃオファーがたくさん来たからって喜んでいる場合じゃないね」

昴「オファーは受けないでしばらく自主レッスンだな」



千鶴「本当にそれでいいのですか?」

桃子「えっ」

千鶴「ある程度実力を付けるまで自主レッスン、それもいいでしょう。ですがそんな悠長に構えている間にも同期達はあなた達を追い抜いて行きますわよ?」

昴「でも実力が足りてないって言ったの千鶴じゃん」

38: 矢橋P 25/06/21(土) 20:10:20 ID:AtYA

星梨花「……私、負けたくないです」

昴「星梨花?」

星梨花「九羽さんに宣言しました。絶対負けませんと」

星梨花「経験値が足りてないなら……もっと努力すればいいんです!」

P「星梨花……」

39: 矢橋P 25/06/21(土) 20:12:11 ID:AtYA

千鶴「その言葉が聞きたかったのですわ」

P「千鶴さんそれって……」


千鶴「オファーは受けましょう。ただし内容を選ぶ必要があります」

千鶴「せっかく数多くいるアイドルの中から真珠星を選んでくれたのにこちらで選別することになるのは心苦しいですが仕方ありません」

千鶴「未熟なパフォーマンスで臨むよりはましです」

千鶴「ライブステージの仕事は避けてモデルの依頼やトークイベントといった体に負担が軽いものを受けましょう」


昴「体の負担って……」

40: 矢橋P 25/06/21(土) 20:17:28 ID:AtYA
千鶴「そして仕事を終えてから夜の19時から22時までレッスンです」

桃子「!!」

星梨花「!!」




千鶴「あなた達が全員成人していたおかげでこの提案が出来ますわ。流石に未成年に提案するには厳しいことですもの」

千鶴「全員が宿舎生活というのも幸いです。通勤のことを考えなくてよいですわ。深夜の電車帰りは精神的に来ますもの」

千鶴「これはあくまで提案です。もちろん無理に受ける必要もないですが……」

41: 矢橋P 25/06/21(土) 20:19:15 ID:AtYA

昴「あいつらに追い付くにはそれくらいしなきゃいけないってことだろ?上等じゃん」

桃子「……いいよ、やる。今までちょっと甘えてたみたいだし桃子も負けたくないもん」


P「……星梨花は大丈夫か」

星梨花「大丈夫です!憧れのアイドルの舞台に立てたんです。これくらいへっちゃらです!」

42: 矢橋P 25/06/21(土) 20:22:33 ID:AtYA

千鶴「19時以降のレッスンには私も付き合いますわ。その時間帯にトレーナーさんを呼ぶわけにはいきませんもの」

P「でも千鶴さんも普段お仕事があるんですよね」

千鶴「構いません。やる気のある後輩を前にして引き下がることはしませんわ!」

P「ありがとうございます千鶴さん」





P(その後具体的に内容を決めた)

P(まず仕事が遅くなって事務所に18時まで戻れなかった場合はレッスンは中止。無理だけは絶対にしない)

P(千鶴さんはまつりさんと一日置きの交代交代で見てくれるようにしてくれた)

P(また三日に一日は深夜レッスンを辞めて休日を設けることにした)

P(宿舎にいるロコさんや海美さんも協力してくれるらしい。宿舎に帰るのが遅くなる以上色々とサポートしてくれるのはありがたいことだ)

43: 矢橋P 25/06/21(土) 20:24:46 ID:AtYA
深夜

地球プロ   代表室







千鶴「言ってきましたわよ。あなたの言う通りに」

黒月「……憎まれ役を押し付けて済まなかったな」

千鶴「あら、あなたがしおらしいなんて珍しいこと。今夜の帰り道は気を付けないといけませんわね」

44: 矢橋P 25/06/21(土) 20:26:49 ID:AtYA

黒月「本来ならあいつらを労いたいくらいなんだがな」

千鶴「若いうちはみな、苦労するものですわ」

千鶴「その苦労と積み重ねがやがて自信に変わります。上から与えられたアイドルランクなんかよりよっぽど」


黒月「……それと例の件だが商談は成功した」

千鶴「本当ですの!こういうこと、あなたに任せたら一番ですわね」

黒月「一言多いのは俺譲りか」

千鶴「いつものお返しですわよ」ベーッ







 

45: 矢橋P 25/06/21(土) 21:29:05 ID:AtYA
次の日







星梨花「今日は初めてのトークショーですよね。緊張します……」

P「こないだのアイドルショーウィンドウのインタビューみたいだからあまり凝ったこと話す必要はないさ。思ったこと喋ればいい」

桃子「喋っちゃいけない言葉もあるから注意してね。星梨花さんなら問題ないと思うけど」

46: 矢橋P 25/06/21(土) 21:30:34 ID:AtYA

昴「……確かにこういう仕事はレッスンとかじゃなくて実際に経験しなきゃ学べないよな」

桃子「桃子達に足りないのはアイドルの経験値。夜のレッスンと合わせて経験積まなきゃだね」

星梨花「それじゃ普段のお仕事もレッスンと同じですね!」

昴「お仕事は本番なんだけど……まあいいか。今のオレ達には全て勉強、全てがレッスンだ」

桃子「全てはCランクに上がるためにだよな」

星梨花「他のユニットにすぐに追いついて見せます」




P(本来なら千鶴さんが気付いたこと、プロデューサーの俺が気付くべきだったんだ)

P(俺もまだまだ未熟……いやプロデューサーとしてど素人もいいところだ)

P(なら今は……偉そうぶるより真珠星と一緒に寄り添って成長していくしか出来ないよな)

47: 矢橋P 25/06/21(土) 21:31:08 ID:AtYA










その日の夕方

地球プロ事務所





P「戻りました」

星梨花「トークショー。何とか無事終わりました……」

桃子「ちょっと疲れたけど、この後休んでからレッスンだよ」

48: 矢橋P 25/06/21(土) 21:32:05 ID:AtYA


黒月「ちょっといいか」

P「代表?」

黒月「休憩の間に申し上げないがこれを見てくれ」



ポン


昴「これは……アイドル衣装のデザインの本か?」ペラ

黒月「真珠星のアイドル衣装を制作することに決めた。今までは共通の衣装だっただろ」

黒月「これは見本だ。好きに選んでいいぞ」

49: 矢橋P 25/06/21(土) 21:32:29 ID:AtYA

昴「……ってことはアイドル衣装をオレ達で決めていいのか!」

桃子「本当に!しかもこれ有名なファッションブランドだよね!」

星梨花「え……、どれも綺麗で可愛くて。本当にオーダーメイドでいいんですか」
 

50: 矢橋P 25/06/21(土) 21:33:29 ID:AtYA

P「代表、大丈夫なんですか。その……値段が高いのでは」

黒月「そのブランド会社とは大國時代から付き合いがあったところだが……それでもそれなりの費用はかかるな」

黒月「新米ユニットにはお高い衣装になるかもしれない」

P「……」



黒月「だが自分以上の服を着るとな、自分もそれに相応しい人間になろうと思うもんだ。俺も千鶴もよく知ってる」

黒月「早くその衣装に相応しいアイドルユニットになれ。俺からは以上だ」


千鶴(Dランクに上がったご褒美だと言えばよいですのに。素直じゃない人)

51: 矢橋P 25/06/21(土) 21:34:00 ID:AtYA

P(星梨花達も女の子だ。自分の着る衣装はちょっとでもこだわりたいだろうしお洒落にしたい)

P(このオーダーメイドの衣装の件は彼女たちの疲れも吹き飛ばしてくれたようだった)











 

52: 矢橋P 25/06/21(土) 21:39:46 ID:AtYA
その頃……








ミーナ「ヒーロー連合の方々、今日は私達の取材に協力して下さり、ありがとうです」

亜利沙「莉緒さんに瑞希さんが護衛してくれれば頼もしいですぅ」


※用語解説
 武内ミーナ&松田亜利沙 ツナミに屈しない正義のジャーナリスト
 ヒーロー連合 非公式の正義の味方が集まる組織。彼らもまたツナミに対抗る数少ない組織である

53: 矢橋P 25/06/21(土) 21:40:26 ID:AtYA

瑞希「松田さん。私達のことはコードネームで呼んでください。サイレントジョーカーだぞ」

莉緒「私はシャドウグレイスよ。まあ亜利沙ちゃんとの仲だし別にいいんじゃないかしら」


亜利沙(亜利沙はあれから順調に正義のジャーナリストへの道を進んでいます。今はまだジャーナリストの大先輩武内ミーナさんのお手伝いですケド)

亜利沙(あの事件で環ちゃん達ヒーロー連合と縁を結べたのも僥倖でした。今日は環ちゃんは別なところにいるみたいで残念です)




莉緒「それで今回の取材、私達を護衛に付けるってことはツナミ関連よね?」

ミーナ「そうです。今からツナミが管理している『村』と呼ばれるところに行きます」

54: 矢橋P 25/06/21(土) 21:41:12 ID:AtYA
車で移動中




瑞希「かなり僻地に行くんですね」ガタガタ

莉緒「オフロード車をレンタルして来た時点で覚悟していたけど、こんな山奥にツナミの基地があるの?」ガタガタ

ミーナ「私達の目的地は地元の人すら行かないような山奥にあります」ガタガタ

亜利沙「亜利沙達はようやくその場所を突き止めたんですよ」ガタガタ







 

55: 矢橋P 25/06/21(土) 21:41:51 ID:AtYA
そして





キキーッ


ミーナ「ここからは歩きになりますね」

瑞希「正に道なき道といったところでしょうか」

莉緒「なんだかこんなワイルドな任務も久しぶりね。スパイ時代にはたまにあったけど」

亜利沙「あそこから行けそうです」







 


56: 矢橋P 25/06/21(土) 21:42:52 ID:AtYA
そして






亜利沙「ここからはスマホの電波も届かない奥地になりますよ」

瑞希「……だけど舗装もされてない山の中なのに何者かが通った後がありますね」

莉緒「そうね。そこの切り株は大木を切り開いた跡だしあそこは巨大な岩を除いた跡もあるわ」

亜利沙「人が山菜採りか何かで通った跡ではないですよこれは。複数人でも通れるように整備した跡です」


ミーナ「みなさん。そろそろ見えると思うのですが……」

57: 矢橋P 25/06/21(土) 21:43:17 ID:AtYA
ガサガサ



亜利沙「見えました!あれですね」

瑞希「こんな山奥の中に集落が……」

ミーナ「亜利沙さん。亜利沙アンテナは反応ありますか?」

亜利沙「今のところは無いです!」

ミーナ「よし、行きましょう」








 

58: 矢橋P 25/06/21(土) 21:44:18 ID:AtYA
そして


莉緒「確かにこれは村ね」

瑞希「ですが、この村には外に出る手段も連絡を取る方法も見当たらないのですが住んでいる人はいったいどうやって暮らしているのでしょうか」




村人「……」ニコニコ

村人「おや、外の人ですか」ニコニコ


ミーナ「失礼します。私、ツナミの者です」

亜利沙「ここを様子を見に来ました」

莉緒(ここの人達に怪しまれないようにツナミの人間になりすますんだったわね)

瑞希(環さんは置いてきて正解ですね。諜報活動には向いてませんから)

59: 矢橋P 25/06/21(土) 21:45:17 ID:AtYA
村人「おお、そうでしたか」

村人「何も無いところですがどうぞごゆっくり」










そして


瑞希「この村電気が通っていません。水道も無くて水は井戸から汲んでいるようですね」

莉緒「住人は10人くらいかしら。よくこんなところで文句も言わず暮らしてるものね」

ミーナ「ひと通りぐるっと回りましたが怪しいのは奥にある倉庫。それと巨大な建物ですね」

ミーナ「二手に分かれましょう。私と莉緒さんが村人から聞き込みをします亜利沙と瑞希さんは怪しい建物の中を調べて下さい」

瑞希「私なら鍵を施錠出来ますから任せて下さい」

亜利沙(それにしても……ここの住民はみんなずっと笑顔で何だか不気味です……)

亜利沙(それに村人の顔、どこかで見た気が……)

60: 矢橋P 25/06/21(土) 21:46:57 ID:AtYA








ミーナ「ちょっといいですか。上の方から調査を頼まれましたので」

村人「はい、何でしょう。何でも答えますよ」ニコニコ



ミーナ「この村は何という村なんですか?」

村人「この村に名前なんてありませんよ。この村でいいじゃありませんか」ニコニコ

ミーナ「……あなたはこの村での生活をどう思っていますか?」

村人「ここの暮らしにはとても満足しています」ニコニコ

61: 矢橋P 25/06/21(土) 21:47:33 ID:AtYA

莉緒「ここから出たいと思わないのかしら」

村人「いえ全然。今の生活で充分幸せなんですよ。何故ここから出なきゃいけないんです?」ニコニコ

ミーナ「……ジオット会長についてどう思いますか」

村人「ジオット会長ですか!あの人は私をここの生活に導いて下さいました。あの方は命の恩人です」ニコニコ

莉緒(演技とかでは無いわね。何なのこの人達……)







 

62: 矢橋P 25/06/22(日) 02:04:14 ID:JljM
そして






莉緒「瑞希ちゃん達はどうだった?」

亜利沙「それが……」


瑞希「まずあの倉庫の中身は非常食料でした」

ミーナ「あの大きな倉庫全部ですか?」

瑞希「そうです。この村の規模なら五年は持つ量が貯蔵されてました」

莉緒「武器や怪しい薬とかじゃ無かったのね」

亜利沙「それで奥にあった巨大な建物ですが、中にあったのは発電設備でした」

亜利沙「ですが稼働はしてません。故障はしてないようでしたが……」

 

63: 矢橋P 25/06/22(日) 02:04:56 ID:JljM

莉緒「ますますこの村おかしいわ」

莉緒「電気はない、トイレは汲み取り式。食料も畑などで自給自足で外部と交流している様子もない」

瑞希「ですが農具は電源こそ使わない物ですが最新式でした。奥の発電設備といい、文明を否定しているわけでは無いようです」


亜利沙「村人もずっとニコニコしてて……あっ!」

64: 矢橋P 25/06/22(日) 02:06:11 ID:JljM

ミーナ「亜利沙どうしましたか」

亜利沙「思い出しました。入り口であった村人は弁護士の神川弘幸さんです!」

亜利沙「イーエスの事件の時消されたリストに入ってたのでかろうじて覚えてました」

ミーナ「……私も別の村人の一人に覚えがありました。同じジャーナリストの川上明です。だいぶ人相が変わっていたので信じきれませんでしたが間違いないようですね。この人もイーエスに消された人の一人です」
 

65: 矢橋P 25/06/22(日) 02:06:23 ID:JljM

莉緒「ちょっと待って。イーエスに喰われた人は事件が解決した後戻ってきたはずでしょう?」

ミーナ「ええ。ですがこの二人には共通点があります」


瑞希「……ツナミに反抗していた人ですか」

ミーナ「そうです。イーエスはツナミにとって邪魔な存在から優先して喰っていました」

ミーナ「おそらく二人はイーエスの事件の後も反ツナミ活動を行い、その後ここに送られた……。ここの住人は元はツナミにとって邪魔な人達ばかりなのでしょうね」

66: 矢橋P 25/06/22(日) 02:07:16 ID:JljM

莉緒「そんな人達があんな終始ニコニコしているのは洗脳されたからかしら」

ミーナ「あれは洗脳なんて生易しいものじゃありません。おそらく精神の一部が壊されています」

瑞希「……っ」

ミーナ「薬によるものか、はたまた超能力によるものか分かりませんが」
 

67: 矢橋P 25/06/22(日) 02:07:53 ID:JljM

莉緒「ならここはツナミにとって疎ましい人間の流刑地なの?」

ミーナ「……それにしてはおかしいのですよ」

瑞希「何がですか」

ミーナ「邪魔となる人間を秘密裏に処理するところにしては隠蔽工作がずさんです。実際に私達がこのように場所を突き止めて簡単に侵入出来ているのですから」

亜利沙「これといった見張りもいないですよね」

ミーナ「本当に処理するところならこんな管理しにくい山奥ではなく地下の奥深くとかの方がいいでしょう」
 

68: 矢橋P 25/06/22(日) 02:08:19 ID:JljM

ミーナ「それにこのように生かしているのも不思議です。私が知る限り川上明さんは三年前から行方不明扱いになっている。処分したいのなら生かさず殺害してもあのツナミならばおかしくはないはず」

瑞希「ならば……見せしめなのでしょうか。それとも長く生かして苦しめたいのか」

ミーナ「それも違う。ここの人は精神は壊されているとはいえ幸せそうです。生活出来る設備も充実している。苦しめたいのならもっと大変な状況にしますよ」

ミーナ「実はこのような『村』は日本だけではなく世界中にいくつかあるみたいです。取材したのは今回が初めてですが」

莉緒「だとしたら何なの、こんな薄気味悪い村を誰にも気付かれないようなところに作る理由は」



 

69: 矢橋P 25/06/22(日) 02:08:46 ID:JljM
ミーナ「……カタストロフ」

莉緒・瑞希「「!!??」」



ミーナ「人類史上最大の未曾有の大災害。ツナミの上層部は近い将来、それが必ずやってくると信じています」

ミーナ「こないだツナミの幹部からようやく聞き出せた情報です」



莉緒「あのツナミがそんなこと……」

瑞希「それはいったいどのような災害なのですか」

70: 矢橋P 25/06/22(日) 02:09:36 ID:JljM

ミーナ「それはツナミの上層部も知らないのだと思います。だからこんなものを作っている」

ミーナ「どのような災害がどれくらいの規模でどれくらいの被害を与えるかも分からない。だから、ただ備えるしか出来ない」

莉緒「待って。ということはカタストロフは世界中の電気や水道のインフラが機能しなくなるほどの被害を出す災害ってことなの?」

ミーナ「そうでしょうね。この村は最悪な事態が起きた時に少数でも人類が生き残れるようにするための場所……」



莉緒「…………」

瑞希「…………」

亜利沙「…………」


ミーナ「……この場所から離れましょう。私も流石に怖くなってきました」







 

71: 矢橋P 25/06/22(日) 02:10:26 ID:JljM
そして






亜利沙「ようやく電波の届くところまで戻って来ました」

莉緒「ここまで来たら車まであと少し……」

莉緒「あら、着信が来てるじゃない」


莉緒「……」ハッ

莉緒「……」ムムム…

72: 矢橋P 25/06/22(日) 02:11:06 ID:JljM

瑞希「どうしましたかシャドウグレイス」

莉緒「サイレントジョーカー。すぐに帰還するわよ!」

瑞希「!」

亜利沙「何があったんですか!」

莉緒「いよいよ……ツナミが動き出した。ひなたちゃんを取りに来る!」



ミーナ「!!」

ミーナ「お二人とも今日はありがとうございました。急いで帰りましょう!」









 

73: 矢橋P 25/06/22(日) 02:11:55 ID:JljM
パライソタウン  指令室




洗谷「そうか。Pの先導するアイドルユニットが無事アイドルランクを得たか」

このみ「そうね。このまま順当にアイドルランクを上げればツナミが主催する例の大会に参加出来ると思うわ」

洗谷「上守甲斐に目を付けられたのだけは気がかりだが、まあPはよくやった方だろう」

洗谷「……たまにはここに顔を出して欲しいのだがな」


このみ(あら、洗谷隊長も少しは軟化したのかしら)

このみ「彼、なかなか忙しいみたいだから……」

74: 矢橋P 25/06/22(日) 02:12:21 ID:JljM

洗谷「しかしWorld・Destinyか。今どきだか知らんが横文字を使った変な名前の大会を開きおって、いかがわしい」

このみ「若者向けに洒落た名前にしたんじゃないかしら」




このみ「それと最近のウチの組織の動きはどうなっていますか」

洗谷「こちらもそれなりに忙しい」

75: 矢橋P 25/06/22(日) 02:12:47 ID:JljM
洗谷「政府から幾つかの事件の裏を洗っておけと言われていてな」

このみ「何か特殊な事件でも起きたの?」

洗谷「逆だ。何も起こらなそうな現場で突然悪事が起きた」



このみ「……詳しく教えてちょうだい」

洗谷「今、全国各地で突発的な事件が多発している」

このみ「……偶々ってわけじゃないのよね」

洗谷「急に事件の数が増えたのとどれも動機があやふやな点が不可解だった」

洗谷「そこで政府はそれらの事件の裏にツナミが関与しているのでは?と考えウチに 裏を洗え と指令が来た」

このみ「それで、ツナミが関与していたのね」

76: 矢橋P 25/06/22(日) 02:13:08 ID:JljM

洗谷「……」

洗谷「結論からいってどの事件もツナミは関与していない」

このみ「あらそうなの。でも良かったんじゃない」


洗谷「だからこそ不可解なのだ!強盗、窃盗、傷害、事件の内容は様々だが動機があやふやな点だけが共通している」

洗谷「特別お金に困っていたわけでも特定個人を恨んでいたわけでもない。どの犯人も周りが言うには犯罪など犯さないような人間だったと聞く」

洗谷「そして犯人達は皆口揃えて『突然どす黒い感情に支配された』みたいなことをのたうっているらしい。全くふざけている」

このみ「……」

77: 矢橋P 25/06/22(日) 02:13:40 ID:JljM

洗谷「しかしこんなに犯罪が多発しているのに世間はアイドルの話題ばかりか。この国はどうかしている」

洗谷「まるでツナミはアイドルという光で社会の闇を隠すためにアイドル事業を始めたのでは?と思うくらいだ」



このみ(流石にそれはないと思うけど……)

このみ(でも世界で何かが起きている、それは確かだわ)

このみ(……)ハッ!

