P「燃えろ!アイドルリーグ!」 前編

335: 矢橋P 25/08/09(土) 21:06:47 ID:ZbMe

三週間後

不二ハイランド 野外ライブステージ 
サマ-フェス会場









スタッフA「パネルの設置ここでいいですかー」

スタッフB「いいぞ-。それで設営完了だ」

336: 矢橋P 25/08/09(土) 21:07:23 ID:ZbMe

スタッフA「それにしても今回のサマ-フェス、豪華だよなぁ」

スタッフB「パフォーム、ブラウン、トリプルB、ノースマン、色んなアーティストが勢ぞろいだぜ」

スタッフA「だけどアイドルだって負けてね-ぞ。TSVを始め、結構集まってら」

スタッフB「最近話題の真珠星とブラスジョーカーズも来るんだろ?」

スタッフA「ああ。だけどせっかくなら765プロも参加してほしかったよ。俺、静香ちゃんのファンなんだ」
 

337: 矢橋P 25/08/09(土) 21:08:25 ID:ZbMe

スタッフB「ところがな、765プロも参加するみたいだぜ」

スタッフA「マジか!地方イベントと被ったって聞いたぜ」

スタッフB「シアタープロジェクトのメンバーは来れないみたいだけどな。何でも新人がバックダンサーとして出るんだってよ」

スタッフB「しかしさすがアイドル業界最古の765プロだよ。バックダンサーが“14人“も居るんだもんな」
 

338: 矢橋P 25/08/09(土) 21:09:14 ID:ZbMe



スタッフC「……ったく。何でステージの脇にこんな巨大なコンテナ置いているんだろうな」

スタッフD「何でも演出で使うから絶対にずらすなって指示だぜ」





巨大なコンテナ<ズーン












 

339: 矢橋P 25/08/09(土) 21:10:22 ID:ZbMe
そして

地球プロ控え室








星梨花「ここが不二ハイランドの野外ステージ……」

桃子「野外ステージとしては国内最大級のステージと言われているね。桃子達はDランクアイドル枠として参加だよ」

昴「いつか真珠星のステージとしてここのステージに上がりたいよな」

340: 矢橋P 25/08/09(土) 21:11:47 ID:ZbMe

P「みんな体調は万全か?」

星梨花「大丈夫です!」



昴「なあ、P。落ち着かないから少し体を動かしてくる」

P「いいけど会場が広いから迷うなよ」

昴「へっ、オレはそこまで子供じゃないぜー」

ガチャ



バタン

341: 矢橋P 25/08/09(土) 21:12:26 ID:ZbMe

桃子「お兄ちゃん、桃子の衣装変じゃない?ちゃんと見て!」

P「ああ。……ここが少し曲がっているかな」

桃子「じゃあちゃんと直して」

P「へいへい」チラッ



星梨花「……」ソワソワ


P(三人ともいつもよりそわそわしているな。無理もないが)



 

342: 矢橋P 25/08/09(土) 21:13:24 ID:ZbMe
ガチャ




昴「戻ったぜー。それとばったり出会ってしまったんだけどな」


恵美「やっほ!」

琴葉「真珠星の皆さん初めましてTSVの琴葉です」

エレナ「エレナだヨ~。みんな~仲良くしようヨ~」
 

343: 矢橋P 25/08/09(土) 21:14:16 ID:ZbMe

星梨花「琴葉さん!恵美さん!エレナさん!」

P「TSVの三人方!?どうも、真珠星のPです」ペコリ

エレナ「オヤ~?キミがアノ子達のプロデューサーなんだネッ!」

桃子「お兄ちゃん、急にかしこまらないで!……でも恵美さん達は千鶴さんとまつりさんと同じBランクのアイドルなんだよね」


琴葉「そんな、私達は他のアイドルより長くアイドル活動をしているだけです」

P「それがいかに難しいか。貴方方の同期のアイドルのほとんどは後から出てきたツナミの台頭によって消えていった」

琴葉「その分新しいアイドルも誕生していますから。……なんて簡単に納得出来ないですけどね」
 

344: 矢橋P 25/08/09(土) 21:14:56 ID:ZbMe

恵美「それで。昴から教えてもらったけどこのイベント、ツナミが一枚噛んでいるんだって?」

昴「恵美達に話しても大丈夫だ。これでも恵美は頼もしいんだぜ?」

P「そうか……」




カクカクシカジカファンタジスタカーニバル




琴葉「……改めて聞くと、とんでもない事態になっているわね」

エレナ「怖いヨ~。恵美、守ってくれるよネ?」

桃子「そんな、軽いことじゃ……」

345: 矢橋P 25/08/09(土) 21:16:00 ID:ZbMe

恵美「にゃはは……。でもそんな感じでいいんじゃない?」

恵美「静香にも言ったけど私達はアイドル。アイドルの仕事はみんなに希望を与えること!」

恵美「だからびくびくしてもしょうがない。ステージの上のあたし達がぶるぶる震えてたら客席のファンも不安になるでしょ」

恵美「アタシ達には悪人を倒す力はない。だから胸張って私達の出来ることをやるだけだよ」


琴葉「だけど自分の身ぐらいは守らなきゃだめよ?少しでもヒーロー達の負担を減らさないと」

346: 矢橋P 25/08/09(土) 21:16:33 ID:ZbMe

星梨花「そうですよね!私、頑張ります」




P(TSVの恵美の言葉は確証も何もない根性論に近いかもしれない)

P(だけどその言葉は星梨花達を納得させる力があった。さすがBランクのアイドルだな)

347: 矢橋P 25/08/09(土) 21:17:21 ID:ZbMe

恵美「アイドルを守る秘策はバッチリなんでしょ?」

P「完璧でないかもしれないけど打てる手は全て打ってる」

恵美「それにアタシ達が参加出来ないのはくやしいけどね。みんなの安全をを頼んだよP!」










 

348: 矢橋P 25/08/09(土) 21:18:28 ID:ZbMe









ホンフー「……」

ホンフー「ジナイダ。何故出演者の名簿の中に箱崎星梨花の名前があるのですか!」


ジナイダ「ジナイダは止めた。だが彼女が拒否したのだ」

ホンフー「拒否した?ですが無理やりでも止めなかったのですか!」


ジナイダ「ホンフー、彼女は事情を知っても尚、強い意志を持っていた。同じ戦士としてジナイダは止めることは出来ない」

ジナイダ「もし、ここで死ぬのならそれが彼女の天命なのだろうな。ジナイダは悲しいが」

349: 矢橋P 25/08/09(土) 21:19:27 ID:ZbMe

ホンフー「……あなたがそこまで言うのなら仕方ありませんね」

ホンフー「具現化を発現出来るアイドルは最上静香が残ればなんとかなるでしょう。箱崎星梨花の方は諦めますか」








 




 

350: 矢橋P 25/08/09(土) 22:25:34 ID:ZbMe


そうしてサマ-フェスが始まった

俺達の心配をよそにサマ-フェスは滞りなく粛々と進んでいた
外部から招かれたアーティスト組のパフォーマンスは流石で会場も大盛り上がり。これでは『これからとても危険なので中止です』なんてとても出来ないだろう


ただでさえ夏の熱気が凄い中、アーティスト組が充分に場を温めてくれた
その勢いでアイドル組にバトンタッチ。遂に俺達のブロック、アイドル対決のステージの番がやってきた
 
 

351: 矢橋P 25/08/09(土) 22:26:45 ID:ZbMe

ステージ裏






九羽「よぉ、星梨花。いよいよだぜ」

星梨花「……はい」

352: 矢橋P 25/08/09(土) 22:28:51 ID:ZbMe

九羽「アイドル勝負Dランクの部は星梨花と私達との対決だ。世間も真珠星とブラスジョーカーズ、どっちが上か知りたいみたいだからな」

九羽「私にとってはサンピアザの時のリベンジだ。絶対勝ちに行くぜ」

星梨花「……私達も負けないです」



九羽(何だ?星梨花のやつ、いつもと違う)

九羽「調子悪いのかどうか知らないけどよ、私はリベンジに燃えて今日まで死に物狂いでレッスンしたんだ。つまんねー勝負にだけはするんじゃねーぞ!」






 

353: 矢橋P 25/08/09(土) 22:30:44 ID:ZbMe


昴「それじゃP。ブラスジョーカーズとのアイドル勝負、真珠星が先行だから行ってくるぜ」

P「ああ。真珠星にとっては初の野外ステージだ。今はツナミのことは忘れて思いっきりパフォーマンスしてこい」

P「何かあったら俺もステージに上がってみんなのことは守るから」

桃子「ふふん。いつも頼りないお兄ちゃんだけどこういう時ぐらいは頼りにさせてもらうね」









 

354: 矢橋P 25/08/09(土) 22:31:37 ID:ZbMe

MC『続いて次のアイドル勝負は今話題の真珠星とブラスジョーカーズがDランクを代表して対決してもらうことになっている!』

MC『特にブラスジョーカーズの黒羽九羽は真珠星に一度敗北し、煮え湯飲まされている!これは因縁の対決だーーー!』

MC『さあ、どちらが上なのか。まずは真珠星からパフォーマンスをしてもらおう!』








 

355: 矢橋P 25/08/09(土) 22:34:23 ID:ZbMe

P(サマーフェス。初の野外ステージという大舞台で始まった真珠星のステージ)

P(真珠星のパフォーマンスは客観的に観ても文句ないものだったと思う)

P(深夜の特訓を始めてからの成果が存分に出ていたし、”この後”があるというのにみんなそんなそぶりは全く見せなかった)

P(これは星梨花達、三人が精神的にも強くなっているんだろうな。アイドルショーウィンドウの時と比較しても全てにおいてレベルアップしている)

P(これならばブラスジョーカーズだって互角以上の勝負が出来るはずだ)








九羽「…………っち」

356: 矢橋P 25/08/09(土) 22:36:12 ID:ZbMe

MC『素晴らしいパフォーマンスでした!さてブラスジョーカーズ。これを受けてどのようなパフォーマンスで応えるのかーーーーっ!』









ステージ裏



P「みんな、凄いステージだったよ」

桃子「当たり前でしょお兄ちゃん」ハァハァ

昴「久しぶりのアイドル勝負だからな。負けるわけにはいかねーぜ」

357: 矢橋P 25/08/09(土) 22:37:13 ID:ZbMe


九羽「それがお前達のパフォーマンスか。星梨花」


星梨花「九羽さん……?」

桃子「何、桃子達のパフォーマンスに文句あるわけ?」




九羽「……観てな。私達のパフォーマンスをな」


スタスタスタ

358: 矢橋P 25/08/09(土) 22:38:33 ID:ZbMe

昴「なんだあいつ。一度負けてるからって対抗心燃やしすぎだろ」

星梨花(九羽さんが一瞬見せた表情。あれは…………)










ひかり「”あれ”。本当にやるのね」

九羽「ああ。奴らみたいに怖じ気ついてられるか」

359: 矢橋P 25/08/09(土) 22:39:31 ID:ZbMe

ケイ「後戻りは出来ないわよ」

九羽「そうはいうけど止めないんだな。リーダー」

ケイ「私もやめる気はないもの」

ひかり「私だって、昴に勝つためならためらわない」

九羽「それじゃ決まりだ。……リーダーにひかり姉。実力では劣る私がセンターでごめんな」

360: 矢橋P 25/08/09(土) 22:40:53 ID:ZbMe

ひかり「私達チームでしょ。気にしないで」

ケイ「そう、私達は似た者同士。だから運命が私達を引き合わせたの」

ケイ「今日のセンターはあなた。掛け声、よろしくね」




九羽「世界を私達側にひっくり返えせ!」

ケイ・ひかり「「ブラスジョーカーズ!!」」












 
 

361: 矢橋P 25/08/09(土) 22:42:51 ID:ZbMe

ザワザワ ザワザワ ザワザワ ザワザワ





P「さて、ブラスジョーカーズのパフォーマンスだが……」

昴「あんな態度をしたんだ。なんかあんだろ」





ケイ「……」スッ

ひかり「……」スッ





星梨花「あれ?九羽さんがセンターです!」

桃子「アイドルショーウィンドウの時はケイさんがセンターだったよね」

桃子「それにケイさんとひかりさんが九羽さんの後ろに下がった。これじゃあの時の桃子達と同じ……」

362: 矢橋P 25/08/09(土) 22:47:06 ID:ZbMe


\ドッドッドッ!/







昴「この曲、九羽の持ち曲ブラック・クロウだ」

P「まさか本当にサンピアザでの勝負を再現するつもりなのか!」

363: 矢橋P 25/08/09(土) 22:52:13 ID:ZbMe
~回想~

573プロ レッスンルーム 深夜







九羽「ハァ、ハァ……」


ひかり「あんた、まだやってんの。いい加減にしなさいよ」


九羽「まだだ……」

九羽「あとちょっとで掴めそうなんだ」

九羽(星梨花に出来て……私に出来ないはずがねー)

364: 矢橋P 25/08/09(土) 22:53:04 ID:ZbMe

ひかり「もういい加減に……」



バサッ



ひかり「まさか……」



九羽「はは……、やったぜ。これが私の……」




~回想終了~

365: 矢橋P 25/08/10(日) 00:39:41 ID:r6RW


九羽(見ろよ星梨花。これが……私のやり方だ!)




ブァッ


バサッ!



「おいおい……」 「見間違えじゃないよな」 「なんだあれは……」


「黒羽九羽の背中にカラスみたいな羽根が生えている!」
 

366: 矢橋P 25/08/10(日) 00:40:33 ID:r6RW




P「馬鹿な!」

昴「マジか、九羽のやつ……具現化を使いやがった!」

桃子「昴さん星梨花さん間違いないよね!」

星梨花「はい。劇場で感じた感覚……九羽さんからはっきり感じます」

P「ただの舞台じゃない。5万人が見ているこのステージで具現化を使ったのか!」

 

367: 矢橋P 25/08/10(日) 00:43:00 ID:r6RW


バサッ バサッ 



「すげ……」

「よくわかんないけど……演出なのかこれは」

「特別な衣装……でもなさそうだよな」

「まさか、あのネットに流れた映像にあったアイドルが使う魔法ってのはこれのことか!」







九羽(見たか。これが私から星梨花に対する答えだ!)
 

368: 矢橋P 25/08/10(日) 00:45:17 ID:r6RW









その後のブラスジョーカーズのパフォーマンスは圧巻で観客5万人を瞬く間に魅了してしまった

具現化という隠し球もそうだがそれに合わせた楽曲、振り付け
付け焼き刃ではなく前々からチームとして用意していたことが伺えた
つまりブラスジョーカーズの三人は俺達真珠星に最初っからこれをぶつけるために準備していたことになる

ただ闇雲に具現化を使用するのではなくパフォーマンスと一体化し完成されたステージ
それは具現化なんか使って卑怯だ!…………などと幼稚に言い返す気も起きないぐらい完成させていた
 

369: 矢橋P 25/08/10(日) 00:46:41 ID:r6RW

当然真珠星とのアイドル勝負はブラスジョーカーズの勝ち

どころか完全にサマーフェスそのものを喰ってしまったようでその後のCランクとBランクのアイドルのステージを含めても
何ならアーティスト組すら含めてもブラスジョーカーズのパフォーマンスのインパクトには及ばず、全てを塗りつぶしてしまった……










 


370: 矢橋P 25/08/10(日) 00:47:38 ID:r6RW
控え室 廊下









星梨花「九羽さん……具現化使えるようになったんですね」

九羽「使えるようになったのはほんのつい数日前さ」

九羽「それで曲も振り付けも急遽変更したんだ。おかげで殆ど寝てねぇ」

371: 矢橋P 25/08/10(日) 00:49:26 ID:r6RW

九羽「具現化を使ったこと、卑怯って思ったか。765プロの面々には使うの禁止とまで言われていたしな」



星梨花「……わかりません」

星梨花「でも卑怯とかって言葉が出る前にすごいって思いました。それぐらいの気迫が伝わってきましたから」

372: 矢橋P 25/08/10(日) 00:50:37 ID:r6RW

九羽「別に卑怯って言ってもいいんだぜ。今回は意表を突いた感じになっちまったからな」

九羽「ブラスジョーカーズに入ってひかり姉やケイリーダーに挟まれて私も少しは丸くなったと思ってた。でも本質は変わっていなかったみたいだぜ」

九羽「”勝つためなら何でも使う”それが私の本質だ。ソロで活動していた頃から、あの大っ嫌いな親父の会社の力を使ってたからな」

九羽「汚いって思うなら思えよ」



星梨花「思いません。それくらい九羽さんはアイドルに真剣なんだと思いますから」

九羽「……そうかい」

373: 矢橋P 25/08/10(日) 00:51:33 ID:r6RW

九羽「星梨花、私達ブラスジョーカーズに遠慮なんか要らねえ!」

九羽「星梨花も具現化使えるんならどんどん使え。具現化が使えないアイドルには使えないってのはわかるけどよ、ブラスジョーカーズと真珠星は全力を出し合える仲だろ!」

九羽「次は星梨花が私達を叩き潰すつもりでこいよ。いいか!」


星梨花(……九羽さんの目。真剣です)

星梨花「わかりました。次は負けません」


九羽「よし!それでこそ私のライバルだ!」











 

374: 矢橋P 25/08/10(日) 00:52:13 ID:r6RW










ホンフー「おやおや。まさか三人目が現れてしまうなんてね」

ホンフー「彼女を消してしまうのも勿体ないんだけど……今さらあの連中が止まるわけないし仕方ないかしら」

ホンフー「いよいよよ、アイドルさん。このサマーフェスの”本番”はね」




第十章   終わり

375: 矢橋P 25/08/10(日) 00:57:38 ID:r6RW
一ヶ月以上も放置してしまいました
理由はですね。今私のSSを書くきっかけとなったところでSS祭が開催されています
祭り用のSSを仕上げていたということもありますが……

次の第十一章がめちゃくちゃ書くのに難儀しているからです!
ええ、唸りながら書いてます!
 

376: 矢橋P 25/08/10(日) 00:59:35 ID:r6RW
十章で具現返りという要素を出しましたが……これは説明が難しい

ジョジョの独り歩き

377: 矢橋P 25/08/10(日) 01:04:38 ID:r6RW
ジョジョの一人歩きするスタンドとはまた違いますし

具現化は本人の心や想いが形になることなので本人を歪めることはないんです
しかし具現化自体が本人を変えてしまう。それが具現化返りです
 

378: 矢橋P 25/08/10(日) 01:09:32 ID:r6RW

最後に先ほど述べた【アイマスSS祭2025】がアイマスBBSで開催されています
よろしければ覗いてみてはいかがでしょうか
URLも張っておきます→http://imasbbs.com/patio.cgi?read=36034&ukey=0&cat=765
 

379: 矢橋P 25/08/13(水) 14:52:16 ID:TUib


第十一章   『想い』

 

380: 矢橋P 25/08/13(水) 14:53:43 ID:TUib

スタッフA「765プロのバックダンサーのみなさん。そろそろ準備お願いしまーす」



???「はーい」



スタッフA(うわ……。本物の765プロだ。みんなかわいいなー)

スタッフB「あれ、予定では14人のはずでは?」

???「一人が欠員して13人なの。ごめんなさいね」

スタッフA「いえいえ。13人も居れば充分ですよ」





 

381: 矢橋P 25/08/13(水) 14:54:31 ID:TUib

???「……全く。あの子は最後までダンス覚えられなかったわね」

???「仕方ないよ。あの依頼が来て今日までダンスレッスンも二週間ぐらいしかなかったじゃないか」

???「むしろ初めてなのにすんなり覚えてしまった自分達が凄すぎるだけさー」
 

382: 矢橋P 25/08/13(水) 14:55:32 ID:TUib

???「でもみんなよくこんな短時間で仕上げたよね」

???「レッスン受けるの初めてだったけどなんだか楽しかったよね」

???「ダンスもぱぱーっと、ばばーんと覚えちゃいました!」

???「誠……まるで体に馴染むようでした」

???「真美たち前世はアイドルだったかもねん」

???「こんなせくちーれでぃだもんおかしくないですな~」

???「ダンスだけじゃなくて歌えればもっと良かったのだけど……」

???「あらあら~。それじゃ私達が退官したらみんなでアイドルやるのもいいかもしれませんね」















 

383: 矢橋P 25/08/13(水) 14:58:45 ID:TUib
サマーフェス ステージ上


MC『サマーフェスも終わりが近づいてきたーーー!』


MC『最後に今日のステージを盛り上げてくれたアイドル全員に登場してもらおう!』







P(いよいよか……)

384: 矢橋P 25/08/13(水) 15:00:34 ID:TUib

MC『それでは…………って何だ君は、うげっ!』






ザワザワ ザワザワ




???「おっと、ちびっ子が大好きなお子様ショーは終わりだぜ?」

???「これからは大人の時間だ。刺激が強すぎておしっこちびっちまうかもな」

385: 矢橋P 25/08/13(水) 15:01:39 ID:TUib

ザワザワ ザワザワ ザワザワ








九羽「何だ?」

ひかり「MCがおかしいわ」


星梨花「……」

386: 矢橋P 25/08/13(水) 15:02:20 ID:TUib

P(あれは旧ジャジメント超能力者部隊のマーチャント!)

