彼女は純白の羽根を生やしているわけでも煌々と輝くリングを頭上に付けいるわけではない
一般人が思い浮かべる天使とはやや異なっていた。せいぜい声が透き通って綺麗なことぐらいか
未来なんかは「具現化で羽根を生やした静香ちゃんの方がよっぽど天使だよ!」と心の中で密かに抗議したほどだ

だが……






ひかり(嘘……でしょ……)ガクガク

九羽(クソッ!いつもなら笑い飛ばしているのに……)ガクガク

九羽(こいつは普通じゃねぇ。って体が認めちまってる!)ガクガク





紬「と…朋花さん…」フラフラ

エミリー「紬さん!」

紬「その者は危険です…」ガクッ

662: 矢橋P 25/09/05(金) 07:22:50 ID:AC9i

朋花「……具現返りですね」

桃子(具現返りって、百合子さんが言ってた……)ガクガク



朋花「あなたは具現返りで自分が想像する『天使』を自分の体に顕現させた。違いますか~?」



カリオペ「…………」ニコニコ







静香(具現化ってこんなことまで出来るの?)ガクガク

昴(これじゃ……光を出すとか翼を生やすとか、オレ達が具現化でやってたことなんんて……文字通り”おままごと”だったってことかよ)ガクガク


663: 矢橋P 25/09/05(金) 07:24:17 ID:AC9i

朋花(この世界は具現化によって魔人や悪魔が創造されてきました。そう考えれば具現化によって天使が創造されることもあり得ない話しではないでしょう)

朋花(ですが、それらは膨大な数の年月と人間の想いが必要なはずです)

朋花(幾万の人々の『願いが叶ったらよいな』という想いが魔人になり、幾万の人間の『悪意』が悪魔になった…)

朋花(たった一人の人間の想像や思考でこんな存在が生まれるなんて……。この女性はいったいどれ程の……)
 

664: 矢橋P 25/09/05(金) 07:25:02 ID:AC9i

カリオペ「私がここに来た理由は一つです」

カリオペ「Miss.Tomoka。あなたは”聖母”を名乗っているそうですね?」

朋花「あなたに指摘されるまでもなく私は”聖母”です。それがどうかしましたか?」
 

665: 矢橋P 25/09/05(金) 07:25:39 ID:AC9i
バシッ!



朋花「うっ…」


カリオペ「Who do you think you are?(何様のつもり?)」






星梨花(あの人が手を振り上げただけで朋花さんが壁に張り付けられました)

源P(何が起こったんだ...)

666: 矢橋P 25/09/05(金) 07:26:17 ID:AC9i

カリオペ「あなた如きが聖母を名乗るなど……なんと汚らわしい」

カリオペ「しかも事もあろうに偶像が聖母を名乗るなど…万死に値する罪でしょう」




P(こいつ……自分はアイドルのくせにアイドルのことが嫌いなのか?)ガクガク

667: 矢橋P 25/09/05(金) 07:27:08 ID:AC9i

カリオペ「ですが、主たる神は広大無辺たる慈悲を持っておいでです」

カリオペ「今すぐ偽りの聖母を名乗った罪を認め今後は主の為に生きることを誓い、洗礼を受けるのならあなたの罪を許して下さるでしょう」

カリオペ「そしてMy Master.ジオットが主導する『catastrophe(カタストロフ)』に身を捧げるのです。それこそが唯一の謝罪となるのですから」










P(マイマスター・ジオットだと…。それにカタストロフだって?)

未来(何なのこの人。何を言っているのかさっぱりわからないよ…)

668: 矢橋P 25/09/05(金) 07:28:18 ID:AC9i

朋花「ふふ…。カタストロフですか~」

朋花「ツナミに所属していた時に僅かにですが聞いたことがあります」

朋花「世界を無茶苦茶にする計画だそうですね~」フフフ


カリオペ「何がおかしいのですかMiss.Tomoka」




朋花「いえ。神に仕える天使を名乗っていながらカタストロフに従事しろなどと、滑稽過ぎて笑みがこぼれてるだけですよ~?」

669: 矢橋P 25/09/05(金) 07:29:14 ID:AC9i
ドゴッ!