このみ(World・Destiny。直訳すると『世界の運命』……か)





第七章   終わり

78: 矢橋P 25/06/29(日) 21:00:18 ID:8PwY

出張行ってたおかげでしばらく放置してしまった
人生初の礼文島!  
……多分もう行かないかもしれない

次章でいよいよこのSSにおける重要な要素が出ます

79: 矢橋P 25/06/29(日) 21:01:39 ID:8PwY

百瀬莉緒   シャドウグレイス

ヒーロー連合、隊員No.3。元は国際スパイ
ヒーロー連合のメンバーはコードネームで呼び合うことにしており
彼女のコードネーム、シャドウグレイスは貴音のシャドウレディからもじっている

戦闘能力こそヒーロー達の中では低いものの、彼女も何でもそつなくこなせる器用さがあり工作等に重宝がられる
任務明けに環を抱きしめるのが彼女の一番の生きがい ●

80: 矢橋P 25/06/29(日) 21:03:26 ID:8PwY

真壁瑞希   サイレントジョーカー

ヒーロー連合、隊員No.4。元日本政府のエージェント
ハッキング等工作も得意だがサイボーグとして戦闘能力もそれなりに持ち合わせている
本当の所属組織はサイボーグ同盟でヒーロー連合へはスパイとして加わっているが
ヒーロー連合を陥れることは全くせず、むしろヒーロー連合とサイボーグ同盟の橋渡し役となっているようだ

あれからヒーロー連合にサイボーグ同盟とそれなりの組織になったが
人々を守ることを第一のヒーロー連合と金さえ積めば紛争にすら参加するサイボーグ同盟とは本来相容れない
しかしあのツナミに対抗するには思想が違う両者が手を取り合わざるを得ないのである ●

81: 矢橋P 25/06/29(日) 21:05:37 ID:8PwY

武内ミーナ   正義のジャーナリスト

世界で一番有名な正義のジャーナリストの女性。褐色肌でとても美人、日本語の発音が少しぎこちないところがある
ハタ侵略の実態やパライソ研究所を暴いた『パライソタウン真実』を始め、数々のスクープ記事を発表し知名度は高いがその分敵も多い
社会のために命をすり減らすタイプ
最低限の護身術は身につけているがそれでも命を落としそうになったことは一度や二度ではない
ただ最近は危機察知能力を持つ亜利沙やヒーロー連合が味方になり、安全面は大分改善されたようである
ツナミに立ち向かうジャーナリストは絶滅寸前の中、彼女たちはツナミ相手に言論闘争を続けている ●

82: 矢橋P 25/06/29(日) 21:07:47 ID:8PwY

松田亜利沙   ジャーナリストの見習い

武内ミーナの一番弟子
あれからそれなりに自分一人で記事も書けるようになってきた
あらゆる危機を察知出来る亜利沙アンテナと渦木やヒーロー連合を初めとする人脈はミーナにとっても非常にありがたい物のようだ
とはいえジャーナリストとしての立ち回りはミーナにはまだまだ及ばないので、一人前までにはもう少し

ドルオタとしても健在で歩や昴をデビュー時から追っかけていたり、ライブにも良く出向いている ●

83: 矢橋P 25/06/29(日) 21:08:27 ID:8PwY


第八章    『具現化』

 

84: 矢橋P 25/06/29(日) 21:11:16 ID:8PwY

573プロ事務所







九羽「あ゙ーー、あいつら何やってんだよ」ガリガリ



ひかり「あんた、また真珠星の予定をチェックしては喚いてるの」

ひかり「毎日毎日、これじゃストーカーと変わらなくなってきたわよ」

※どっとっぷNetにアクセスすればアイドルコードを持つアイドルの予定を知ることは簡単です

85: 矢橋P 25/06/29(日) 21:12:49 ID:8PwY

九羽「ライバルの動向を知ることなんざ当たり前だろ」

九羽「特に歌とダンス。あいつらのことだ、いつ化けるかわからねえからな。常に先手打っていかねえと」

九羽「だいたいアイドルショーウィンドウが終わってもう二ヶ月だぜ。なのにあいつらちっともステージの上に上がってこねぇ」ジタバタ

九羽「いったいどうしちまったんだか」ハァ-



ひかり「別にステージの上だけがアイドルじゃないでしょ」

ひかり「ステージ以外の仕事は受けてるみたいだし、事務所の方針が変わったのかもね」

九羽「あいつらがそんな大人しいタマかよ」

 

86: 矢橋P 25/06/29(日) 21:13:42 ID:8PwY


ケイ「あら、そんなに彼女たちのステージがみたいのなら今度見られるわよ。それも間近で」



ひかり「リーダーそれって……」

九羽「ステージの上でってことか!」ガバッ


ケイ「昨日みんなに話した765プロ劇場特別公演に私達ブラスジョーカーズも共演させてもらう話だけど……」

ケイ「その共演者に真珠星の名前があったわ」

九羽「よっしゃ!」グッ
 

87: 矢橋P 25/06/29(日) 21:15:51 ID:8PwY

ケイ「同じステージに立つことになるけど今回はアイドル勝負じゃないんだからあまりはしゃがないようにね」

九羽「リーダーだって最上静香に対抗心バリバリだろ。こないだだって765プロのライブ映像すり切れんじゃないかってほど見てたくせに」

ケイ「当たり前じゃない。あの最上静香の前で不様な姿は見せられないわ」メラメラ


ひかり「……」

ひかり(やれやれ……似た者同士ね私達)









 

88: 矢橋P 25/06/29(日) 21:17:00 ID:8PwY
その頃……

-テレビ通話中-



ホンフー「報告は以上です」

ジオット「そうかそうか。ジナイダくんのことも頼むね」


ホンフー「中々起きませんねぇ“アレ“。ほんの少しのきっかけだとは思うのですけど」

ジオット「まあ仕方ないじゃないか。僕達には資金も時間もある。じっくり腰を据えて待とうよ」

ホンフー「ですが困りましたね。W・Dの準備は着々と進んでいますが “アレ“が起こらない限りには計画が前に進みません」

※W・DとはWorld・Destinyの略です

89: 矢橋P 25/06/29(日) 21:18:18 ID:8PwY

ホンフー「いっそ、こちらから仕掛けてみますか?」



ジオット「駄目だ。パイプ・ドリームくん曰く、運命は作為的なことを嫌う」

ジオット「下手にこちらの思い通りにしようとするとかえってへそを曲げてしまうそうだ」

ホンフー「気難しいですねぇ。まるで女性みたいです」

ジオット「運命の女神という表現は間違っていないのかもね。ホンフーくんは優しく女性をエスコートするのは苦手なのかい?」

ホンフー「ええ。私はつい手が出てしまう性分なもので」

ジオット「打てる手は打ってあるんだ、運命がこちらになびくのもそう遠くないさ」

ジオット「”愛を成就させる秘訣は粘り強さにあり”というじゃないか。デ-トに誘われるのを待つくらいの気持ちでいようよ」








 

90: 矢橋P 25/06/29(日) 21:21:19 ID:8PwY
そして……

765プロ事務所





源P「社長。”シアター感謝祭”の合同レッスン。明日からですね!」

>>765プロのPは源Pで行きます



高木社長「うむ。シアター公演を始めて半年以上経った。君や最上くん達の活躍もあって我が765プロもだいぶ持ち直せたものだ」

高木社長「もちろんシアタープロジェクトという新たな試みに着いて来てくれたファンのおかげでもある」

源P「その通りです。そのファン達に感謝の気持ちを伝える為にいつもの公演より特別な公演、それがシアター感謝祭なんです」
 

91: 矢橋P 25/06/29(日) 21:23:13 ID:8PwY

高木社長「しかしアイドル達に どのような公演にしたいかね?と聞いた時、765プロ以外のアイドルを呼ぼうと提案があった時には驚いたねぇ」


源P「シアターアイドルはまだ7人。シアターアイドルだけではどうしてもやれることが限られてきます。いつもの公演の延長線では変わり映えしなくて特別感が無いですし」

源P「シアター感謝祭はファンの為の特別な公演。ファンの為に盛り上がることなら何だってすべき!だというのがアイドル達の意見なんです」
 

92: 矢橋P 25/06/29(日) 21:25:19 ID:8PwY

高木社長「その通りだ。周年ライブとかならともかく、ファンを楽しませるライブにするのに765プロのアイドルに拘る必要など、どこにもないのだからね」

高木社長「それにシアターアイドル達と同じタイミングでDランクを受けた真珠星とブラスジョーカーズ。彼女たちなら安心して任せられるよ」



高木社長「ああ。それと君に伝えなきゃいけないことがあったんだ」

源P「何でしょうか」

93: 矢橋P 25/06/29(日) 21:26:24 ID:8PwY

高木社長「上守甲斐くんから我が765プロに依頼が来たんだよ」

源P「ツナミグループの上守代表からですか!?」

高木社長「アイドルショーウィンドウに招待して貰ったお返しとして彼女をシアター感謝祭に招待したんだが、とても多忙らしくて来られないそうだ。残念だよ」

源P(社長。上守代表はそんな気易い立場の人間じゃないですよ……)


高木社長「その代わりにと一つ頼まれてしまってね…………」










 

94: 矢橋P 25/06/30(月) 07:13:22 ID:nvsi
翌日

765プロ劇場前







九羽「さーて、来たぜ765プロ劇場」

ひかり「ここに来るのは初めてね」

ケイ「ここで私達が吸収することがたくさんあるはず。せっかくの機会だし学べるところは吸収していきましょう」

95: 矢橋P 25/06/30(月) 07:15:54 ID:nvsi

九羽「……」ピタッ

ひかり「どうしたの九羽?」

九羽「この劇場に入ろうとすると……なんか心がザワザワすんな」

ケイ「あら九羽、あなたもそう思う?」

ひかり「え?私は何も感じないけど」

九羽(何だ、この感じ……)





 

96: 矢橋P 25/06/30(月) 07:18:07 ID:nvsi
シアター エントランス




未来「私達のシアターにようこそ~!」


ケイ「ええ、こちらこそ。初めて来たけどとても良いところね」



九羽「なぁ。真珠星は来てんのか!」

ひかり「九羽、失礼でしょ!」

未来「星梨花ちゃん達ならもう来てるよ。控え室に案内するね~」

ひかり「すみません。真珠星のことになるとこの子見境なくて……」

未来「別にいいよ~。私、気にしないから」






 

97: 矢橋P 25/06/30(月) 07:21:24 ID:nvsi
シアター 控え室




未来「控え室ここだよ。着替えはもう一つ奥のドレスアップルーム、トイレはもっと奥かな」

ひかり「どうも案内ありがとう」






ガチャ



星梨花「九羽さん」

九羽「よぉ、久しぶり。元気だったか」
 

98: 矢橋P 25/06/30(月) 07:23:54 ID:nvsi

九羽「なぁ、星梨花も感じねーか。ここの劇場に入る前に」

星梨花「……感じました。胸がドキドキします」

九羽「ああ。全身がザワザワする感じだ。っても悪い感じじゃねぇけどな」
 

99: 矢橋P 25/06/30(月) 07:26:01 ID:nvsi


昴「九羽も感じたのか。オレも感じたぜ」

ケイ「あなた達も感じたのね」


九羽「こりゃ……甲子園じゃねーけどよ、この劇場には魔物が潜んでいるのかもな」

昴「おー、いい例えだな!」



桃子「ちょっと、桃子は何も感じなかったんだけど」

ひかり「私もよ。あなた達が勝手に武者震いしているだけじゃないの?」




 

100: 矢橋P 25/06/30(月) 07:28:02 ID:nvsi

源P「ブラスジョーカーズの皆さんお疲れ様です」

星梨花「765プロの皆さんもお疲れさまです」



桃子「ひとまずこれで全員揃ったね」

源P「来るのが遅れていますがあと一人来るんです」

P「あと一人?ソロのアイドルですか」

源P「いや、まあソロのアイドルなんだけど……」

P「?」

101: 矢橋P 25/06/30(月) 07:30:11 ID:nvsi

源P「そのアイドルはレッスンに参加しないで見学する形になります」

九羽「シアターアイドルの新人か?」

源P「いえ、外部のアイドルです。劇場に来るのも初めてだと思います」


ひかり「見学する立場なのに一番最後に遅れて来るなんて、そのアイドルはよっぽど図太い神経しているみたいね」

源P「それは……」

P(何だ。765プロのプロデューサーさん、言葉の歯切れが悪いな)

源P「……詳しい話しは本人が来てからにしましょう。まずは着替えて貰ってレッスンの準備をお願いします」









 

102: 矢橋P 25/06/30(月) 07:33:32 ID:nvsi
着替えも終わり移動して…………


レッスンルーム




静香「皆さん今日はわざわざ劇場まで来てくれてありがとうございます」

志保「シアター感謝祭を盛り上げる為、皆さんの協力してもらえること、とても感謝します」


ケイ「私達もこの765プロシアターの舞台に上げて貰えるなんて光栄よ」

星梨花「他にもたくさんアイドルがいるのに私達を選んでくれてありがとうございます」
 

103: 矢橋P 25/06/30(月) 07:36:47 ID:nvsi

源P「皆さんに担当して貰う曲や内容はお配りした資料の通りです」

源P「これから合同でレッスンしていきますが今日は見学者が居ます」



ジナイダ「ジナイダだ。アイドルのことを勉強しにきた」





九羽(げっ!見学者って……)

P(ツナミグループのアイドルか!)


源P「上守代表から直々に頼まれたんだ。みんな仲良くしてあげてほしい」









 

104: 矢橋P 25/06/30(月) 07:39:37 ID:nvsi
そして





志保「そろそろ一旦休憩にしましょう」

昴「そうだな。区切りもいいし」

美奈子「みんなちゃんと水分取ってね。今飲み物を持って来るね」

奈緒「私も行くわ、美奈子」

105: 矢橋P 25/06/30(月) 07:42:00 ID:nvsi


九羽「けっ、765プロのレッスンなかなか激しいじゃねーか」

可奈「そういいながら着いて来てるくせに~。下手な世辞は要らないかな~」

九羽「お世辞じゃねえさ。ただ私達がそれに付いて来れるってだけだ」



九羽(矢吹可奈。この中のアイドルで一番私に近いのはこいつだな)

可奈(シアターアイドルはみんないい子だし、もうこの性格になることはないって思っていたけど……)


九羽・可奈((こいつ・この人、ならぶつかっても問題ないな・かな))



バチバチ・バチバチ
 

106: 矢橋P 25/06/30(月) 07:45:59 ID:nvsi
ポカッ



ひかり「またあんたは」

志保「可奈、昔のあなたに戻ってるわよ」



九羽「痛ってー。少し手加減しろよひかり姉」

可奈「ちょっとぐらいいいでしょ志保ちゃん」

※このSSの可奈は水桜寄りの性格です

107: 矢橋P 25/06/30(月) 07:49:42 ID:nvsi
九羽(にしても……)チラ




星梨花「未来さんは静香さんと幼馴染みなんですね」

未来「そうだよ~。翼もだけどね」





九羽(星梨花のやつもダンスが格段と上手くなっていやがったな)

九羽(昴と桃子に引っ張られていたお嬢様がここまで変わるとはね。こりゃうかうかしてらんねーな)

ひかり(昴のダンスのキレ、また一段と上がった)

ケイ(周防桃子。私の見解だと彼女はこと歌やダンスは一歩劣ると思っていたけど……侮れなくなったわね)

108: 矢橋P 25/06/30(月) 07:51:10 ID:nvsi







ジナイダ「……」ジーッ



昴(ジナイダってやつ、さっきから黙ってこっちの様子を窺っているだけか)

桃子(今のところ変な様子はないけど……)

109: 矢橋P 25/06/30(月) 07:53:19 ID:nvsi
スクッ



ジナイダ「おい、箱崎星梨花」


未来「ふぇっ?」

星梨花「はい、何でしょうか?」キョトン


ジナイダ「オマエと後で話しがしたい」

昴「なっ!?」

九羽「にっ!?」


星梨花「別にいいですよ」ニコッ






 

110: 矢橋P 25/06/30(月) 12:55:14 ID:nvsi
そしてレッスン終了後、私とジナイダさんと二人きりで会話することになりました
Pさんからは反対を受けましたがジナイダさんは押し切ったようです




星梨花「話しって何でしょうか」

ジナイダ「当然アイドルのことだ」

ジナイダ「ジナイダはアイドルのことを知る為にここに来たからな」

111: 矢橋P 25/06/30(月) 12:56:13 ID:nvsi
どうやらジナイダさんはアイドルのことを直接私に聞きにきたようでした



ジナイダ「未だにアイドルというのがよくわからない。あんな歌とダンスが何になるのか」

星梨花「……ジナイダさんはアイドルのこと好きですか?」

ジナイダ「好きか嫌いかで言うならどちらでもない。あまり興味が無いからな」

112: 矢橋P 25/06/30(月) 12:57:09 ID:nvsi

星梨花「なら……どうしてアイドルになろうとしたんですか」

ジナイダ「ジオット様からの命令だからだ。ジナイダの意志は関係ない」

星梨花(ジオット様?)