P(こいつが出てくるってことはデイライトだけじゃない、旧ジャジメントの超能力者部隊が来てるってことか!)
 

387: 矢橋P 25/08/13(水) 15:03:41 ID:TUib

ザワザワ ザワザワ ザワザワ





マーチャント「ダメだねぇ。このだらけた雰囲気、戦場には緊張感ってもんがないといけねぇ」


ヴィン





恵美(あいつ……。何も無いところから拳銃を取り出した)

琴葉(間違いなく、超能力者ね)

388: 矢橋P 25/08/13(水) 15:05:40 ID:TUib

「あれって……拳銃?」 「ニセモノ……だよな?」





マーチャント「俺が手品師なら種も仕掛けも銃弾もありません~って言うところだが……」




ドォン!



マーチャント「残念!俺は殺し屋なんだよ」

389: 矢橋P 25/08/13(水) 15:07:18 ID:TUib

「は……」 「なになに、冗談でしょ?」 「何なんだよあいつは!」






ホンフー(おや、銃声を聞いてもパニックにならないとは)

ホンフー(この国の人間はは平和ボケしていて、『銃声が聞こえても誰も地面に伏せない』とは聞いていましたが本当のようですね)

ホンフー(ですが念のため)




『この場から離れなさい』


 
 

390: 矢橋P 25/08/13(水) 15:09:05 ID:TUib

マーチャント「ふっふ~ん。気の利いた放送が入ったところで、ここに居る方々の大好きなアイドルを一人くらい撃ち殺せば理解できるかな?自分達の置かれている立場がね」






「待ちなさい!」




マーチャント「お?」


朱里「あなた達の狙いはあたし達でしょ」





ザワザワ ザワザワ ザワザワ ザワザワ


「誰あの人」 「警察官じゃないみたいだけど」 「女性?」

391: 矢橋P 25/08/13(水) 15:10:21 ID:TUib


マーチャント「これはこれは。奇跡の素体、浜野朱里の姉御じゃないですか。今はウェポンストレージを名乗っているんでしたっけ?」


朱里「低俗な減らず口が八年前から治ってないようね。コードネーム『マーチャント』」

朱里「遠くにある物体を瞬時に手元に引き寄せることが出来る、出現(アポート)の超能力者。殺し屋なんかにならずに運送業にでも従事すればよかったんじゃない?」
 

392: 矢橋P 25/08/13(水) 15:12:27 ID:TUib

マーチャント「政府の監視付きで?冗談じゃない」

マーチャント「それにあっしは昔からガンマンに憧れていましてね。この能力は殺し屋が天職なんですよ」

マーチャント「なんせ武器を携帯する必要がないんだからどんな所でも忍び込めるし、弾切れを気にすることがない」

マーチャント「どんな武器もあらゆる弾薬も瞬時に取り出せるってんだから便利なものでしょう?だからあっしのコードネームはマーチャント(商人)。あっしにとって武器なんてものは売るほどあるのさ!」
 

393: 矢橋P 25/08/13(水) 15:13:59 ID:TUib

朱里「あっそ」

朱里「あなた達の狙いはあたし達ヒーローなんでしょ?だったらアイドルや観客に手を出さないで」


マーチャント「そーなんですがね。そう言われるとますます殺したく……」

朱里「……」ギロッ

マーチャント「おー怖っ。わかりましたよ」ススス…



ドォン!



マーチャント「おやぁ。あまりも睨まれるもんだから手が滑っちまった!まずは一人ぃ!」






「本当に撃った……」 「やばい、やばいよ!」 「でもどういうわけか体が動かない……」

394: 矢橋P 25/08/13(水) 15:15:45 ID:TUib

朱里「……そう。それじゃ遠慮はいらないわね」

マーチャント「ずいぶん冷酷だねぇウェポンストレージ。目の前でアイドルが一人が死んだってのに」





???「誰が死んだって?」イテテ


マーチャント「おいおいマジか。最近のアイドルってやつは防弾チョッキでも着てんのかよ。……ってお前は!」


真「失礼だなぁ。せっかくフリフリの衣装着られるのにそんなもの着るわけないじゃないか」

マーチャント「ASの菊地真!」

395: 矢橋P 25/08/13(水) 15:16:55 ID:TUib

朱里「みんな!正体ばらしてもいいわよ」





雪歩「はい!」

響「待ちくたびれたぞ!」

亜美「政府特殊部隊、AS全員さんじょー!」





マーチャント「こいつら全員ASか!!」

マーチャント「他のアイドル達はどうしたぁ!」

396: 矢橋P 25/08/13(水) 21:40:23 ID:TUib
ズズズズッ




イーエス「ウェポンストレージ、ASのみんな。舞台にいたアイドル達は私が電脳空間に避難させたよ!流石に観客全員は無理だけど……」


千早「ありがとうございますイーエスさん、モバイルプリンセスさん。これで心置きなく戦えます」







朱里「ってわけなの。こちらはヒーロー連合に加えてASが全員来ているわ」

マーチャント「てめえら……」

397: 矢橋P 25/08/13(水) 21:41:38 ID:TUib

ブラッド「おいおい、ASだけじゃねえ。サイボーグ同盟の俺も居るんだぞ!」ヒョッコリ


朱里「あら。グントラムのように参加しなくてもよかったのよ?」

ブラッド「久しぶりに会いたいやつが居たもんでな。よう、ちびっ子。元気だったか?」


真美「ブラブラ~、ちびっ子はもう古いっしょ~。プリちーだった真美と亜美は大人のれでぃになってAS見習いを卒業したのだよ」

ブラッド「そうかい、あのがきんちょがねぇ。あんまり変わった気しないけどな」
 

398: 矢橋P 25/08/13(水) 21:44:16 ID:TUib

伊織「にひひっ。それじゃあんたにもっと驚くものを見せてあげるわ」

伊織「出て来なさい、ハームレス!」





ニュルニュルッ



千羽矢「ようやくチハちゃんの出番?昨日の夜からステージの下でずっと寝てたから待ちくたびれちゃったよ」

千羽矢「それと伊織ちゃん。私のことはハームレスじゃなくてチハちゃんって呼んでよ~」


ブラッド「げっ、お前生きてたのか!」

399: 矢橋P 25/08/13(水) 21:45:47 ID:TUib

伊織「チハヤだと千早と被るのよ。我慢しなさい」


真美「今までよくステージ外で待機してくれたAS新人のハッチー」

亜美「亜美先輩と真美先輩の指令であ~る。打ち合わせ通りにやりたまえ~」

千羽矢「ははーっ」






ブラッド「なんだこれ……」

響「うん、その……亜美と真美って今まで見習い扱いでおまけに下の後輩っていなかったでしょ?」

やよい「それでハームレスさんが仲間に加わってからずっとあんな感じですー」

ブラッド「あー。なんか想像できるな……」

400: 矢橋P 25/08/13(水) 21:47:35 ID:TUib

千羽矢「チハちゃん大奮発!この日のために体を大きくしていたんだよ!」




ゴゴゴ……




「今度はなんだ……」 「会場内が揺れてるぞ!」 




ドドドドン!




「囲まれた!」 「見えねー」 「どうなってるんだーー」

401: 矢橋P 25/08/13(水) 21:48:48 ID:TUib

ブラッド「なるほどね。パライソタウンの第一研究所の時みたいに客席をこいつのバカでかい体でドーム状に覆わせて観客を護るってわけか」

伊織「この子は食事をすればいくらでもでかくなるからね。柔軟性もあるし結構重宝するのよ」

律子「あとは普段の食欲をもうちょっと抑えてくれると助かるんだけど」

雪歩「貴音さんより大食いだなんて思いもしなかったよ」

貴音「実に面妖な……」








マーチャント「なるほど準備は万端ってわけかい」

マーチャント(まさかバックダンサーに紛れ込ませているなんてな。どんな手段を使ったのやら)

マーチャント(だが考え方によっては好都合。超能力者のASが傍に居る以上奴らもESPジャマーは使えまい。ESPジャマーを気にしなくて済みそうだ)

402: 矢橋P 25/08/13(水) 21:50:32 ID:TUib

マーチャント「それじゃこっちも」シュン


千早(あれは無線機!)



マーチャント「野郎共、出番だぜ!」ゴニョゴニョ




ザッ! ザッ! ザッ! ザッ!



超能力者達「………………」



亜美「おー。蟻さんみたいにわらわら湧いてきたね~」

ブラッド「うげ……」

朱里(この会場のどこかに敵を呼び出すワームホールが居る。そいつをどうにかしないと敵は増援が止むことはなさそうね)

マーチャント「それじゃ開戦だ。客席が隠れちまってギャラリーは寂しいが楽しく派手に行こうぜ!」










403: 矢橋P 25/08/13(水) 21:52:25 ID:TUib











サマーフェス会場 巨大ディスプレイの電脳の中




昴「……始まったな」ギリッ

恵美「みたいだね」ググ…


※ディスプレイから映る範囲で外の様子が見える状況です





P「みんな、ステージに上がってたアイドル達は無事に全員この中に避難させたぞ」

琴葉「よかったです。まずは一安心ですね」

404: 矢橋P 25/08/13(水) 21:53:54 ID:TUib

P「後はヒーローとASに任せよう」

恵美「豪華だよねヒーローとASの合同戦線なんてさ」


昴「Pは加勢しなくていいのか?」

P「あの面子じゃ俺も戦力外追放さ」

P「俺達でしか出来ないことだってある。まずは何も知らない他のアイドル達にこの状況を説明しないと」

P「琴葉さんと恵美さんも協力お願いします。Bランクのお二人が説得に協力してもらえたら心強いですから」

琴葉「わかりました。他のアイドル達にもパニックにならないよう安心してもらわないといけないですね」










 

405: 矢橋P 25/08/13(水) 21:54:31 ID:TUib

九羽「おい、星梨花。あれは何だ、それにこの空間はどうなってんだ」

星梨花「九羽さん。実は……」




カクカクシカジカブラッククロウ




ひかり「そんな事態になってたの……」

ケイ「…………」

ケイ「……あのツナミならやりかねないわね」

ひかり「リーダー?」

406: 矢橋P 25/08/13(水) 21:55:08 ID:TUib
ダン!



九羽「気に入らねぇ」

ひかり「ちょっと九羽」

九羽(星梨花が勝負前からそわそわしてた理由がそれかよ!)








育「桃子ちゃん」

桃子「育……」

407: 矢橋P 25/08/13(水) 21:55:59 ID:TUib

育「すてきだね、その衣装」

桃子「うん。特注品でね、桃子もデザイン考えたんだよ」




育「その……あの時はごめんなさい」

桃子「ううん。あれは育が正しいよ」

桃子「桃子じゃみんなの役に立てないし。今だってみんな出動しているのに桃子に出来ること何も無いしね」

408: 矢橋P 25/08/13(水) 21:56:48 ID:TUib

育「でも、今の桃子ちゃんはアイドルでしょ。亜利沙さんやわたしのあこがれだもん、すごいよ」


桃子「……それもどうなのかな」

育「えっ」

桃子「確かに今の桃子はDランクのアイドルだけど星梨花さんや昴さんにくっついているだけなの」

桃子「育も見たでしょ、星梨花さんや九羽さんの具現化。昴さんだってちょっと違うけど具現化使えるんだよ。……桃子は使えないけど」

桃子「結局、ヒーローでもアイドルでも桃子は中途半端。みんなと違うの」

育「桃子ちゃん……」

409: 矢橋P 25/08/13(水) 21:58:18 ID:TUib

エレナ「そんなことないヨ!」

育「わあっ」

桃子「エレナさん!?」


エレナ「モモコは立派なアイドルだヨ、さっきのステージとてもよかったネ!」

桃子「でもブラスジョーカーズに負けちゃって……」

エレナ「勝ち負けなんか二の次。ファンを盛り上げるのがワタシ達のやることデショ?楽しんデステージに上がればいいんだヨ~」

桃子「でも勝負は勝負なんだから楽しむだけじゃ駄目でしょ」

エレナ「まあネ~。だけどモモコ、自分をもっと信じなヨ?」

桃子「信じろって……。桃子にはアイドルの才能が……」

410: 矢橋P 25/08/13(水) 21:59:31 ID:TUib


P「アイドルの知識や造詣なら昴や星梨花より上だぞうちの桃子は」

桃子「お兄ちゃん……」


育「当然だよ。桃子ちゃんはわたしや亜利沙さんと一緒にずっとアイドルが大好きで勉強してたんだもん」

P「実際それで星梨花や昴はだいぶ助かっているんだ。もっと誇っていいんじゃないか」

桃子「別に……それだけでしょ」

P「ただ桃子はサポートに徹したいせいかあまり前に出たらないよな」

エレナ「そうだヨ。アイドルならウジウジしちゃダメだヨ!」

桃子「そうだけど……」












 

411: 矢橋P 25/08/14(木) 00:51:53 ID:7zbP
サマーフェス会場 ステージ上





イグニッション「俺様の能力は……」


朱里「リボンワーム」シュッ



シュルシュル


イグニッション「ガッ!」


グワッ




\バタン/

412: 矢橋P 25/08/14(木) 00:53:06 ID:7zbP

朱里「超能力者は能力使う前に倒すに限るわ」フン

ブラッド「ひぇー。腕からワイヤーを出して首に引っかけてはっ倒すなんてな。常人なら死んでるぜ」

朱里「こいつら超能力者は全員サイボーグで強化されてる。体がクソみたいに丈夫だからこのくらいじゃ死なないわよ。遠慮なんて要らないわ」

朱里「イグニッションは『触れた物を爆弾に変える』能力者。こいつに限らないけど能力を使われると面倒なことになるの」


朱里「ほら、つべこべ言わずにあんたも戦いなさいよ」

ブラッド「へいへい。だけど殺しちゃ駄目なんだろ?」

朱里「当たり前でしょ。あたし達と居る間は不殺で頼むわね」

ブラッド「ヒーロー気取りは趣味じゃないんだけどなぁ」チャキ
 

413: 矢橋P 25/08/14(木) 00:55:15 ID:7zbP

超能力者「何を余裕面しているんだ」

ブラッド「してるつもりはないぜ」パーン



超能力者「うぎゃゃゃゃぁ」



朱里「ノータイムで膝を拳銃で撃ち抜くなんて容赦ないわね」

ブラッド「これでも殺さずに仕留めるのも得意なんだぜ。敵を生け捕りにする場合もあるしな」

ブラッド「膝を撃ち抜くとな、人間はしばらく痛みで悶えて何も出来ねぇんだ。といって急所でもないから放っておいてもしばらく死ねない」

朱里「……今は許容してあげるわ」

ブラッド「俺達傭兵のやり方を好意的に見てもらうつもりはない。だが時には荒っぽいやり方だって必要だろ?」

ブラッド「それよりよ……」

414: 矢橋P 25/08/14(木) 00:57:03 ID:7zbP




環「フン!セイ!」


\ドコッ!/  \バキッ!/






ブラッド「俺達が何とか一人を倒してる間に二人や三人は倒してるぜ、おたくのエース」

朱里「彼女は私達ヒーローの中でも別格なの」

ブラッド「サイボーグより高い身体機能で爆弾にも耐える耐久力。サイボーグの俺が見ても自信無くすよなぁ」

朱里「……あれでも脆いところはあるの。レッドウルフは自分の理想のヒーロー像を具現化しているだけだから」


 

415: 矢橋P 25/08/14(木) 00:58:05 ID:7zbP




千早「すごい……あれがヒーロー連合のエース。噂には聞いていましたけど……」

真美「真美達が知らないうちにあんなヒーローが誕生していたなんて……」ムムム…

亜美「これはわれわれも負けてはいられませんぞ真美隊員!」

律子「焦らないの。私達には私達の役割があるんだから」


春香「美希隊員。そろそろか」

美希「もう少し待つの。あとちょっとだから……」ウーン






 

416: 矢橋P 25/08/14(木) 01:00:59 ID:7zbP



マーチャント「いけねぇ、完全に奴らのペースだ。こうなったら……」

瑞希「よろしければ私が相手になりましょうか」スッ


マーチャント「貴様は……」ヒュン

マーチャント「死ねっ!」チャキ


バシン!



マーチャント(瞬時に取り出したリボルバーの拳銃がバトンに弾かれた!?)

マーチャント「ならサブマシンガン!」ヒュン



バシン!

417: 矢橋P 25/08/14(木) 01:02:17 ID:7zbP
マーチャント「なっ!?」



瑞希「マーチャントさんの能力は現れてから武器を取るまでに隙がありますね」

マーチャント(隙だって?コンマ数秒の話しだぞ)

マーチャント(こいつがサイレント・ジョーカーか。噂以上の動体視力……)


マーチャント「ここは一旦退かせてもらいましょうかね!」ダッ

マーチャント(距離さえ取ればスナイパーライフルでもグレネードでも武器と手段はいくらでも……)

418: 矢橋P 25/08/14(木) 01:04:29 ID:7zbP
ドスッ


マーチャント「は……、ダーツ?」


瑞希「何も無いところから道具を取り出す。実は私も得意なんです」





ヒュン




\バチバチバチ/



マーチャント「そのバトン……仕込み棒か……」ピクピク



瑞希「……私の場合は手品ですからマーチャントさんと違って種も仕掛けもあるんです。ですが超能力より手品の方が有効な場合があるんですよ」
 

419: 矢橋P 25/08/14(木) 01:06:02 ID:7zbP

マーチャント「こうなれば……」ピクピク



シュン シュン シュン!