朋花「…っ!」

エミリー「朋花さん!」




カリオペ「いけない、いけない。主はこう申しております。『汝、隣人を愛せよ』と」

カリオペ「聖母を騙り、偶像に身を落とす売女にも慈悲を持たなくてはいけません」

カリオペ「ですのでこれから”最後のチャンス”を与えましょうか」


朋花「…最後のチャンス?」ググ…

670: 矢橋P 25/09/05(金) 14:22:42 ID:Nu1m

カリオペ「あなたはこの世界が淀み腐りきっていると思いませんか?」

カリオペ「科学が幅を利かせ人々は科学を盲信するようになりました」

カリオペ「まあ科学の台頭は良いでしょう。便利ではありますし、それで救われた命もありますからね」

カリオペ「一番問題なのは時代と共に腐敗していく人間の心なのですから」





空を仰ぎ、両手を広げ、大衆に聞かせるようにカリオペは語り出した
 

671: 矢橋P 25/09/05(金) 14:24:10 ID:Nu1m

カリオペ「科学が発展し産業革命が起きた。そうして産まれたのが”資本主義”です」

カリオペ「資本主義によって人間は富を拡大することを覚えた。しかし同時に格差も生まれることになったのです」

カリオペ「利益を上げるために他者を蹴落としてでも他の資本を奪いとる。そんな醜い争いが日常的に行われるようになった」

カリオペ「挙げ句の果てには多様性?個性主義?耳障りのよい言葉を並べても結局は『自分のしたいことをさせろ、邪魔するな』ということでしょう?」

カリオペ「ああ……。いつから人間はこんなまとまりがない個別主義になったのでしょう」
 

672: 矢橋P 25/09/05(金) 14:25:29 ID:Nu1m

カリオペ「争いを無くし人類を団結させるにはもう増え過ぎた人口を減らすしかないのです。その唯一の手段こそがcatastrophe」

カリオペ「案ずることはないですよ?人類が滅びるわけではないですから。9割以上が死に絶えるだけで」

カリオペ「僅かに生き残った人類は自らの非力さを知り、残された数少ない人類同士で手を取り仲良く暮らしていくことでしょう。人種などの垣根を越えてね」

カリオペ「その時初めて主の言葉を胸に刻むことが出来るのです。今の驕り高ぶった人類では主の言葉を到底理解しないでしょうからね」
 

673: 矢橋P 25/09/05(金) 14:27:04 ID:Nu1m





昴(なんだこいつ。何でそんなことを涼しい顔で言えんだよ!)

星梨花(この人、怖いです……。どうにかしないと…………あっ)

674: 矢橋P 25/09/05(金) 15:09:14 ID:Nu1m


朋花「……」

朋花「愚かですね」




カリオペ「Huh?(何だって?)」

朋花「あなたは私が一番嫌悪するタイプの人間です」




ギリッ!



カリオペ「……私の高尚な考えを理解できませんでしたか。では……」スッ
 

675: 矢橋P 25/09/05(金) 15:10:39 ID:Nu1m

P「ま、待った!」

カリオペ「why?」

P「あ、あなたはアメリカでアイドルをされているはず。なのになぜアイドルを偶像と呼び嫌悪されているんですか?」




P(僅かなやり取りだがわかったことがある。こいつは”喋りたがり”だ。質問をぶつければ時間が稼げるはず)

星梨花(Pさん、ナイスです)

676: 矢橋P 25/09/05(金) 15:11:39 ID:Nu1m

カリオペ「あなたはさっきの……。いいでしょう。信徒になる人からの質問なら応じなければいけないですね」



カリオペ「私もアイドルになるのは不本意だったのです」

カリオペ「ですがMy Master.ジオットが申されました。『アイドルになれば私の力は飛躍的に増大する』と」



桃子(そ、そんな……)

677: 矢橋P 25/09/05(金) 15:12:45 ID:Nu1m

カリオペ「言われるがままにアイドル活動をしてみたところ、My Master.ジオットのいう通り私の力が増幅するのを感じました」


カリオペ「私は天使だということを誇示出来るほどの力はあると自負していますが、catastropheを起こせるだけの力は流石にありません」


カリオペ「そのためのアイドル活動なのです。世界一のアイドルの祭典で全世界中のアイドルが集まり、全世界中の視聴者が集まった時に私がアイドルの頂点になった瞬間、私はcatastropheをも起こせる力を得るでしょう」


カリオペ「その時こそ……世界がひっくり返る時なのです」

678: 矢橋P 25/09/05(金) 15:14:27 ID:Nu1m

桃子(そ、それじゃ……)

静香(ツナミグループが今までアイドル業界を支援してきたのは……)

P(俺達にアイドルの具現化を発現させ定着し、最後にはカリオペにcatastropheを起こさせるためだったというのか!)
 

679: 矢橋P 25/09/05(金) 15:15:47 ID:Nu1m



朋花「だからあなたは愚かで……哀れなんですよ」


カリオペ「私が哀れ……だと?」

P(駄目だ朋花さん。あいつを刺激させることを言っては……)
 

680: 矢橋P 25/09/05(金) 15:16:50 ID:Nu1m

朋花「あなたのいう通り、私も人間の全てが美しいとは思っていません。醜いところも多い」

朋花「ですが私は人間は素晴らしいものだと思っています」



カリオペ「醜いと言っては素晴らしいという。矛盾している、あなたはおかしな人ですね」


朋花「人間の心というものは黒か白かなどと簡単に分けられるものではないということですよ~」

朋花「人間の心は悪にもなるし善にもなる。どちらにも傾きます。醜くもなるし素晴らしくもなるということです」

681: 矢橋P 25/09/05(金) 15:17:24 ID:Nu1m

カリオペ「……たとえそうだとしても、多くの人間が醜い心だという方が多いのではないのですか?」


朋花「ええ。そうかもしれません」

カリオペ「そうでしょう。なら変わらない…」

朋花「ならなぜ、あなたは力を持ちながら人々を素晴らしい方に導こうとしないのですか」

682: 矢橋P 25/09/05(金) 15:18:02 ID:Nu1m


カリオペ「くどいですね。人々を正しい方向に導くためにcatastropheを……」


朋花「違います。あなたは何もかも諦めて全てを白紙にしたいだけ」
 

683: 矢橋P 25/09/05(金) 15:19:07 ID:Nu1m

朋花「他の人間より力を持つということは同時に責任も生まれます。その力を正しいことの為に使うという責任が」

朋花「私が知る限りでもASの皆さんやヒーローの皆さんは自分の為に力を使ってなんかいません。強大な力を持ちながらそれを自分の為だけに使おうというのなら……獣となんら変わらない」
 

684: 矢橋P 25/09/05(金) 15:19:20 ID:Nu1m

朋花「私だってそうです。この……生まれつき持っていた不思議な力、迷える子ぶたちゃん達の為に使おうと思いました」

朋花「個人では限界があると思い、今はユニットを組みアイドルに活動の場所を変えましたが気持ちは変わりません」
 
朋花「力を持つと自分のことで精一杯な状態から抜け出し、余裕が出来ると急に周りが見えるようになる。そこで人々の心が醜いと思ったのならなぜより良くしていこうと思わないのですか」
 

685: 矢橋P 25/09/05(金) 15:20:13 ID:Nu1m
カリオペ「……黙れ」



朋花「私はあなたを軽蔑します。……確かにあなたは天使みたいですね~。天上から見下ろして人類を罪だの未熟だのと言って対して導くこともせず罰だけ与える傲慢な神々にそっくりですから~」





カリオペ「shut up!(黙れ!)」



メキメキメキ!