ジナイダ「ジナイダは一流の戦士だからな。いかなる任務も引き受ける!と宣言していたのだが、突然アイドルをやらされた」

星梨花「そうですか……」

ジナイダ「興味が無くとも宣言した以上アイドルとやらにも全力で取り組むつもりだ。が何も掴めないんだ」
 

113: 矢橋P 25/06/30(月) 12:59:28 ID:nvsi

星梨花「ジナイダさんはまずアイドルを好きになることから始めた方がいいと思います」

ジナイダ「アイドルを好きにか?」

星梨花「興味が無いことを無理やり学ぼうとしても覚えれないと思いますよ」

ジナイダ「うーむ。確かにそうかもしれないな」



星梨花「ジナイダさんの趣味や好きなことってなんですか?」
 

114: 矢橋P 25/06/30(月) 13:01:07 ID:nvsi

ジナイダ「趣味とは少し違うが一人でも多くの人間をヴァハラに送ることだな」

星梨花「ヴァハラ?」

ジナイダ「オマエのようなキレイな女には関係ない世界だ」

星梨花「え、ジナイダも可愛らしいですよ」



ジナイダ「どこがだ」

ジナイダ「オマエも思っているだろう。ジナイダの顔はロボットみたいだと」

星梨花「そんなことは……」



ガシッ

星梨花「!」

115: 矢橋P 25/06/30(月) 13:02:48 ID:nvsi

ジナイダ「触ってみての通りだ。ジナイダはロボットみたいなものだからな」

星梨花(ジナイダさんの体……、固くて金属みたいです)

ジナイダ「こんな姿に人としての希望なんかない。ならば戦士として全うする。それがジナイダの望みだ」





ギュッ

星梨花「大丈夫です!」

ジナイダ「オ、オマエ突然何を……」

116: 矢橋P 25/06/30(月) 13:05:06 ID:nvsi

星梨花「アイドルになるのにどんな体でもどんな境遇でも関係ないんです!」

ジナイダ「そ、そうか。それは任務を遂行するのには朗報だが」



星梨花「ジナイダさんはアイドルのこと知りたいんですよね」

星梨花「私はヴァハラってところはよくわからないですけど、一つだけわかります」

星梨花「アイドルはファンの為にいるんです。歌もダンスも全てはみんなを喜ばせる為のものなんです」

ジナイダ「そうなのか。喜ばせるなんて考えたこともないが……」

117: 矢橋P 25/06/30(月) 13:06:35 ID:nvsi

星梨花「ジナイダさん。まず笑ってみてください」

ジナイダ「あいにくこんな体だから顔も表情豊かというにはいかないぞ」

星梨花「たとえロボットでもきっと出来ますよ」


グイグイ


ジナイダ「ま、待て。顔を触るな」

星梨花「むー。本当に固いですね。眉毛をもうちょっと……」

ジナイダ「わかったわかった。笑顔とやらは後でジナイダで調整する」


スッ

ジナイダ「全く、大胆な娘だ。だがオマエの意見、参考にさせて貰う」
 

118: 矢橋P 25/06/30(月) 15:11:46 ID:nvsi

星梨花「ジナイダさん、私と友達になりませんか」

ジナイダ「トモダチ?」

星梨花「そしたら私はジナイダさんのファンになります。アイドルの第一歩ですよ」


ジナイダ「……まあいいだろう。トモダチになってやる」

星梨花「本当ですか!」

ジナイダ「ジナイダも任務のためならやぶさかではない。オマエは嘘をつかなそうだしな」

ジナイダ「これからもアイドルについて教えてくれ」





 

119: 矢橋P 25/06/30(月) 15:28:36 ID:nvsi

P「星梨花大丈夫だったか!」

桃子「何か変なこと言われてない?」



星梨花「別に何もないですよ」

星梨花「私、ジナイダさんとお友達になっちゃいました!」

P「あいつと友達!?」

昴「星梨花って……すげーな」









 

120: 矢橋P 25/06/30(月) 15:29:22 ID:nvsi
レッスン終了後








ケイ「今日はいいレッスン出来たわ」

静香「こちらこそいい刺激になりました。本番に向けてまたお願いします」




ケイ「……それと一つ気になったのだけど」

ケイ「私と九羽がこの劇場に入る前になんか心にざわめきを感じたの。聞いてみたら真珠星の永吉昴さんや箱崎星梨花さんも同じ体験をしたって言ってたわ」

121: 矢橋P 25/06/30(月) 15:30:39 ID:nvsi

静香「ケイさん達も感じたんですね」

ケイ「あなた達も?なら本物ね」


静香「シアターアイドルはみんな感じてます。はじめからというわけじゃなくてある日突然感じ始めたんです」

静香「ちょうど未来が加入した頃ぐらいからですね。未来は誰よりも先に感じてました」

静香「共通していることは社長やプロデューサーは感じなくてあくまでアイドルしか感じないようです」

ケイ「……本当に何かあるのかしら。この劇場」










 



122: 矢橋P 25/06/30(月) 15:32:12 ID:nvsi




P「みんな合同レッスンどうだった?」

星梨花「ちゃんとみんなに付いていけました!」

昴「九羽のやつ、じーっと星梨花の方見てたぜ。レッスン後に絡みにいかなかった辺り、何か思うところがあったんじゃねーかな」


桃子「強化レッスンしていなかったら桃子は置いていかれてたね。千鶴さんにお礼言わないと」

P「みんな成果を出せたみたいだな。この二カ月よく頑張った」

P「今後ステージに上がる仕事をどうするか。このレッスンの内容次第で考えるって約束だったけど考えるまでもなく合格だ」

P「次からステージの仕事も入れよう。また忙しくなるぞ」

桃子「この二カ月間でだいぶ体力付いたからね。望むところだよお兄ちゃん」
 

123: 矢橋P 25/06/30(月) 15:33:57 ID:nvsi

桃子「シアター感謝祭でちょっとした寸劇があって桃子達も参加するんだけど桃子としてはそれが一番嬉しいかな」

星梨花「そうです!私、お姫様の役なんですよ」

P「そうなのか」

星梨花「静香さんが王子様でケイさんが護衛騎士」

昴「オレはその付き添い兵士1ってところだな。九羽のやつが悪役令嬢役で最後までぶーたれていたよな」ニヤニヤ

桃子「桃子はお告げを出す精霊役。桃子、演技だったら誰にも負けないよ!」

P「そうか。演技の仕事も取れるよう頑張るよ」

桃子「頼んだよお兄ちゃん!」


 

124: 矢橋P 25/06/30(月) 15:35:53 ID:nvsi

ちなみにアイドルショーウィンドウを終えてから上守甲斐から連絡が来ることは無くなった
とある人から聞いた話だと上守甲斐はショーウィンドウが終わるまでツナミグループの上層幹部としての仕事を放り投げてまでアイドル業界に尽力を注いでいたらしい
アイドルショーウィンドウが終わった今、元のツナミグループ日本代表の業務に戻ったのだろう

……ただアイドル業界はおろかツナミグループとしても顔を出さなくなってきている
少なくともこの二カ月は顔を見ていない。こないだの定例発表も代理の人間がやってたし
 

125: 矢橋P 25/06/30(月) 15:37:09 ID:nvsi
……って、あれだけ上守甲斐のことは嫌いだったじゃないか。何を思っているんだ俺は!





だけどアイドル業界総括者として奮闘している彼女は……嫌いじゃなかったな
色々上からされたのは癪だったけど結果的に良くしてもらったし


決して寂しく感じているわけじゃないぞ!










 


126: 矢橋P 25/06/30(月) 19:09:22 ID:Nr5t
そして数週間後 

シアター感謝祭当日




P(あれから何回もレッスンや打ち合わせを行っていよいよ当日を迎えた)

P(765プロが主催な以上、主役ではないとはいえ真珠星が一日がかりの大きなイベントに参加するのは初めて)

P(イベントの規模でいえばアイドルショーウィンドウの方が上だが、最初から最後まで関わらせてもらえるのはありがたい限りだな)

P(桃子は昨日寝るまで台本を読んでいたし星梨花はなかなか眠れないようだった。星梨花も桃子もこの日をとても楽しみにしていたみたいだ)
 

127: 矢橋P 25/06/30(月) 19:11:45 ID:Nr5t
765プロ劇場前






昴「いつも感じてたけど……今日は一段と強く感じるな」

星梨花「本当ですね。頬がピリピリします」


桃子「いつも言ってる謎の感覚?お兄ちゃんと桃子は何も感じないんだけど」

P「うーん、信じがたいんだが本当に何かあるのか?」


星梨花「あとジナイダさん、今日は客席で私達のライブを観戦してくれるみたいです」

桃子「うげ……。それは逆に知りたくなかったかも」







 

128: 矢橋P 25/06/30(月) 19:12:57 ID:Nr5t
そして

控え室





星梨花「みなさん今日はよろしくお願いします」

ケイ「ええ。これまでのレッスンの成果を発揮しましょう」


九羽「星梨花、今日のところは共闘といこうぜ」

星梨花「そうですね」スッ

九羽「ん?手を差し出し……って握手かよ。まあ今回だけだぜ」

129: 矢橋P 25/06/30(月) 19:13:53 ID:Nr5t
ギュッ



星梨花「このイベントに参加させてくれた765プロの方々とファンのために」

九羽「今日はブラスジョーカーズと真珠星で盛り上げていこうぜ!」




ひかり「メインは765プロの皆さんなのよ。なに主役面してるんだか」

昴「まあいいじゃん。オレ達だって盛り上がってもいいんだからさ」




そうしてリハーサルも終えて……

本番が始まった
 

130: 矢橋P 25/06/30(月) 19:16:13 ID:Nr5t



<ブーーーーーーー





ザワザワ ザワザワ





静香『本日は765プロシアター公演。シアター感謝祭にお越しくださりありがとう御座います』っマイク

志保『この公演は普段と違う特別な公演となっております。どうぞ心からお楽しみください』っマイク

美奈子『普段の公演より長めとなっていますのでトイレや体調には充分気をつけてね』っマイク

奈緒『それと今日は私達以外にも他のアイドルが来てます。彼女達のことも応援したってな』っマイク

可奈『もう知ってるかもしれないけど私達と同じDランクの真珠星にブラスジョーカーズ。どっちもすご~いユニットだから目が離せないかも!でも私達も応援してね』っマイク


未来『それじゃシアター感謝祭。開演です!』




 

131: 矢橋P 25/06/30(月) 19:20:00 ID:Nr5t

そうして三プロダクション合同のシアター感謝祭は始まった


まず全員で『MUSIC♪』を歌い

『Colorful Days』を美奈子、奈緒、ひかり、桃子で歌って

『edeN』を志保、ケイ、昴で歌ったかと思うと

 未来と星梨花で『shiny smile』を歌い

『L・O・B・M』を静香と九羽で歌ったりもした


ユニットの垣根を越え型にはまらないセットリストに会場も盛り上がっていたようだ



そして休憩を挟みつつ第二部スタート……という前に例の寸劇が始まった

 

132: 矢橋P 25/06/30(月) 19:22:07 ID:Nr5t

ナレーター役 可奈&志保

可奈『ここはミリオンワールド。そのとある村に一人のお姫様がいました』








照明・音響室(ステージを遠目に見ながら照明や音響を調整する部屋)



P「765プロ劇場では普段からこういう演劇もやっているんですね」

源P「毎回ではないですけどね。でもファンからも評判がいいんですよ」

源P「今回の原稿もアイドル達自ら考えたものです。今回は配役も多いからみんな普段より楽しそうに考えていましたよ」

P「いえいえ、ウチの桃子も演劇が出来てとても喜んでいました」


※Pと源Pしか居ないですがブラスジョーカーズにはプロデューサーが居ない設定です

133: 矢橋P 25/06/30(月) 19:23:55 ID:Nr5t


星梨花『あなたが王子様なのですか?』

静香『ああ、そうさ』

九羽『何ぃーー、王子様だって』キーー

ケイ『無礼者!控えろ』









照明・音響室



P「よし物語もクライマックスだ」

源P「静香のイケメン王子様役がここまでハマるとはなぁ」









ジーーーーー



\バチン!/

134: 矢橋P 25/06/30(月) 19:24:43 ID:Nr5t

\パッ/    \パッ/    \パッ/    \パッ/








星梨花「え?」

静香(電気が消えた!?)

九羽(何だこれは。どうなってやがる)

135: 矢橋P 25/06/30(月) 19:26:48 ID:Nr5t

ザワザワ  ザワザワ  ザワザワ  ザワザワ  ザワザワ



「照明が消えたぞ」  「見えない」  「どうなっているんだ」











照明・音響室



源P「これは!」


P「……ステージだけではありません。この部屋や廊下の照明まで消えてます」

P「おそらく劇場の全ての電気系統が止まっているかもしれません」

P(だが本来全ての建築物の電気系統は幾つかに分かれていてそれぞれにブレーカーがある。一部ならまだしも全て落ちることはあり得ないはずだが……)


源P「なら直ちに電源を復旧しないと。大元のブレーカーは電気室にあったはずだ」

136: 矢橋P 25/06/30(月) 19:28:15 ID:Nr5t

スタッフ1「ですが廊下の照明も消えている以上、我々が電気室にたどり着くのも簡単にはいきませんよ」

スタッフ2「こんなことは事前代未聞です!」

源P「ぐ……」



P「……今、一番困るのが客席がパニックになることです。幸い地震や火事とかではないからすぐパニックになることはないだろうが……」

源P「困ったな……音響の電源も止まっているから会場にアナウンスを流すことも出来ない」
 

137: 矢橋P 25/06/30(月) 19:29:58 ID:Nr5t

高木社長「一旦落ちつこうか」

源P「社長!」



ピカッ


高木社長「このシアターには非常時に備え懐中電灯が各部屋に備え付けられている」

高木社長「まずは近くの部屋を巡って懐中電灯を集めよう」

高木社長「灯りを確保したら源P君とスタッフ達で二手に分かれる。電源復旧の方と会場に呼びかける係とだ」

高木社長「電源復旧メンバーはそのまま電気室に行ってもらう。会場に呼びかけるメンバーは倉庫に行く」

P「倉庫?」

高木社長「倉庫には街頭で使うための電子メガホンがあったはずだ。電子メガホンは電池で動くものだから停電中でも使うことが出来る。それを使い会場内が混乱しないよう呼びかけなければいけないだろう」


P(すごい、適切な指示だ)

138: 矢橋P 25/06/30(月) 19:32:30 ID:Nr5t

高木社長「源Pくんはそのままアイドル達に今の状況を連絡してほしい。確か今アイドル達はインカムを付けているはず」

高木社長「電源の復旧を全力で取り組むが……場合によっては公演を中止にしなければならない。と伝えてくれ」

源P「……っ」



高木社長「悩むのは後だ!事態は一刻を争う。皆、急ごう」


P「私に何か出来ることはありませんか」

高木社長「君はシアターの地理に詳しくない。下手に動かずここにいたまえ」

P「……わかりました」

P(くそっ!)








 

139: 矢橋P 25/06/30(月) 19:33:29 ID:Nr5t



ケイ「これは……」

昴(マイクの音源も消えてる。照明だけじゃないみたいだな)

九羽(どういうことだ。クソッ!)




星梨花「静香さん……」ヒソ

静香「大丈夫よ。プロデューサーやスタッフを信じましょう」ヒソ


静香「どん底から立ち上げたシアターをみんなで頑張って盛り上げて」

静香「ようやく盛り返してファンも付いてきて、これはその感謝を伝えるライブなの」

静香「……こんなトラブルに動じてたまるもんですか!」

星梨花(静香さん……)

140: 矢橋P 25/06/30(月) 19:42:28 ID:Nr5t

源P『おーい』

静香『プロデューサー!』

源P『よかった。寸劇だったからマイクじゃなくてインカムだったのが幸いだった』

静香『状況を説明してください』

源P『こちらもまだわかんないんだ。電気が落ちた原因は不明。復旧に急いでいるが……長引くようなら公演を中止にしなくてはいけない』

志保『それは……』

静香『駄目よ。せっかくここまで来たのに……』

源P『俺も同じ気持ちだ。中止は最悪の場合の時だ。復旧に全力を尽くから今は信じて待っていてくれ』


 

141: 矢橋P 25/06/30(月) 19:46:00 ID:Nr5t

ザワザワ ザワザワ ザワザワ ザワザワ






「何も見えないぞ、遅いなー」

「演出かと思ったけど違うのか?」

「手元も見えないや、スマホスマホ」

「マジもんのトラブルなの?」







静香「う……」

星梨花(暗闇で表情が見えませんが傍にいるだけで静香さんの焦りが伝わってきます)

星梨花(こんなにみんなの気持ちが込められた公演を中止にしたくありません)

142: 矢橋P 25/06/30(月) 19:54:13 ID:Nr5t

ドクン!



星梨花(どうか、どうか!)



ドクン!ドクン!





九羽(何だ)

ケイ(この感じ……)

奈緒(美奈子)ボソ

美奈子(うん、感じる)ボソ




昴(うっ、この感覚。覚えがある)ハッ

昴(これは、10年前パライソホールでオレが魔球を投げた時と同じ……)




静香(そうだ!)

静香(私が開拓高校の裏山で千羽矢さんを庇ったあの時の……)
 

143: 矢橋P 25/06/30(月) 20:01:56 ID:Nr5t



 \パァァ……ッ/





その時、箱崎星梨花は会場にいる全員を釘付けにした
客席のファン達も同じステージに立っていたアイドル達も
暗闇の中で箱崎星梨花から発せられる煌めきを凝視せざるを得ななかったのだ

星梨花の体そのものから光が溢れ出し、傍に居た静香やケイや九羽をステージをも照らしている


しかもその光はこの真っ暗なステージから見ても眩しくなく優しく目に入る、柔らかで優しい光だった
最新のLEDを使ったとてこの光は生み出せないであろう
正に星梨花の優しさを体現したような”心の中から生まれた”光のようだった

144: 矢橋P 25/06/30(月) 20:03:05 ID:Nr5t


星梨花「え……。この光、私が?」パァァ


九羽(どういうことだ?あんなの打ち合わせにゃねえぞ)

桃子(星梨花さん?)

昴(これは……間違いない。具現化だ!)






「すげーーーー」

「おおっ、こんな演出かぁ」

145: 矢橋P 25/06/30(月) 20:04:23 ID:Nr5t





P「あれを星梨花が!?」

P(星梨花は超能力者でもサイボーグでもないはずだ。一体何が起きている?)





静香(思い出した。この感じ開拓高校の裏山で千羽矢さんを庇った時と同じ!)



ドクン!ドクン!