瑞希「っ!」



マーチャント「イグニッションによって爆弾と化した鉛の玉だ」ピクピク

瑞希(大きい!これほどの大きさなら30㎏は下らないはず、私でもさすがに……)


マーチャント「一緒に吹き飛ぼうぜ!」ガクッ

420: 矢橋P 25/08/14(木) 01:07:56 ID:7zbP
瑞希(このまま地面に落下したら……)


ピタッ



亜美「亜美達のテレキネシスを忘れてな~い?」

真美「ヒーローばかりに任せてられないっしょ!」




ふわ~




瑞希「助かりました。強い衝撃を与えると爆発するみたいですから気をつけてください」


真美「あれ、でもこれどうすんの?」

亜美「うあうあ~。そこら辺で爆発させるわけにもいかないし……」

421: 矢橋P 25/08/14(木) 01:08:42 ID:7zbP

雪歩「亜美ちゃん真美ちゃん。その爆弾、私がもらうよ!」


真美「あっ、なるほど~」

亜美「さすがゆきぴょん。頼りになりますな~」





瑞希(双海さん方が萩原さんの方に爆弾を流すと萩原さんが空間に穴を空け爆弾を収納しました)

瑞希(この対応力は我々も見習わなければいけませんね)












 

422: 矢橋P 25/08/14(木) 19:39:25 ID:7zbP

カルマミラー「グフフ……」





朱里「厄介な奴が出て来たわね……」

ブラッド「なんだあいつ。知能低そうだぜ」

朱里「あいつはカルマミラー。『ダメージを跳ね返す』能力者よ」

ブラッド「跳ね返す!?そんなのありかよ」

朱里「完全に跳ね返すわけじゃなくて本人が受けるダメージは無効にしないみたいだけど」

朱里「その代わり受けたダメージは100%与えた張本人に跳ね返ってくる。拳銃で撃つぐらいならまだしも爆弾なんか使った場合なんか悲惨ね」

423: 矢橋P 25/08/14(木) 19:40:28 ID:7zbP

ブラッド「だけどよ。それならあいつも無事で済まなくね?最悪痛み分けだろ」

朱里「それをサイボーグの技術で補っているのよ、最低なやり方でね」

朱里「まず痛覚を排除。そしてとにかく体を丈夫にする方向で改造」

朱里「その結果、戦車の砲撃をまともに受けても直ぐ治療すれば生き残れるぐらいの化け物染みたタフネスを実現した」

朱里「でも……本人の精神は崩壊して見ての通りになってしまったの」

ブラッド「うぇ……。俺達傭兵が可愛く思えてくるな」

424: 矢橋P 25/08/14(木) 19:41:11 ID:7zbP

貴音「あの方は私で何とかします」

朱里「大丈夫なの」

貴音「ええ。響、真。協力してください」

響「もちろんさー」

真「任せてよ!」






 

425: 矢橋P 25/08/14(木) 19:55:30 ID:7zbP

カルマミラー「どうしだ。攻撃じてごい」


環「くっ」



響「ここは自分達に任せるさ!」

環「響!」

響「あれ、自分のこと知ってるの?」

※真美や響はレッドウルフが環だとは知りません



 

426: 矢橋P 25/08/14(木) 19:57:20 ID:7zbP

カルマミラー「じゃまだあ」ブン


真「よっと」


ガシッ


カルマミラー「ゲッ」



真「響は左手をお願い」

響「もちろん!」



ガシッ


環(真と響で左右の腕をホールドした)

427: 矢橋P 25/08/14(木) 20:01:02 ID:7zbP
カルマミラー「うごけねぇ」ジタバタ

カルマミラー「だげどごんなことしてもムダだど。それども犠牲になっでオデのウデでも折るか?」



貴音「そのような必要はありません」スッ

貴音「真、響。よき仕事です」





ガプッ

428: 矢橋P 25/08/14(木) 20:02:59 ID:7zbP

カルマミラー「なにを……」

貴音「あなたの血を吸わせてもらいます」チュルチュル

カルマミラー「そんなごとすればオマエも……」

貴音「あなたの能力で私の血も減りますがあなたから吸い取った血で補うゆえ影響はありません」

カルマミラー「そんなのひきょうだど」

カルマミラー「あ……」クラクラ


貴音「そして最後にあなたに下すのは貧血による失神です。それはあなた自身の生理現象ゆえ私に跳ね返すことは出来ません」

貴音「無理をしなくてよいのです。しばらく休みなさい」

カルマミラー「……うん」



バタン

429: 矢橋P 25/08/14(木) 20:04:04 ID:7zbP

響「よし、拘束するぞ!」

貴音「やよい。拘束が終わり次第、彼の回復もお願いします」

やよい「わかりました!」





ブラッド「あれは俺らには出来ないやり方だな」

朱里「見習わないといけないわね」

ブラッド「厄介なやつが片づいたし、思ったより何とかなりそうだぜ」

朱里「なに甘いこと言ってんのよ。肝心のデイライトがまだ姿を現していないじゃない!」





 

430: 矢橋P 25/08/14(木) 20:10:14 ID:7zbP


美希「春香、敵を輸送している能力者の位置わかったの!」

春香「よし、直ちに如月隊員に伝えよ!」

千早「私がエンパシーでヒーローに伝えます」









莉緒「……」

莉緒「わかったわ。ステージの最奥の左側ね」

431: 矢橋P 25/08/14(木) 20:12:49 ID:7zbP
ビュン




莉緒「見つけたわ」

ワームホール「ほう、よく私の位置がわかりましたね」

莉緒「超能力はあなた達の専売特許じゃないからね」


ワームホール「クク……ですがあなた一人で私が倒せますかね」

ワームホール「私はワームホール。空間に穴を空ける能力者……」

432: 矢橋P 25/08/14(木) 20:15:17 ID:7zbP
パァン



莉緒「悪いけど講釈を聞いてる暇は無いの」



ワームホール「な、なぜだ。能力が……」


莉緒「これだけステージから離れていればASのみんなに影響は無いでしょ?」

ワームホール「ESPジャマー……か」


バキッ!




莉緒「よし。これでひとまず大丈夫」

433: 矢橋P 25/08/14(木) 20:20:02 ID:7zbP

朱里「シャドウグレイスから連絡。ワームホールの捕捉に成功したわ」

ブラッド「やったぜ!これで敵の増援はもうないんだろ」

ブラッド「敵さんももうほとんど……」






美希「!!」ハッ

美希「春香!まずいの!」

春香「何を感知したの美希」





ピュン

434: 矢橋P 25/08/14(木) 22:26:29 ID:7zbP
バシュッ!




美希「うっ……」グラッ

千早「美希!」


春香「あずさ隊員!直ちに美希とやよい隊員を連れてこの場を脱出せよ」

あずさ「了解!」

やよい「美希さんしっかり!」



シュン!

435: 矢橋P 25/08/14(木) 22:28:16 ID:7zbP

ブラッド「おい、何であの三人だけ逃がしたんだよ」

朱里「正しい判断よ。あたし達の中で姿を消したデイライトを探すことが出来るのは星井美希だけ。だからデイライトは真っ先に星井美希を狙った」

朱里「彼女がリタイアしたら勝ち目は無くなる。だから美希と治療が出来る高槻やよいを優先的に逃がしたのよ」

朱里(やはりデイライトは最初から会場内に居た。……同じ部隊の超能力者を撒き餌に使ったっていうの!?)










デイライト「フフ……ずっと観察していたが私の姿を見つけることが出来るのは星井美希だけのようだな」

デイライト「しかし情けない奴らだ。日本政府の犬とヒーローどもにいいようにやられるとは、それでもジャジメントの頃から裏社会を制圧していた超能力者部隊の精鋭か?」

436: 矢橋P 25/08/14(木) 22:29:32 ID:7zbP

ジジジ……







ブラッド「なんだあれは……」

春香「……太陽光が一点に集まってる」

伊織「あれを打ち出されたらレーザービームどころじゃないわ」

律子「でもこっちも対策してないわけじゃない。雪歩、あれを出してちょうだい!」

雪歩「はい!」
 

437: 矢橋P 25/08/14(木) 22:30:37 ID:7zbP

バババッ!




莉緒「雪歩ちゃんが空間の穴から出したのは……複数のチタンプレートね」



真美「それじゃ~真美達の出番!」

亜美「あみまみシールド!」



ガキン!



環「見事だな。真美の超能力で板を操って巨大な盾にするのか」

春香「デイライトに関しては八年前に日本で暴れた時のデータがあるからね。ある程度は対策してきたけど……」

438: 矢橋P 25/08/14(木) 22:31:29 ID:7zbP
ジジジ!


春香「来る!」




ピカッ!




バババッ!



朱里「っ!」

朱里(ここまでの威力だなんて!)

真「チタンプレートが熱で真っ赤になってるよ」

律子「普通の鉄板ならドロドロに溶けてるところね。こういう事態に備えてチタンプレートを特注して正解だわ」

貴音「広範囲破壊型能力者の肩書きは伊達ではないようですね」

439: 矢橋P 25/08/14(木) 22:32:42 ID:7zbP

ブラッド「敵はあんな攻撃を撃ち放題なのかよ。早く倒さないとやべーだろ!」

瑞希「ですが敵の居場所が特定できません。この会場のどこかには居るはずですが……」

真美「ブラブラー、かーっとなって熱くなっても状況はよくならないっぽいよ?」

ブラッド「別にそこまで熱くなってねえ…………待て、本当に暑いぞ」
 

440: 矢橋P 25/08/14(木) 22:35:05 ID:7zbP
ジジジ……






春香「マズいね……」

律子「さっきの攻撃は脅しでこっちが本命……」

真美「何、何。どうこと?」


朱里「おそらくデイライトは光を集中させてこのステージ周辺の気温を徐々に上げてきてる。虫眼鏡で火を熾すように私達をゆっくり蒸し焼きにするつもりね」

ブラッド「それじゃこのステージはフライパンの上と変わらないってことかよ。急いで離れねーと」

律子「そのための”脅し”よ。さっき太陽光を集めたビームを闇雲に撃ってきたでしょう?あれは”お前達が逃げるのなら、いつでも観客に向かってあれを撃つ”って脅し」

ブラッド「ちっ、ヒーローってのはとことん不便だな!」










 

 

441: 矢橋P 25/08/14(木) 22:36:54 ID:7zbP
ディスプレイの電脳世界






P「くそ、デイライトの奴め!」

恵美「途中までヒーロー側が優勢だったのに……。あれが敵の親玉ってワケ?」

琴葉「敵が想像以上ですね。このままだと……」

442: 矢橋P 25/08/14(木) 22:37:34 ID:7zbP

昴「もう黙っていられるか!オレ達も参戦しようぜP!」

恵美「アタシも賛成。いざって時の武器はこっそり用意していたしね」



P「駄目だ。ヒーロー達でも苦戦しているのに俺達が出しゃばっても何もならない」

琴葉「そう……ですよね」シュン

昴「ぐ……」ギリッ




 

443: 矢橋P 25/08/14(木) 22:39:15 ID:7zbP







育「環ちゃん、朱里さん、瑞希さん、みんな……」ソワソワ

桃子「育、コードネームで呼ぶの忘れてるよ。落ち着いて」

育「でも……みんなが……」

桃子「……っ」グッ

444: 矢橋P 25/08/14(木) 22:40:50 ID:7zbP

桃子(なんで……何で桃子はいつも、いつも!見てるだけなの)

桃子(今の桃子はヒーローじゃない。桃子はアイドル。それはわかってる、けど!)

桃子(アイドルがみんなを守っちゃいけないの?)

桃子(桃子だってみんなを守りたい!アイドルとしてみんなを笑顔にしたい!)













ドクン

445: 矢橋P 25/08/14(木) 22:41:52 ID:7zbP

桃子(え……)



ドクン



桃子(これって……)




具現化には相性は存在する
だが具現化を”アイドル”として発現するのには才能は必要ない
具現化を発現するには
強く、より強く、ひたすら強い『アイドルへの想い』があればよい

446: 矢橋P 25/08/14(木) 22:42:25 ID:7zbP

星梨花の『アイドルへの憧れ』

静香の『アイドルは希望という前進』

九羽の『アイドルとして一番になるという渇望』


それは多種多様であるが桃子はそれが欠けていた
 

447: 矢橋P 25/08/15(金) 04:58:16 ID:wSNG

ドクン




桃子(そっか。そうなんだ)

桃子(桃子はアイドルは大好きだったけど、アイドルになった動機に何か強い意思があったわけじゃなかった)

桃子(だから星梨花さんと昴さんの役に立てればいい。漠然とそんな風しか思わなかった)

桃子(だから……この感覚も感じれなかったんだ)



ドクンドクン




桃子(それを才能のせいにしたりお兄ちゃんのせいにしたり。それじゃ具現化も桃子の味方をしてくれないよね)

桃子(そうだよ。アイドルなら……アイドルの力を信じて強く願えばよかったんだ!)

448: 矢橋P 25/08/15(金) 05:01:04 ID:wSNG

ドクン、ドクン、ドクン!




今、桃子は強く願った



『アイドルでみんなを守りたい』と




ドクン!ドクン!ドクン!


桃子(わかる。手を取るようにこの力の使い方が!)

桃子(具現化が、桃子達アイドルの味方になってくれてるんだ!)

 

449: 矢橋P 25/08/15(金) 05:02:23 ID:wSNG




ドクン!ドクン!




九羽「これは!」ドクン

星梨花「あの時と……同じです」ドクン

昴「765プロ劇場で感じた感覚だ」ドクン




恵美「なんなのこの胸の高鳴りは」ドクン

琴葉「私達も感じます」ドクン

エレナ「なんだかワカラナイけど、コレはいいことだヨ!」ドクン

昴「恵美達も感じるのか!」ドクン

450: 矢橋P 25/08/15(金) 05:04:54 ID:wSNG



桃子「お兄ちゃん!みんな!桃子達も加勢してヒーロー達の手助けをするよ!」

P「桃子、いきなりどうしたんだ」

桃子「具現化がね。力の使い方を教えてくれるの。それに『アイドルのステージを壊したあいつらをなんとかして!』って意思が伝わってくる!」

星梨花「桃子さん……。ついに具現化に目覚めたんですね」
 

451: 矢橋P 25/08/15(金) 05:05:13 ID:wSNG

P「いくら具現化に目覚めたからといっても……」ピロリン

P(こんな時にメール、組織の人間か?)ジッ

P(………!)







P「わかった。俺達も出よう」

昴「そうこなっくちゃ!」

452: 矢橋P 25/08/15(金) 05:06:51 ID:wSNG

P「だけどいいか、一つ約束してくれ」

P「具現化で突然魔法みたいなことが出来るようになったからって本当の自分を見失なったらダメなんだ」

P「新しい力を得たからって調子に乗ってただ暴れるのなら今回の暴動を起こした超能力者達となんら変わらない」


昴「わかってるさ。あいつらだって元々は普通の人間だった」

星梨花「それが超能力でおかしくなってしまったんですね」

P「そうだ。桃子達はアイドル、あいつらを倒すことがアイドルのやることじゃない」

P「俺達がやること。それは”あいつらをステージから追い出すこと”だ!」
 

453: 矢橋P 25/08/15(金) 05:08:50 ID:wSNG

昴「そうだな!わかりやすいじゃん」

桃子「お兄ちゃんも言うようになったね。心配しなくても桃子達は見失わないよ」

桃子「今なら分かるの。この力、具現化が発現したのはアイドルとしての力だけじゃない。アイドルを応援してくれるファンの力のおかげ」


星梨花「そうです。私もあの停電の時『なんとかしたい。ステージをこんなところで終わらせたくない』って強く願った時、応じてくれました」

星梨花「この力はアイドルとファンのためにある気がするんです。決して自分の為だけには使いません」
 

454: 矢橋P 25/08/15(金) 05:09:59 ID:wSNG

九羽「おい」

星梨花「九羽さん!?」

九羽「全部聞いてたぜ。星梨花も参加すんだろ、私も参加させろよ」

P「九羽さん。いくらあなたが具現化を使えるといっても危険で……」

九羽「止めても私はやるぜ。星梨花が本気出せなかったのは奴らのせいなんだろ。私と星梨花との勝負を邪魔した奴らは許せねーんだ」




ケイ「私も止めたんだけどね。こうなった九羽は頑として譲らないの。行かせてあげて」

ひかり「本当にね。真珠星とそのプロデューサーさん、私達の困った妹分を頼むわ」

P「573プロの皆さん!?」

P「うちだけじゃなく他の事務所のアイドルもか。はぁ…………責任重大だ」

恵美「ついでにウチらもお願いね~」

P「本当に勘弁してくれよ……」

455: 矢橋P 25/08/15(金) 05:11:19 ID:wSNG


琴葉「作戦は何かありますか?」

昴「そんなもん、やつらをステージからぶっ飛ばす!以外にあんのかよ」

恵美「昴は相変わらず出たとこ勝負だね~。ま、アタシもそうだけど」


桃子「ちゃんと考えてあるよ。今回の重要なキーマンは星梨花さんだね」

星梨花「私ですか!?私はみんなの応援するぐらいしか……」

九羽「星梨花は敵どころか野良猫すら倒せそうにないだろ」

星梨花「むーっ。私だって猫さんを追い払うことぐらいは出来ます!」

九羽「だから……そういうところだぜ、星梨花」

P「星梨花に何をさせるつもりなんだ?」

桃子「それはね……」







 

456: 矢橋P 25/08/17(日) 20:10:15 ID:MF9H





朱里「ぐ……」

ブラッド「そろそろキツいぜ。なんか手はないのかよ」

ブラッド「そうだ!天海春香は天候操作(ウェザー・コントロール)が使えるんだろ?周りの気温ぐらいなんとか出来ないのかよ」


伊織「春香はね。日本政府の許可が下りないと超能力を使うことが出来ないのよ」

真「今回の任務は政府から指示を受けてない独断の作戦だからね」

ブラッド「マジか……」


春香(私の能力が使えたらこんな熱波攻撃なんか……)

457: 矢橋P 25/08/17(日) 20:11:01 ID:MF9H
ゴゴゴ……



莉緒「これって……壁?」

瑞希「私を守ってくれています」


亜美「ハッチーだ!」

伊織「ちょっと!ハームレス、どうして客席の防御を解いたのよ!」

千羽矢「伊織ちゃんや亜美先輩真美先輩が弱っていくのは黙ってられないもん」

真美「でもハッチー。そんなことしたらハッチーが敵の攻撃をモロに受けちゃうよ~」

千羽矢「平気平気。チハちゃんが何でハームレスって呼ばれていたと……」

458: 矢橋P 25/08/17(日) 20:12:38 ID:MF9H
ピカッ!



バシュウ!




千羽矢「ぐうっ……」


律子「無理しないで、あなたの体は面積が広いんだから敵の範囲攻撃のいい的になるのよ!」


 

459: 矢橋P 25/08/17(日) 20:13:55 ID:MF9H
スッ



デイライト「頃合いだな」



ブラッド「なっ……」

朱里「デイライト!」




デイライト「どうした?私が姿を現すことはお前達も望んでいたことだろう」


瑞希(……デイライトさんが自ら姿を現しました)

莉緒(あのまま遠くで攻撃していた方が有利だったはず。いったい何故?)

460: 矢橋P 25/08/17(日) 20:23:53 ID:MF9H

デイライト「何故私が姿を現したか理解できない。といった顔だな」

朱里「ええ。遠くでネチネチと攻撃する陰湿な男だと思っていたからね」

デイライト「ふん、お前達をただ単に皆殺しにするだけならこの私の能力をもってすれば難しいことではない」

デイライト「だが死ぬ前にヒーロー共にはピース・メーカーの居場所を吐いてもらってくれないと困るのだ」




伊織(こいつ……。大した自信ね)

貴音(その傲慢に見合った実力を持っていると判断した方がいいでしょう)

461: 矢橋P 25/08/17(日) 20:25:10 ID:MF9H

環「そうか。ならこないだの決着を付けよう」

デイライト「お前か。臨むところといいたいが……」



環「勝負!」ダッ



ガッ!