朋花「あっ……」

静香「朋花さん!」

686: 矢橋P 25/09/05(金) 15:20:52 ID:Nu1m

カリオペ「あなたを処すのは簡単です。ですが最後に聖母を名乗ったことを懺悔してから召されなさい」

カリオペ「そうすれば苦しまずにしてあげますよ?いずれにせよ、あなたの行き先は地獄ですが」







朋花「ふ……。言い返せないので八つ当たりですか……」ギリギリ…

朋花「一生……私に負けた敗北感を胸に刻んでおきなさい……」

687: 矢橋P 25/09/05(金) 19:04:30 ID:AC9i













ジナイダ「そこまでにしろ、カリオペ」



九羽(あいつは……)

星梨花「ジナイダさん!」

688: 矢橋P 25/09/05(金) 19:05:23 ID:AC9i
スッ




カリオペ「Miss.Zinaida。邪魔しないでもらえます?」

ジナイダ「天空橋朋花は具現化を発現しているアイドル。ここに居るアイドル全員含めて計画のためには必要だ」


カリオペ「それがどうだというのです。あなたの言うことなど……」

ジナイダ「ジオット様の命令だとしてもか?」

カリオペ「!!」

689: 矢橋P 25/09/05(金) 19:06:47 ID:AC9i

ジナイダ「嘘だと思うのなら今すぐジオット様に会って問いただしてみればいい」

カリオペ「……いいでしょう。My Master.ジオットの言葉は全てを優先します」

カリオペ「ただし、あなたがもしジオット様の言葉を偽った場合は容赦はしません」


ジナイダ「構わないゾ。建物の表にホンフーが居る、ホンフーの超能力で送ってもらえ」

カリオペ「不要です。あなた方の力は借りません、自力で帰ることぐらい出来ますから」
 

690: 矢橋P 25/09/05(金) 19:07:47 ID:AC9i

ギロッ





カリオペ「偶像であることで命拾いしましたね、Miss.Tomoka」

朋花「あ、あなたこそ、私を打ち負かす機会もらえて嬉しいのではないですか~」ゴホゴホ




カッ!


カリオペ「don't you forget it!(覚えておけ!)」


バタン!





 

691: 矢橋P 25/09/05(金) 19:09:12 ID:AC9i






ひかり「…………」

九羽「いなくなったよなアイツ」

昴「ああ、重苦しいほどのプレッシャーが無くなったから間違いないだろ」

未来「うひゃ~。さすがに疲れたよ……」ガクッ


九羽「何なんだよアイツは!」

ケイ「頭のネジが飛んでる……ってレベルじゃないわね」






エミリー「大丈夫ですか朋花さん」

朋花「あんなもの、大したことないですね~」フラ…

エミリー「強がらないで少し安静にしていてください」

紬「すみません。私も止めようとしたのですが一蹴されてしまいました」

692: 矢橋P 25/09/05(金) 19:10:01 ID:AC9i




静香「とんでもない人だったわね……って翼、どうしたの」

翼「ごめん静香ちゃん。私、腰が抜けたみたい~」アハハ…

静香(そうよね。私と未来は開拓高校で色々体験したけど”こういうのは”翼は今回が初めてだもの……)
 

693: 矢橋P 25/09/05(金) 19:10:24 ID:AC9i

ジナイダ「間一髪だったな星梨花。オマエがボタンを押してくれたおかげでカリオペの居場所が特定出来た」

星梨花「ジナイダさんがくれたこのボタンのおかげで助かりました。止めてくれてありがとうございます」

ジナイダ「カリオペはジオット様の言うことしか聞かないからな」

ジナイダ「……彼女の気に障って滅んだ町だってある。カリオペだけは相手にしない方がいい」

694: 矢橋P 25/09/05(金) 19:11:38 ID:AC9i

桃子「……あなたもあの天使さまの仲間なんでしょ」ジロー

ジナイダ「同志ではあるな」

ジナイダ「だが……ジナイダはカリオペのことは好きではない。ジナイダと思考が違い過ぎるからな」


昴「……今回だけは素直に礼を言うぜ。ありがとな」

ジナイダ「フン。お礼の見返りというわけではないが……」










 


695: 矢橋P 25/09/05(金) 19:13:07 ID:AC9i

源P「本当によかったんですか?途中で警察呼ばなくて」

P「ああ。奴らは警察なんか呼んでも無駄だからな」

P(話しがややこしくなるし、奴らがその気になれば警察でも思うがままだ。最悪こちらの経歴だけが傷付きかねない)








サマーフェスで旧ジャジメントの超能力者部隊を退けた際
俺はどこか希望を持ってしまった
事前準備もしっかりしたし、ヒーローやASが総動員したとはいえ、主戦力の一つを撃退出来た
もしかしたら『ツナミに武力でも充分抗えるのではないか』と