静香(出来る。理由はわからないけど確信がある)

静香『志保、可奈。みんな!このまま続けるわよ』

志保『静香あなた何を……』

146: 矢橋P 25/06/30(月) 20:06:31 ID:Nr5t


\バサッ/





星梨花「静香さん!?」


九羽(今度は静香の背中に羽が生えただと!)

ケイ(どういうことなのかしら)

未来(これって、あの時の!)

翼「え~。静香ちゃんずるい~」

147: 矢橋P 25/06/30(月) 20:07:44 ID:Nr5t


\オオーーーーーッ/




昴(今度は静香もか!あれは開拓高校で発現した静香の超能力。あの事件以来発動したことはなかったはずだろ)


ドクン!ドクン!


昴(まさか……ずっと感じてたこの感じは……)




静香「おお、なんて美しいんだ。思わず僕の真の姿を出してしまったよ」





星梨花(電源が落ちて劇場内のスピーカーが機能していないのに会場に響き渡る澄みきった声……)

昴(背中の翼だけじゃない。これが静香の具現化か)

148: 矢橋P 25/06/30(月) 22:07:36 ID:Nr5t

照明が落ちたシアター内に星梨花が発する輝きと
静香の背中から光を反射しながら舞い散る羽毛
それは一枚の絵画のようだった


その圧倒的な光景に観客も周りにいるアイドル達ですら息を呑み
時間が経つのも忘れるぐらいだった













ジーーー



バチン!

149: 矢橋P 25/06/30(月) 22:09:05 ID:Nr5t


\パッ/    \パッ/    \パッ/    \パッ/




P「電気が戻った!?」



志保(でも、星梨花さんの光と静香の翼は戻らないか)

可奈(私達が見たあの光景、夢や幻ではないみたいだね)




結局寸劇はぐだぐだになってしまったが”あのシーン”のインパクトで観客はさして気にしていないようだった

寸劇のあとステージを降りると星梨花の光も静香の翼もいつの間にか消えていた
あれは一体何だったのか?
そんな疑問を抱かせる暇もなく公演が進み、公演は何とか終幕したのだった








 

150: 矢橋P 25/06/30(月) 22:10:18 ID:Nr5t
公演終了後 

劇場控え室







翼「ねー、ねー!静香ちゃん、あれは何なの~」

ケイ「あまり問い詰めることはしたくはないのだけど……」

九羽「知らないままじゃ気になって一晩中寝られそうにないからな」

志保「……」

奈緒「静香もそうだけど星梨花の方も気になるわ」

美奈子「流石に二人同時は何かあるよね」

151: 矢橋P 25/06/30(月) 22:11:31 ID:Nr5t

星梨花「実は私達もわからないことだらけなんです」

静香「わかっていることはちゃんと話すわ。まずプロデューサーの話を聞いてからよ」






ガチャ


源P「みんな!」

未来「プロデューサーさん!」
 

152: 矢橋P 25/06/30(月) 22:17:30 ID:Nr5t


ガバッ



源P「みんな、大事なステージでトラブルを起こしてしまってすまない」


静香「そんな。プロデューサー、顔を上げてください。何とか無事終わることが出来ましたから」

ケイ「ええ、私達もいい経験になったわ」

九羽「皮肉じゃねーぜ。仕方ねえってことよ」

153: 矢橋P 25/06/30(月) 22:18:38 ID:Nr5t

志保「あれから電源が落ちた原因はわかりましたか?」

源P「いや、わからない」

ひかり「でも途中で復旧しましたよね?」

源P「スタッフに聞いてみたら何もいじっていないらしい。こちらが動かす前に勝手に復旧したんだ」

桃子「えっ!そんなことあるの?」

P「それじゃまるで……」
 

154: 矢橋P 25/06/30(月) 22:21:39 ID:Nr5t

昴「星梨花と静香が覚醒するのを見計らったようだ……だよな」



みんな「「「!!??」」」



昴「星梨花と静香の現象。あれは『具現化』ってやつだ」


静香「やっぱり……」

P(あれが百合子が言ってた具現化!?実際に目で見るのは初めてだ)

桃子(茜さんや環のブレスレットやイーエスと同じ……)

155: 矢橋P 25/06/30(月) 22:23:00 ID:Nr5t

源P「あの現象について何か知っていんですか」

昴「オレも詳しいわけじゃないけどな」

桃子「桃子も少し知ってる。人の思いが形になること……だよね」

昴「そうだな。多分、星梨花のあの状況を何とかしたいって気持ちがあの光を生み出したんだ」



星梨花「私の光に静香さんの翼、ステージから降りたら消えてしまいました」

奈緒「そうなん?」

静香「おそらくですけど……あの力、ステージの上じゃないと使えないみたいです」
 

156: 矢橋P 25/06/30(月) 22:24:35 ID:Nr5t

静香「それに……みんな最近この劇場に何か不思議な感じがしましたよね」



 「…………………………」



静香「具現化が発現した際にそれと同じ感覚を強く受けました。無関係ではないと思います」

美奈子「今回の現象の根本の要因がこの劇場にあるかもしれないってこと?」

昴「具現化が人の気持ちによるものだとしたら……。アイドルの思いが集まるこの劇場は具現化を生みやすい場所なのかもな」
 

157: 矢橋P 25/06/30(月) 22:25:44 ID:Nr5t

九羽「……ってことはよ。その感覚を感じれる私にも同じことが出来るかも知れないってことか!」

P「え……?」


ケイ「アイドルが使える不思議な力、ちょっと興味あるわね」

翼「静香ちゃんだけ使えてずる~い。私だって使いたいよ」

静香「ちょっと、そんなアニメに出てくる魔法みたいに言わないで」

未来「でも静香ちゃんの言う通り、魔法みたいで面白いかも」

奈緒「実際あのシーン評判よかったで」

可奈「シアター公演で出来ること増えるかな~」

志保「味を占めちゃだめ。演出頼りになって基礎が疎かになるわよ」
 

158: 矢橋P 25/06/30(月) 22:26:37 ID:Nr5t

桃子(……桃子は具現化のことは前から知ってて別に具現化に抵抗はない)

桃子(けど……みんなが感じている不思議な感覚がわからない)

桃子(桃子には具現化使えないの?また……桃子は仲間はずれなのかな)ブルブル
 

159: 矢橋P 25/06/30(月) 22:28:09 ID:Nr5t

源P「とにかく今回の件はもう少し調査する必要があると思う」

志保「そうですね。それまで静香はあの力使うの禁止よ」

静香「言われなくてもわかっているわよ」


昴「星梨花もな」

星梨花「はい!」

P「口外もしない方がいいでしょう。こんなことが広まったら大騒ぎになる」

160: 矢橋P 25/06/30(月) 22:29:19 ID:Nr5t
ひかり「……それなんだけど」

九羽「どうしたひかり姉」

ひかり「もうSNSで拡散されてるみたいよ」



昴「げ……」

源P「不味いですね」

静香「どうして!?まだ公演が終わったばかりよ!」


ひかり「停電中で明かりを確保するためにスマホの電源を入れた人がいたみたいね」

可奈「そのスマホであの場面をバッチリ撮られちゃったか~」

P「大変なことになりそうだな……」








 

161: 矢橋P 25/06/30(月) 22:29:54 ID:Nr5t
その日の夜



-テレビ通話中-




ジオット「突然ですまないね甲斐くん」

甲斐「……いえ。大丈夫です」

ジオット「おや、声の調子が良くないようだけど体調が悪いのかい?」

甲斐「……ええ。少し体の調子を崩しました」

ジオット「忙しいのはわかるけど体調管理はしっかりとね。これからが大事な時だからさ」

162: 矢橋P 25/06/30(月) 22:30:56 ID:Nr5t

甲斐「……それでどのような要件ですか」

ジオット「いてもたってもいられなくてさ。動画を見たよ」ウキウキ


甲斐「動画……ですか」

ジオット「おや知らないのかい?シアター感謝祭の動画だよ。まあ今はそこまで騒ぎになっていないけど」

甲斐「……把握していませんでした」

ジオット「今映像を送るからすぐ見てくれ」






 

163: 矢橋P 25/06/30(月) 22:31:50 ID:Nr5t






甲斐「これは……具現化ですか」

ジオット「そうだね。いやあ、ようやくだ。ここまでに七年かかったよ」

甲斐「どういうことです?」

ジオット「君にはまだ話していなかったね。これこそが僕の狙いだったんだよ」

ジオット「ツナミグループにアイドル部門を作り、アイドル業界を支援してきたのも全てはこのためさ」

甲斐「……"アイドルは具現化と相性がいい”でしたか」
 

164: 矢橋P 25/06/30(月) 22:32:33 ID:Nr5t

ジオット「そうさ。それで甲斐くん、この映像を世界中に拡散してくれ。いかなる手を使ってもね。予算もいくら使っても構わない」

甲斐「一定のアイドルに肩入れし過ぎるのはいかがかと思うのですが」


ジオット「これは命令だよ。必ずやりなさい」

甲斐「……理由だけでもお聞きしてもいいですか」
 

165: 矢橋P 25/06/30(月) 22:39:29 ID:nvsi

ジオット「甲斐くん、ゴールデンハムスターの話は知ってるかい」

甲斐「あのかわいいねずみが何か?」

ジオット「ありふれた生き物と今では思われているみたいだけどさ、昔はそうでもなかったんだよ」

ジオット「1930年にシリアで1匹のメスとその12匹の子供が捕まるまではね。世界中で飼われているハムスターはみ~んなその連中の子孫だ」

ジオット「彼ら以外のハムスターは捕まっていないんだよ」


甲斐「……そうですか。興味深い話ですね」


ジオット「だからさ、僕は思うんだ。野生のハムスターなんてものはもともとこの世には存在していなくて誰かが望んだんじゃないかって。『わたし、ちっちゃくてかわいいペットがほしい』ってね」


甲斐「つまり……具現化によって生まれたと」

166: 矢橋P 25/06/30(月) 22:42:38 ID:nvsi

ジオット「そのとおり!」

ジオット「今回の件も同じ、世界中の人が認知すれば想像のものから現実のものになるんだ」

ジオット「具現化とは信じる力でもある。大勢の人が信じればそれは存在することになるのさ」

甲斐「ジオット会長の狙いは具現化をこの世界に定着させることですか」

ジオット「そういうこと。”その後”は後々説明するよ」

ジオット「キャッチコピーも作ろうか。そうだな、『アイドルは魔法が使える』なんかどうだい?」

甲斐「……検討します」
 

167: 矢橋P 25/06/30(月) 22:46:07 ID:nvsi

ジオット「アイドルがステージ上で不思議な力を使うことはこの通り想像上の現象ではなくなった。あっという間だよ、すぐ三人目四人目が現れるだろう」

ジオット「これからが楽しみだね」



甲斐(箱崎星梨花、最上静香……)

甲斐(私の選別は正しかった。ですがこのような形になってほしくなかった)ググッ













 

168: 矢橋P 25/06/30(月) 22:49:34 ID:nvsi
とある場所





ジナイダ「フンフン、フフーン」

ホンフー「おや、ジナイダ。ずいぶん気分が良いようですね」


ジナイダ「ホンフーか。遂にジナイダの本懐がわかったからな」

ジナイダ「ジオット様も注目されたあの映像のライブにジナイダも居たのだ」

ホンフー「あれを間近で見たのですね。これで我々の計画も前に進めますよ」
 

169: 矢橋P 25/06/30(月) 22:52:58 ID:nvsi

ジナイダ「ジナイダがアイドルになる意味がようやく理解した」

ジナイダ「ジオット様はジナイダにあの力を身につけさせるためにアイドルになれと命じたのだ!」


ホンフー「いや、それは……」

ジナイダ「さすがジオット様は全てわかっていらっしゃった。ジナイダが読み切れなかっただけなのだな」

ジナイダ「しかもジナイダは運がいい。あの具現化を発現した箱崎星梨花とトモダチになったのだ」

ジナイダ「ぜひとも彼女からあの力について教えてもらわねばな」フンス


ホンフー(まあこの子が喜んでいるのならそういうことにしておきましょうか)














第八章   終わり

170: 矢橋P 25/06/30(月) 23:10:13 ID:nvsi

今まで普通のアイドルの物語だったのにどうしてこんなトンチキなことやり出したの? と思われたかもしれません


このSSの題材となったサクセスはパワポケ14の『燃えろ!魔球リーグ編』です

そうです、“魔球“リーグなんです

ストーリーをかいつまんで説明すると
主人公はちょっとだけ特殊な野球しかない小学生
彼がとある試合で“魔球“を世界で初めて投げてしまい、それから世界中で魔球を投げる子供が現れ始める
やがて世界そのものを揺るがしていく……

というものです
ですから具現化もこのSSに欠かせない大事な要素となっていきます

171: 矢橋P 25/06/30(月) 23:15:21 ID:nvsi
賛否両論あるかもしれませんが自分は魔球リーグ編のストーリーは好きです

なぜならやらせでもなく本当の意味で
    
    野球で世界を救う話 ですから


それをアイドルで再現するのがこのSSです

172: 矢橋P 25/06/30(月) 23:26:06 ID:nvsi
あとミリオンなら具現化とも相性が良いなぁと思ってる次第で
ミリアニの2話の幻想も10話のアルティメットもがみんも全部、具現化ということに出来ますからね
(げき子も?)


あと、ミリシタ感謝祭復活しないかなぁ。
と強くこの話を書いている途中で思いました



あ、ジナイダさんってどんなキャラ?と思ってググらない方がよいと思います
姿を見るときっと驚くよ

173: 矢橋P 25/06/30(月) 23:29:40 ID:nvsi

ジナイダ   ツナミのニューアイドル

ツナミグループから新たに誕生したニューアイドル
起伏の少ない細かくまとまったスタイルに珍しくもない短髪
何より表情が硬いを通り越してロボットみたいだということで可愛げが皆無であり、アイドルとしての評価は低い
体を触った星梨花曰く、金属みたいだというが……

本人はヴァルハラという言葉を多用する
これは死後の世界を意味する言葉であり、ジオットから与えられた表現である ●

174: 矢橋P 25/06/30(月) 23:32:00 ID:nvsi

ホンフー   「超」能力者

元世界一の暗殺者にして超能力者。最近は体術の振るう相手がいないので工作がメイン
世界一の権力者、ジオットの”側近”を許される実力者

彼以外にもジオットはお気に入りの人間を探し出し、ツナミとは関係なく独自の私兵を”側近”として手元に置いているという ●

175: 矢橋P 25/06/30(月) 23:34:43 ID:nvsi

ジオット   支配者

本名ジオット・セヴェルス。ツナミグループ全会長
世界の全ての経済を掌握しているツナミを統治しているということは世界で一番の経済力と支配力を持つということであり、彼に逆らえる者はいない

元々紛争が絶えないの貧しい地域の出身でそこで”地獄”を味わい
そこからマフィアのリーダーとしてのし上がったところをジャジメントの前会長、ゴルトマンに見出されジャジメントの幹部になる

その後、弱腰の経済派に見切りをつけ内乱を起こしジャジメントのトップに就き
その勢いのまま最大の障壁だった大神を平伏させ吸収、世界最強のツナミグループが誕生した


富も権力も世界中の誰よりも手中に収めている彼が今、望むものとは…… ●

176: 矢橋P 25/07/02(水) 07:04:12 ID:OAd9


第九章    『復讐』

 

177: 矢橋P 25/07/02(水) 07:05:15 ID:OAd9

シアター感謝祭が、星梨花が"具現化”を発現してから数日が経過した

あのライブの後765プロのプロデューサーは迅速に動きSNSに投稿された動画投稿者に動画を削除するよう働きかけた
元々ライブの映像をスマホで投稿するという行為自体、違反行為だったことあり直ぐに対応してくれた
更にセンターの最上静香さんが先頭に立って今回の件は事故でありアクシデントであったと素直にファンに公表
だからあの出来事をあまり広めないでほしいと訴えた

今回のシアター感謝祭は筋金入りの765プロシアターのファンばかり
静香の誠実な態度を前にしてに反発が起こるわけもなく受け入れられ騒ぎになることはひとまず避けられた
 

178: 矢橋P 25/07/02(水) 07:09:41 ID:OAd9


だったのだが……
その後とある映像が拡散され世間を騒がせることになってしまった
それは削除したはずの動画が何者かによって復元され再びSNSに上げられた
しかも『アイドルが起こした魔法!』として大々的に

投稿者は不明だがSNSに影響力がある人物みたいでファンがこっそり上げた最初の動画なんか比較にならない程に回覧数は伸びた
元々アイドルブームの最中であり、新しいアイドルの可能性だと伝えられるとたちまちアイドルファンはこの話題に食らいつき大騒ぎ
瞬く間に世間の話題をかっさらった
 

179: 矢橋P 25/07/02(水) 07:11:08 ID:OAd9

ただ幸いなことは投稿者がどこのステージなのか明言せずぼかしていること
そしてアイドルや背景にモザイクをかけて具現化を発現している人物が星梨花や静香だということをわからなくさせていることだった
投稿者はあくまで”アイドルが不思議な力を使った”としか公表せず、その不可解さにフェイク動画じゃないかという声も少なくない


とにもかくにも星梨花が奇異な目で見られることは避けれたので本当に助かった
しかし悪戯にしては中途半端だしバズり狙いとしても妙だ。投稿者は何が目的なのだろうか
 

180: 矢橋P 25/07/02(水) 07:11:49 ID:OAd9

それともう一つ気になることは桃子のことだ
桃子はあのステージ以来、レッスンが終わって帰ってくると一人で塞ぎ込むことがある
心配した星梨花が声をかけると気を悪くしてかえって逆効果のようで
これは俺が何とかしなきゃいけないな……








 

181: 矢橋P 25/07/02(水) 07:12:36 ID:OAd9
数日後

ヒーロー連合 秘密のアジト前










グントラム「ここか、奴らのアジトってのは」

ブラッド「そのはずだけどな」

182: 矢橋P 25/07/02(水) 07:13:44 ID:OAd9

スッ




莉緒「動かないで手を挙げて」?チャキ



グントラム「大した歓迎だな」

ブラッド「おいおい、俺達はお前達の増援に来たんだぜ?」

183: 矢橋P 25/07/02(水) 07:15:04 ID:OAd9

莉緒「サイレントジョーカー。彼らで間違いない?」

瑞希「確認してみましょう」スッ

瑞希「ちょっと失礼します」




グントラム「もう一人いたのか。お二人とも俺達の背後を容易く取るとは。可愛い顔してアメリカ軍より優秀じゃねーか」




瑞希「……間違いないですね。失礼しました、サイボーグ同盟のグントラムさんとブラッドさん」

莉緒「手荒な真似してごめんなさいね。でもこれくらいの用心は当然なの」


グントラム「俺ぁ、気にしないぜ。むしろ気に入ったぜ、姉ちゃんよ!」

ブラッド「ピリピリしてんなぁ、とりあえずおたくらのリーダーに合わせてくれ」









 


184: 矢橋P 25/07/02(水) 07:16:28 ID:OAd9
アジト内






朱里「遠路はるばるお疲れ様。私がヒーロー連合のリーダー、ウェポンストレージよ」

ブラッド「サイボーグ同盟のブラッドだ」

グントラム「同じくサイボーグ同盟のグントラム。コードネーム『ウルフェン』と言った方が分かりやすいか?」



瑞希(グントラムさんの見た目は大柄の狼男が軍服を着ているような姿です)