環「!!」ググ…


アンリミテッド「お初に。ヒーローのエース、レッドウルフ」ググ…


環「くっ……」サッ
 

462: 矢橋P 25/08/17(日) 20:27:13 ID:MF9H


莉緒「レッドウルフが殴り合いで競り負けたですって!?」

朱里(こいつが残っていたのか……)


ブラッド「おい、なんだよアメコミにでも出てきそうなあのムキムキマッチョは」

朱里「コードネーム『アンリミテッド』。初めはただの身体機能強化だと思われていたけど調べてみたら身体機能の制限を解放する能力だった」

朱里「そこに目をつけた開発チームがサイボーグの力をフルに使って改造。その結果、人間の枠を越えた肉体をもつ超能力者が生まれた……それが彼よ」
 

463: 矢橋P 25/08/17(日) 20:31:16 ID:MF9H


アンリミテッド「こいつは貰うぜデイライトの旦那」


デイライト「彼は私のボディガードだ。一番優秀なカードは最後までとっておくものだよ」

デイライト「レッドウルフはお前に任せる。久しく暴れてなかっただろう。存分にあばれろ」

アンリミテッド「へへ……デイライトの旦那の仕切りはわかりやすくていいや」
 

464: 矢橋P 25/08/17(日) 20:32:08 ID:MF9H

亜美「いおりん。あいつめっちゃ強そうだよ」

伊織「あいつの厄介なところは超能力自体は身体機能の制限の解除で、強化自体をしているわけではないから超能力自体を封じても身体機能は損なわれないこと」

雪歩「ESPジャマー対策として最後までとっておいたみたいだね」

春香「能力自体はシンプルで、全く倒せないわけじゃないけど簡単には倒せないってタイプの敵だね。こっちが消耗する前に倒したかったけど……」




デイライト「さて、忘れてないか客席のことを」

朱里「!!」

465: 矢橋P 25/08/17(日) 20:33:10 ID:MF9H
ザワザワザワザワ


「これは……」 「アイドルが変な奴らと戦っている?」









千早(そんな、ハームレスの防御壁が剥がれてフェスの参加者達が……)

春香(だから敵はこのタイミングで姿を現したのか!)

466: 矢橋P 25/08/17(日) 20:39:58 ID:MF9H

デイライト「察しが悪いようだから教えてやるが、お前達だけでなく観客も私の射程圏に入ったというわけだ」

デイライト「私がその気になれば観客を全員始末するのに5分もあれば充分。どうするかね、ヒーロー共」


朱里(観客が完全に人質に取られ、アンリミテッドが護衛としている以上速攻も無理。状況は最悪だわ)


デイライト「自分達の立場が理解できたか?大人しくひれ伏してピース・メーカーの居場所を言え!」







       「「「誰か言うもんか!」」」




デイライト「何ぃ」

467: 矢橋P 25/08/17(日) 20:57:59 ID:MF9H


昴「すげーーな、この衣装。いつもより動きやすいぜ」

星梨花「わ、私の格好はどういう格好なのでしょう?宇宙飛行士さんみたいな格好ですけど……」

九羽「宇宙飛行士というより人工衛星だぜ。んで私は烏天狗ってところか」

琴葉「私は悪の組織の頭領ですか。なんだろう、どこかで演じたことがあるような……」

恵美「琴葉似合ってるよっ!エレナは天使で私は何かの神様かな~、翼が生えているしね」

エレナ「ワ~。頭にリングが白い羽根あって本当にエンジェルみたいだネッ!」




桃子「アイドルのみんなを桃子の力で思い通りにデコっちゃうよ!それが桃子の具現化なんだ!」
 

468: 矢橋P 25/08/17(日) 20:59:17 ID:MF9H

「あれって……コスプレ?」

「でも何だか本物に見える……」

「というかあれTSVのめぐみぃにエレナに琴葉じゃないか?」

「真珠星の三人と黒羽九羽も混じっているぞ」






朱里「観客がざわめいてる。あの子達……」

春香「何で出てきたの!あなた達アイドルが出てきちゃ状況はもっと不利になるのに……」



ヒュン!

育「作戦を破ってごめんなさい。でも今は桃子ちゃん達を……アイドルを信じて!」

朱里「モバイルプリンセス……」


 

469: 矢橋P 25/08/17(日) 22:56:09 ID:MF9H

環「桃子どうして……」


アンリミテッド「またにぎやかになったもんだ。……デイライトの旦那?」




ワナワナ!


デイライト「Shit!(クソッ!)」

デイライト「忌々しい!どこまで我々を馬鹿にすれば気が済むんだアイドルという奴は!」

デイライト「殺す!今すぐ失せろアイドル共め!」





朱里(あのデイライト乱れよう。アイドルに何かしらの確執があるのかしら)

春香(でもこれはチャンスかもしれない。デイライトの意識が完全にアイドルに向いた!)


470: 矢橋P 25/08/17(日) 22:57:38 ID:MF9H

デイライト「ぞろぞろとネズミのように現れるとは、下等動物のように死ね!」サッ



桃子「星梨花さん、お願い!」

星梨花「はい!」



ピカーーーーーッ



星梨花「えーーーーい!」


 

471: 矢橋P 25/08/17(日) 22:58:28 ID:MF9H

P(体から光を出す、これが765劇場で見せた星梨花の具現化)

P(あの時は薄ぼんやりと柔らかい光だったけど今は眩しいくらいの輝きだ)

桃子(おそらくあれは星梨花さんの意志の強さの現れなんだと思う。だから……)







デイライト「Screw you!(ふざけるな!)」

デイライト「こともあろうにこの私を前して光を出すだと!こけにしやがって、キサマの出した光で死ね!」バッ


朱里「マズい!」

472: 矢橋P 25/08/17(日) 23:00:30 ID:MF9H


シーン






デイライト「レーザーが出ない……だと」

デイライト「なぜ光が操れない!!」

デイライト(ESPジャマーか?だが私のESPジャマー探知機のセンサーにも反応がない)


デイライト「まさか……キサマの光が原因か!」




桃子「星梨花さんはね。ただ超能力かなんかで光を出してるわけじゃないんだよ」

デイライト「なんだと……」

桃子「星梨花さんが出している光は星梨花さんの意志そのもの。ただ発光させて光を出しているのと違って星梨花さんの意志が宿ってる」

昴「つまりお前の小ざかしい能力に支配されないってことだよ!」

473: 矢橋P 25/08/17(日) 23:01:43 ID:MF9H

デイライト「!!」


デイライト「ならば他の光を操ればいいだけだ」サッ





シーン




デイライト「馬鹿な!」



朱里「なるほど、光の三原色とあるように光とは混ざりやすいもの」

朱里「彼女の光が混ざった光も有効のようね」

春香「つまり彼女の光が届く範囲ならデイライト、あなたの能力は完全に封じ込めた!」
 

474: 矢橋P 25/08/17(日) 23:03:09 ID:MF9H

ダン!



デイライト「l will kill you(殺してやる!)」

デイライト「そこの小娘が死ねばその光は止まる」

デイライト「その細い首を我が手で捻じ切れば済む話しだろう!」


昴「やべっ!」

475: 矢橋P 25/08/17(日) 23:04:48 ID:MF9H
シュバッ




星梨花「Pさん!」

P「させるかよクズ野郎」

P「星梨花、すまないがこのまま抱えられたままでいてくれ。動くのは俺がやる」

星梨花「はい!」






恵美「か~っ。おたくのプロデューサー、お姫様抱っことは大胆だねぇ」

昴「茶化してやるなよ、あれでもサイボーグだからな」

桃子「桃子もしてもらったことあるし。まあこういう時は頼りになるよね」

476: 矢橋P 25/08/17(日) 23:07:41 ID:MF9H

デイライト「今さら何しに出てきた若造」

デイライト「アイドルに助けてもらった情けないやつがここぞとヒーロー気取りのつもりか」

P「いいや違うね。俺というやつはヒーローなんか毛ほども縁のない男さ」

P「今の俺はプロデューサーなんだ。俺に出来ることはアイドルの足代わりになることぐらいさ」



デイライト「ちぃ!」

デイライト(コードネームP。確か奴は”足”を重点的に改造したサイボーグだったな。このまま逃げに徹されると捉えるのも容易ではない)



P「俺もお前もこのステージには似つかわしくないんだ。お互いそろそろ退場しようぜ」

デイライト「減らず口を!」

477: 矢橋P 25/08/17(日) 23:10:15 ID:MF9H

ピカーーーーーッ




バシュウ!



デイライト「ぐあっ!」


伊織「ビーーム!」ペカー

伊織「にひひっ。アイドルから生まれた光を吸収したビームならあんたに操られることなく攻撃出来るわね」

伊織「普段使役している光から攻撃受けた感想はいかがかしら?」









 



478: 矢橋P 25/08/17(日) 23:12:11 ID:MF9H


アンリミテッド「デイライトの旦那……俺が全員殺せば関係ねぇ!」



バサバサッ!



アンリミテッド「ぐぅ、目にカラスの羽根が……」


九羽「私と星梨花の勝負を邪魔しやがってクソ野郎」

恵美「今だよ。莉緒さん、響さん、真美、援護して!」



莉緒「恵美ちゃんたら、あれからますます可愛くなっちゃって」ジャキ

響「ASも負けてられないもんね。真美、武器ちょうだい」ダッ

真美「あいよっ!このやり取りも懐かしいですな~」バキベキボコ




エレナ「傷付いている人はいないかナ~?エレナが治してあげるヨ~」

ブラッド「そんなことも出来んのか具現化ってやつは。それじゃ俺怪我治してくれ」


 

479: 矢橋P 25/08/17(日) 23:13:41 ID:MF9H



桃子「しっかりしてよレッドウルフ。この中じゃレッドウルフが一番強いんだからね」

環「桃子、その姿……君もヒーローになったのか」

桃子「ううん。これは桃子のヒーローになりたいって気持ちが具現化しただけ。桃子はアイドルだから」

桃子「でも……。こうやってレッ……環と育と並んでみたかった。それが今だけ叶ったんだ」

環「そうか。なら……今だけ環もレッドウルフじゃなくてたまきとしてももこの隣に立つぞ!」

桃子(口調が……。うん、そういうことなんだね)
 

480: 矢橋P 25/08/17(日) 23:14:31 ID:MF9H

桃子「いくよ環!」

環「わかったぞ!」




育「桃子ちゃん環ちゃん頑張れ!」

 

481: 矢橋P 25/08/17(日) 23:15:23 ID:MF9H

琴葉「デストルレイピア!」


ズガガガッ!



アンリミテッド「グッ」



昴「魔球、竜巻スクリュー!」


アンリミテッド「ガッ!」





P「よし、打ち合わせ通りにやれ!」




環「ひっさつのー」


環・桃子「ダブルメテオストライク!」




ドゴッ!



アンリミテッド「グワァァァァ」

482: 矢橋P 25/08/17(日) 23:17:12 ID:MF9H


デイライト「この……」




ヒューーーン




デイライト「何っ」



アンリミテッド「ぐげぇ」ヒューーーン


デイライト(アンリミテッドが吹っ飛ばされてこっちに!)

デイライト(避けねば)サッ


ガシッ


千羽矢「おじさん、逃げちゃだめだよ~?」


デイライト「bastard!(くそったれ!)」

483: 矢橋P 25/08/17(日) 23:18:22 ID:MF9H

バチーーーン!




春香(アンリミテッドが吹っ飛ばされた先にはデイライトがいて)

ブラッド(そのまま二人もろとも吹っ飛んでいっちまったな)

朱里(そしてその先には……ステージの横に置いてあった巨大なコンテナ?しかも何故かコンテナの扉が開いていて二人とも中に……)




バタン!



朱里(!!)

春香「コンテナが勝手にしまった?」

484: 矢橋P 25/08/17(日) 23:19:02 ID:MF9H

真美「どういうことなのさ、めぐちん」

恵美「アタシもわかんない。Pに”ステージから追い出せ”って言われただけだから」

朱里(そういえば倒したサイボーグ達の姿もいつの間にかないわね)

ブラッド「あんなコンテナに閉じ込めただけでどうにか出来る奴らじゃねーだろ!早く次の手を……」


P「いや、大丈夫だ。俺達の仕事はこれで終わりさ」

ブラッド「あん?」

P(今は信じていいんだよな?)










 


485: 矢橋P 25/08/18(月) 05:56:14 ID:wwrq
コンテナの中





デイライト「くそ……」

アンリミテッド「お互いずいぶん吹っ飛ばさたもんですな」

デイライト「私は他の超能力者サイボーグより重点的に改造されている。この程度でやられはしない」

アンリミテッド「奴ら、俺達を閉じ込めたつもりかもしれないがそりゃ角砂糖をぶち込んだジュースよりも甘い考えってもんだ」

デイライト「光が入り込まない密閉空間に閉じ込めて私の能力を封じ込めたつもりだろうがこんなコンテナなど……」







パッ



「それは困りますね」



アンリミテッド「およ、電気が点いた……ってお前は!」

デイライト「何故あなたがここにいる。ミス・上守!」

486: 矢橋P 25/08/18(月) 05:57:28 ID:wwrq

甲斐「私が”今日まで海外出張のはず”という意味ですか」

デイライト「!!」

甲斐「出張先のアメリカとの時差は約13時間です。仕事を早々に切り上げアメリカからプライベートジェットで直帰し、その他無茶苦茶してようやくついさっき到着したばかりですよ」



甲斐「それに何故こんなところに居るという台詞お返ししましょう。日本のツナミとアイドル業界は私が管理している」

甲斐「あなた達超能力者部隊が日本に来るという報告は聞いてませんが」

487: 矢橋P 25/08/18(月) 05:58:36 ID:wwrq


デイライト「……今ならあなたがここに居ることは見なかったことに出来る。あなたもそうだ」

デイライト「お互いことを構える必要はない」




甲斐「そんな配慮はけっこうです。よくも私が居ない間にこんなに騒ぎを起こしてくれましたね」

デイライト「あなたのしていることはミスター・ジオットに対する違背行為だ。わかっているのか!」


甲斐「私の行動などあの男にはとうに察していますよ。今起こっていることも面白がりながら上から覗いてるんじゃないですか」

デイライト「馬鹿な。我々が潰し合うなんて不利益なことを黙って見物するなど……」

488: 矢橋P 25/08/18(月) 05:59:29 ID:wwrq

甲斐「あなたはあの男をよくわかっていない」

デイライト「っ」ビクッ




甲斐「あの男にとって私もあなたもしょせん駒の一つ」

甲斐「私も、あなたも、そして世界一の巨大企業グループ、ツナミですらも!あの男にとって失って惜しむものではないのですよ」

甲斐「なぜならあの男が一番失いたくなかったものは……既にこの世界に無いのですから」

デイライト「……」

489: 矢橋P 25/08/18(月) 06:00:22 ID:wwrq

アンリミテッド「でもよぉ、デイライトの旦那。これはチャンスじゃないですかい」

アンリミテッド「つまりここでこの上守甲斐を殺してもお咎めは無いってことでしょ?」

甲斐「ええ。そうですね」




デイライト「フフ……、なるほど確かに」

デイライト「ミス・上守。あなたが死ねば日本のツナミを統治している大神派は崩壊したも同然」

デイライト「ジャジメント派の超能力者部隊の地位も上がるだろう。あわよくばツナミ日本支部の代表に我々が……というのもあり得ない話ではないな」スッ

甲斐「…………」

490: 矢橋P 25/08/18(月) 06:01:29 ID:wwrq

デイライト「まさか我々に一人で勝てると思いかミス・上守」

甲斐「ええ」

デイライト「確かにあなたは第三世代サイボーグの最高傑作”だった”。が、それは八年前の話。あなたが錆びだらけになるには十分な時間だ」

デイライト「ツナミの最上級幹部としてデスクワークばかりの日々で体が鈍っているとみえる」

デイライト「何度も改造を重ねた最新第三世代サイボーグの我々に勝てるなどという認識が古い。その頭をアップグレードさせてやろう」


アンリミテッド「どうせESPジャマーでも仕掛けてますぜデイライトの旦那。この女を殺すのはオレ一人で十分だ」

デイライト「そうだな」ニヤリ


デイライト(第三世代交代最高傑作といっても女だ。二人がかりでかかれば負けることなどあり得ない)

491: 矢橋P 25/08/18(月) 06:02:44 ID:wwrq
アンリミテッド「オラっ!」ブン



ヒュン



アンリミテッド「あん?」




サッ


アンリミテッド「早……」


ドスッ


甲斐「対サイボーグ用に開発した毒を打ち込みました。遺言なら今のうちですよ」




アンリミテッド「な……キサ……」


バタン





甲斐「神経毒ですからまず体が動かせなくなります。直に呼吸も止まりますよ」

492: 矢橋P 25/08/18(月) 06:03:42 ID:wwrq

デイライト「は……?」

デイライト(なんだ今の動きは!単に身体能力が高いわけじゃない。まるでプロボクサーか凄腕の格闘家のような……)







甲斐「ようやく完成したのですよ」


甲斐「今の私は『第四世代サイボーグ』第一号です」


 

493: 矢橋P 25/08/18(月) 06:04:20 ID:wwrq
デイライト「だい……よん?」

甲斐「頭をアップデートしなければいけないのは貴方の方だったようですね」

甲斐「ですが改造したおかげで二ヶ月の養生生活を余儀なくされました。さて、あなた達でリハビリといきますか」


デイライト「認めない……そんなことは認めんぞ!」


グワッ!














グサッ

494: 矢橋P 25/08/18(月) 06:05:53 ID:wwrq


甲斐「……終わりですね」





<ワーーーー!ワーーーー!



甲斐「みなさい。アイドルを讃える歓声が閉じたコンテナの中まで聞こえるでしょう」

甲斐「……あのような光が照らす舞台に我々のような者は上がってはならないのです。このコンテナの中のような薄暗いところがお似合いなのですから」


 

495: 矢橋P 25/08/18(月) 17:44:02 ID:wwrq









ピロリン


P「っと。メールだ」

桃子「誰から?」

P「甲斐からだよ」

桃子「えっ」

496: 矢橋P 25/08/18(月) 17:44:51 ID:wwrq


To:  上守甲斐
件名

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

全て終わりました






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 

497: 矢橋P 25/08/18(月) 17:45:45 ID:wwrq

P「本当に上からで無愛想な人だ」

P(だがなんか……安心したな)




P「みんな全て終わったとさ」

朱里「本当に?」

P「ああ。間違いない」
 

498: 矢橋P 25/08/18(月) 17:46:36 ID:wwrq

ブラッド「それじゃ退散だ。あーー疲れた」

莉緒「私達ヒーローは面倒ごとになる前に消えるのがお約束。それじゃ恵美ちゃんまた今度会いましょ?」

朱里「今回は本当にしんどかったわ。レッドウルフ、帰るわよ」

環「うん!」







恵美「またね……。莉緒さん、環」

499: 矢橋P 25/08/18(月) 17:47:18 ID:wwrq


響「それで、自分達はどうするんだ」

真「せっかくだから踊ってから帰ろうよ」

あずさ「そうですね。せっかくですもの」

やよい「いっぱい、い~っぱいレッスンした成果を披露したいです!」





春香「あずさ、やよい、美希隊員は大丈夫か」

美希「ちょっと痛かったけどやよいの治療があったから平気だよ」

律子「それでも無理しないの。あんたは休んでなさい」

500: 矢橋P 25/08/18(月) 17:48:44 ID:wwrq


千早「もうすぐ警察が来るみたいです。ライブは中止ですね」

亜美「えーーっ!面白くないよ」

真美「せっかく真美達ステージに上がれたのにー」

千羽矢「チハちゃんはそれよりご飯~」グッタリ



伊織「もう収拾がつかなくなるからやめなさいあんたたち。それにしても……」







ワーーーーーー!


ワーーーーーー!