そんな淡い希望はあっさりと粉々になった。ツナミにこんな化け物がいるとは……

いや彼女だけではない。近しい実力者が他にも数名いると考えるが妥当か
だからこそ超能力者部隊をあっさり切ることが出来たのだから

696: 矢橋P 25/09/05(金) 19:13:49 ID:AC9i

くそっ!
こないだの大勝利でどこか浮かれていた
そんなやわな組織なわけないだろ、あのツナミグループだぞ!
まともに戦って勝ち目のある相手ではないのだとこの日改めて思い知らされた……

今回は朋花に大きな怪我は無く、他のみんなも何もなかったのが幸いだったが……
とにかくこれから対策を考えないといけないな










 

697: 矢橋P 25/09/05(金) 19:14:22 ID:AC9i

星梨花「私と二人きりでお話しって……アイドルのことですよね」

ジナイダ「そうだ。更に言えば具現化についてだ」








昴(心配だからオレ達もこっそり見守っているけどな)

桃子(昴さん。気付かれないようにね)

698: 矢橋P 25/09/05(金) 19:15:03 ID:AC9i

ジナイダ(正直バレバレなのだが……。まあジナイダと星梨花の会話を邪魔しない分にはよいダロウ)

星梨花「……具現化ですか」

ジナイダ「そうだ。はっきり言えばジナイダも星梨花が使ったような具現化を使いたいのダ」



星梨花「……ジナイダさん。デビューしてから結構経ちましたけど、アイドルとしての活動をちゃんとしてますか?」

ジナイダ「特に。アイドルの映像なら毎日見ているぞ!」
 

699: 矢橋P 25/09/05(金) 19:16:28 ID:AC9i

星梨花「見てるだけじゃ駄目です!ちゃんとレッスンしてますか?」

ジナイダ「い、いや……」タジダジ


星梨花「アイドルとして何も力を付けていないのに具現化だけは欲しい。ジナイダの言うことは間違ってます!」

ジナイダ「うう……。返す言葉もない」

星梨花「いいですか。アイドルの具現化はアイドルとして輝いてから発現するんです。今のジナイダさんのままでは一生無理ですよ」


ジナイダ「そ、それは困るゾ。ジオット様の期待に応えれない」アセアセ

ジナイダ「どうすればいいのだ」

星梨花「そうですね……」










 