瑞希(それはコスプレなどではありません。コードネーム『ウルフェン』。アメリカ軍が密かに研究していた人間の細胞を原始の動物へと先祖帰りさせる実験の過程で偶然生まれてしまった超人です)

瑞希(かつてアメリカ軍に在籍し、途中でジャジメントに引き抜かれたものの抜け出して今はサイボーグ同盟に所属しているようです)

185: 矢橋P 25/07/02(水) 07:17:19 ID:OAd9

ブラッド「俺達はヘルガ団長の命令でヒーロー連合に助太刀しに派遣されてきた。しばらくの間よろしく頼むぜ」

莉緒「ええ。助かるわ」



莉緒「一応みんなで自己紹介するわね。私はシャドウグレイス」

瑞希「私のコードネームはサイレントジョーカー……だぞ」

育「モバイルプリンセスだよ。そしてこの子が相棒のイーエス」

イーエス「よろしくね」
 

186: 矢橋P 25/07/02(水) 07:19:19 ID:OAd9

ブラッド「それで、肝心のピース・メーカーは?」

朱里「ピース・メーカーはビタースウィートと一緒に別なところに避難しているわ」

グントラム「信頼が無いうちは同盟相手でも会わせるわけにはいかないってか。それくらいの警戒はしてるみてぇだな」

朱里「そうよ。ピース・メーカーがツナミの手に渡ったら世界は終わりだもの」


グントラム「そうだ。おたくのエースはどうした。大神一族の従兄弟……」



チャキ


朱里「彼女はレッドウルフよ。その呼び方は二度としないでね」ニッコリ

グントラム「ああ、悪かった」タラー


ブラッド(怖えー)

187: 矢橋P 25/07/02(水) 07:21:30 ID:OAd9

朱里「レッドウルフは私用で出かけてる。今日中には戻るわ」


グントラム「しかしこれで全員か?ビタースウィートって奴を入れても七人しかいねーじゃねーか」

朱里「ほんとはもっといたのよ。こないだデイライトに別のアジトを襲撃されてね。そこで半分がリタイア」


グントラム「ほう、あのデイライトがねぇ。こりゃ、やっこさんも本気みたいだな」

育「デイライトさんを知ってるの?」

グントラム「まだアメリカ軍に所属していた時に対峙したことがある。……俺の部下が奴の手によって一瞬で皆殺しにされちまった」

育「う……」
 

188: 矢橋P 25/07/02(水) 07:22:54 ID:OAd9

朱里「あたしも八年前の大神とジャジメントの争いの時に遭遇しているわ」

グントラム「なら知ってるんだろ。奴の超能力は」

グントラム「はっきり言うぜ。俺も含めて奴とまともに一対一で戦って勝てるやつはこの中にはいない。遭遇したら即撤退を推奨するぜぇ?」

朱里「多勢で挑もうにも奴の能力に人数は関係ないわ。つまり現状はデイライトと交戦してもほぼ勝ち目は無し」


ブラッド「うえ……。俺もう帰っていいか?」

朱里「うふふ、ダ・メ・よ」


 

189: 矢橋P 25/07/02(水) 07:24:32 ID:OAd9

グントラム「俺も色んな組織を転々として様々な奴らを相手にしてきたがやはりツナミは格が違うねぇ」

グントラム「デイライトが相手なだけに"お先真っ暗”ってか!」



育「なにそれー。ちっとも面白くないよ」

莉緒「軍人上がりのジョークってどうしてこうなのかしら」


グントラム「グハハ!まあ、こんなことを言い合えるうちはまだ何とかなるってもんよ」

朱里「そうね。今までツナミ相手に楽な戦いなんか一度もなかった。あたし達にとってはこれが平常運転、いつも通りよ」

莉緒「勝ち目が無いのはまともにぶつかった場合ね。戦術次第じゃいくらでも覆せるわ」

瑞希「今対策を考えているところです。お二人もご協力お願いします」











 

190: 矢橋P 25/07/02(水) 09:18:28 ID:OAd9
日本   とある秘密の場所








デイライト「ミスター・ホンフー。ヒーロー連合の居場所について何か知っていますか?」

ホンフー「ヒーロー連合のアジトの一つを教えてあげたじゃないですか」

デイライト「確かにそこにヒーローの連中は居た。がそこにはピース・メーカーは居なかった」

デイライト「久々の日本で暴れるのに軽い肩慣らしにはなりましたがね」
 

191: 矢橋P 25/07/02(水) 09:21:03 ID:OAd9

デイライト「ミスター・ジオットからピース・メーカーをヒーロー連合から奪還することを命じられたが今のままでは任務を遂行するのはとても困難だ」

デイライト「私は日本の地理に詳しくない上に"ミス・上守甲斐に気付かれるな”と指示を受けている。それはつまりツナミグループ日本支部の協力を得られないことを意味している」


ホンフー「あなたは8年前の戦争で悪目立ちし過ぎましたからねぇ。この国であまり目立っては困るのですよ」

ホンフー「まあまあ焦らない。面白い趣向を考えていますから、それまでお楽しみに」





デイライト「……ところでミスターホンフー。最近のミスター・ジオットについてどう思っている?」

ホンフー「おや、ジオットに不満でも?」

192: 矢橋P 25/07/02(水) 09:24:31 ID:OAd9

デイライト「不満というわけではないが……」

デイライト「ツナミもといジャジメントが大神を潰し世界を制したのは我々、超能力者部隊の力が大きい」

デイライト「だが!あれからミスター・ジオットは全く超能力者を増やさず、熱を入れているのはアイドルと具現化のことばかり」

デイライト「組織の一部の者はジオットが超能力者のランク付けを辞めてアイドルにランクを付けることの方に躍起になっていると囁いています」
 

193: 矢橋P 25/07/02(水) 09:26:06 ID:OAd9

ホンフー「中国の九頭竜、ヨーロッパのカエサリオン、そして日本の大神。敵対勢力を全て”叩き潰した”までは良かったがやり過ぎちゃいましたねぇ」

ホンフー「おかげで戦う相手はもうほとんど居ないんです。しあわせ草を使って無理やり超能力者を増やすことは辞めたのですよ」


デイライト「そうだとしても我々超能力者はもっといい待遇を受けてもよいべきではないかと思うのです。ミスター・ホンフー、あなたも超能力者だ。同意していただけると思うのだが」

ホンフー「残念だけど私も具現化は好きなの。約1000万分の1の人間しか使えない超能力よりよっぽど可能性があるんですもの」

デイライト「……」

194: 矢橋P 25/07/02(水) 09:27:50 ID:OAd9


<おお、なんて美しいんだ


ジナイダ「…………」ジー







デイライト「あれは何の映像ですか」

ホンフー「こないだあったアイドルのライブの映像なの。この子気に入っちゃって」




デイライト(ふん。アイドルか、忌々しい)

デイライト(……ん?あれは周防桃子!)


デイライト「ミスター・ホンフー。そこに映っている人について詳しく教えてくれませんか?」

ホンフー「おっと、意外ですね。あなたも興味出てきたのですか」

デイライト「ええ、とっても」ニヤリ








 

195: 矢橋P 25/07/02(水) 09:28:50 ID:OAd9
地球プロ宿舎 P・桃子・星梨花の部屋









桃子「……」ボー



P「どうしたんだ、たそがれるなんてらしくないじゃないか」

桃子「……らしくないなんて言えるほど桃子のこと知らないくせに」

P「そうだな。だから桃子のこと、もっと教えてくれ」

桃子「……何その台詞。本当にお兄ちゃんはモテそうにないよね」ハァ
 

196: 矢橋P 25/07/02(水) 09:29:29 ID:OAd9


桃子「桃子、アイドルの才能無いのかなーって思ってさ」

P「俺はそう思わないけどな。どうしてそう思うんだ?」

桃子「765プロ劇場で星梨花さんや昴さんが感じた感覚、桃子にはちっとも感じないの」


P「それを言ったら俺だって感じないぞ?」

桃子「お兄ちゃんはアイドルじゃないから当たり前でしょ」

P「おいおい酷いな。俺は最初から参加権無しか」
 

197: 矢橋P 25/07/02(水) 09:30:41 ID:OAd9

桃子「……推測だけどアイドルとして具現化を発現するためにはあの感覚を感じれることが必須条件だと思うんだよね」

桃子「それであの場でひかりさん以外に感じていなかったアイドルは桃子だけ」

桃子「ひかりさんは具現化に耐性なかったみたいだし、何より本人があまり具現化に興味なかったみたいだからね」

桃子「桃子は具現化に抵抗ないし興味もあるのに……」



P「別に具現化なんか発現しなくてもいいじゃないか。俺は具現化ってやつがどうも苦手でなー」

桃子「別に具現化を使いたいってことじゃないの!」

桃子「また……みんなと仲間はずれなのが嫌なだけ」
 

198: 矢橋P 25/07/02(水) 09:32:19 ID:OAd9

P「だから仲間はずれじゃないだろ。俺も一緒なんだから」

桃子「アイドルじゃないお兄ちゃんと一緒にされてもね」

P「今のところ桃子だけなんだぞ、地球プロで俺がサイボーグだって伝えてるのは」

P「俺の秘密を共有しているのは桃子だけなんだ。俺と桃子だけの秘密の同盟だろ?」




桃子「……ふーん。今、はっきりしたよ。桃子が具現化を感じること出来ない理由はお兄ちゃんのせいだね」

P「俺のせい!?」

桃子「こんな具現化と相性悪そうなお兄ちゃんにくっついているから桃子も具現化から嫌われているってこと」ハーァ

桃子「しょうがないね。星梨花さんと昴さんまで巻き添えにするわけにはいかないし、お兄ちゃんは桃子が付いてあげる」

 

199: 矢橋P 25/07/02(水) 09:33:10 ID:OAd9



P(これで少しは桃子の気持ちが晴れればいいんだが)

P(それにしても具現化か……。俺が知っている中で具現化に一番詳しいのは百合子だ。一度百合子に話しを聞いてみるか?)

P(でもそのためには組織の施設に戻らなきゃいけないよな。正直、戻りづらい……)
 

200: 矢橋P 25/07/02(水) 09:33:48 ID:OAd9

シュタッ!




環「ももこ!」

桃子「環!?」

P(桃子の友人か。相変わらず桃子より年上には見えないけど)

201: 矢橋P 25/07/02(水) 09:35:36 ID:OAd9


桃子「また窓から来て。行儀悪いよ」マッタク…


環「緊急事態なんだ。デイライトってやつが日本に来た!」

桃子「デイライト?」

環「世界に6人しか居ないSランクの超能力者。7年前のあの時はたまたま日本に来なかったらしいけどそうとうヤバいやつだってあかりが……」

202: 矢橋P 25/07/02(水) 09:37:14 ID:OAd9

バン!



P「本当か!」

桃子「え」ビクッ




ガシッ


P「あのデイライトが!本当に日本に来たのか!」

桃子「どうしたのお兄ちゃん!」


P「奴は8年前、日本で大暴れして死傷者を出した重要指名手配犯だ。日本には出禁状態だったはず」

P「だからツナミでもヨーロッパやアメリカ辺りが奴の活動範囲だった。何故、今さら日本に!」

203: 矢橋P 25/07/02(水) 09:38:23 ID:OAd9

環「お兄さん落ちついて!」


P「あ……」ハッ

P「ごめん、取り乱した」







桃子「お兄ちゃんはそのデイライトって人について何か知ってるの?」

P「……」スッ

204: 矢橋P 25/07/02(水) 09:40:24 ID:OAd9
スタスタスタ





桃子「ちょっと、まだ話しが終わってないでしょ!」

P「……みんなに伝えてくれ。しばらく帰らない」

桃子「お兄ちゃん!?」





P「桃子だけには話す。奴は……8年前、俺の両親を殺した仇だ」

桃子(8年前って大神とジャジメントが戦争していた時だ)

205: 矢橋P 25/07/02(水) 09:41:42 ID:OAd9

P「さっきも言ったが奴はあれ以降日本には来なかった。もう二度と復讐する機会なんか来ないと思ってたよ」

P「奴をこの手で葬る機会をずっと待っていた。それだけさ」



スタスタ




桃子「待って……」

P「俺はもう戻らないかもしれない。その時は死んだと思ってくれ」



スタスタスタ



バタン











 

206: 矢橋P 25/07/02(水) 11:42:33 ID:OAd9
パライソタウン 研究練












杏奈「…………」カチャカチャ





バタン


P「……」

207: 矢橋P 25/07/02(水) 11:43:43 ID:OAd9
杏奈「P……さん?」

P「杏奈、預けてたものを取りに来た」

杏奈「でも……あれはよっぽどの事態じゃないと使わないって……」

P「その時が来たんだ!」

杏奈「!」ビクッ




P「ごめん。余裕がなくて」

杏奈「……いいよ。いつかこの時が来るって思っていたから」

杏奈「でも約束。百合子さんやジュリアさんにもちゃんと話しをして。……じゃないとメンテナンスはしてあげない」

P「わかった」




 

208: 矢橋P 25/07/02(水) 11:44:48 ID:OAd9
……そして









杏奈「……これでOK」

P「ありがとな杏奈」

杏奈「百合子さんは調査で研究練から出かけてるけど、夕方には戻ると思うよ」

P「……」

スタスタスタ

209: 矢橋P 25/07/02(水) 11:47:09 ID:OAd9
P「……最後まで迷惑をかけた。七尾とジュリアにはよく言っておいてほしい」

杏奈「だからそれはPさんが直接言っ……」ハッ

杏奈「Pさんの卑怯者!意気地無し!」




バタン








 

210: 矢橋P 25/07/02(水) 11:48:40 ID:OAd9
ヒーロー連合 秘密アジト









環「……あかり。戻ったぞ」

朱里「お帰り。……何かあったの」

環「……うん」

211: 矢橋P 25/07/02(水) 11:49:55 ID:OAd9

環「あかり、復讐って悪いこと?」

朱里「内容にもよるわね。復讐には"良い復讐”と"悪い復讐”があるから」

環「じゃあさ。たとえば大切な人を失った……としてそれが理由で復讐するのは悪いこと?」


朱里「それで?復讐の方法は?」

環「方法って……それは関係あるの?」

朱里「そうね。いい機会だから教えておくわ」
 

212: 矢橋P 25/07/02(水) 11:52:05 ID:OAd9

朱里「復讐は罪に対する免罪符にはならないの」

朱里「『最愛の女性を失った』『大事な家族を失った』『命と同じぐらい大切なものを傷つけられた』そんな理由で罪を正当化することなんか出来ないのよ」

環「でも!そんな大事なものを失ったら……」

朱里「正気ではいられないのはわかる。でも世界の理というのは厳しいの」

朱里「あえて厳しい言い方をすれば、それらのことは全て感情論だからね。感情論で世の中が左右されるのならそれほど危ういことはない」

朱里「人が二人傷ついたとして、この人は多くの人に愛されてたからこの人を傷つけた人の罪は重いけど、この人は誰にも愛されていないから別に傷つけても罪に問われない。そんなことは無いでしょう?」
 

213: 矢橋P 25/07/02(水) 11:52:47 ID:OAd9

環「それじゃ大切な人が酷い目にあったからって同じ酷い目に遭わせるのは……」

朱里「完全に"悪”ね」




朱里「まあ復讐をしようとする人間の大半はそれが正しいことだと思ってやっていないわ。たとえ自分が悪の道に堕ちようとも、他に裁かれることになったとしても構わないって人間がほとんどね」

朱里「ただ覚えておきなさい。自ら進んで悪の道に行くということは最終的には不幸になるということよ」

 

214: 矢橋P 25/07/02(水) 11:54:53 ID:OAd9

環「だったら復讐をしようとしている人がいたら止めた方がいいんだよね」

朱里「やめときなさい。復讐なんて考える人間はみんな自分が不幸になることを承知の上でやってるの。外野のあたし達があれこれ言っても無駄」

朱里「余計な反感を買うだけね」

環「そうなんだ……悲しいね」


 

215: 矢橋P 25/07/02(水) 11:57:03 ID:OAd9

環「ねぇ。もしたまきがあかりのいう復讐の道に進むって言ったらあかりはどうする?」

朱里「全力で止めるわ」

環「え?さっきあかりは止めるのはやめときなさいって……」


朱里「それは相手が第三者ならって話」

朱里「あたしの大事な人が目の前で不幸の道に進もうとしているのを止めないわけないでしょ」

朱里「あたしの言葉は届かないかもしれない。どんなに説得しても復讐をやめないかもしれない。でもそんなこと関係ない、環が悪の道に転がり落ちていくのをみすみす見逃せるわけないでしょ」
 

216: 矢橋P 25/07/02(水) 11:57:38 ID:OAd9

環「そっか、やっぱりそうだよね!」スクッ

朱里「桃子絡みなんでしょ。行って来なさい」








 

217: 矢橋P 25/07/02(水) 11:59:13 ID:OAd9


桃子(どうしょう。このままだとお兄ちゃんが……)




シュタッ!


環「ももこ!」

桃子「あっ」

環「あのお兄さんを止めたいんでしょ。たまきも手伝うぞ!」

桃子「うん!」








 

218: 矢橋P 25/07/02(水) 12:01:51 ID:OAd9
深夜 とある路地




ツナミの工作員「…………」ザッザッ

ツナミの工作員「………!」



ボガッ



ツナミの工作員「な、何が……」

P「デイライトに伝えろ。明日この場所に来いとな」

P(荒っぽい手だが今はこれしかない)






 

219: 矢橋P 25/07/02(水) 12:02:16 ID:OAd9
日本のとある秘密の場所 






ツナミの工作員「……というわけです」ボロ


ホンフー「へぇ~。それは面白そうね」

デイライト「舐められたものだな」

220: 矢橋P 25/07/02(水) 12:03:01 ID:OAd9

ホンフー「我々のことを把握していそうな連中ね。幾つか心当たりはあるけど洗ってみる?」

デイライト「そんなこと必要ない。直ぐさま己の浅はかさを思い知らせてやる」


ホンフー「まあまあ、息を荒げることじゃないでしょ。久しぶりのチャレンジャーだもの、たっぷりもてなしてあげないとね」

デイライト「ミスター・ホンフー!」


ホンフー「わかってるわ。あなた直々のご指名だもの、邪魔するつもりはない」

ホンフー「ただ……報告しておかないとね。うふふ……」









 

221: 矢橋P 25/07/02(水) 13:43:56 ID:OAd9
翌日 深夜 とある路地









デイライト「……」ザッ


スッ


P「本当に来たな」

222: 矢橋P 25/07/02(水) 13:46:06 ID:OAd9

デイライト「お前一人か?」

P「ああ。と言っても信じないだろうが」

デイライト「それが本当なら私を舐め過ぎにもほどがある。状況判断も出来ない若造が」

P「お互い様だろ。こんな深夜にのこのこ来るなんて」

P「デイライト、『光を自在に操る』能力者。だが今は日光が無い夜だ。お前にとって好ましくない状況なはずだが」

デイライト「あまり大事にしたくないのでな。それに日光が無いと戦えないというのはあまりにも幼稚な発想だ」


P「そうかよ。それじゃ……」

223: 矢橋P 25/07/02(水) 13:47:29 ID:OAd9


デイライト「待て」


P「あぁ?」

デイライト「ミスター・ジオットがお前の愚かな蛮勇を讃えたいそうだ」ガサゴソ



ドン!