伊織「凄い歓声だわ」

昴「そりゃそうさアイドルがテロリストを撃退しちまったんだもんな!」

501: 矢橋P 25/08/18(月) 17:50:00 ID:wwrq
桃子「今さらだけど……収集つくのこれ?五万人の目の前で具現化使うところをバッチリ見られちゃったし」

九羽「さあな。おたくのプロデューサーで何とかしてくれ。私は疲れた」

星梨花「もう九羽さん…………あれ?」





シューーーーン


昴「具現化が……」シュゥゥ

桃子「消えていくね」シュゥゥ

星梨花(ありがとう)シュゥゥ









そうしてサマーフェスは最後の締めの大団円のステージこそ中止になったが観客もアイドルも死傷者を出すことはなく無事終わった


502: 矢橋P 25/08/18(月) 19:23:31 ID:wwrq
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ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
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503: 矢橋P 25/08/18(月) 19:26:52 ID:wwrq
そして

サマーフェスがあったその日の深夜。日本政府のとある施設、そこにヒーローとASが集まっていた






ブラッド「何でこんなところで待機しているんだ俺達」

朱里「あたしだって早く帰って休みたいわよ。ASからここで落ち合うようお願いされたの」

瑞希「まあまあブラッドさん。今後のことを考えるとASとの連携も大事ですから。色々と共有しておいた方がよいでしょう」

莉緒「今回から私達は完全にツナミを敵に回すことになるからね」






真美「まさかかっこいい赤いヒーローがたまきちだとは思わなかったな~」

環「くふふ~。真美も久しぶりだぞ~」

響「環は変わらないなー。ヒーローの時と別人だね」

504: 矢橋P 25/08/18(月) 19:28:14 ID:wwrq
バタン




千早「隊長の春香は対応に追われているから私が代理でお話しします」

千早「ヒーローの皆さん。今回はご協力ありがとうございました」

朱里「こちらこそよ。そもそも今回の原因を持ち出したのは私達だもの。私達が頭を下げないと」

朱里「本当に助かった。礼をいうわ」ペコリ

505: 矢橋P 25/08/18(月) 19:28:50 ID:wwrq

千早「皆さんお疲れだと思いますから手短にします。今後の方針や情報共有はまた今後、日を改めてやりましょう」

莉緒「そうね。今回は挨拶だけ?」

千早「いえ……」



ガチャ




甲斐「私が頼んだのです。ヒーロー達を引き留めてほしいと」




ブラッド「あんた……」

莉緒「大した大物が出てきたものね」

506: 矢橋P 25/08/18(月) 19:29:31 ID:wwrq

朱里「……」チャキ




雪歩「待って!今回だけは味方なんです」

朱里「ツナミグループの最上級幹部が?」スッ

やよい「765プロの社長さんに私達をバックダンサーとして在籍させてくれってお願いしたのも甲斐さんなんですよ」

朱里「まさか……」



甲斐「言っても信じてくれないかもしれないですが、今回のツナミの裏の超能力者部隊の襲撃は私は関わっていません。知らされてもいなかったですから」

朱里「それ、嘘じゃないわよね?」

甲斐「ええ。そうです」


瑞希「だとしてもなぜ私達に肩入れをするようなことをしたのですか」

507: 矢橋P 25/08/18(月) 19:30:22 ID:wwrq

甲斐「私が管理しているアイドル業界を勝手に荒られたから」

甲斐「それに私怨もあります。彼ら超能力者部隊は元ジャジメントの兵隊。彼らに八年前の戦争で我々大神サイボーグの仲間をだいぶ殺されましたから」

甲斐「特にその元凶のデイライトをやっとこの手で討つことが出来ました」



朱里「……そう」

貴音「ツナミも一枚岩ではないではないということですね」

508: 矢橋P 25/08/18(月) 19:31:15 ID:wwrq

朱里「でもその理由だと今回だけでしょ?」

甲斐「はい、そうですね。あなた達に協力するのもこれで最後でしょう」




千早「……」

伊織「……」

莉緒「……」

瑞希「……」

509: 矢橋P 25/08/18(月) 19:31:48 ID:wwrq

甲斐「……」

甲斐「……なぜ、ツナミグループは”ツナミ”という名前かご存じですか?」



朱里「と、突然なによ」

瑞希「どこかのインタビューでジオット会長が言ってましたね。あらゆるものを飲み込み押し潰しながら進む。それがツナミグループだと」

510: 矢橋P 25/08/18(月) 19:32:33 ID:wwrq

甲斐「……」

甲斐「ツナミとは災害です」

甲斐「どんな魔物でも強い勇者には倒されるかもしれない」

甲斐「しかし勇者では災害を止めることは出来ない」

甲斐「でも……災害ならば人類が手を取り合い協力し合えれば乗り越えることが出来る」

甲斐「ツナミという名には……その思いを込めました」

 

511: 矢橋P 25/08/18(月) 19:33:04 ID:wwrq


朱里「あなた……」



甲斐「守りたいものがあるのなら抗いなさい、最後まで」


 

512: 矢橋P 25/08/18(月) 19:33:58 ID:wwrq

甲斐「あなたにこれを」


パシッ



朱里(これは……USBメモリー?)

甲斐「それでは」スッ

朱里「ちょっと、これはなんなの……」


スタスタスタ






甲斐「次会う時は敵として、ですよ」











 

513: 矢橋P 25/08/18(月) 21:21:32 ID:wwrq




同時刻


-テレビ通話中-






ホンフー「以上がサマーフェスで起きたこと」


ホンフー「不参加のはずの箱崎星梨花が参加していたり三人目、四人目が具現化を発現したりと色々とハプニングだらけ」

ホンフー「それなのにアイドルと一般人には被害無しなんですから奇跡ですよ」

ジオット「……運命がそう望んだのかもね。おそらく世界がデイライトくんじゃなく”アイドル”を選んだんだ」

514: 矢橋P 25/08/18(月) 21:21:55 ID:wwrq

ジオット「つまりだ。『大成功』に終わったわけだね」

ホンフー「ええ。アイドルの具現化の成長を促し五万人の観客に具現化を認知させ、旧ジャジメント勢力をついでに排除した。何もかも我々の望んだ通りになりました」

ジオット「おいおい人聞き悪いなぁ。それじゃ僕が彼らを捨て駒扱いしたようじゃないか」

ホンフー「おや、違うのですか」

515: 矢橋P 25/08/18(月) 21:22:50 ID:wwrq

ジオット「”ジャジメントには世界を支配する力があった”七年前ツナミグループになる前からね」

ジオット「大神を吸収してツナミグループになった時、別にその勢いで世界征服してもよかった」

ジオット「でもねぇ、それってジャジメントの力であって僕の力じゃないからね。そんなことしてもつまらないじゃないか」

ジオット「僕は僕のやり方でやりたかった。だからゼロの状態で七年間もかけて準備したのさ」


ジオット「そしてカタストロフ計画の始動至るまで七年かかったわけだけど、その間にツナミとは関係ない僕だけの私兵を世界中から探したんだ」

ジオット「僕の自慢の側近さ。ホンフーくんにジナイダくん。君たちは今回失敗した二流の奴らと違って僕が世界中から選りすぐった一流の者達だ」
 

516: 矢橋P 25/08/18(月) 21:23:42 ID:wwrq

ホンフー「ええ。私達はあんな超能力に溺れた二流とは違います」

ジオット「うん、期待しているよ」

ジオット「デイライトくんも昔はもっと出来る子だったんだけどねぇ。今回もし彼らが予想を裏切る結果を出してくれたなら、側近に加えてもよかったんだけど、まあ切って正解だったかな」












???「マイマスター・ジオット」


ジオット「おや、大丈夫だよ。君にも期待しているからさ」

ジオット「そろそろ君にも表舞台に出てもらわないといけないかな?『カリオペ』くん」




第十一章   完



517: 矢橋P 25/08/18(月) 21:37:00 ID:wwrq
うん、この章は書き上げるのに仕事やSS祭りがあったとはいえ1カ月間かかりました
信じてもらえないかもしれませんが戦闘描写を書くのが苦手だし嫌いなので……。じゃあそういうプロットにしなければいい?それはそう


この章書いている時に桃子の前世がヒーローで
昴の前世がお姫様で
星梨花の前世が人工衛星だったことを久しぶりに思い出したなぁ


ようやく『ツナミ』に込められた本当の意味を出すことが出来ました
これは原作で紫杏がちゃんと述べています。甲斐ではありませんが彼女のただならぬ思いと決意がツナミという名前に込められていました
それがたった一作品でジャジメントに戻された時は本当にがっかりしました。だからこのSSではジオットが会長でもツナミのままです
 

518: 矢橋P 25/08/18(月) 21:41:25 ID:wwrq

カリオペと聞いてすぐにピーンときた人はけっこうなパワポケマニアです


次から真珠星はまた一つ上のステージへ
そして世界もまた、一つ変化していきます
どうかよろしくお願いします


……もう500レスかぁ。1000レスまでいくまでには世界大会編にいきたいなぁ

519: 名無しさん@おーぷん 25/08/20(水) 08:22:44 ID:01bP

所恵美   カリスマイケイケアイドル

BランクアイドルグループTSVの一人でビジュアル担当
若い女の子を筆頭にファンも多い

開拓高校の事件以降昴との交流を続けていて、たまに会ったりしている
昴とは琴葉やエレナとは違う、いわゆる”悪友”といった感じの付き合いで
優等生と寂しがり屋のユニットメンバーには出来ない悪絡みが出来る仲なのだ   ●

520: 名無しさん@おーぷん 25/08/20(水) 08:26:27 ID:01bP

田中琴葉   真面目演技派アイドル

TSVのリーダー。二人をしっかりまとめツナミの傘下にならずに第二次アイドルブームの激動を乗り越えてきた
彼女は演技の仕事が得意で彼女単体のオファーもよくかかる

TSVは各々が得意としていることが異なるのでバラバラの活動になってしまうことがあるが彼女達の繋がりが揺らぐことはない   ●

521: 名無しさん@おーぷん 25/08/20(水) 08:34:16 ID:01bP

島原エレナ   明るくダンサーアイドル

TSVのダンス担当。ステージでのパフォーマンスにおいては彼女の独壇場となる
ダンスで世界を明るくするのが彼女の信条、とにかくみんなが楽しめることを考える

ハタ侵略が終わった直後の彼女の精神は不安定だったが恵美と琴葉の献身的な介抱によってハタによる後遺症みたいなものは完全に克服した
一時期は二人のどちらかが傍に居ないと泣きだしてしまうこともあったがそれを乗り越え、今はかつての自分のような心を病んでしまった人間を元気にできるアイドルを目指している   ●

522: 名無しさん@おーぷん 25/08/20(水) 08:40:04 ID:01bP

マーチャント   内部工作能力者

元ジャジメントの超能力者部隊に所属していた現ツナミ裏部隊の超能力者、マーチャントはコードネームである
ガンマン気取りの男で常に軽口を叩いている。アメリカ出身

彼らは旧ジャジメントが世界を掌握するため世界中からかき集められた超能力者達
旧ジャジメントは超能力者に力を入れており、アメリカにはジャジメントが建造した超能力者の研究所が幾つもある

彼の能力はマーキングしておいた物を瞬時に手元に呼び寄せる出現(アポート)
数や状態は問わないが大きい物は引き寄せれない  ●

523: 矢橋P 25/08/20(水) 08:43:35 ID:01bP

イグニッション   内部破壊能力者

ツナミ裏部隊所属の超能力者。南米出身
イグニッションはコードネームで本名ではない

ツナミに所属しているエージェントはそれぞれコードネームを付けられているが、これはジオットが発案したことで「人にはそれぞれ役割があり、役割に応じた名前で呼んだ方がいい」という思想の元である

彼の能力は触れたものを爆弾に変える能力
実際は物体自体を爆弾にしているのではなく物体にエネルギーを送り込みそれが爆発する仕組みのようだ   ●

524: 矢橋P 25/08/20(水) 08:47:28 ID:01bP

カルマミラー   対人撃退用能力者

彼もまたツナミ裏部隊所属の超能力者
彼の場合、所持している超能力がかなり特殊でかつ貴重なので珍重扱いされたが
被弾することが前提条件の能力は本人にとって堪ったものではなく能力を使うことに消極的だった
しかしそれを良しとしなかったジャジメントの強硬な策略によって人格が壊されてしまった

彼ら裏部隊の超能力者は大神のサイボーグ技術で最適に強化されている
もはや単に超能力を持つ人間の範疇を越えており一般人がどうにか出来るレベルではない   ●

525: 矢橋P 25/08/20(水) 08:50:55 ID:01bP

アンリミテッド   超身体能力者

ツナミ裏部隊所属の超能力者でデイライトが最後にとっておいた隠し球
彼の超能力は常に発動しているタイプ(ASだと貴音が該当する)で肉体の成長に限界がない
とはいえ過度な成長は最終的に身を滅ぼすのだがそれをサイボーグ技術で管理し最適化した結果人間の幅を超えた超人が完成した

ESPジャマーも効果がないとあってESPジャマーへの最終兵器かつボディガードとしてデイライトが手元に置いていたようである   ●

526: 矢橋P 25/08/26(火) 20:38:12 ID:BuH7

天海春香   ASの隊長

日本政府公認超能力者部隊AS(アサルトスターズ)の隊長
彼女の超能力は気象操作(ウェザー・コントロール)
ジャジメント絡みでない超能力者の中では唯一のSランクの称号を持つ
落雷から竜巻を発生、気温操作まで可能でありとんでもない能力である
ただそれゆえか普段は超能力の使用を禁じられ特殊なESPジャマーを身につけている
彼女の意思一つで日本の天候がめちゃくちゃになる可能性がある以上仕方ない処置なのである
隊長業務は苦労が絶えないけれど今日も日本のために活動している

でもみんなのアイドル姿を見たらなぜか泣けてきたんです
いつかみんなでアイドルをやりたいな   ●

527: 矢橋P 25/08/26(火) 20:40:24 ID:BuH7

如月千早   ASの司令塔

ASの隊員で副隊長を務める
彼女の超能力は共感(エンパシー)。テレパスの一種で自分の意思を他人に伝えることが出来る
更に自らの歌に乗せることで広範囲かつ多人数に伝えることも出来る
作戦中では伝令の役割を果たすことが多い

ハタ侵略から得られた体験を元にエンパシーを使って荒んだ人の心に自分の想いを伝えるカウンセラーを始め、かなりの好評を博している
サマーフェスでは最後まで歌を歌うことを望んでいた

この日のためにずっと喉を調整してきたのに、とても残念です……   ●

528: 矢橋P 25/08/26(火) 20:42:40 ID:BuH7

星井美希   ASの羅針盤

AS隊員の一人
よく昼寝しているが彼女の能力、絶対勘(アブソリュート・イントイション)の反動である
この能力で普段から直感がとても鋭くなり、彼女の気付きに間違いはない
索敵能力に乏しいASで彼女の役割は大きく、みんなから絶大の信頼を得ている

アイドルに身を投じた際もダンスを覚えるのが人一倍早かったが、それが人を感動させられるかは別な話である

あふぅ。アイドルって奥が深いの   ●

529: 矢橋P 25/08/26(火) 20:51:09 ID:BuH7

萩原雪歩   ASの道具管理者

AS隊員の一人
ASの道具資材や物品は彼女の能力、次元穴(ディメンション・ホール)にしまわれ管理されている
彼女がいれば急な資材不足に悩まされることはなく、ASの活動の幅を広げている
心の芯が強く彼女も怒らせてはいけない

最近、アイドルを初めてから真ちゃんの様子が変ですぅ
でもアイドルの時の私もよわよわじゃなくなるんだよね。アイドルから勇気が貰えるんです   ●

530: 矢橋P 25/08/26(火) 20:52:57 ID:BuH7

菊地真   ASの護衛人

AS隊員の一人。イケメン担当
体を張った仕事は率先して彼女が引き受け他のAS隊員の危険から守る
多少の攻撃なら彼女の能力、硬質化(オリハルコン・ミューテーション)で十分防げる
特殊なことが出来ない代わりに体を張ってみんなの安全を守っている
サマーフェスでのアイドル活動に一番積極的だった

へへっ!やっぱりカワイイ衣装っていいですよね
これを機に僕もカワイイ系を目指してみようかな?   ●

531: 矢橋P 25/08/26(火) 20:57:53 ID:BuH7

水瀬伊織   ASの導灯

AS隊員の一人。指揮能力も高く急な司令塔になることも
体から光をチャージして自在に発光出来る、光吸収・放出 (フォトアブソプション)の能力者

最近はハームレスこと雨崎千羽矢の教育係も務めている
亜美真美がようやく見習いを卒業し教育係が終わったた矢先だったが彼女は手がかからないのでほっとしている
でもあの食欲だけはもう少しなんとかならないの!

アイドルになったら伊織ちゃんの可愛くてキュートな姿を全国のみんなに見せられるわね
あっ、亜美、真美!何してんのよ!ハームレスは勝手にお菓子を食べるな!   ●

532: 矢橋P 25/08/26(火) 20:58:58 ID:BuH7

三浦あずさ   ASの羽翼

AS隊員の一人。最年長でみんなのお姉さん
本来制御が難しいテレポーテーションを完全に使いこなしている
ツナミ内ですら彼女ほどテレポーテーションを使える人はいない

まだ運命の人探しは諦めていないですからね
アイドルになった方が見つけてくれるのかしら?   ●

533: 矢橋P 25/08/26(火) 21:00:50 ID:BuH7

秋月律子   ASの頭脳

AS隊員の一人。頭脳明晰で知識も随一
彼女の能力、機械妨害 ( デジタル・ジャミング )は状況によってはかなり強力
サマーフェスの際も彼女がいるせいで超能力者サイボーグ達が機械による装備に頼るのをやめたほど
強力過ぎて逆に気軽に使えない(自分達も制限されるため)のだが居るだけで抑止力になるのである

最近亜美と真美が手がかからなくなって寂しく感じてきた
……ところに千羽矢という新たな悩みの種が舞い降りてきた、主に食費

ダンスレッスンにボーカルレッスン、メイクに衣装に体型維持。アイドルって特殊部隊のお仕事より管理が大変ね
でもなんかやりがいありそう   ●

534: 矢橋P 25/08/26(火) 21:02:24 ID:BuH7

高槻やよい   ASのムードメーカー

AS隊員の一人。彼女の元気に皆が癒されている
彼女の能力強化(スキル・ブースト)は触れている間だけだが人間の能力を底上げする
主に治癒能力を強化して治療をすることが多い
最近超能力を強化出来ることも分かってきた

アイドルってキラキラでみーんなを笑顔に出来るんですね!
うらやましいかなーって   ●

535: 矢橋P 25/08/26(火) 21:03:54 ID:BuH7

我那覇響   ASの調教師

AS隊員の一人。ペットと隊員のみんなを家族同然に思っている
動物会話(アニマル・トーキング)によって動物と自由に会話出来るが
彼女の持ち前の性格と合わさって動物が彼女のいうことを聞くようになる効果もある
彼女はそれを”使役”と扱いたくなくて、あくまで友達になっているものとしている

自分は超能力以外でも完璧さ!
サマーフェスみたいに能力が使えない時もあるんだ、だから能力以外も完璧にならないとね!
ダンスはもう完璧だぞ!
歌は……まだまだこれからだぞ   ●

536: 矢橋P 25/08/26(火) 21:07:00 ID:BuH7

四条貴音   ASの超人

AS隊員の一人。その中で彼女は一番特殊
四条家の跡取りであり、彼女は生まれつき特殊な体質を持っている
血液支配(ブラッド・コントロール)はその彼女の特殊な体質のことを差す
能力の規模は春香が一番だが、特質さでは彼女に軍配が上がる
血を操作したり吸血出来たりとまだまだわからないことも多く
彼女のミステリアスな魅力となっている

あいどるというのも良きものですね
皆と精進してまいりましょう   ●

537: 矢橋P 25/08/26(火) 21:08:04 ID:BuH7

双海亜美   双海姉妹の妹

AS隊員の一人だよ~。見習いは卒業したよん
亜美の超能力は念動力(テレキネシス)。真美も同じだよ
なんでも念動力のしゅつりょく?は世界の中でもトップなんだって~
われら双海姉妹が合わさればさいきょーむてきだね!