700: 矢橋P 25/09/05(金) 19:17:42 ID:AC9i
あれから数日後

地球プロ






ジナイダ「今日からお世話になるぞ。よろしくな!」




星梨花「はい」ニコニコ

昴「えー……」ズーン

桃子「……」アタマオサエ

ジュリア「ど、どういうことだよP兄!」




P「俺も聞きたいよ……」トホホ…

千鶴「あの人(黒月代表)も頭押さえて項垂れていましたわ……」

このみ「甲斐代表がわざわざ頭下げに来たのに仰天していたものね……」
 

701: 矢橋P 25/09/05(金) 19:18:25 ID:AC9i

ジナイダ「この地球プロで預かりの身にならせてもらうぞ」




桃子「どういうこと?」

P「所属はツナミグループのままだけど、こちらでレッスンを受けたりするってことだとさ」

ジナイダ「ジナイダもやることがあるから毎日ではないがな」
 

702: 矢橋P 25/09/05(金) 19:20:07 ID:AC9i

まつり「つまりアイドルの留学みたいなものですね」

まつり「はいほー!ジナイダさん、まつり姫なのです。よろしくなのですよ」

ジナイダ「ああ、よろしくな」



まつり「さっそくなのですが……、ジナイダちゃんを女の子コーデするのです!」

ジナイダ「女の子コーデ?ま、マテ何をする気だ……」

まつり「ジナイダちゃんの格好は女の子らしくないのです。ふわふわでキュートな洋服を選んであげるのですよ!」

ジナイダ「何、そんなものはジナイダには必要ないぞ」


星梨花「ジナイダさん。アイドルへの第一歩ですよ!」
 
ジナイダ「そ、そうか。それならよろしく頼む」
 

703: 矢橋P 25/09/05(金) 19:25:26 ID:Nu1m

ジュリア「ああ……。アタシもここに来た時にマツにやられたんだったな」

P「止めなくていいんですか……」

藤堂「まつりが楽しそうだから止めないさ」












第十三話   終わり

704: 矢橋P 25/09/05(金) 19:32:34 ID:Nu1m
ひとまず……

エミリー登場おめでとう!
このシリーズを続けて二年経ったけどやっと登場させてあげることが出来たよ

これでこのシリーズに登場したミリオンオールスターズは51/52人。残りあと一人登場すれば密かに目標としていた52人全員登場させれるね


だけど彼女の登場はもう少し後かな。名前だけはもう出てるのだけどね

705: 矢橋P 25/09/05(金) 19:34:29 ID:Nu1m

で、カリオペのことを捕捉させてもらうのだけど…

706: 矢橋P 25/09/05(金) 19:50:34 ID:Nu1m
彼女はパワポケ14で名前だけ登場したキャラです
ですのでほぼオリキャラですね


別に私は宗教の回し者ではございません
カリオペが信仰するモデルになった某宗教については詳しくないですし

自分は敵は強い方が燃えるタイプなのでせっかくなら具現化における最適かつ最強なキャラを考えて、出来たキャラがカリオペです

彼女は具現化を発現する前から"壊れて"いたんです
そんなところをジオットが気に入ったんじゃないでしょうか



現実問題としてカリオペにP達、ヒーロー連合、AS、サイボーグ同盟の中で策もなくタイマンで彼女に勝てる人は一人も居ません

つまり彼女を打ち負かすには武力ではなく『アイドル』で勝つしかない。 まあそういうことです
 

707: 矢橋P 25/09/05(金) 19:57:00 ID:Nu1m

表現の一環として英文を使わせてもらいましたが、作者の英語力は中学生以下ですので文法や単語等おかしいところがあるかもしれませんがお許しください




長文失礼しました



708: 矢橋P 26/01/07(水) 12:35:16 ID:fAAG

天空橋朋花   花昨夜のリーダー

和風アイドルユニット『花咲夜』のリーダーを務めるアイドル。19歳

元ツナミグループの具現化研究チームに所属していたが主任の宮尾美也にアイドルになることを提案されアイドルになると同時にツナミからは脱退している

美也からアイドルのことを提案された時は困惑したものの、彼女の願いであった『迷える人達を救いたい』を叶える方法としてアイドルという選択は正解だと確信、今では自らアイドル活動に邁進している

彼女の具現化とは自らが演じる『聖母』を顕現させるもの
カリオペが顕現させている『天使』と酷似しているが、願いの内容が根本的に異なっているため両者が相容れることは絶対にない   ●

709: 矢橋P 26/01/07(水) 12:36:21 ID:fAAG

エミリー・スチュアート   大和撫子  ●

花咲夜のユニットメンバーでイギリス出身
両親は元日本外交官で幼い頃から日本に慣れ親しんでいた
そのさなか具現化の才能を宮尾美也に見出され、具現化研究チームに加わった
実のところ感情が高ぶると勝手に発動してしまう彼女の具現化はやや危ういものであり、彼女の加入は研究対象としてというより保護の意味合いが強い

彼女らのアイドルユニット、花咲夜は和風ユニットとなっていて衣装もさることながら朋花の好きなものである扇子を用いたパフォーマンスが魅力となっている

大和撫子活動の中で日本の女性の和を見出しました
エミリー・スチュアート、大和撫子に向かって精進中です

710: 矢橋P 26/01/07(水) 12:37:44 ID:fAAG

白石紬   意思を持つ大和人形

花咲夜のユニットメンバーにして人ならざるもの。その実態は祀られていた大和人形
美也の能力で具現化として意思と姿を与えられてから彼女を主人とし忠誠を誓っていた
影を操る能力があり、かつてはASでも上位の戦闘能力を持つ四条貴音を追い詰めた

宮尾美也が行方知れずになった際は自らを消滅させる寸前になるまで意気消沈していたが、朋花とエミリーの呼びかけに奮起して朋花を新たな主人とした
彼女のような具現化による存在は、拠り所となる想いがないと存在が危ぶまれてしまうのである

711: 矢橋P 26/01/07(水) 20:46:29 ID:JKKA
ジャジメント時代から彼女の存在はオカルトテクノロジー研究班から周知されていて、その研究班からは喉から手が出るほど貴重な存在であったが、Sランクの超能力でジオットにも繋がりがあった美也を光らせていたので実験体になることを免れている
その後ジオットの発令で美也をリーダーとした新たな具現化研究チームが発作した
ただ、ツナミグループの一員というより美也直属の部下ようなものでツナミグループとしての活動はしていないしツナミの裏側に加担したことはない

朋花達がアイドルデビューと同時にツナミグループから脱退したのは後ろ盾である美也が居なくなったという理由も大きい   ●

712: 矢橋P 26/01/07(水) 22:09:47 ID:JKKA


第十四章   『祭りの開演』

 

713: 矢橋P 26/01/07(水) 22:10:37 ID:JKKA

パライソタウン   指令室








局長「久しぶりだな。コードネームP」

P「はい。しばらく顔を出せずにすみません」

局長「よい。顔を出せないくらい忙しいということは任務が上手くいっているということだからな」


洗谷「コードネームBやJも揃ったな」

このみ「……」スッ

ジュリア「……」ザッ

714: 矢橋P 26/01/07(水) 22:12:07 ID:JKKA

洗谷「どうやらPから重要な報告があるようです」

局長「発言を許可する。報告したまえ」



P「ツナミグループがアイドル業界を使って企んでいることが発覚しました。全貌まで暴いたわけではありませんが確証はあります」

P「ここからは研究チームの七尾百合子と一緒に説明いたします」

百合子「お願いします」ペコリ



局長「百合子くんといえば具現化研究チームだろう、なぜだね?」

洗谷「まあまあ。コードネームPも何か考えがあってのことでしょうし、ひとまず報告を聞きましょう」


杏奈(Pさん、百合子さん。頑張って……)

715: 矢橋P 26/01/07(水) 22:12:38 ID:JKKA

P「ツナミグループは具現化についてかなり前から研究していました。古くはジャジメント時代まで遡るようです」

百合子「『オカルトテクノロジー』と称していたようですが、私達日本政府の研究チームより早く目を付けていました。ツナミが私達より具現化に知見があるのは間違いないと思います」





局長「うーむ。私は具現化というものがいまいち理解出来なくて嫌いなのだが……」

局長「その具現化がどう絡んでくるんだね」

716: 矢橋P 26/01/07(水) 22:13:09 ID:JKKA
百合子「『アイドルは具現化と相性がいい』。私も最近になって気付いたことなのですがツナミグループはいち早く気付いていたようです」