っタブレット


P(ジオット……だと)

224: 矢橋P 25/07/02(水) 13:48:43 ID:OAd9


タブレット<やあ、君かい。今どき僕達に喧嘩売る勇者は



P「その声はジオット!」



タブレット<ああ、名乗る必要はないよ。僕は興味の無い人間の名前は覚えないことにしているんだ


タブレット<僕が君に興味が出るかどうかはこれからの返答次第さ


 

225: 矢橋P 25/07/02(水) 13:51:16 ID:OAd9

P「誰が貴様の戯れに付き合うか!」




『そのまま動きなさい』




P「!」ビキーン


タブレット<せっかちだねぇ。急いてはことを仕損じるよ


P(体が動かない……)




デイライト「……」

ホンフー(さて。私は影で密かに観戦といきますかね)

226: 矢橋P 25/07/02(水) 13:51:52 ID:OAd9


タブレット<気持ちが煮えたぎっているところだろうけど、ここで一つ質問だ

タブレット<人類の歴史が始まってそれなりに経過して歴史上の偉人は数多くいるけど

タブレット<そのほとんどは男性だ。女性の偉人は割合からしても少ない

タブレット<何故だと思う?





P「知るか!」

P(くそ、動くのは口だけか)

227: 矢橋P 25/07/02(水) 13:53:28 ID:OAd9


タブレット<意外とみんなその問題を真面目に考えないんだよね。今まで不思議に思ったことはないのかな?


P「くだらないことを。男尊女卑だったからとかじゃないのか!」


タブレット<それもあるだろうし、戦争が多い時代はどうしても力がある男性に主軸がいってしまうのも仕方ないことだよねぇ

タブレット<ただ、それだけじゃないって思うんだよ。それにしても少なすぎるからさ



タブレット<僕はね。女性は『愛で止まってしまう』のが原因だと思っているんだよ


ホンフー「……」

228: 矢橋P 25/07/02(水) 13:56:47 ID:OAd9

P「愛だって?」


タブレット<そう。女性は愛で満足してしまう傾向がある


タブレット<アイドルで例えると分かり易いかな。アイドルとして大成する直前に大好きな人を見つけて結婚、そして引退

タブレット<端から見れば美談だけど、愛する人を見つけてしまった時点でその女性はアイドルとしては止まってしまったんだよ


P「……」

229: 矢橋P 25/07/02(水) 13:58:15 ID:OAd9

タブレット<別に人を愛することが悪いってことじゃない。歴史上の偉人はだいたい妻や愛人がいるし

タブレット<この僕だって結婚しているわけだからね


P「!」

P(ジオットが結婚?そんな話しは聞いたことがないぞ)




タブレット<でもねぇ。女性は愛を知ってしまうとそれに一直線だからね

タブレット<野望とか偉業だとかそんなものどうでもよくなってしまうのさ



P(こいつ、何が言いたいんだ?)

230: 矢橋P 25/07/02(水) 13:59:52 ID:OAd9

タブレット<さて、前置きが長くなってしまったが

タブレット<君は我々に喧嘩を売りたいのかい?それとも復讐がしたいのかい?




P「復讐だ!死んでもお前達を許すつもりは無い!」



タブレット<そうかそうか

タブレット<それじゃ重大な質問だ。君は『復讐のために大切な人を犠牲に出来る』かい?


P「なっ!?」

231: 矢橋P 25/07/02(水) 14:01:37 ID:OAd9

タブレット<はい駄目。今の問いを即答出来なきゃ話しにならない


タブレット<はぁ~。君もしょせんその程度か。失望した、ちょっとでも期待した僕が馬鹿だったよ

タブレット<デイライトくん、こいつを始末してしまえ。もう興味ないからさ




P「何を勝手に!」

232: 矢橋P 25/07/02(水) 14:04:59 ID:OAd9


タブレット<…………僕もさ。君と同じくかつては復讐を志したんだ

タブレット<その時に……”最愛の妻”を生け贄に捧げたんだよ






P「は……?」


タブレット<そんなに驚くことじゃない。僕は愛で止まらなかった。それだけさ

タブレット<もう話しは終わり。デイライトくん、後は頼むよ


タブレット<ブツッ

233: 矢橋P 25/07/02(水) 14:11:25 ID:OAd9
ガクン



P(突然体が動くようになった)


デイライト「よかったな、死ぬ前に仇敵と話しが出来て。お前みたいな若造には過ぎた配慮だ」

P「ああ、ありがた迷惑でうんざりしたおかげで敵意がより上がったよ。お宅のボスがいかれてることはよくわかったけどな」

デイライト「お前如きにミスター・ジオットの凄さをわかる必要は無い」


P「これから死ぬ人間に……とでも言うつもりだろ。あいにく死ぬつもりはない」ダッ

234: 矢橋P 25/07/02(水) 18:21:51 ID:OAd9


ドガッ!




P(まずは奴の足元にローキックが決まったが……)

P(ジャブ感覚で放った蹴りとはいえ、あまり応えてないな)



ホンフー(まずまずの動き。及第点といったところですか)

ホンフー(型や動きは素人に毛が生えた程度ですがそれに似合わぬ身体能力。あの男、おそらくサイボーグですね)

235: 矢橋P 25/07/02(水) 18:22:33 ID:OAd9

デイライト「……ほう。この感じ、ESPジャマーを作動させているようだな」

※ESPジャマーとは超能力を封じる機械




P「誰が超能力者相手に策も無く挑むかよ」

P(持参したESPジャマーで奴の超能力は封じた。だが携帯用の小型ESPジャマーの有効範囲は10m。距離を取られるとまずい)

P(隙を与えず次々と仕掛ける!)ダッ
 

236: 矢橋P 25/07/02(水) 18:23:38 ID:OAd9

ガシッ



デイライト「私も”第三世代・最新式サイボーグ”だ。甘くみないでもらおう」

P(渾身のハイキックを……)



ブン!







\ドンガラーーン!/



ホンフー(おやおや、サイボーグとしても差が出てしまいましたか)

ホンフー(これは厳しいですねぇ)

237: 矢橋P 25/07/02(水) 18:24:49 ID:OAd9

P「ぐ……」

P(超能力を封じれば勝てる。そんな甘い考えはしていなかったが……)

P(身体能力でも勝てないのかよ!)




デイライト「悔しがることはない。ツナミの超能力者の中でも私は特別だ」

デイライト「私の能力はサイボーグの技術と相性がいい。だから他のサイボーグより重点的に改造している」

デイライト「おかげで7年前の戦いには間に合わなかったんだがね」



P(こうなったら……)



デイライト「……」ニヤリ

238: 矢橋P 25/07/02(水) 18:25:17 ID:OAd9
ポイ



P(あれは!)





\ピカーーーーッ!/




P(うっ、閃光弾か!)

239: 矢橋P 25/07/02(水) 18:26:13 ID:OAd9

シュゥゥゥゥ……




デイライト「想像力が足りないな。光を操る能力と相性がいい武器を用意していないとでも?」フフ…



P(くそ……)

P(だがおかしい。俺は閃光で少なくとも数十秒は怯んだはず、しかし奴は何もしてこなかった)

P(俺をもて遊んでいるのか。それともあえて何もしなかったのか?)





デイライト「くく……どうした?何も出来ないか?」


P(いずれにせよ距離を取られたら負ける。ここは……)






ホンフー(はい、チェックメイト)

240: 矢橋P 25/07/02(水) 18:27:00 ID:OAd9
ピッ!




ボガン!


P(俺の持っていたESPジャマーが!)




デイライト「つくづく愚かな奴だお前は」

P(今のはデイライトの超能力によるレーザーだ。だが何故、奴が超能力を使えるんだ)
 

241: 矢橋P 25/07/02(水) 18:29:08 ID:OAd9

デイライト「お前が見えている位置に私は居ない」

P「!」



デイライト「私は既に貴様のESPジャマーの範囲外に居る。光を屈折させれば相手に居場所を誤認させるぐらいの芸当は可能だ」

P(閃光弾で怯んでいる隙に……)




デイライト「ESPジャマーは超能力を妨害するために特殊な電波を発生させる仕組みになっている」

デイライト「逆にその電波を察知して掴む装備を付けていればESPジャマーがどこにあってどのくらいの範囲まで及んでいるかを把握することは容易い」

デイライト「超能力者がESPジャマーの対策をしてないとでも思ったか?」






ホンフー(かわいそうに。超能力を抜きにしてサイボーグとしても勝ち目が無いんだったら、いじめもいいところよね~)

242: 矢橋P 25/07/02(水) 18:30:48 ID:OAd9

グニャァァ



P(景色が歪んで……)


スッ



デイライト「ほら、姿を現してやったぞ。貴様のESPジャマーを破壊した以上、小細工する必要すらない」

P「畜生め!」ダッ




ピッ!


バシュゥ!


P「ガッ……」

243: 矢橋P 25/07/02(水) 18:32:11 ID:OAd9

デイライト「ほう。本来なら今ので貴様の胴体に風穴が空くところだが、街灯の弱い光を集めたレーザーじゃこの程度の威力か」

デイライト「まあ嬲り殺すにはちょうどいい」




ピッ!ピッ!ピッ!


P「あっ、アッ、ガッ……」





シュタッ!


環「やめろ!」


デイライト「お前は……」

ホンフー(これはこれは。思わぬ収穫ですね)

244: 矢橋P 25/07/02(水) 18:33:21 ID:OAd9


P「な、何だ……」

ガクッ


桃子「お兄ちゃんしっかり!」






環「お前がデイライトだな!」

デイライト「貴様こそヒーロー共の……」


バキッ!



環「これはお前に襲われた仲間とお兄さんの分。もう容赦はしない」

桃子(環は変身すると性格が変わるの。そのままやっちゃえ!)

245: 矢橋P 25/07/02(水) 18:35:03 ID:OAd9

デイライト「この……舐めるな!」



パシィ!



デイライト「what!(ワット!)」

環「ふん!」


ドカ!ボコ!




ホンフー(あのヒーロー。格闘で最新式サイボーグを圧倒するとは大したものね)

246: 矢橋P 25/07/02(水) 18:39:03 ID:OAd9

デイライト「ぐ……調子に乗るなよ!」



ピッ!


バシュゥ!


環「くっ……レーザーか」




ホンフー(だけどそれで勝てるほど甘くないわよ?)

ホンフー(デイライトのレーザーは光の速さで放たれる上に360°全方位攻撃可能。おまけに連射も出来る)

ホンフー(ひとたび攻撃を許せば反撃も出来ないくらいの猛攻が待ってるわ)



デイライト「先ほどは油断したがもうヒーローごっこは終わりだ」

247: 矢橋P 25/07/02(水) 18:40:38 ID:OAd9

ピッ!ピッ!ピッ!

バシュゥ!




環「……」ググ…





ホンフー(あのスーツ、防御力も高そうね)

ホンフー(……あれは!)






デイライト「ちっ、こんな街灯の光では威力が弱すぎるか」

デイライト「これは私のバッテリーを消費するから使いたくなかったが……」

248: 矢橋P 25/07/02(水) 18:42:18 ID:OAd9

プシューーーーーッ!




デイライト「これは!」



朱里「スチームバリア。辺りに特殊な薬品を含んだ蒸気の壁を発生させる。対光化学兵器の装備よ」



デイライト「ミス・浜野……」ギロッ

朱里「ウェポンストレージと呼んでくれないかしら」スッ




パン!


パラパラパラ




デイライト(今度は何だ!)カチカチ

デイライト(……これは。センサーがおかしい)

朱里(今散布したのは特殊なアルミ箔。サイボーグのセンサーを狂わせる特注品よ)


デイライト「これでは奴らの位置が……」
 

249: 矢橋P 25/07/02(水) 18:43:26 ID:OAd9

タン!




ホンフー「流石ねぇ。ウェポンストレージ(武器の貯蔵庫)を名乗るだけあって次々と武器が出してくる」

桃子(新手の敵!)




デイライト「ホンフー、余計な介入はやめてもらおうか」

ホンフー「デイライト、彼らを一旦見逃しましょう」


朱里「!」

デイライト「何故だ!」



ホンフー「ジオットからの命令よ?」

デイライト「…………わかった」ギリッ

250: 矢橋P 25/07/02(水) 18:44:16 ID:OAd9


環「逃がすか!」

朱里「そちらだけで勝手に進めないでくれないかしら」



ホンフー「そうね、あなた達にも伝えなきゃいけないわヒーローさん?」

ホンフー「別に私達は逃げも隠れもしないわ。後日仕切り直しといかない?」

朱里「仕切り直し?」

251: 矢橋P 25/07/02(水) 18:50:48 ID:En2z

ホンフー「サマーフェスって知っているかしら?」

桃子「毎年夏に行われる野外の大きなイベント。色んなアーティストやアイドルが集まる一大イベント……だね」


ホンフー「正解。そのイベント会場をデイライト含めた私達ツナミの戦闘部隊が襲撃するわ。これは予告よ」



桃子「!!」

朱里「何ですって!」

252: 矢橋P 25/07/02(水) 20:50:31 ID:En2z

ホンフー「目的はピース・メーカー奪取及びあなた達ヒーローを壊滅させること」

ホンフー「サマ-フェスはヒーローとは直接関係ないけどあなた達はそう伝えておけば来ないわけにはいかないでしょう?」



朱里「ずいぶん見え透いた罠ね。間抜けな悪役でももう少し隠そうとするものだけど」


ホンフー「一流の悪党はわざわざ隠さないもの」

ホンフー「別に来なくてもいいわよ?あなた達が来ようが来まいが襲撃は決行するわ。そうなれば……阿鼻叫喚の大惨事が起こるだけだけど」

ホンフー「サマーフェスは5万人以上が来場する大規模イベント。さてどうなるかしらね~」

環「どこまでも卑怯な奴らめ!」
 

253: 矢橋P 25/07/02(水) 20:52:44 ID:En2z

ホンフー「それと今年からサマーフェスの主催・運営はツナミで行うの。運営側に中止を呼びかけたり脅したりしても無駄よ」


朱里「いくらツナミの名で主催するとしても大騒ぎになればツナミにもダメージがあるはず。何でこんなことをするの」

ホンフー「深い意味なんてないわ。“祭りは派手な方が楽しい“でしょう?」




ホンフー「ちょっとお情けだけど、予定ではサマーフェスの最終トラックでフェスに参加したアイドル達全員がステージに上がって歌うことになっているの」

ホンフー「襲撃はそのタイミングで行う。『出るタイミングがわからなくて間に合いませんでした』となっても困るの。時間も教えてあげたことだし充分に準備してちょうだい」

環「何を勝手に!」
 

254: 矢橋P 25/07/02(水) 20:54:50 ID:En2z

ホンフー「最後にこれをプレゼント」




パシィ


朱里「これは……チケットね」


ホンフー「人数分はないかもしれないけどこれで入場してね。……あ、そうだ」


ホンフー「あなたは客席じゃなくてステージの上で会いましょ。アイドルさん?」


桃子「!!」

桃子(桃子のこと知ってるんだ)





ホンフー「それじゃ、楽しみにしているわね」



シュタッ!



 

255: 矢橋P 25/07/02(水) 20:57:25 ID:En2z



朱里「行ったか……」




\ピカーッ/



環「あかり、助けてくれてありがとう。助かったぞ~」ダキッ

朱里「外で活動している時はウェポンストレージって呼びなさい」ナデナデ


朱里「モバイルプリンセスから状況を聞いてね。何とか間に合ってよかったわ」

朱里「だけど敵に手の内をさらしてしまったのはマイナス。とっておきの対デイライト用装備だったのだけど」

朱里「さて、こんなことをした事の顛末の張本人はどうなったかしら」







 

256: 矢橋P 25/07/02(水) 20:59:07 ID:En2z







P「……ん」

P(気絶していたのか)

星梨花「Pさん!」



P「え、何で星梨花が……」

桃子「桃子が呼んだの。昴さんも一緒だよ」

昴「オレも星梨花もまだびっくりしているけどな」
 

257: 矢橋P 25/07/02(水) 21:01:19 ID:En2z

P「桃子。.......全て話したのか」

桃子「うん。お兄ちゃんの体のことから過去のことまでね」

桃子「お兄ちゃんと桃子だけの秘密。ってのも特別な感じがしてよかったんだけどね。そんなこと言ってられない状況だったし」

桃子「桃子の言葉より星梨花さんの言葉の方が刺さるでしょ」
 

258: 矢橋P 25/07/02(水) 21:01:52 ID:En2z

P「何でそんなことしたんだよ!」

昴「P……」


P「これは俺の問題だろ」

P「みんなを巻き込みたくはなかった。俺が勝手にのたれ死んだってことにしてほしかったのに……」




星梨花「……」

昴「……」

桃子「……」

259: 矢橋P 25/07/02(水) 21:06:18 ID:En2z



環「……桃子」

朱里「環、大事なこと言い忘れてたわ」

環「あかり?」




ツカツカツカ



P「何を……」


ガシッ


朱里「あんた、いい加減にしなさいよ」




星梨花「あ、あの……」アタフタ

昴「お、おい。流石に胸ぐら掴むのはやりすぎだろ」

260: 矢橋P 25/07/02(水) 21:09:42 ID:En2z

P「君には関係ないだろ!」

朱里「あたしは関係ないけどね。あの子達をこれ以上困らせるのはやめなさい」

P「星梨花達は関係ない!これは俺の復讐なんだから」



バキッ


朱里「いい歳した大人がいつまでも青臭いこと言うんじゃないわよ!」

P「な……」

261: 矢橋P 25/07/02(水) 21:13:26 ID:En2z

朱里「あんたみたいな周りを顧みない馬鹿が一番迷惑なのよ!」


朱里「いい!復讐があんたとツナミの一対一で綺麗に完結するならあんたの言う通りよ。復讐を果たそうが失敗して惨めなことになろうが問題ない」

朱里「でもそんなのは漫画の世界だけの話よ。現実世界はそんな簡単じゃない」

朱里「悪の復讐の道を進む人間は最終的に不幸になる。でもね、それはあんただけじゃない。あんたの周りの親しい人まで不幸になるのよ!」


P「不幸……」

262: 矢橋P 25/07/02(水) 21:19:32 ID:En2z

朱里「本当に悪の復讐をしたいんだったら天涯孤独の身になりなさい。誰にも迷惑かからないからね」



ググッ


朱里「あの子達はどうなの!今日会ったばかりの赤の他人?大事な人達なんじゃないの?」


P「それは……」フイ…

朱里「目を逸らすな!しっかりあの子達の見て答えなさい!」

朱里「あの子達はあなたにとってどういう存在なの!」




星梨花「Pさん……」

263: 矢橋P 25/07/02(水) 21:22:53 ID:En2z

この時Pの頭には星梨花と出会ってからのことがぐるぐると回っていた

元々アイドル嫌いだった自分
だけど星梨花に出会ってアイドルになりたいという真っ直ぐな意志を見てこの子をここで終わらせたくはないと願った

それから段々アイドルに対する嫌悪感は無くなって
頼もしい昴や生意気だけど放っておけない桃子とも出会って
全くわからなかったアイドルのことについて少しばかりでもわかってきたところだった