アイドル活動たのしいですな~
もう亜美達アイドルでいいじゃない?
ダメ?ちぇーっ   ●

538: 矢橋P 25/08/26(火) 21:11:11 ID:BuH7

双海真美   念動力姉妹の姉

AS隊員の一人。ハタ侵略の影響か亜美より少し大人びた
昔は精神が幼いところもありみんなをひやひやさせていたが、彼女二人は立派に成長し能力を暴発させることはないだろう
最近後輩が出来てよく構っている。後輩も素直に彼女達を慕っているのでよい雰囲気になっている

ハッチー。ASのことは真美先輩と亜美先輩が教えてあげよう
まずはいたずらのやり方から…………まずい、りっちゃんだ!   ●

539: 矢橋P 25/08/26(火) 21:13:34 ID:BuH7

雨崎千羽矢   ASの新人

AS隊員の一人。去年入隊した
本当は雨崎千羽矢本人ではなくハームレスの肉体の残骸に彼女の意思が宿ったもの
ギャスビゴー星人の意志も宿っているが普段は出てこない
肉体を自由に操作出来、体積もそれなりに増やせることから利便性が高い
こないだも崩壊した橋を持ち上げ、復旧するまで代わりになった

異常なまでの食欲は相変わらず、ASに入ってご飯が美味しくなったと大喜び
でもたまに恵理ちゃんや杉山くんのところに押しかけてご飯を食べにいく
彼女はみんなと食べるご飯が一番好きなのだ

ん~、チハちゃんはみんなと違ってアイドルそこまで好きじゃないかも
それよりごーはーん!   ●

540: 矢橋P 25/08/26(火) 23:38:55 ID:BuH7


第十二章   『Cランク』

 

541: 矢橋P 25/08/26(火) 23:40:28 ID:BuH7

あれから……サマーフェスから月日が流れ、気付いてみれば季節は夏から初秋に変わっていた



サマーフェスの事件が終わってから数日後はそれはもう息をつかせぬほどの対応を迫られた
765プロ劇場の時のように隠すことなどできずニュースにも大々的に取り上げられ、日本でこんな大規模なテロまがいの事件が起こったことに世間の目は集中した

真珠星のメンバーが具現化を使ったこともはっきりと認知されてしまい、連日マスコミが飴に群がる蟻のごとく押しかけた
俺自身、警察から事情聴取のため出頭要請が出るしさすがに参ってしまいそうになったな
 

542: 矢橋P 25/08/26(火) 23:41:42 ID:BuH7

でもなぜか数日後に急転直下のごとく事態が収束し始めて、今はだいぶ落ち着いている

おそらくだが各方々でツナミの手回しがあったのだろう。マスコミもツナミの前には押し黙るしかない
警察の方も組織が手を回してくれて穏便に済みそうだ、こういう時は組織の存在に助けられている
 

543: 矢橋P 25/08/26(火) 23:42:35 ID:BuH7

そうなると一番の問題は”具現化”が認知されたことなのだが……
どういうことかこれもすんなり受け入れられ、正直俺は困惑している
まるで『アイドルが具現化を使うのは不思議なことではない』ような認識が主流になっているのだ

そして嬉しいのか悲しいのか真珠星とブラスジョーカーズは具現化もとい不思議な力を使えるアイドルとして注目されてしまっている。ほぼ好意的な目なのも不思議だ


『あんな怪しげな力を使うなんておかしい』

『不気味だしイカサマか超能力とかじゃないのか』

『まるで私達と違う存在みたい』


そういう声が出るものだと思っていたのだが世間はアイドルの新たな可能性として認知し興奮している
いくら第二次アイドルブームだとしてもその安易な価値観は異常ではないかと思うのだが

544: 矢橋P 25/08/26(火) 23:44:15 ID:BuH7



  『世界はアイドルに酔っている』 


    ふとそんな感じがした

……俺の考え過ぎであってほしいが

545: 矢橋P 25/08/26(火) 23:46:03 ID:BuH7

とにかく騒ぎが落ち着くまではアイドル活動もままならならず、レッスンしかやることがない
そこで今日は星梨花達を連れてまたパライソタウンに来ている
前回は星梨花の具現化に対してまだ未知数、故にしばらく使用禁止にして様子見にしよう
という判断だったが桃子も発現したことだし、そろそろはっきりさせなければいけない


アイドルの具現化というものを










 

546: 矢橋P 25/08/26(火) 23:47:53 ID:BuH7

パライソタウン研究所  具現化練










百合子「桃子ちゃんに星梨花ちゃん。具現化を発現してみて」



星梨花「うーーん。ううーーーーん」


桃子「えいっ!」

547: 矢橋P 25/08/26(火) 23:48:45 ID:BuH7


シーン





桃子「……やっぱり無理だね。ここじゃ具現化が使えないよ」


百合子「そうですか」カキカキ






星梨花「うううーーーーーん」ムー

P「星梨花、発現出来ないのなら無理しなくていいんだぞ」

548: 矢橋P 25/08/26(火) 23:49:20 ID:BuH7


昴「魔球、フレイムアロー!」





ドゴン!


百合子「昴さんの具現化は問題なく使えてますね」カキカキ

549: 矢橋P 25/08/26(火) 23:50:28 ID:BuH7




桃子「これではっきりしたかな。”アイドルとしての具現化”はステージの上でしか使えない」

星梨花「そうみたいです。こないだもステージから降りると消えてしまいました」

P「ステージの上だけの力なのか」
 

550: 矢橋P 25/08/26(火) 23:50:55 ID:BuH7

桃子「これまでアイドルとして具現化を発現出来たのは四人。星梨花さん、静香さん、九羽さん、そして桃子だね」

P「TSVの三人はカウントしてないのか?」

桃子「あの三人は桃子の具現化に乗っかかった感じかだから自ら発現したとは違うの」

桃子「だけどTSVの三人やケイさん、未来さん含めたシアターアイドルのみんなもきっかけ一つで発現出来ると思うよ。兆候はそれなりにあるしね」

桃子「ただ……そのきっかけがなかなか難しいの。それなりの『想い』が必要だし、ステージ上でしか出来ないわけだしね」
 

551: 矢橋P 25/08/26(火) 23:51:11 ID:BuH7

昴「それにしてもこないだの桃子の具現化すっげー力だったな」

昴「あれは超能力を超えていたんじゃねーかな」

百合子「昴さん達の衣装が変化しただけじゃなく衣装に乗じた能力まで使えたんですよね?私も見たかったなぁ」

552: 矢橋P 25/08/26(火) 23:52:18 ID:BuH7

桃子「……あれは特別。いつもあんなこと出来るわけじゃないよ」

P「追い詰められた極限状態だったからか?」

桃子「それは違うよ、お兄ちゃん。アイドルとしての具現化は桃子達の力だけじゃないって言ったでしょ」

星梨花「応援してくれるファンの声援も具現化の力になるんです」

桃子「あの時は桃子以外にもたくさんのアイドルがいたし5万人以上の観客がいたからね。だからあんな凄いことが出来たの」

桃子「もうあんなことは二度と出来ないんじゃないかな」


昴「サマーフェスほどの規模のイベントであんなに具現化を使うことなんてもうないか。あの姿お気に入りなんだけどなー」

553: 矢橋P 25/08/26(火) 23:53:07 ID:BuH7


P「……」

百合子「Pさんどうかしましたか」

P「……いや」




P(桃子のいう通りなら、アイドルとファンが集まれば集まるほどアイドルとしての具現化は力が増すということだ)

P(なら……もしサマーフェス以上のライブで具現化を使ったら、いったいどうなってしまうのだろう)











 

554: 矢橋P 25/08/26(火) 23:53:50 ID:BuH7
そして







百合子「今日は私の研究に付き合ってくれてありがとうございます」

昴「いいって。それじゃまた来るぜ百合子」

星梨花「今日は会えませんでしたけど杏奈さんにもよろしく言ってください」

百合子「Pさんもプロデューサー頑張って下さいね」

P「ああ。また顔を出しに来るよ」














 


555: 矢橋P 25/08/27(水) 06:35:06 ID:u5K9







百合子「ああ~。いいなぁ」

百合子「私だって具現化が使えるのなら使いたいです」

百合子「私もアイドルになればよかったのかな……」




???「そっかー、アイドルに興味あるのかー」

???「うんうん。わかるよ」

556: 矢橋P 25/08/27(水) 06:36:24 ID:u5K9

百合子「なっ、誰ですか!?もしかして組織の壊滅を企む侵入者ですか!?」

百合子「ぐっ……さては私が研究室で一人きりのところを狙って拘束し、拷問するつもりですね。私はどんなことされても仲間を売りませんよ!」





???「いや、そんなつもりはないから。…………えっ?キミ、茜ちゃんが見えるの」

百合子「はぁ、ばっちり見えますけど」

茜「すごいっ!実体化してないのに茜ちゃんのこと見えるなんてっ!」

百合子「実体化?あなたはもしかして……風の精霊!」

557: 矢橋P 25/08/27(水) 06:37:30 ID:u5K9


もわわ~ん




茜「にゃー、違うよ。茜ちゃんは大昔から存在している大魔人なのだ~」

百合子「大魔人……。まさか伝説の願いを叶える魔人ですか!?」

百合子「こんな少女の姿だったなんて……」


茜「そーでしょ、そーでしょ!茜ちゃんは特に美少女だからにゃ~」

茜「キミも実体化してない茜ちゃんに気付けてすごいよ。君の名前は?」

558: 矢橋P 25/08/27(水) 06:38:28 ID:u5K9

百合子(ああ……。私にもついに……)

百合子「七尾百合子、25歳ですっ!」


茜「百合子ちゃんかー。それじゃあだ名はユリッチで!」

百合子「ユリッ……チ?」




茜「ユリッチは”茜ちゃんみたいな存在”と相性がいいみたいだね」

茜「よし決めたよ!しばらくの間、ユリッチが茜ちゃんの主人になってもらおうかな~」

百合子「えええーーーーっ!」

百合子(この私が魔人のご主人!?夢じゃないよね)フニフニ
 

559: 矢橋P 25/08/27(水) 06:40:14 ID:u5K9








茜「それにしても……茜ちゃんの存在理由は人の願いを叶えること」

茜「でも今は願いとか関係なく実体化出来ちゃってる」

茜「こりゃ……この世界に何か起きてるみたいだにゃ~」
















 

560: 矢橋P 25/08/27(水) 06:42:01 ID:u5K9


そして騒ぎも完全に落ち着き、いよいよアイドル活動再開……というところで甲斐にいつもの部屋に呼び出された
いつもいつも節目で呼び出してくる。こちらの動きを捕捉してんじゃないだろうな
そんなことを冗談交じりに思いながら日本ツナミ支部に向かった
……前よりも軽やかな気持ちで






ツナミグループ日本総本部

密談室







P(ここに呼ばれるのも久しぶりだな)



ガチャ

561: 矢橋P 25/08/27(水) 06:43:02 ID:u5K9


甲斐「お待たせしました」



P(甲斐……)







Pを呼び出した張本人、上守甲斐の顔を見た瞬間、Pの頭の中には様々な言葉が喉の奥から込み上げてくる
聞きたいことは山ほどあった。それに伝えたいことも…
そんなPを察せない甲斐ではなく、顔を上げPと目線を合わせる

562: 矢橋P 25/08/27(水) 06:43:59 ID:u5K9


ふっ





甲斐の返事は言葉ではなく僅かに微笑んだだけだった
あざ笑っているのではない、甲斐もPに対して伝えたいことはあった
出来れば……サマーフェスのことで労いの言葉を述べたいのが心情だった
だが彼女の地位はそれを許さなかったのだ
お互いの立場、背負っているものが違いすぎる
Pと甲斐は感情に任せて口走れるほど子供っぽい関係ではないのだ

563: 矢橋P 25/08/27(水) 06:45:12 ID:u5K9
ごくん


Pも口の中までせり上がった言葉を一気に飲み干した
たとえ聞いたところで甲斐は何も喋りはしないだろう
それに甲斐のあの……柔らかな表情をみたらどうでもよくなってしまったのだ





「いえ、こちらこそ。わざわざ甲斐代表に対応してもらい感謝します」

「そうですか。それでは始めましょうか」



業務上の挨拶を交わし、それぞれの仕事に取りかかる
お互い思いの内は胸に秘めたまま
この二人にごちゃごちゃとしたやり取りは必要ないようだった

564: 矢橋P 25/08/27(水) 06:46:21 ID:u5K9

甲斐「本日お伝えしたいこと、それは真珠星のアイドルランクのことです」

P「アイドルランクのことですか」

甲斐「真珠星の三人のアイドルランクをDランクからCランクに上昇させることが決定しました。よろしいですか?」

P「ありがとうございます」ペコリ
 

565: 矢橋P 25/08/27(水) 06:47:34 ID:u5K9



甲斐「……変わりましたね」

P「真珠星がですか?」

甲斐「貴方がですよ。以前の貴方は落ち着きがなくギラギラしていました」

甲斐「まるで憑きものが取れたようです。プロデューサーらしくなりましたよ」

P「そう……ですか。あまり実感がありません」

甲斐「あの子達と一緒にプロデューサーの貴方も成長しているようです。このまま精進なさい」

P「わかりました」



これが甲斐としてPに送る精一杯の労いの言葉
Pはそれをどこまで受け取ったかわからないが、前みたいな反抗心はないようだ

566: 矢橋P 25/08/27(水) 16:40:30 ID:u5K9


P「しかし真珠星Cランクに引き上げられたのはやはりサマーフェスの件が要因でしょうか」

甲斐「そうですね。あれから貴方達真珠星とブラスジョーカーズ、そして地方公演を大成功させたストロベリーポップムーンの世間の注目度がもの凄く上昇しています」

P「こちらも把握しています」



甲斐「正直、悩みました。ユニットの総合力としてはまだ未熟な部分もある。Cランク上昇は時期尚早ではないか。そう思わないわけではありません」

甲斐「ですがこのままDランクに残留しても他のDランクのアイドルが困ると判断しました。現状、Dランクは貴方方ばかりがもてはやされていますからね」

567: 矢橋P 25/08/27(水) 16:41:11 ID:u5K9

P「ランクを一つ繰り上げて新たなステージに上がる。ということですね」

P「ということはブラスジョーカーズやストロベリーポップムーンも……」

甲斐「ええ。皆、Cランクにランクアップです。他は既に了承をいただいてます」

甲斐「cloverだけはDランクに残留を希望しました。もう少し地力を付けてから上がってくるとね」


甲斐「貴方方真珠星はどうですか?」

P「断る理由はありません。Cランクの話、了承します」
 

568: 矢橋P 25/08/27(水) 16:41:57 ID:u5K9

甲斐「よろしい」

甲斐「これはアドバイスですが、我々の業界ではCランクを『中弛みのCランク』と呼んでいます」

P「中弛みのCランク……とは」



甲斐「新人アイドルは最初はFランク、そして順調に進めばEランクに上がる」

甲斐「Eランクに上がったアイドルは初のランクアップの嬉しさで努力し、その勢いでDランクへ」

甲斐「そして自分たちはまだまだやれると信じ、地道にアイドル活動を積み重ねればDランクからCランクに上がります」
 

569: 矢橋P 25/08/27(水) 16:42:30 ID:u5K9

甲斐「……ですがここCランクで止まってしまうアイドルが実に多い」

甲斐「Cランクまで来ればアイドルとしては……最低限売れ、ひとまず名を残した。そうして歩みを止めてしまうアイドルが多いのです」

甲斐「ここまで来たら満足だ。無理に名前を売る必要はない。黙っていても一定数の仕事はある、これからは頑張らず現状維持でもよい……と堕落してしまう」

甲斐「それほどBランクの壁が高いということでもあるのですが」
 

570: 矢橋P 25/08/27(水) 16:43:36 ID:u5K9


P「……真珠星は目指すものがあります。ここで立ち止まりません」

甲斐「当然です。真珠星を含め今回ランクアップした三ユニットはそうならないことを望んでいます。話しは以上です」

P「ありがとうございます」ガタッ





甲斐「……時に。今、アメリカで人気No.1のアイドルをご存じですか?」

P「いえ。存じません」

甲斐「私がこないだアメリカに出張に行った際に視察してきたのですが凄まじい人気でした」

P(なんだ、突然?)

571: 矢橋P 25/08/27(水) 16:45:18 ID:u5K9

甲斐「”アメリカNo.1アイドル”」

甲斐「いちプロデューサーとしてチェックしておいた方がよいと思いますよ」

P「ご忠告ありがとうございます」












 

572: 矢橋P 25/08/27(水) 16:46:38 ID:u5K9

地球プロ  代表室











黒月「真珠星が活動してから話題が絶えないな。おかげで各々方に声をかけられるようになった」

P「営業もしやすくなりましたか」

黒月「皮肉を皮肉で返すとはな。言うようになったじゃないか」

P「黒月代表は皮肉屋なのだと千鶴さんから教えてもらいましたので」

黒月「あいつ……」
 

573: 矢橋P 25/08/27(水) 16:47:26 ID:u5K9

黒月「見失うなよ」

P「!!」



黒月「俺はアイドルの魔法とやらに言及はしない」

※アイドルの魔法というのは一般世間のアイドルの具現化に対する通称

黒月「だが、そんなものはアイドルの実力とは無縁だ。そこのところはわかっているだろうな?」


P「はい。あれはアイドルの輝きの副産物だと思っています」

黒月「副産物?」

574: 矢橋P 25/08/27(水) 16:48:09 ID:u5K9

P「アイドルとして輝いているからこそ、その想いが魔法となる。先に魔法を使おうとしても……何も起きません」

黒月「魔法をあてにして輝こうとしても無駄というわけか」



黒月「魔法とやらに溺れないのならそれでいい。しかし、真珠星もCランクか」

P「ええ。甲斐代表からはまだまだ未熟だと言われましたが」

黒月「まあ一つ上のステージを覗いてみるのもいい経験だろう。それと」

黒月「Cランク上昇のお祝いというわけじゃないが真珠星の新曲を作ろうと思ってな」

P「本当ですか!」

575: 矢橋P 25/08/27(水) 16:48:50 ID:u5K9

黒月「ああ、作曲家にお願いしてある。Cランクに上がったんだ。新しい曲がないと締まらないだろう」

P「ありがとうございます!」


黒月「礼はいい。さっそくCランクに上がってのふさわしい仕事が舞い込んで来たからな」

P「大口の仕事ですか」

黒月「とある新生ブランドから真珠星にプロモーションガールになってほしいという依頼が来た」












 




576: 矢橋P 25/08/27(水) 23:30:34 ID:u5K9








星梨花「私達がCランクですか!」

昴「やったぜ!これで恵美達に近づけたな」


桃子「……お兄ちゃん、それ本当?」

P「本当だよ。他ならぬ甲斐の言葉だ」

桃子「……桃子達が真珠星を結成してからまだ半年ぐらい。それでCランクだなんて、信じられないよ」

P(口ではそう言いながらも口が緩んでるな)

577: 矢橋P 25/08/27(水) 23:32:12 ID:u5K9

P「でもランクが上がったから前みたいにはいれないぞ」

星梨花「Dランクに上がったばかりのように、舞い上がってばかりじゃいけない!……ですよね」

昴「Cランクにふさわしい立ち振る舞いってことだろ?へへっ、望むところさ」

桃子「以前の桃子達じゃないんだよお兄ちゃん」
 

578: 矢橋P 25/08/27(水) 23:32:36 ID:u5K9

P「指摘するまでもなかったな。早速良いニュースがある」

P「まずは真珠星の持ち曲が増える。当然新曲だ」

昴「マジかよ!早く聞きてーー」グッ

桃子「それに合わせたダンスレッスンも早くしなきゃだね」

星梨花(新曲……嬉しいな)

 

579: 矢橋P 25/08/27(水) 23:33:12 ID:u5K9

P「まだあるぞ。真珠星にプロモーションガールになってほしいという依頼が来たんだ」

昴「プロモーションガールって……イベント会場でチラシでも配るのか?」

P「違う違う。依頼主がバックやアクセサリーのファッションブランドなんだけど、その広告塔になるってことだよ」

P「依頼主が『YAHASHIブランド』って会社なんだけど」

P「なんでもそのブランド物を身につけた星梨花達の写真を商品のプロモーションにするとか……」


桃子「なにそれ!すっごくやってみたいんだけど!」ガタッ

星梨花「すごいです!そんな仕事もあるんですね!」

昴「えー。ちょっと恥ずかしいな。オレそういうの似合わないし……」

580: 矢橋P 25/08/27(水) 23:34:03 ID:u5K9

桃子「でもよくそんな仕事取れたね、お兄ちゃん!今晩のおかずは豪華にしてあげる」

※桃子が今日の食事当番


P「うーん。それは俺も不思議に思っているんだよ。真珠星は今までそういうことに無縁だしな」

昴「やっぱり何かあるんじゃないのか?オレ達にファッションブランドなんて似合わないって」

P(いつも強気な昴もこういう時は弱気になるんだな)
 

581: 矢橋P 25/08/27(水) 23:34:44 ID:u5K9

桃子「何言ってるの昴さん、この仕事絶対ものにするんだから!」

星梨花「私もぜひやってみたいです!」

昴「星梨花や桃子がそういうんだったらやるしかないかぁ」













 


582: 矢橋P 25/08/27(水) 23:35:12 ID:u5K9
その夜






P「アメリカNo.1アイドルねぇ」

P(日本で活動している俺達には関係ない話じゃないか。甲斐は何だってそんなことを)

P(だが彼女は無駄な会話はしない。一応調べてみるか)

583: 矢橋P 25/08/27(水) 23:35:53 ID:u5K9


カタカタカタカタカタ



P(アメリカのアイドル文化は日本と違って地盤が弱い)

P(アメリカではアイドルよりアーティストや俳優。なんならスポーツ選手やエンターテイナーの方が人気が高いくらいだ)

P(チェックする必要はないと思うが……)

584: 矢橋P 25/08/27(水) 23:36:27 ID:u5K9


P「なになに、突然現れた出身不明、経歴不明の女性アイドル『カリオペ』」

P「その人気はとどまることを知らず……こないだ収容人数10万人のドームをたった一人で埋めた!?」

P(馬鹿な!アメリカと日本じゃ規模が違う)

P(そんな環境で10万人のドームを満員にしたのか!)