P「……事は七年前にツナミグループがアイドル部門を設立した時から始まっていたのかもしれません」



洗谷「……つまり、ツナミは具現化とアイドルに目を付けたがゆえに先んじてアイドル業界に進出し今や牛耳り、最終的にW・Dなる世界規模のアイドルの大会を開こうというわけか」


717: 矢橋P 26/01/07(水) 22:13:56 ID:JKKA

P「ツナミのエージェントに『カリオペ』という者がいます。彼女は”具現化能力者”です」

局長「具現化能力者?超能力者とは何が違うんだね」



百合子「私から説明します」

百合子「超能力とはごく稀に一部の人間に備わる特殊な能力です。ですがあくまで科学の範疇でもあります」

百合子「そのメカニズムは解明されていませんが、しあわせ草由来の薬品で補助することも出来ますし、超能力が発動する際に発する特殊な脳波を感知するESPセンサーやそれを妨害するESPジャマーまでありますね」

百合子「それに比べ、具現化は科学ではなんとも説明できない不思議な現象なんです。人間の心という科学では及ばないものが本質ですから」

局長「うーむ。まさにオカルトの分野ということか」
 

718: 矢橋P 26/01/07(水) 22:14:45 ID:JKKA

百合子(……オカルト)

百合子「そしてその具現化を発現し、使いこなす人間を具現化能力者と呼んでいます」




局長「超能力者がエスパーなら具現化能力者は呪い師って感じなのかね」

百合子(うーん。なかなか私が思ってる風には伝わらないなぁ……)
 

719: 矢橋P 26/01/07(水) 22:16:08 ID:JKKA

洗谷「それで、カリオペとやらはどれほどなんだ。危険人物なのか?」

局長「と言っても裏世界を震え上がらせたジャジメントの超能力者達ほどではないのだろう?」

洗谷「それで、カリオペとやらはどれほどなんだ。危険人物なのか?」

局長「と言っても裏世界を震え上がらせたジャジメントの超能力者達ほどではないのだろう?」
 

720: 矢橋P 26/01/07(水) 22:17:09 ID:JKKA

P「……その認識は甘いです。ツナミが抱える具現化能力者はジャジメントの超能力者達以上の脅威だと考えねばなりません」

局長「さすがにそれは大袈裟だろう。最近は大人しくなったがジャジメントの超能力者部隊は世界を支配出来るほどの力があったのだぞ」

P「……ならばなぜサマーフェスの事件でツナミはあっさり超能力者部隊を見捨てたのでしょうか。もちろんサマーフェス襲撃に全ての超能力者が参加していたわけではいなかったですがデイライトを始め主力選手が揃っていたのに惜しむ素振りすら見せない」

P「もはやツナミは超能力者部隊に頼る必要がなくなった。そう考えるべきかと思います」

局長「……信じられん」
 

721: 矢橋P 26/01/07(水) 22:18:39 ID:JKKA

P「カリオペは具現化能力者でありながらアイドルでもあります」

局長「裏で暗躍するツナミのエージェントなのにメディアに露出しているというのか!?」





このみ「その点は私から説明します」

洗谷「今度はコードネームBか」

722: 矢橋P 26/01/07(水) 22:21:01 ID:JKKA

このみ「まずこの資料を見て下さい」ペラ

局長「これは!」
 

このみ「先立ってコードネームPの依頼で調査をしていました。お渡しした雑誌の一面を華やかに飾っているアメリカで大ブレイクしているアイドルこそカリオペ本人です」

局長「民間の商業雑誌に堂々と写っているこの女性が本当にツナミのエージェントなのかね!」

このみ「間違いありません。私がカリオペのバックを洗いざらい調べたところ、表向きは最近アメリカで立ち上げた芸能事務所ですが裏にジオット・セルヴェルス本人が絡んでいました」
 

723: 矢橋P 26/01/07(水) 22:21:52 ID:JKKA

P「それについ先日自分は彼女に接触しました。その時、彼女はジオットの名前を出している」

洗谷「並の構成員なら名前を出すのすらはばかるジオット・セルヴェルスの名を……ということか。それに……」

局長「何だね、洗谷くん」


洗谷「彼女の顔……”綺麗過ぎる”」

洗谷「私は仕事柄、色んな人間の顔を見てきた。雑誌の見栄えのためにフォトグラフ等を使っているとしても綺麗過ぎる」

このみ「それも彼女の人気の要因みたいですね。洗谷隊長のいう通り、まるで穢れなく俗なるものに触れずに育った無垢なる少女のような容姿だとファンは絶賛しています」

P(性格は無垢でもなんでもないけどな)
 