P(星梨花のことは任務の対象で保護者みたいな目で見ていた……一歩退いた距離で見ていた)

P(今ならわかる。心のどこかで遠ざけてたんだ。深いところでは俺と関わらせないようにしていたんだ)

264: 矢橋P 25/07/02(水) 21:27:45 ID:En2z

P「彼女たちは……俺にとって大事なアイドルだ」

朱里「そう。ならこんな馬鹿なこと、今日限りで辞めることね」


ストン




朱里「あの子達と……ちゃんと向き合って話しなさい」

P「うん。そうする」







 



265: 矢橋P 25/07/02(水) 21:31:15 ID:En2z





P「みんなごめん」

星梨花「そんなに謝らなくてもいいです」

昴「朱里はああ言ってたけどオレ達はまだPに不幸にされてないからな」



昴「……Pがなんかあるなってーのは薄々感じてたけどそういうもんだって黙ってた。けどよ、やっぱり隠し事は良くないよな」

桃子「そうだね。桃子達同じユニットなんだもん」

P「……そうか。そうだよな」
 

266: 矢橋P 25/07/02(水) 21:36:01 ID:En2z

星梨花「昴さん、桃子さん、そしてPさん。みんなで決めましょう。もう隠し事は今後しないって」

星梨花「それで今までのこと全部水に流しちゃいましょう!」

昴「それはいいな!そうだオレも隠していたことあったんだ。オレもサイボーグでさ、超能力も使えるんだ」



桃子「ええ~、そうだったの」

P「昴が?」

昴「今見せてやるよ……あ、野球ボール忘れてきた。しまったなー、オレの超能力は野球ボールが無いと使えないんだよ」




\ワイワイ/










環「ももこ、よい仲間に出会えたみたいだね」

朱里「そうね」

267: 矢橋P 25/07/02(水) 23:08:00 ID:OAd9





朱里「ちゃんと彼女たちと話し出来たかしら?」

P「ああ。……ありがとう」

朱里「ヒーローとして余計な一言を言っただけよ」

P「だけどこれから……」



環「お兄さん。悪い復讐をやめて良い復讐をすればいいんだよ」

桃子「良い復讐?」

P「良い復讐って何だ?」


環「それはね~。あかりお願い」

昴「環が知っているんじゃないのかよ」ガクッ

268: 矢橋P 25/07/02(水) 23:08:35 ID:OAd9

朱里「もう。……あたしも昔はあんたみたいに人を殺したいほど憎んでいたこともあったの」

朱里「突然拉致されてサイボーグに改造されて人生をめちゃくちゃにされて」

朱里「あたしの同期の第一世代サイボーグの仲間はサイボーグ化に耐えれず死んでいって……第一世代で生き残ったのはあたしだけ」

朱里「それであたしをこんな体にした科学者達を一列に並べて、お前達が作ったサイボーグの体で殺してやろうってずっと思ってた」

朱里「でも……途中でばかばかしくなったの」


星梨花「悪いこと……だからですか?」

269: 矢橋P 25/07/02(水) 23:10:19 ID:OAd9

朱里「……」フルフル

朱里「あいつらにこんな体にされて、そして自由になっても尚あいつらのために残りの人生を消費することに虚しくなってね」


朱里「P、覚えておきなさい。あなたが万が一、デイライトに復讐出来たとしてあなたとしては『ざまぁ、してやったり』って思うかもしれないけど実は違うの」

朱里「そのためにあなたは自分を犠牲にして、周りの人間を傷つけて、最終的に不幸になって。実際は奴にその後の人生を狂わせ続けられて支配されているのと変わらないのよ」
 

270: 矢橋P 25/07/02(水) 23:12:23 ID:OAd9

朱里「だから私は傷つける復讐をやめた。この体で出来ることは何か考えて、せめて何も知らない普通の人達を守れる人間になろうとしたの」

朱里「あの科学者達の思い通りに絶対なってやるもんですか!ってね。それがあたしの復讐」

朱里「そのことを決意させてくれたのはレッドウルフ……環のおかげだけどね」

環「あかり……」



朱里「……あんたを復讐に駆り立てたデイライト、そしてツナミ。そいつらを恨むなとは言わないわ。やり場のない感情を消すことは出来ないし、感情をぶつける権利は誰にだってあるもの」

朱里「だけど復讐を免罪符にして俺の好き勝手にさせろ!って周りを顧みないことが”悪”だってこと」
 

271: 矢橋P 25/07/02(水) 23:14:35 ID:OAd9

P(……思えば星梨花達だけじゃない、杏奈や百合子やジュリアやこのみ姉にも迷惑かけても何とも思わなかった)

P(俺は……復讐のためなんて言い訳しながら自分の感情を周りに当たり散らしていただけだったんだな)




朱里「P。あなたパライソタウンに籍を置いているのよね」

P「そうだな」

朱里「あたし達をそこに連れていきなさい。ちょうど頼みたいことがあったの」

P「わかった、任せろ」










第九章   終わり

272: 矢橋P 25/07/02(水) 23:33:41 ID:OAd9

今回はやや重い話でした 
アイドルと関係ない話ですので個人的な感情を強く込めた話です


正直、自分は最近の復讐を肯定する風潮が嫌いです
復讐は基本的は悪です。それでも構わないというダーティな部分をクローズアップするならともかく
まるでそれが正義かのごとく扱うのはねぇ……


ちなみにパワポケ(裏サクセスですが)では復讐は『暇つぶし』と表現しています
これが言い得て妙で「復讐は必ずやらなければならないことではない。本人が選択したことである」
つまり悪い言い方をすれば”人生の暇つぶし”ということです

273: 矢橋P 25/07/02(水) 23:50:26 ID:OAd9

パワポケ本編じゃ、かませ犬に終わったデイライトもこのSSじゃ大活躍
まあ能力自体は普通に強いですしね


あと今回自分のSSで始めて『愛』って表現を使いました
実は結構シリーズを続けきたつもりですが友情や正義とかは書いてきましたが愛だけは書いてきませんでした
自分は愛が嫌いなわけではありませんが自分の書きたいこととはちょっと違っていたので
だからこのアイドルリーグ編までPが出なかったわけですが


P周りの辛気くさい話はこれでもう終わりです
次の舞台はサマーフェス。そこでまた物語が動き出します

274: 矢橋P 25/07/02(水) 23:53:22 ID:OAd9

ブラッド   サイボーグの傭兵

サイボーグ同盟に所属しているサイボーグの男。まだ若い
元々はパライソタウンで改造された第二世代サイボーグで大神やツナミには関わっていない
サイボーグとして筋力が常人よりも高い以外、これといった特殊な能力はないが
パワードスーツといった装備で補い傭兵らしい臨機応変な立ち回りが上手いため味方からも評価が高い

最近ふと 彼女が欲しいなぁ と思ったりもするがサイボーグ同盟に所属している女性がヘルガ団長しか居ないので嘆いている ●

275: 矢橋P 25/07/02(水) 23:55:21 ID:OAd9

グントラム   狼超人

サイボーグ同盟に所属する『具現返り』の超人
元々アメリカ軍に所属していたがアメリカ軍の実験の過程で偶然具現化が発現してしまい処分されそうなところをジャジメントに拾われた
コードネーム『ウルフェン』はその時付けられた
しかし今度はジャジメントが彼を研究材料にしようとしたので自力で逃亡
そして今はサイボーグ同盟を居場所にしたようだ

三つの組織を点々としたせいか差別意識が全くなく外見にしては気さくである
だが軍人らしくいざという時は殺しもためらわないほど非情になる ●

276: 矢橋P 25/07/02(水) 23:55:34 ID:OAd9
彼は狼男を具現化で常に自身の体に狼化を体現し伝承通りの能力を有している
具体的には狼男にふさわしい身体能力に加え異常な再生能力を有しており、実験では頭を吹っ飛ばしても首から新しい頭が生えてきたとのこと
伝承通り銀の武器で攻撃しないと不死身なのである ●

277: 矢橋P 25/07/02(水) 23:56:53 ID:OAd9

浜野朱里   正義のサイボーグ
 
パライソタウンで改造された第一世代サイボーグの唯一の生き残り
第一世代は手探りでサイボーグ開発を行っており被験者の安全など全く考慮していない有様だった
改造後も実験体にされ、遂に第一世代サイボーグ達は反乱を起こし研究所から逃亡することに成功するも彼らには”寿命”があり
朱里は驚異の適合率40%越えだったゆえに生き残ったが他の被験者は後に皆、死亡している

その後の彼女はヤクザ相手に憂さ晴らしをしたりヒーロー活動の真似事をしてみたりとふらふらしていたが
8年前の大神とジャジメントの戦争に第三勢力として参加したのち惨敗。辛うじて生き残ったものの寿命も近づき完全に自棄になっていたところで歩と出会った ●

278: 矢橋P 25/07/02(水) 23:57:18 ID:OAd9
気の弱い歩に当初はご飯をたかる目的で仲良くなったがその後、彼女を中心とした奇妙な縁に恵まれる
環に出会い、第三世代サイボーグとして復活し、かつての因縁の相手に一矢報いることが出来て
今はヒーロー連合を束ねるリーダーを務めている。コードネームはウェポンストレージ。隊員No.1 ●

279: 矢橋P 25/07/03(木) 00:00:40 ID:n9SQ

デイライト   広範囲破壊型能力者

大形な黒人の男性でツナミに所属している世界で6人しかいないSランクの超能力者、サイボーグでもある
話し方はやや丁寧だが本質は粗暴な性格
”光を自在に操れる”という応用も利く能力を有しておきながら”広範囲破壊型能力者”に分類されている辺りにそのことが強く伺える
ジャジメント時代はその力を存分に振るい、数々の大神のサイボーグを屠りジャジメントの勝利に大きく貢献した

その際民間人も大多数巻き込んでおり、Pの両親もその中にいる
その残虐さから他でも同じことをやらかしており、国際指名手配されていている ●

280: 矢橋P 25/07/04(金) 08:45:05 ID:gqaQ


第十章   『黒羽』

 

281: 矢橋P 25/07/04(金) 08:48:18 ID:gqaQ
日本 ツナミ裏秘密基地










デイライト「何故あのような提案をしたのですかミスター・ホンフー。説明を求めます」

デイライト「サマーフェスだか知らないがあの場で全員片付ければよかったのでは?」


ホンフー「あの子達を甘く見ちゃ駄目よ。浜野朱里にレッドウルフとかいうヒーロー、どちらもまだ全力ではなかった」

ホンフー「それにあの若いサイボーグの青年、彼もまだ隠し球を持っていたわよ。もしかしたら……があったかもね」

282: 矢橋P 25/07/04(金) 08:49:27 ID:gqaQ

デイライト「それはあり得ない。私だとて手の内を全て出したわけではないぞ!」

ホンフー「まあまあ。なんにせよあの制限された状況で全員生け捕りは無理でしょう。結局ほどほどのところで逃げられたんじゃないかしら」

ホンフー「彼らはただ殺すのではなく、捉えて尋問してピース・メーカーの居場所を吐かせないといけない。理解していないわけではないでしょう?」

デイライト「チッ……」



ホンフー「サマーフェスは屋外イベント。あんな深夜とは違ってあなたの能力を120%引き出せる舞台よ」

ホンフー「そして運営は私達ツナミの手のひらの中、多少の融通も利く。これ以上ない環境だと思うけど?」
 

283: 矢橋P 25/07/04(金) 08:50:30 ID:gqaQ


ホンフー(やれやれ。まさかあの場に箱崎星梨花が居るなんて思わなかった)

ホンフー(あのまま戦闘を続けてた場合、か弱い彼女が戦闘に巻き込まれて死んでいたかもしれない。それじゃ困るから無理やり止めたけど)

ホンフー(彼女には世界で初めて具現化を発現したアイドルとしてまだまだ生き残って残ってもらわないと)

ホンフー(全く、あの男。担当しているアイドルに命を救われるなんて本当に情けない)

 

284: 矢橋P 25/07/04(金) 08:52:52 ID:gqaQ

デイライト「ミス・上守甲斐に気付かれかねないという点は?派手に動けば流石に隠し通すことは出来ないでしょう」 

ホンフー「甲斐さんはここしばらく海外支社に出張中。サマーフェスに干渉することは出来ない」

ホンフー「既にサマーフェスの運営する主導権も預かっている。このイベントに上守甲斐は介入出来ないから心配は要らないわ」
 

285: 矢橋P 25/07/04(金) 08:53:43 ID:gqaQ


デイライト「……いいだろう」

デイライト「ですが当日は好きに暴れさせてもらう」

デイライト「ヒーローの一部は生かしておくがそれ以外の邪魔するものは皆殺しだ。会場のスタッフも、警備員も、警官も、そして忌々しいアイドルもだ」

ホンフー「ええ。ツナミの力で隠蔽してあげるから好きに暴れてちょうだい」


デイライト「フフ……。もうすぐアメリカから私の仲間も到着する。こないだのようにはいかないぞヒーローども」

デイライト「問題はヒーローどもが本当に来るかどうかだが」

ホンフー「来ますよ。ヒーローとはそういう連中です」












 

286: 矢橋P 25/07/04(金) 08:55:33 ID:gqaQ
パライソタウン 研究所 具現化研究練








百合子「うーーん」

環「どう?ゆりこ」



桃子(朱里さんがお兄ちゃんに頼んだこと。それは具現化を研究しているという政府の施設に連れていってもらい環を診てもらうことだった。環が七年前から歳を取らない理由を調べてもらうために)

桃子(まさかそこの職員が環の知り合いだとは思わなかったけど)

287: 矢橋P 25/07/04(金) 08:56:39 ID:gqaQ

百合子「間違いないですね。これは”具現返り”です」

朱里「具現返り?」


百合子「具現化は願いから生まれます。だから元となった願いが本体みたいなものなんですよ」

百合子「それが人の願いなのならばその人が主みたいになりますね。その人間の意思一つで具現化の内容も変わってしまいますしその人の気持ち次第で突然消滅することだってあるんです」

百合子「ところが稀に具現化がその主に影響を及ぼしていくケースがあるんです。それが具現返りです」
 

288: 矢橋P 25/07/04(金) 08:59:34 ID:gqaQ

環「えーっと?つまり、どういうことなの?」


百合子「環ちゃんの場合はね。ヒーローになりたいという願いがリストバンドに現れてヒーローに変身出来るようになったわけでしょ?」 

環「そうだぞ!」

百合子「逆に言えば環ちゃんが『ヒーローになりたくない』って思ったらその具現化は存在理由が無くなって消えてしまうんだよ」

環「えー。それは困るぞ」

百合子「うん。だから具現化が環ちゃんを大人にさせないようにしているの。大人になって『もう子供っぽいヒーローはいいや』って思わせないようにね」
 

289: 矢橋P 25/07/04(金) 08:59:52 ID:gqaQ

桃子「そんなことがあるんだ……」

朱里「その具現返りって環に悪影響とか出たりするの?」


百合子「具現化だけでも珍しいのですが更に具現返りまでになると……まだ未知数で何とも言えないんです」










 

290: 矢橋P 25/07/04(金) 15:13:24 ID:gqaQ
開発練







P「痛い!いだだだっ!」

杏奈「…………」カチャカチャ



星梨花「あの……杏奈さん。もう許してあげても……」

杏奈「ダメ。まだ許さない……」

ジュリア「そうだ!こんな馬鹿Pなんてやっちまえ」

P「いだだだっ!神経はやめてくれぇ!」

 

291: 矢橋P 25/07/04(金) 15:14:31 ID:gqaQ

昴「まあそうされても仕方ないことをPはしたけどよ。一応今は俺達のプロデューサーだし勘弁してやってくれねーか」

杏奈「……仕方ない。昴さんと星梨花ちゃんに免じてやめてあげる」




P「あがが……」

ジュリア「情けない姿だなP兄」グリグリ

P「ジュリアお前……」ピクピク

 

292: 矢橋P 25/07/04(金) 15:15:33 ID:gqaQ

杏奈「昴さんと星梨花ちゃん。久しぶり……だね」

星梨花「はい!杏奈さんや百合子さんにも久しぶりに会えて嬉しいです」

昴「高校卒業以来だよなー」



杏奈「昴さん。お父さんが……会いたがってたよ?」

昴「うげっ、杏奈の父ちゃんが?未だに英雄扱いしてくるから苦手なんだよなー」

杏奈「宇宙人をみんなで倒せたのは昴さんの力が大きいからね」
 

293: 矢橋P 25/07/04(金) 15:17:29 ID:gqaQ

杏奈「星梨花ちゃんも……。話しはこのみさんから聞いていた……よ」

星梨花「……あれから何度も集まりに誘われていたのに全て断ってすみません」

杏奈「いいよ。お父さんに止められていたんでしょ?」

杏奈「杏奈、真珠星を応援しているから。百合子さんも同じだよ」

杏奈「みんな……これからもパライソタウンに顔を出したくれると……嬉しいな」

杏奈「Pさんも……ね」


P「杏奈、百合子、悪かった。これからはちゃんと顔を出すよ」ウググ








 


294: 矢橋P 25/07/04(金) 15:32:10 ID:gqaQ
かくして俺達はヒーロー連合と繋がった
パライソタウンに星梨花や昴や桃子を連れて来て政府直属の反ツナミ組織の存在も教えながら情報交換し合った
でも星梨花や昴は百合子や杏奈の知り合いだったみたいであっさり打ち解けてた。こうなるのなら星梨花達に組織ことを早い段階で明かしておけばよかったかな


何でもあのハタ侵略で宇宙人を撃破した子供達は昴をリーダーとした百合子や杏奈達だったらしい
星梨花や環もその時に知り合ったらしくて、世界ってこんなに狭かったんだな



295: 矢橋P 25/07/04(金) 15:33:32 ID:gqaQ

杏奈もそうだがジュリアも黙って俺一人で復讐に行ったことにずいぶんとご立腹だった 
ただもう復讐はやめにすると伝えるとジュリアは少し複雑な顔をして
「その方がいいぜ、P兄」と小さく呟いてた



最後に昴が「あのハタ侵略で星梨花に出会って百合子から杏奈に知り合って、環や恵美。麗花にのり子や瑞希、琴葉やASにまで繋がれた。もしかしてこの時のためだったのかもなー」って呟いてた


確かに縁って不思議なもんだよな




 

296: 矢橋P 25/07/04(金) 15:34:37 ID:gqaQ
同時刻

ツナミグループ日本総支部









甲斐「……」

黒服「甲斐様。安静になさってください」

甲斐「私の心配は無用です」
 

297: 矢橋P 25/07/04(金) 15:35:10 ID:gqaQ

甲斐「……」



スッ


ピポピポパポ



甲斐「……はい。上守甲斐です」

甲斐「……ええ、そうです。一つお願いがあって電話しました」














 