P(もし彼女が日本に来たら……アイドル業界はとんでもないことになってしまう)











 

585: 矢橋P 25/08/28(木) 23:31:16 ID:C8Rm
数日後








P「今日はYAHASHIブランドの人と打ち合わせだ」

星梨花「私達も同行するんですね」

P「なんでもYAHASHIブランドの人が真珠星に会ってみて判断したいとか言ってな」

桃子「なにそれ……。ここに来て桃子達に文句言うつもり?」

昴「だからオレ達には似合わないんだって……」

586: 矢橋P 25/08/28(木) 23:32:04 ID:C8Rm

ガシッ


桃子「昴さん、弱音を吐かない。桃子達はCランクのアイドル。わかった?」

昴「お、おう」

桃子「返事ははい!」

昴「はい!」

桃子「このお仕事、絶対ものにするんだから!」ゴゴゴ…

P(すごい圧だ……)







 

587: 矢橋P 25/08/28(木) 23:32:57 ID:C8Rm
とあるマンション





P「待ち合わせはこのマンションだ」

昴「何で待ち合わせ場所がマンションなんだ?」

P「わからん。まずはインターホンに部屋番を入力して……」ピポピポ





インターホン<……

インターホン<来たわね。802号室まで上がって来なさい



扉<ガチャ






P「オートロックも解けたようだし中に入るぞ」

昴「なんか緊張してきたなー」







 

588: 矢橋P 25/08/28(木) 23:33:51 ID:C8Rm
そして

802号室






美保「待ち合わせ時間ギリギリね。もう少し遅かったら打ち合わせを中止にするところよ」

P「それは失礼しました、申し訳ございません」ペコリ


昴(なんだよ。間に合ってるんだから別にいいじゃん)

星梨花(厳しそうな人です)

589: 矢橋P 25/08/28(木) 23:34:21 ID:C8Rm

P「打ち合わせ場所がこの場所と聞いていましたが……」

美保「このマンションの8階は全部アタシが所有していてね。フロアまるまる使って自宅と事務所にしているの」

美保「あいさつが遅れたわ。私は『YAHASHI』のCEOの矢橋美保よ」

P「まさか代表自ら!?」





昴「しーいーおー?」

星梨花「昴さん、最高経営責任者のことですよ」

590: 矢橋P 25/08/28(木) 23:35:09 ID:C8Rm

美保「『YAHASHI』は私一人で立ち上げたの」

美保「小さなネットビジネスを運営するところから始めてね。今はそれなりの規模の経営グループを運営するまでに成長させたと自負しているわ」

美保「その中でもYAHASHIブランドは『YAHASHI』グループで初のアパレル業界に挑戦した部門なの」

美保「だけど始めたばかりでまだ弱い。だから手を打つことにしたワケ」

P「だから広告として私達を起用していただけることになったのですね」

美保「企業イメージにアイドルを起用するのは最近のトレンドだからね」

美保「だけど、正直あなた達を起用するのには懐疑的なのよね」

星梨花「!!」

591: 矢橋P 25/08/28(木) 23:35:46 ID:C8Rm


P「……貴社の方からオファーを受けたのですが?」

美保「”仕方なく”よ。本当はアンタ達に頼みたくなかった」




昴(なんだよそれ!)ググ…

桃子(昴さん落ち着いて)

592: 矢橋P 25/08/28(木) 23:36:15 ID:C8Rm


P「どういうことですか」

美保「アンタ達は話題性は十分ね。”魔法が使えるアイドル”として」

美保「でもアタシはそんな色物で成り上がったアイドルよりキチンとした実力を持ってるアイドルを起用したいの」




昴(この……言わせておけば……)ググ…

593: 矢橋P 25/08/28(木) 23:36:48 ID:C8Rm

P「……つまり話題性のために仕方なく私達を指名したのであって本当は起用したくないと」

美保「まさか。アタシが話題性で選んだって思っている?違うわ、あいつがアンタ達を指名したのよ」

P「あいつ……ですか」



美保「あいつよあいつ!歩のやつ、ちょっと有名になったからって鼻高々になっちゃって」

美保「『今の自分はツナミグループのアイドルだから他の企業の仕事は受けられないんだ』とか言ってアタシの頼みを断ったのよ!」

美保「本当はあいつにやってほしかったのに……」

594: 矢橋P 25/08/28(木) 23:37:32 ID:C8Rm


桃子「へー。歩お姉ちゃんのこと好きなんだ」

美保「好きも何も、アタシが歩の一番最初のファンなのよ!」

桃子「そういえば言ってたね。公園で自分のダンスをわざわざ見に来る女の子がいるって」

美保「なんでアンタがそれを知ってるのよ!それに歩お姉ちゃんって、随分あいつに馴れ馴れしいわね」

桃子「ふふーん、理由が知りたい?」

P「おい桃子……」


桃子「MaihamanのデビューPVとなった七年前の伝説の配信。お姉さんも見たでしょ?」

美保「当然でしょ!あの深夜にリアルタイムで観ていたわ」

桃子「その配信の準備をしたのは桃子だもん。歩お姉ちゃんにアイドルのことを指導したのも桃子なんだよ?」

美保「ちょっと、その話し詳しく教えなさい!」







 

595: 矢橋P 25/08/28(木) 23:38:33 ID:C8Rm

カクカクシカジカマジントノロイノショウジョ




桃子「ってことだね」

桃子(さすがに全部は話せないから部分部分は伏せたけど)



美保「あいつ、あの時にそんなことしてたんだ。アタシには一切素振りも見せなかったけど」

美保「でもまだ信じられない。あいつかなり有名になったもの、あいつの友人を語るために話しをでっち上げていても不思議じゃないわ」

昴「こいつ、桃子を信じられないの……」

596: 矢橋P 25/08/28(木) 23:39:07 ID:C8Rm
バッ


昴(桃子?)

桃子「しょうがないなぁ。矢橋さん、このフロアでダンス踊れるところある?」

美保「使ってない部屋がいくつかあるからそこならいいけど。どういうつもり?」

桃子「証明してあげる。桃子達は”魔法の力”だけで成り上がったんじゃない。実力もちゃんとあるってことをね」










 

597: 矢橋P 25/08/28(木) 23:40:15 ID:C8Rm
空き部屋





美保「確かにアンタ達の実力を見てから判断しても遅くはないわね」

美保「けど重大なことを忘れてないかしら?アタシはあのMaihamanの大ファンなの。ダンスだけならアイドル界トップと名高いあいつのダンスをずっと見てきた」

美保「歌ならともかく、Maihamanのダンス見慣れているアタシを満足させられるダンスを踊れるかしら」



桃子「みんな、踊る内容はアレでいこう。それと今回は桃子がセンターやっていい?」

星梨花「もちろんいいですよ」

昴「オレも異議なんてないさ。思う存分ぶつけてやろうぜ」
 

598: 矢橋P 25/08/28(木) 23:41:57 ID:C8Rm
美保(何を踊るのか知らないけど無駄ね。私があいつ以外のアイドルを好きになるわけないのに)




ジャ、ジャーーーン




美保(この曲は7年前の時と同じ曲!?)



昴(真珠星がデビューした時、歩が踊った曲を練習したことがまた活きることがあるなんてな)

星梨花(しかもあの時の私達じゃありません。あの時よりもっともっと上手くなりました)

桃子(桃子達は自分達の持ち歌以外の曲もいつでも踊れるように練習している)

桃子(そして何より、あの時の歩お姉ちゃんを一番わかっているのは桃子なんだから!)



ダッダッダッ!


 

599: 矢橋P 25/08/28(木) 23:43:37 ID:C8Rm

美保「…………」





そして



ダッ!



桃子「……」ビシッ




美保「なるほどね」

美保「啖呵を切った割にはあのMaihamanのダンスには全然及ばないわ」

桃子「……だろうね」


美保「…けど、あの頃のあいつと同じダンスだった」

美保「今のあいつのダンスは凄くて完璧だけど……あの頃のまだまだへっぽこのダンスも好きだったの」

美保「あいつ……あんなに有名にならなくてもよかったのに」

星梨花「……矢橋さん」

600: 矢橋P 25/08/28(木) 23:47:12 ID:C8Rm

美保「認めるわ。確かにアンタはあいつの意志を引き継いでいる」

美保「魔法ありき……みたいなこと言ってごめんなさい。アンタ達はしっかり努力しているアイドルだった」

美保(公園でずっと一人で練習していたあいつと姿が重なるなんて)


桃子「桃子達も矢橋さんのおかげで学ばせてもらったよ。魔法を使うアイドル、そこばかりクローズアップされているのが桃子達の現状なんだ」

P「そうだな。でもそれを覆せるってのも今回で証明出来た」

P(それにしても……あの桃子が得意じゃないダンスでセンターをかって出るなんて)

P(もう、自信がなくて一歩退いてた桃子はいない。本当に……成長したんだな)

601: 矢橋P 25/08/28(木) 23:48:10 ID:C8Rm

昴「ああ。世間にオレ達は具現化だけじゃないって知らしめていかないとな!」

美保「具現化?」

昴「あ、やべ」
 

602: 矢橋P 25/08/28(木) 23:52:52 ID:Ofg9

星梨花「矢橋さん。お願いされたプロモーションガールの仕事、私達がちゃんとやってみせます」


美保「美保でいいわ。矢橋さんは堅い」

星梨花「え……」

美保「つまり…………アタシもアンタ達のファンになってあげるってことよ」

星梨花「美保さん!」



美保「新しいブランドの顔になるんだから、頼むわよ真珠星!」

美保「それと……仕事以外に一つだけ約束してくれない?歩と並ぶことがあったら私からって伝えてちょうだい。『昔のあんたも好きだったよ』ってね」

星梨花「はい!」












 


603: 矢橋P 25/08/29(金) 23:11:18 ID:aYta
同時刻   とある町









<ワーー ワーー 


<キャー キャー 





育「もーっ。みんなが休息しているから私一人で身の回りのものを買い出しに来たのに……」

育「まさか出かけ先で騒ぎが起きてるなんて!」

育「イーエス、お願い!」



イーエス「はーい」シュゥゥ

604: 矢橋P 25/08/29(金) 23:12:15 ID:aYta







イーエス「ここら辺の監視カメラ全部チェックしたけどツナミの人達はいないよ」

イーエス「敵も騒ぎを起こしているあの人だけだね」


育「そう、じゃ私一人でなんとかなるね」


ダッ!

605: 矢橋P 25/08/29(金) 23:15:28 ID:aYta

変な男「憎い、憎い、全てが憎いーーーっ」







育「モバイルプリンセス、参上!」

育「お兄さん。感情のままに暴れ回っちゃダメだよ」


変な男「うるせーっ!」ブン
 

606: 矢橋P 25/08/29(金) 23:17:42 ID:aYta


育「おっと」ヒョイ

育「それじゃお兄さん大人しくしてもらうよ!」




バキッ


変な男「うぇ?」バタン

育「ホールド!」


メキメキッ



変な男「あ……」ガクッ

607: 矢橋P 25/08/29(金) 23:18:42 ID:aYta

育「ふー。のり子さんに教えてもらった絞め技が役に立ったね!」

イーエス「朱里さんとのり子さんに手解きしてもらった護身術、しっかり出来てたよ」


育「ありがとイーエス。でもこの人やっぱりただの一般人だよ」

イーエス「最近世界各地で多発している事件と同じケースだね……どういうことなんだろ?」


育(サイボーグでもなければ超能力者でもない。動きも素人そのもので格闘技に覚えがある感じすらなかった)

育(なんでこんな人が突然騒ぎを起こしたのかな。)

育(そういえば押さえる前にどす黒い何かを纏ってたような……)

608: 矢橋P 25/08/29(金) 23:21:29 ID:aYta


???「凄い、本物のヒーローですね!」



育「あ、まずいかも」

イーエス「育が早く退散しないからだよ」

609: 矢橋P 25/08/29(金) 23:22:06 ID:aYta

???「モバイルプリンセスさんですね。ヒーローの」

???「見事な手際でした。感激です!」


育「私のこと知ってるの?」

???「サマーフェスの事件以来、コアなファンはヒーロー達の活躍をとっくにご存じですよ」フフッ

育「えー、あまり目立ちたくないんだけどなぁ」

610: 矢橋P 25/08/29(金) 23:22:40 ID:aYta

???「すみません、あいさつがまだでした」

詩花「グリュース・ゴット。私、詩花と言います」



育「詩花さんだね、私達ヒーローの応援ありがとう」

イーエス(日本人の名前だけど言葉になんとなく欧米のニュアンスがあるね)

611: 矢橋P 25/08/29(金) 23:23:19 ID:aYta

<ピーポー、ピーポー




育「あ、それじゃ私は退散するね!」



サササッ






詩花「やっぱり本物のヒーローがこの国にはいるんだぁ……」キラキラ
 

612: 矢橋P 25/08/29(金) 23:24:11 ID:aYta



黒井「詩花。今までどこに居たんだ」

詩花「あっ、社長」

黒井「どうやら騒ぎが起きていたようだ。こんな下賊な国で迂闊な行動はするな」




黒井「久しぶりに様子を見に来たが……愚かしい国だ」

黒井「帰るぞ、詩花。我がステージに」










 

613: 矢橋P 25/09/03(水) 21:12:53 ID:5qGW
それから……



依頼主の矢橋美保から太鼓判をもらい
真珠星はYAHASHIブランドのイメージガールとなった
あの後美保とも打ち合わせをしっかり行い、さらに昴は恵美から桃子は可憐からブランド物のイロハを教えてもらって
初めてにしては上出来の広告写真になったと思う

世間の評価も上々でサマーフェス以降、”アイドルの魔法”を使えるアイドルが二人も居るユニットとして見られていた真珠星はファンタジーというか悪くいえば幼稚なイメージもあったが
今回の仕事で今までとは違う大人な一面を魅せることが出来た
それが好評で具現化だけのアイドルという認識を払拭出来たと感じている

614: 矢橋P 25/09/03(水) 21:14:48 ID:5qGW

そのことが世間を騒がせ始めたころ
俺達、真珠星はとあるライブに呼ばれた








とあるコンサートホール

真珠星の控え室




P「確認するが今回のイベントは純粋にライブを披露するイベントだ」

星梨花「私達を含めたCランクアイドルを集めてそれぞれパフォーマンスをする。という趣旨ですよね?」

P「ああ。真珠星以外も来ているぞ」

昴「ってことはあいつらも来てんだろ」

615: 矢橋P 25/09/03(水) 21:15:37 ID:5qGW


ガチャ




九羽「よう、あれ以来だな」

ひかり「昴、会いに来たわ」



昴「ほら、黙ってても来るじゃん」

616: 矢橋P 25/09/03(水) 21:16:34 ID:5qGW

九羽「悪いかよ。それとブラスジョーカーズだけじゃねーぜ」


静香「お久しぶりです、真珠星の皆さん」

翼「私も居るよー?」

未来「監督ー」タタタッ


昴「だから監督はやめろよな-」ダキッ

617: 矢橋P 25/09/03(水) 21:17:58 ID:5qGW


九羽「星梨花、見たぜプロモーション写真。なかなか良い写真じゃねーか」

星梨花「九羽さんこそ、こないだブラスジョーカーズの三人がドラマに出演したんですよね。話題になってますよ」

九羽「まあな。あれは役が私らのハマり役だったからよ」

ケイ「主人公に絡んでくる三姉妹。まあ似てるって言われるわね」

ひかり「まだまだサブ役って感じだけど出番も多いしこの仕事で認知度が上げていつか主役級の役もやりたいわ」
 

618: 矢橋P 25/09/03(水) 21:21:16 ID:5qGW

昴「静香達は『出張シアタープロジェクト』が色んなところで引っ張りだこなんだってな」

桃子「先立って行われた地方公演が大成功だったもんね」

静香「ええ、そうです。基本は劇場で公演しますけど枠を広げて他の場所での活動を増やしました」

翼「アウェイでも平気だよ。むしろ燃えちゃうかも」
 

619: 矢橋P 25/09/03(水) 21:21:31 ID:5qGW

桃子「でも、その出かけている時は劇場でのシアター公演はどうなるの?」

未来「それは~、ASの皆さんがいるから大丈夫なんだよ!」

P「ASが劇場に常駐しているのか!?」

静香「そうです。何でもASのみなさんもまだまだアイドル続けたいって言っているんですよ」


昴「そりゃ頼もしいな。色んな意味で」

P(そんな単純な話ではないだろう。アイドルを狙ったテロ事件があったんだ。万が一に備えて……という意向だろうな)

620: 矢橋P 25/09/03(水) 21:23:49 ID:5qGW


静香「昴先生、サマーフェスのこと春香さんから聞きました」ヒソヒソ

昴「そうか……。ごめんな、具現化は使用禁止ってことにしてたのに思いっきり使って」ヒソヒソ

昴「具現化のこと、もう世間にゃ広まっちまった」

静香「いえそれはいいんです。昴先生達が無事なら何よりですから」ヒソヒソ
 

621: 矢橋P 25/09/03(水) 21:25:07 ID:5qGW

桃子「みんなCランク相応にそれぞれ羽ばたいてるって感じだね」

九羽「ああ、ツナミのお偉いさんから『本来はまだまだ未熟だけど仕方なくランクアップ』って言われて黙っていられるかよ」

静香「『中弛みのCランク』とも言われました。せっかくCランクに上げてもらえたのだもの。Cランクに相応しいアイドルになるだけです」






P(さすがだ。みんなCランクに上がっても驕らず満足せず歩みを止めていない)