724: 矢橋P 26/01/07(水) 22:22:57 ID:JKKA

洗谷「……しかもこの雑誌によれば、他を寄せ付けずアメリカを熱狂の渦に巻き込んでいると書いてある。この規模ならAランクは間違いないだろう」

洗谷「そんなアイドルのバックにはツナミがいて、おまけに具現化能力者だと?ずいぶんたちの悪いシナリオだな」

P「現実です、間違いなく」


P「彼女の力もこの身で確認しました。あれは人間を超えている。……正直日本最高の超能力者部隊のAS全員を彼女に挑ませても及ばないかもしれません」

局長「……本当か」

洗谷「……」
 

725: 矢橋P 26/01/07(水) 22:24:24 ID:JKKA

P「彼女はW・Dに出場するようです」

P「ツナミが主催する世界最高峰のアイドルの舞台。そこで『カタストロフ』が完成すると発言していました」

洗谷「カタストロフだと?どうことなんだ」

P「カタストロフについては詳しいことはわかりません。ですが世界を破滅に導く計画のようです」
 

726: 矢橋P 26/01/07(水) 22:25:02 ID:JKKA

局長「それをなぜ大勢の観客がいる舞台でそんなことをするんだ?目立ってリスクしかないだろう」

P「”アイドルは具現化と相性が良い”。先ほど言った通りです」

P「私が担当するアイドルユニットで実証しました。観客とアイドル、双方が多ければ多いほど具現化の力は強まる」
 
洗谷「W・Dこそが彼女が最も力を発揮出来る舞台ということだな。なんということだ」

局長「私にはまだよくわからないが、とにかくそのアイドルの大会を止めなければ世界が危ういということなんだね?では直ちに対策を講じなければなるまい!」
 

727: 矢橋P 26/01/08(木) 08:37:13 ID:EY7n

P「……はっきり言いましょう。もはや大会自体を止めることは出来ないでしょう。気付くのがあまりにも遅すぎた」

このみ「そもそも私達の組織とツナミとでは力に差があり過ぎます。私達が潰される覚悟で臨んでも止められるかどうか」

P「よしんば止めたとしても……ツナミは直ぐに代わりのアイドルの大会を開くだけでしょう。私達を壊滅させた後にのんびりとね」



洗谷「…………だろうな」

局長「…………」
 

728: 矢橋P 26/01/08(木) 08:38:08 ID:EY7n

P「私達に出来ることはもはや一つだけです」

P「カリオペに"アイドルで勝つ”。それしかありません」


洗谷「アイドルで……勝つ?」

P「我々がアイドルを支援してW・Dで勝ち上がり、そしてカリオペと対峙してアイドル勝負を挑みます」

P「勝ってカリオペをアイドルとしてへこませることが出来ればアイドルとしての具現化は止めることが出来る気がするんです」

P「計画そのものを完全に止めることは出来ないかもしれませんがその場はしのげるでしょう」
 

729: 矢橋P 26/01/08(木) 08:39:01 ID:EY7n

洗谷「それを察知したツナミが勝負を挑む前にアイドル自体を潰しにくる可能性は?」



P「……私は少しながらジオット・セルヴェルスの思考を理解したつもりです」

P「奴は自分達が用意した土俵に上がってきた者を拒みはしない。むしろそれを望んでいる節すらある」

P「たとえ目的がカタストロフを止めることだとしてもジオット本人が用意したアイドル勝負ならば逃げることもルールをねじ曲げることもしない。絶対強者ゆえの自信、奴はそういう人間です」
 

730: 矢橋P 26/01/08(木) 08:40:10 ID:EY7n

洗谷「アイドル勝負に勝てば計画を止められるというがその根拠は何だ?」



P「奴らの目的がW・Dという大会を利用してアイドルとしての具現化を最大限高めるというのならば、逆にこちらもそれを利用しアイドルの力で対抗するしかありません」

P「アイドルとしてうち負かせば計画そのものを狂わせることが出来るという確信があります」
 

731: 矢橋P 26/01/08(木) 10:44:47 ID:EY7n

局長「そのような理屈は納得出来んな。本当にそんな方法しかないのか」

P「では他に方法が何かありますか。どのみち戦力でも経済力でも影響力でも対抗すら出来ない我々が唯一対抗出来る力はアイドルによる力のみです」
 

732: 矢橋P 26/01/08(木) 10:45:39 ID:EY7n

局長「……たとえそうだとして、勝てるのかね」

局長「コードネームBの資料によればカリオペとやらはあの全米を熱中させているアイドルということになる。そんなアイドルにツナミが用意したステージの上でアイドル勝負とやらで勝てるというのかね」

洗谷「……しかもだ、日本で対抗できそうな今一番勢いがあるアイドルといえばAランクのMaihamanだが彼女はツナミグループ所属のアイドルだ。彼女はあてには出来んだろう」





このみ(……確かにその通り)

百合子(Pさん……)

733: 矢橋P 26/01/08(木) 10:46:20 ID:EY7n
P「勝てます」



このみ(えっ)

杏奈(Pさん!?)






局長「……ほう」

P「勝てますよ。日本のアイドルだって奴らツナミに立ち向かえるアイドルはいます」

P「熟練のアイドルユニットのTSVや双月。伸び盛りの765プロのシアターメンバー。そして私が担当している真珠星やライバルのブラスジョーカーズだっている」

P「彼女達ならカリオペがAランクだろうがツナミグループ所属だろうが全米No.1アイドルだとしても勝てます」
 

734: 矢橋P 26/01/08(木) 10:47:06 ID:EY7n

局長「君ぃ。何を根拠に……」



洗谷「局長。今回だけはPを信じましょう」

局長「……洗谷くんもPの迷いごとに賛成なのかね」

局長「日本だけではない、世界の命運をたかが一介のアイドル達に託すということなんだよ!」
 

735: 矢橋P 26/01/08(木) 10:48:23 ID:EY7n

洗谷「Pはやればなんとかなる……みたいな達観や希望論を嫌う人間でした。何か確信があるようです」

洗谷「アイドルのプロデューサーに携わるうちに何か掴んだのでしょう。アイドルの世界とは無縁の私達には理解出来ない何かを」
 

736: 矢橋P 26/01/08(木) 10:49:10 ID:EY7n

局長「……」

局長「……いずれにせよ我々が出来ることは他には無しか」ハァ

局長「わかった。不本意だがこれより我が組織はW・Dにおけるアイドル勝負を全力で支援することにする」

P「ありがとうございます」

洗谷「感謝は要らん、元からそのための組織だ。その代わり必ず勝って結果で示せ」

P「言われるまでもないです」





 