298: 矢橋P 25/07/04(金) 15:36:45 ID:gqaQ
そして数日後







このみ「来たわよPくん」

P「来たか……」

このみ「ツナミから真珠星オファー。サマーフェスへの招待状よ」

P「そのオファー、誰から来たんですか」

このみ「メールで事務的に来たわ」

P「……そうか」
 

299: 矢橋P 25/07/04(金) 15:39:01 ID:gqaQ

P(今までツナミからオファー……というより指令みたいな仕事が来る時は上守甲斐から直接、連絡が来ていた)

P(それがメールで事務的になると……寂しいもんだな)

P(俺は感情に身を任せる復讐は辞めた。だからツナミというだけで目くじらを立てる偏見も辞めたんだ)

P(そうしたら……上守甲斐に対する嫌悪感は無くなった。それでようやく気付けたんだ)

P(彼女は……彼女の立場で出来る限りツナミからアイドル業界から守っていたんだって)

P(今回のサマーフェス。ツナミが主催者だけどアイドルショーウインドウと違って上守甲斐は関わっていないのだろう)

P(彼女が主体者となっていたならあんなことをさせるわけがない。そんな確信があった)
 

300: 矢橋P 25/07/04(金) 15:40:43 ID:gqaQ

このみ「そうだ。Pくん、ジュリアちゃんから聞いたわよ。一人で勝手に無理したんですって?」ゴゴゴ

P「はい……そうです」シュン

このみ「杏奈ちゃんにこってり絞られたみたいだから私からはとやかく言わないけどね」

このみ「もっと私達を頼るのよ。わかった?」

P「はい」









 

301: 矢橋P 25/07/04(金) 19:43:11 ID:gqaQ
そして


P「ツナミから真珠星にサマーフェスへの招待状が来た」

昴「やっぱりな」

桃子「……」

星梨花「……ツナミの悪い人達が乱入してくるんですよね」



P「どうする?受けないのも選択肢の一つだ」

桃子「そんな簡単に断って良いの?一大イベントでしょ」


P「あのツナミの、それもサマーフェスというビッグイベントを独断で断ったら少なからずはマイナスの影響はあるだろうけどな」

P「……正直俺はそれでも真珠星には参加して欲しくない」
 

302: 矢橋P 25/07/04(金) 19:45:17 ID:gqaQ

昴「へー。オレは参加してツナミの野望を食い止めようぜ!って言うと思ってたぜ、プロデューサー」

桃子「まさかお兄ちゃん一人で乗り込むなんて言わないよね?」


P「もうそんなつもりはないさ。昴のいうツナミへの反抗心もなくはない」

P「だけど……今回ばかりは規模が違い過ぎる。参加すれば無事で済むかどうかわからない。今の俺は星梨花達の身の安全が第一だ」
 

303: 矢橋P 25/07/04(金) 19:45:34 ID:gqaQ

桃子「……だね」

星梨花「危険ですよね」


昴(オレはそれでも参加したい。危ないのがわかっていてもおめおめと引き下がりたくはねーんだ)

昴(だけど……星梨花と桃子は巻き込みたくないな)



P「すぐに決心出来ないだろうし明日のミーティングまで考えてくれ。そこでみんなで結論を出そう」












 

304: 矢橋P 25/07/04(金) 23:04:33 ID:gqaQ
その日の夜





星梨花(サマーフェス、私達はどうしたら……)





ピロリン


星梨花「あれ?メールです」











宿舎外




星梨花「来ましたよ、ジナイダさん」

305: 矢橋P 25/07/04(金) 23:06:19 ID:gqaQ

ヒョッコリ


ジナイダ「オマエを部屋から出るところから見ていたが……本当に一人で来たのか」



星梨花「ジナイダさんが一人で来て欲しいとメールで送ったからですよ?」

ジナイダ「だからといって本当にそうするとは……。ジナイダはオマエが心配になってきたぞ。もう少し用心を覚えた方がイイゾ」

星梨花「ジナイダさんが友達だからですよ。怪しい人に同じことはしません」

ジナイダ「そもそもメール交換もしていないのにジナイダからメールが来たことに驚かないのか?」

星梨花「あれ、本当です!どうやったんですか?」


ジナイダ「オマエは本当に……。ジナイダは電脳戦を想定して作られたからな。携帯端末のハッキングぐらいお手の物だ」

星梨花「よくわからないですけどすごいです」
 

306: 矢橋P 25/07/04(金) 23:08:02 ID:gqaQ

ジナイダ「今日はオマエに忠告しに来た」

星梨花「アイドルのことですか」

ジナイダ「今回は違う。……いや関係あるのか」



ジナイダ「サマーフェスに参加するのはやめるのだ」

星梨花「え……」

307: 矢橋P 25/07/04(金) 23:08:55 ID:gqaQ

ジナイダ「ジナイダから詳しくは言えないがとにかく参加するな」

ジナイダ「ユニットがもう参加することになっているのならば仮病でも使ってオマエだけでも欠席しろ」


星梨花「……危ないからですか」

ジナイダ「そうだ。ジナイダはオマエにヴァルハラには行ってほしくない。ホンフーも同意見だ」

星梨花(ホンフーさんって……)
 

308: 矢橋P 25/07/04(金) 23:09:17 ID:gqaQ

ジナイダ「伝えたいことはそれだけだ。いいか、ゼッタイだぞ!」

星梨花「ジナイダさんありがとうございます。おかげで決心出来ました」

ジナイダ「おお、そう言ってくれるとジナイダも嬉しいぞ」


星梨花「私、サマーフェスに参加します」
 

309: 矢橋P 25/07/04(金) 23:10:24 ID:gqaQ

ジナイダ「……」

ジナイダ「おかしい。ジナイダのイヤーは故障していないはずだ」

ジナイダ「さっきのセリフもう一度言え」

星梨花「私はサマーフェスに参加します。ジナイダさんの言うとおりには出来ません、ごめんなさい」



ジナイダ「なぜだ!どうしてそうなる」

ジナイダ「ハッキリ言うぞ。サマーフェスに出ればオマエは……死ぬかもしれない。それでもいいのか」
 

310: 矢橋P 25/07/04(金) 23:11:11 ID:gqaQ

星梨花「……いいわけないです」

星梨花「でも他の出場するアイドル達が同じ目に遭うのに私だけ逃げるわけにはいかないんです!」



ジナイダ「……そうか。またジナイダは読み切れなかった」

ジナイダ「オマエもジナイダと同じ一流の戦士の覚悟を持っていたのか」

星梨花「戦士?」

311: 矢橋P 25/07/04(金) 23:12:23 ID:gqaQ

ジナイダ「オマエもジナイダと同じだ、戦士の覚悟を汚す無粋なことはやめるとしょう。だがその代わり……」ゴソゴソ

ジナイダ「このボタンをオマエに預ける」スッ



星梨花「このボタンは……何のボタンですか?」

ジナイダ「それはジナイダに直接届く信号を発するボタンだ。いよいよ危なくなったら押せ」

ジナイダ「その時はジナイダが駆けつけてオマエだけは守ってやる。ジナイダが近くに居ればの話だが」
 

312: 矢橋P 25/07/04(金) 23:13:20 ID:gqaQ

星梨花「私以外は守ってくれないんですか」

ジナイダ「ジナイダは守ることは苦手だ。せいぜいオマエを守るので精一杯だな」

星梨花「そうですよね……」

ジナイダ「オマエに覚悟があるのならサマーフェスへの参加を止めはしないが……死ぬなよ!」










 

313: 矢橋P 25/07/04(金) 23:14:03 ID:gqaQ
翌日






星梨花「Pさん。私やっぱりサマ-フェスに出たいです」

昴「星梨花もそう思うよな!」
 

314: 矢橋P 25/07/04(金) 23:15:04 ID:gqaQ

P「いいのか?」

星梨花「危なくなったら……自分で逃げます!」

P「身の安全のこともそうだけど、役割のことだ」

P「いくら悪事を見過ごせないといっても俺達が参加したところでサイボーグで超能力者の昴はともかく星梨花に出来ることなんかないぞ」

P「俺達がサマーフェスに参加したところで最悪足手まといになる可能性もある」


星梨花「そのことなんですけど……」



カクカクシカジカジナイダ

315: 矢橋P 25/07/04(金) 23:16:29 ID:gqaQ

P「昨日の夜にそんなことがあったのか」

昴「あのジナイダってアイドルも裏でなんかしているのか?」

桃子「ツナミグループのアイドルだしね」

星梨花「……いえ。ジナイダさんは本気で私のことを心配してくれました。裏とかはないって思います」


P「そうか……」

桃子「つまり、理由はイマイチ掴めないけどツナミは星梨花さんに手を出しづらいってことだね。それは利用出来るかも」

星梨花「そうです。私がステージに居るだけでステージに手を出しづらくなるはずです!」

316: 矢橋P 25/07/04(金) 23:17:20 ID:gqaQ

P(自らを盾にするのか……)

P(そう簡単にはいかないだろう。ツナミの戦闘・工作部隊の連中はそんな冷静な奴らじゃない。いよいよとなったらそんなこと関係なく攻撃してくるだろう)

P(でも星梨花がそこまで悩んで出した答えだ。尊重してあげたい)


昴「いざって時は俺が守ってやるさ!」

桃子「桃子も忘れてない?ヒーロー達と連携取れるのはこの中じゃ桃子だけなんだから!」
 

317: 矢橋P 25/07/04(金) 23:17:52 ID:gqaQ

P「……わかった」

P「真珠星でサマーフェスに出よう。ただし俺達はあくまでアイドルだ、ヒーローじゃない」

P「敵を倒すことはヒーローの仕事。俺達はあくまで他のアイドルを守ることだ」

P「パフォーマンスで会場を盛り上げるのが本来の目的なのも忘れずにな」

桃子「そうと決まったらレッスンしよう。サマ-フェスまであと一ヶ月もないからね!」












 

318: 名無しさん@おーぷん 25/07/08(火) 02:55:46 ID:08cq
毎日毎日何度もサーバーエラー
毎日毎日何度も理不尽に弾かれる
荒らしをアク禁も出来ないくせに規制

違法や個人情報の削除依頼を何十回しても無視
自分の気に入らない書き込みは全消しする偽管理人

アフ○リエイトやアフ○とレスすると弾かれる
アフ○の養分2ちゃんねる
然し纏められなくなり自業自得

おーぷん2ちゃんねると言いつつ閉鎖的!排他的!

クソ無能!カス無責任!ヘタレ!犯罪者!偽管理人!さとる!死ね!
ニャイル大佐◆8oODN/jZ8.◆IdZu9qKgRc 死ね!

死に晒せ!死に絶えろ!虐殺されろ!惨殺されろ!屠殺されろ!
血反吐吐いて死ね!のたうち回って死ね!苦しみもがいて死ね!
地獄の責め苦に遭え!苦痛の限りを味わえ!最悪の地獄へ永遠に堕ちろ!

特定されボコボコにリンチされろ!半殺しにされろ!

319: 名無しさん@おーぷん 25/07/08(火) 02:56:18 ID:08cq
さとる!こいつボコボコにしたい!半殺しにしたい!カタワにしたい!
さとる!こいつボコボコにしたい!半殺しにしたい!カタワにしたい!
さとる!こいつボコボコにしたい!半殺しにしたい!カタワにしたい!
さとる!こいつボコボコにしたい!半殺しにしたい!カタワにしたい!
さとる!こいつボコボコにしたい!半殺しにしたい!カタワにしたい!
さとる!こいつボコボコにしたい!半殺しにしたい!カタワにしたい!
さとる!こいつボコボコにしたい!半殺しにしたい!カタワにしたい!
さとる!こいつボコボコにしたい!半殺しにしたい!カタワにしたい!
さとる!こいつボコボコにしたい!半殺しにしたい!カタワにしたい!
さとる!こいつボコボコにしたい!半殺しにしたい!カタワにしたい!

320: 矢橋P 25/08/09(土) 19:34:52 ID:ZbMe
そして 数日後

573プロ









ひかり「私達にサマーフェスのオファーが来たわけだけど、真珠星も参加するみたいよ」

九羽「よっしゃ!」

ケイ「765プロのストロベリーポップムーンとcloverは出ないみたい。ちょうど地方のイベントに被ったみたいね。残念だわ」ハァ

321: 矢橋P 25/08/09(土) 19:37:04 ID:ZbMe

九羽「今回のサマーフェス、私達はアイドル勝負で出るんだったよな」

九羽「ってことは真珠星とウチらのブラスジョーカーズが当たるかもしれないってことか!」


ひかり「基本的に同じアイドルランク同士でぶつかるみたいだからその可能性は高いわね」

九羽「よし、よし、よし!」グッ

九羽(573プロに移籍してから真珠星と対決する機会が全くなかったからな)

九羽(星梨花、あの時のリベンジだぜ!)











 
 

322: 矢橋P 25/08/09(土) 19:38:38 ID:ZbMe
ヒーロー連合 秘密のアジト








朱里「……以上が来ないだジオット直属のホンフーから言われた内容の全て。ツナミから私達への挑戦状ね」


育「……うーん」

莉緒「これは大変なことになったわね」

瑞希「ですが見逃すことは出来ません。木下さんを守るために悪事を見逃すなら、それはもう私達はヒーローでは無くなってしまいますから」

323: 矢橋P 25/08/09(土) 19:39:59 ID:ZbMe

グントラム「ヒーローってのは大変だねぇ。言っておくが俺は参加しないぜ?俺の任務はあくまでピース・メーカーを守ることだからよ」

朱里「ええ、強制はしないわ」

ブラッド(俺はどうすっかな……)

 

324: 矢橋P 25/08/09(土) 19:42:30 ID:ZbMe

朱里「出演者として参加する桃子からの情報だけど、サマーフェスは前半がアーティスト組の公演でアイドル達のパフォーマンスは後半ね」

環「つまり、ももこ達アイドルが大トリってことなのかな?」

瑞希「そうなります。敵の言う通りならアイドル全員のステージはそれぞれのパフォーマンス終わって全員が登壇し最高潮に達したタイミングで奴らの襲撃が開始される……」

莉緒「ならその頃にはアーティスト組はステージからはけてそうね。アーティスト組まで気を使わなくていいのは朗報かしら」

育「アイドル達の方は桃子ちゃんにお願いすればある程度融通が利くからね」
 

325: 矢橋P 25/08/09(土) 19:43:36 ID:ZbMe

朱里「ステージに上がるのはあたしとレッドウルフでいきましょう。シャドウグレイスとサイレントジョーカーは客席側で観客を守ってちょうだい」

莉緒「場合によっては観客の避難誘導が必要になるだろうしね。わかったわ」

朱里「モバイルプリンセスは会場のどこかの通信端末にイーエスを潜ませて。会場内の巨大ディスプレイの中なんかベストね。潜ませたら一緒に電脳世界で待機してちょうだい」

育「了解だよ!」
 

326: 矢橋P 25/08/09(土) 19:44:30 ID:ZbMe

朱里「問題は……相手の戦力ね」

育「デイライトだけでも大変なのに……」


莉緒「ツナミには世界に6人しかいないSランクがデイライト以外にもまだ”三人”いるのよね」

瑞希「『デスマス』『ババヤガン』『パイプ・ドリーム』の三人ですか」

朱里「Sランク以外にも厄介な能力者はいるし、どうしようかしら」
 

327: 矢橋P 25/08/09(土) 19:45:11 ID:ZbMe

ブラッド「だったらよ、こっちも出そうぜ。最後のSランクをよ!」

環「最後の一人って……はるか?」

瑞希「日本政府直属の特殊部隊AS(アサルト・スターズ)。その隊長である『天海春香』さんですね」

朱里「ASが味方になるならこれほど心強いことはないのだけど……連絡出来るツテがないのよね」












 

328: 矢橋P 25/08/09(土) 19:45:54 ID:ZbMe
-電話で通話中-





昴「そうか、恵美も出るんだなサマ-フェスに」

恵美「そうだよ。昴とは初の共演になるね~」

恵美「星梨花にもまた会いたかったしね。琴葉やエレナも喜ぶよ」

329: 矢橋P 25/08/09(土) 19:46:19 ID:ZbMe

昴「……恵美には伝えておきたいことがあるんだ」

恵美「何、ツナミ絡みなの」

昴「ああ。琴葉やエレナにも伝えてくれよ」













 

330: 矢橋P 25/08/09(土) 19:47:15 ID:ZbMe
日本 とある秘密の場所

-テレビ通話中-









ジオット「そうか。サマーフェスの準備は順調なんだね」

ホンフー「ええ。とても楽しいイベントになると思いますよ」

ジオット「犠牲者もそれなりに出るだろう。箱崎星梨花と最上静香の安全は大丈夫なんだろうね?」

ホンフー「ご心配なく。最上静香は765プロのイベントに敢えて被せたからサマーフェスには欠席。箱崎星梨花の方はジナイダにお願いして不参加にしてもらっているわ」

ジオット「頼むよ。せっかく具現化の芽が出たのに絶えちゃもったいないからね」

331: 矢橋P 25/08/09(土) 19:48:42 ID:ZbMe

ホンフー「しかし珍しいですねジオット。あなたがあんな男に自分の身のうちを吐露するなんて」

ジオット「ああ、彼ねぇ。彼はなんとなく普通じゃない感じがしたんだ。だから僕と同類なのかなって思ってさ」

ジオット「まあ、見込み違いだったわけだけど」

ホンフー「本当に珍しい。あなたの勘が外れるとは」

ジオット「たまにはそういうこともあるさ」
 

332: 矢橋P 25/08/09(土) 19:50:46 ID:ZbMe

ジオット「……僕はね。僕と同じぐらいの気概で臨んでくるのなら討たれてもいいって思っているんだよ」

ホンフー「……ほう」

ジオット「もちろん、むざむざ討たれてあげようって気は更々ないし抵抗はするよ。だけど僕も復讐を志したから気持ちはわかるんだ」

ジオット「だから”その時”が来たら……最後は足掻かないで讃えてあげようって思っているんだけどねぇ」
 

333: 矢橋P 25/08/09(土) 19:51:18 ID:ZbMe

ジオット「だけど……復讐を語る輩は現れど、僕みたいな覚悟で臨む人は現れない」

ジオット「奴らと来たら、軽い気持ちで復讐の世界に入ってきてさ。見ているだけでイライラしてくるんだよ」

ホンフー「皆、あなたみたいにはなれないのですよ。復讐を謳う連中はやれ誰かのためだのと言いますが、結局は我が身のためなのですから」

ホンフー「大事なものを更に失ってまで復讐しようなどという人間は居ないものですよ」

 

334: 矢橋P 25/08/09(土) 19:52:08 ID:ZbMe

ジオット「……満たされないんだよ。カエサリオンの一族を根絶やしにしてもツナミグループのトップに立って世界一の権力者になっても」

ジオット「憎しみの炎で煮えたぎる僕の心の奥底はちっとも満たされやしない」

ジオット「世界をめちゃくちゃにすれば少しは晴れるのかな?どうだろうね」

ホンフー「……」










そうして始まる
様々な思惑が交差する音楽の一大イベント、サマ-フェスが