P(このメンバーならきっと……)

622: 矢橋P 25/09/03(水) 21:27:14 ID:5qGW




静香「今日のパフォーマンスは具現化の使用は禁止にしましょう」

九羽「ん、何でだ?」

ケイ「その通りね。さすが最上静香、気が合うわ」

九羽「リーダー?」




翼「別に私と未来が具現化使えないからってわけじゃないよー?」

翼(その気になれば使えると思うしね)

623: 矢橋P 25/09/03(水) 21:28:27 ID:5qGW

昴「このライブはCランクに上がってから初めてとなるライブ」

桃子「だから……具現化を一切使わず今の桃子達の実力を観客に見せよう!ってことだね」


静香「そうよ。ここで具現化頼みのパフォーマンスをしたら、結局ストロベリーポップムーンも真珠星もブラスジョーカーズも具現化ありきのCランクアップか。って思われてしまうもの」

九羽「なるほどな。そりゃ面白くねぇ。別に私も具現化頼りになるつもりはねぇし」
 

624: 矢橋P 25/09/03(水) 21:56:19 ID:5qGW

ケイ「今回はひと皮剥けた私達のお披露目」

星梨花「観客の皆さんを驚かせましょう」

未来「よーし、765プロも行くよーーっ!」











 

625: 矢橋P 25/09/03(水) 21:59:10 ID:5qGW

そうして始まったCランクアイドルを集めたライブ



このライブで真珠星は満を持して、新曲『Hypernova』を披露した
この曲はリーダーの昴がセンターで『アイドルステアウェイ』や『Upper Dog』とはまた違って、激しく力溢れる曲だ
名前通り、真珠星のCランクとして新たな出発に相応しい曲だろう
 

626: 矢橋P 25/09/03(水) 21:59:43 ID:5qGW

かたやストロベリーポップムーンも新曲『Be proud』を披露し

ブラスジョーカーズも持ち曲である『トレース・ジョーカー』をダンス及びフォーメーションをがらりと変え、今までの私達と違うと主張した



どれも反響は凄いもので……
真珠星だけではなくブラスジョーカーズやストロベリーポップムーンを含めた三ユニットのパフォーマンスは
”アイドルの魔法で有名になったユニット”というイメージを完全に取り払らい、他のCランクアイドルと遜色ないことを証明したのだった

627: 矢橋P 25/09/03(水) 22:00:50 ID:5qGW









控え室




九羽「また腕を上げたじゃねーか星梨花よぉ」

星梨花「次のアイドル勝負は負けませんよ」


ケイ「あなたの歌唱力が上がっていたわ。さすが私のライバルね」

静香「ケイさんもダンスがより上手くなっていました」
 

628: 矢橋P 25/09/03(水) 22:01:26 ID:5qGW

ガチャ





P「みんな!」

源P「三ユニットとも素晴らしいライブだったぞ!」


星梨花「Pさん」

未来「プロデューサー!」


P「それとみんなに会いたいってユニットがあるんだ」

翼「私達に?」

629: 矢橋P 25/09/03(水) 22:02:04 ID:5qGW
源P「紹介するよ……」

ザッ


「いえ、いいんですよ~。自己紹介は自分でしますので」



ブワッ



未来(えっ)

ひかり(何もないところで紙吹雪?)

静香(これは……『具現化』!)

桃子(そんな……ステージ上じゃないのに……)

630: 矢橋P 25/09/03(水) 22:03:11 ID:5qGW

朋花「私はCランクユニット『花咲夜』のリーダー、天空橋朋花です」

朋花「『具現化』はあなた達の専売特許ではありません」

朋花「ようこそ、Cランクへ。真珠星、ブラスジョーカーズ、ストロベリーポップムーンの皆さん。歓迎しますね~」








第十二話   終わり
 

631: 矢橋P 25/09/04(木) 10:00:49 ID:RWJP


第十三章   『信仰』

 

632: 矢橋P 25/09/04(木) 10:01:54 ID:RWJP
ツナミグループ アメリカ総本部

会長室








黒服「ジオット様!『カリオペ』様がどこにも居ません!」

ジオット「おや、珍しい。彼女、今の時間はあまり外出しないんだけどね」

黒服「私もそう思いまして総動員して探しましたがどこにも……」

ジオット「まあ彼女の場合、探せないってことはないよね。隣の部屋に居ても気付くくらいだもの」

ジオット「しかし困ったな。彼女、スマホとか持ち歩かないんだよ」

633: 矢橋P 25/09/04(木) 10:03:24 ID:RWJP

ジオット「彼女がいつもの居る部屋には何か痕跡はあったかい?」

黒服「それが……この雑誌が置かれていました」


ジオット「これは日本のアイドル雑誌……ああ、まずいな」

ジオット「彼女、日本に向かったよ。もう到着しているんじゃないかな」

黒服「はぁ。私が最後にカリオペ様を見てから2時間も経過していませんが」

ジオット「30分もあれば十分だよ、彼女にとってはね。それより直ちにホンフーくんに連絡を繋いでくれ」
















 

634: 矢橋P 25/09/04(木) 10:04:42 ID:RWJP
とあるコンサートホール










桃子(『花咲夜』。去年デビューした和を基調としたトリオのユニット)

桃子(その徹底とした雅やかな雰囲気で人気を博して僅か1年でCランクになったアイドルユニットだけど……)




九羽「……なんだアンタ。Cランクでも上位のアイドル様がCランクに入ったばかりの私らが気にくわなないってか」

朋花「ふふっ、威勢がいいですね~。威勢がいい子は好きですよ~」

星梨花「九羽さん、喧嘩しちゃだめです」

635: 矢橋P 25/09/04(木) 10:05:31 ID:RWJP

静香「お久しぶりです朋花さん。あの時はお世話になりました」ペコリ

ケイ「……」




未来「静香ちゃん知ってるの?」

静香「ええ。開拓”分校”時代でめげそうになった私を立ち直らせてくれた人なの」

静香「その後に花咲夜としてアイドル活動をすることを知って驚きました」

翼「そーなんだ」

636: 矢橋P 25/09/04(木) 10:06:44 ID:RWJP

朋花「私は少しアドバイスをしただけですよ~。あれは静香さんの力で立ち上がったようなもの」

朋花「私の方こそ礼を言わないといけません。ホンフーさんから子ぶたちゃん達を開放してくれて感謝しますね~」





ケイ「……」

ひかり「どうしたのよリーダー。さっきから顔が険しいけど……」



昴「静香が世話になったのはオレからも礼を言いたいところだけどな。具現化をチラつかせておいてただの挨拶がしたかったってわけじゃないだろ」

桃子「桃子達に何の用なの?」

637: 矢橋P 25/09/04(木) 10:08:29 ID:RWJP


???「申し訳ございません。この紙吹雪が驚かせてしまったのなら謝ります」ペコリ

???「大勢の素敵な大和撫子さま方の集まりについ興奮してしまい演出を加えてしまいました」

星梨花「大和撫子?」



朋花「この子は感情が高ぶると勝手に具現化を発現してしまう体質なのです。大目に見てやってください~」

エミリー「挨拶をさせていただきます。私は朋花さんと同じ花咲夜のメンバー、エミリー・スチュアートと申します」

エミリー「私の具現化は私の周囲のものを和の趣に変えること。もちろん大和撫子舞台の上でも使えますよ?」


桃子「舞台ってステージのこと?ステージの上でも使えるって……逆にステージ以外でも使えるって方が驚きなんだけど」

源P「どういうことなんだ。まるで着いていけない」

638: 矢橋P 25/09/04(木) 10:09:43 ID:RWJP

朋花「エミリーさんにわざと具現化を使ってもらって反応を見てましたが……、ある程度具現化を理解出来ているようですし隠さずに済みそうですね~」

P「具現化について随分詳しいみたいですが……」





ケイ「アイドルになる前から”具現化能力者”だったのでしょう?つまり彼女達は元々具現化のエキスパート」

ケイ「天空橋朋花、ツナミグループの具現化研究チームの一人だったのだから」



昴「!!」

桃子「!!」

P「なんだと」

639: 矢橋P 25/09/04(木) 10:10:36 ID:RWJP

朋花「おや……、そこのケイさんは元十三番高校の生徒でホンフーさんの実験の被験者でしたか。私がスカウトした子ぶたちゃんではないですから気付きませんでしたね~」

未来「十三番高校……」



P「ツナミグループと関わりがあるってことなら俺達の敵になるが……」

静香「待ってください!朋花さんは大丈夫だと思います」

エミリー「静香さん……」



朋花「静香さんの立場もありますし、ちゃんと説明します。紬さんに周囲の見張りと人払いを頼んでいます。他の人に聞かれることはないでしょう~」

昴「ああ、頼むぜ」

640: 矢橋P 25/09/04(木) 10:11:26 ID:RWJP




朋花「確かに私は1年前まではツナミグループの具現化研究チームに所属していました」

エミリー「私やもう一人の花咲夜メンバー、白石紬さんもです」

朋花「私は幼い頃から兆候がありましたが具現化研究チームの主任、パイプ・ドリームこと宮尾美也さんの能力で完全に具現化に目覚めました」



P「パイプ・ドリーム?」

桃子「……世界で6人しかいないSランクの超能力者だよね」

昴「そんなにすげーやつなのか」

641: 矢橋P 25/09/04(木) 10:12:37 ID:RWJP

朋花「美也さんは素質のある人間を具現化に目覚めさせる力を持っていたんです」

朋花「美也さんによって発現した具現化は一つや二つじゃありませんので」

P「馬鹿な!そんなことが……」


朋花「だから彼女のコードネームはパイプ・ドリーム(絵空事)。まさにあり得ない空想を現実にする能力だった」

※英語圏ではあり得ない夢物語、非現実的な空想を現れてはすぐに消えるパイプの煙と表現しパイプドリーム(煙のような夢)と呼びます

642: 矢橋P 25/09/04(木) 10:14:19 ID:RWJP

朋花「私達は彼女に従い具現化を研究する日々を過ごしていました」

朋花「一応言っておきますが具現化を悪用する研究ではありません。ただ自分達のこの力がどのような影響をもたらすのか知りたかっただけですから」

P(ツナミに属していた人間をどこまで信じていいのか迷うが……)


朋花「そんなある日、美也さんから私達に『アイドルになりませんか?』と提案されました」

静香「アイドルに?」

翼「今までアイドルとは無縁だったのに、突然だね~」

朋花「美也さんの真意は分かりませんでしたが、美也さんは『具現化はアイドルと相性がいい』と申していました」




P「何っ!」

桃子「それって!」

P(つまり、ツナミグループはアイドルと具現化の関係にとっくに気付いていたってことなのか!)

643: 矢橋P 25/09/04(木) 10:16:20 ID:RWJP

エミリー「ですがその真意を知る前に……美也さんは姿を消してしまったんです」 

静香「どうして……」



朋花「分かりません。ですがおそらく、美也さんは何かを察していた。その上で私達にアイドルになるように指示したのだと思います」

朋花「そして私達は美也さんの指示に従いツナミグループから離れ、アイドルとして活動することにしました~」
 

644: 矢橋P 25/09/04(木) 10:17:20 ID:RWJP

ケイ「ツナミグループのアイドルとして活動するという選択肢もあったはずよね。なのになぜ単独でデビューしたのかしら?」

朋花「……おそらく美也さんの失踪はツナミグループの上部が関わっています。残された私達もそのままツナミの手のひらに収まっていては良くないと判断しました」

エミリー「私達は大和撫子活動をしながら美也さんの失踪の謎を追求していく所存です」




未来「なんだか悲しい話しだね……」

朋花「気にしなくてけっこうですよ~。これは私達の問題ですから~」
 

645: 矢橋P 25/09/04(木) 23:08:08 ID:RWJP

桃子「……ということは朋花さん達の具現化はその美也さんによって目覚めたんであって”アイドルとしての”具現化じゃないってことだね」

朋花「そうですね~。ですから私達はステージの上で具現化を使ったことはありません~」



九羽「そりゃ、ご立派だ。つまりアンタは今まで具現化を使えるのにあえて使ってこなかった」

九羽「そこに後から出てきた後輩が勝手に具現化を使い出したのが気にくわねーってところか」
 

646: 矢橋P 25/09/04(木) 23:08:53 ID:RWJP
ビシッビシビシッ!





九羽「ッ……!」

静香(これは朋花さんの具現化の一種)

P(凄い威圧感だ!)





朋花「うふふ~。その通りだと言ったらどうするのですか~?」ビキビキ

九羽「……グッ」

647: 矢橋P 25/09/04(木) 23:09:45 ID:RWJP

朋花「ですが、そんなつもりはありませんよ~」スッ

九羽「……っ、何でだよ」




朋花「今回のステージのパフォーマンス。軽はずみに具現化を使うようならお灸をすえてあげなくてはいけませんね~。そう思っていました」

朋花「ですがあなた達は具現化に頼らずCランクにふさわしいパフォーマンスをしていました。私の杞憂で安心しましたね~」
 

648: 矢橋P 25/09/04(木) 23:10:06 ID:RWJP

九羽(私は使う気満々だったけどな)

九羽(でもこの先輩アイドルのいう通りか。迂闊に使うもんじゃねーかもな)

九羽(次から使う時は考えねーと)
 

649: 矢橋P 25/09/04(木) 23:10:52 ID:RWJP

エミリー「今日は皆さんに挨拶しに来ただけなんです。同じ大和撫子階級としてこれから切磋琢磨していく間柄になるのですから」



ひかり「大和撫子階級?」

朋花「アイドルランクのことですね~」

未来「エミリーちゃんはアイドルのことを大和撫子っていうんだね!」

650: 矢橋P 25/09/04(木) 23:12:23 ID:RWJP

静香「こちらこそ、Cランクに上がったばかりですがこれからよろしくお願いします」

星梨花「よろしくお願いします」

翼「でも油断してると追い抜いちゃいますよ、先輩~」

朋花「望むところですね~。その意気ですよ~」
 源P(一触即発になるかと思ってひやひやしたけど……)

P(元ツナミグループ所属と聞いて緊張したが大丈夫そうだな)






ゾクゾクッ!

651: 矢橋P 25/09/04(木) 23:13:34 ID:RWJP

みんな「「「「!!!!」」」」



P(何だ、……これは!)ビクッビクッ

九羽(悪寒が止まらねぇ。それに……)

















「The Lord says……(主はこう言われています)」


「Reset humanity(人類をリセットしなさい……と)」


 

652: 矢橋P 25/09/04(木) 23:14:32 ID:RWJP

この場に居るPやアイドル達は生まれから今に至るまでに味わったことない感覚に襲われていた
否、彼らだけではなく”人類”がここ200年は味わっていない感覚だろう





古来、人類は未知の現象に恐怖し平伏し崇めてきた
雷、地震、火山の噴火などである。それはいわゆる自然信仰というものになり
宗教の先駆けとなった
しかし、人類は科学を発展させひとまずそれらの脅威から脱することに成功する
それどころか森羅万象、自然現象すらも掌握し遂には地球の命運すらも握るに至ったのだ

だから人類は今、彼ら彼女らが味わっている感覚を久しく味わってないであろう
猛獣を前にした動物としての本能でもなく死線を目の前にした緊張感とも違う




『自分達の理解を超える、未知の物を前にした畏怖・恐怖』を



 

653: 矢橋P 25/09/04(木) 23:15:51 ID:RWJP


カリオペ「あなたはMiss.Tomokaで間違いないですね?」




気付いてみればこの場にいた全員が足を折り、跪いていた
未知の物に対する本能のようなものかもしれない



P「な、何であなたがここに居るんだ。アメリカのアイドル、『カリオペ』」

















 

654: 矢橋P 25/09/05(金) 07:13:49 ID:AC9i

-テレビ通話中-





ジオット「というわけだからさ。直ちにカリオペくんを連れ戻してきてほしい」

ホンフー「はぁ……。いきなりですね」

ホンフー「そういえば私、カリオペにはお会いしたことがありませんね。どのような人物なのですか?」

ジオット「そうか、ジナイダくんは会ってはいたけど、君には会わせていなかったね」

655: 矢橋P 25/09/05(金) 07:14:22 ID:AC9i

ジオット「彼女を一言で言えば『世界最強の具現化能力者』かな」

ホンフー「ほう……。あなたの口から軽々しく”最強”という言葉が出るとは思いもしませんでしたよ」

ジオット「軽々しく口にすると品を下げるから簡単には口にしないんけどねぇ。彼女は特別さ」

ホンフー「よほどの能力者のようですね。もう少し詳しく教えてくれませんか」
 

656: 矢橋P 25/09/05(金) 07:15:33 ID:AC9i

ジオット「彼女はね、古いタイプの『信仰者』なんだよ」

ホンフー「古いタイプ?信仰者というだけなら珍しくもなさそうですが」

ジオット「一昔前はまだ居たんだけど、今このご時世にはもうほとんど残っていない。そんな硬派なタイプさ」



ホンフー「よく分かりませんが……それが世界最強にどう繋がるのです?」

ジオット「おや、ピンと来ないかい?ホンフーくんも具現化にはまだ浅いねぇ」

ホンフー「力及ばす、ジナイダと一緒に勉強中ですよ」

657: 矢橋P 25/09/05(金) 07:16:18 ID:AC9i

ジオット「いいかい。『具現化とは信じる力でもある』これは前にも言った通りさ。であるならば……」

ジオット「自分以外のものを信じる。この一点に限って『宗教』に勝るものは存在しないんだよ」











カリオペ「私の名を……、あなたは私を知っているのですか?」

P「………………はい」
 

658: 矢橋P 25/09/05(金) 07:17:05 ID:AC9i

真珠星達や花咲夜の目の前に突然現れた女性『カリオペ』
黄金のように輝く金色の髪に青い瞳が日本人ではないことを表していた
それより更に目を惹くのはその格好
複数の布を重ねたローブしか身に付けていないようであった

この日本においてはコスプレかと見間違うほど奇抜である
しかしそんなことを有無も言わさない存在感がこの場を支配していた
実際対面したPも彼女の問いに辛うじて「……はい」の一言を返すのが精一杯
他のアイドル達は言葉すら発することが出来ないようだった
ただ一人を除いて
 

659: 矢橋P 25/09/05(金) 07:17:51 ID:AC9i

カリオペ「excellent(素晴らしい)。この遠い東洋の地に私の名を知る者がいるとは」

カリオペ「あなたは私の信徒になることを認めましょう。さあ…」




朋花「突然現れて無礼な方ですね~。まずは挨拶からではないですか~?」

カリオペ「oh……?いけないいけない。本来の目的を見失うところでした」

カリオペ「私はあなたに用があってここまで来たのです。Miss.Tomoka」

朋花「会話が出来ない人ですね~。あなたは何者かと聞いているんですよ~」



カリオペと朋花だけの一方方向な会話が続く、他は黙って会話を見守っている
未知の存在に威圧され、他のアイドルとプロデューサー達は会話に混ざることすら出来ないのだ
辛うじて抗っている朋花ですら言葉こそ挑発的だが強がるだけで精一杯なのだろう

660: 矢橋P 25/09/05(金) 07:19:13 ID:AC9i


カリオペ「no……、i am not human (いいえ、私は人間ではありません)」

カリオペ「i am andivinely appointed angel(私は神によって任命された天使なのです)」