737: 矢橋P 26/01/08(木) 10:49:59 ID:EY7n
そして





このみ「局長への説得、なんとかうまくいったわね」

ジュリア「局長にビシッと言った時は格好よかったぜP兄」

P「内心はドキドキだったけどな」

P「協力してくれてありがとうこのみ姉。それに百合子も付き合ってくれてありがとうな」

百合子「いいんですよ。私も日頃の研究内容を発表出来て嬉しかったです」
 

738: 矢橋P 26/01/08(木) 10:50:50 ID:EY7n

このみ「でもPくん。あれ……はったりじゃないのよね?」

P「何言ってるんだこのみ姉。俺ははったりなんか好まないことは知ってるだろ?」



百合子(……そう。Pさんは出来もしないことをもしかしたら出来るかもしれない。なんていう人じゃない)

このみ(だから私や百合子ちゃんもPくんがあまりにも自信満々に答えるんだもの、びっくりしちゃったわ)

このみ(……つまり勝算はあるのよね?信じるわよPくん)




P(あんな……アイドルを具現化のための手段としか見ず、見下している奴らなんかに負けてたまるか!)










 

739: 矢橋P 26/01/08(木) 19:04:32 ID:WrAt
数日後


地球プロ 宿舎








桃子「……うーん」パチクリ

桃子「もう朝かぁ」ガバッ




今日も慌ただしい一日が始まった
寝具とパジャマを片付け、洗面所で軽く顔を洗っていると星梨花さんから声をかけられる
 

740: 矢橋P 26/01/08(木) 19:06:58 ID:WrAt

星梨花「桃子さんおはようございます!」

桃子「うん、おはよう」




いつも星梨花さんは桃子より先に起きている
桃子も朝が弱い方ではないんだけど星梨花さんにはかなわない


星梨花さんは元々ジュニオールという犬飼っていてアイドルを始める前は毎日ふれあっていたんだって
家に束縛されていたころはジュニオールとの早朝散歩が何よりの楽しみだったみたい

……そのジュニオールだけど、この宿舎に呼び寄せようかという意見も出たけどアイドル活動で忙しい今はとても満足な世話をする時間が無い
ジュニオールも年齢は10歳を越えておりあまり無理が出来る年齢ではないみたいで
泣く泣く実家に預けっぱなしなんだって

741: 矢橋P 26/01/08(木) 19:12:51 ID:WrAt

P「おーい、朝食出来てるぞー」






朝の挨拶より先にお兄ちゃんは朝食コールを飛ばしてきた
いつものことなので黙ってテーブルに座る




桃子「お兄ちゃんもおはよう」

P「おう、おはよう」




テーブルの上には既に朝食が並べられていた
ご飯に味噌汁に卵焼きにお豆の煮物に漬物に鮭の塩焼きがちょこっと
軽めの朝食だけど桃子も星梨花さんも朝がっつり食べるタイプじゃないからこれくらいでいい

742: 矢橋P 26/01/08(木) 19:21:07 ID:WrAt

桃子「今日は和食なんだ、お兄ちゃんも料理のレパートリー増えたね」

P「褒めてもおかずは増えないぞ」

桃子「別に褒めたつもりはないけど。この煮物だって売ってたものでお兄ちゃんが作ったものじゃないでしょ」

P「そりゃそうさ。こんな手の込んだもの俺に作れるか」





お兄ちゃんはあっけらかんに言う。こういうところは相変わらずドライだね
でも三人で共同生活をしてるなかお兄ちゃんは朝食を毎日必ず用意してくれる
お兄ちゃん曰く「このみ姉から『朝は女性にとって大事な時間なの』って教わったからな」とのこと
桃子達もCランクになってますます多忙になってきた
だから少しでも桃子達の負担を減らしたいっていうお兄ちゃんの配慮だ
お兄ちゃんも忙しいはずなのにね

743: 矢橋P 26/01/08(木) 19:23:58 ID:WrAt

星梨花「それではそろそろいただきますをしましょう」


星梨花さんはこういう何気ないやり取りの間もずっとはにかんでいてなんだか楽しそうだ

デイライトの一件で星梨花さんや昴さんにお兄ちゃんが自分の素性を明かしてからみんなの距離はぐっと近くなった
特にお兄ちゃんが星梨花さんに対して取り繕う態度がなくなってくだけた感じがするしね






   「「「いただきます!!!」」」




     

744: 矢橋P 26/01/08(木) 19:26:29 ID:WrAt

朝食が終わったらみんな一瞬で仕事モードに切り替わる
朝食の後片付けはお兄ちゃんに任せて桃子も星梨花さんもメイクや化粧に勤しむ時間
服装だってその日の仕事に合わせた服装を選ばなきゃ
お兄ちゃんがせっかく少しでも朝の時間を作ってくれてくれるなら無駄には出来ないからね







ジュリア「P兄、そろそろ出ようぜ!」



そうしているうちにジュリアさんから声がかかる
これが出発の合図、これも毎日恒例だ
ジュリアさんは桃子達よりお兄ちゃんと付き合いが長いようだし、なんだかんだお兄ちゃんに絡みに来る
 

745: 矢橋P 26/01/08(木) 19:29:58 ID:WrAt

ところで同じユニットメンバーの昴さんはというと……





海美「それじゃ行ってくるね、すばるん!ロコロコ!」

昴「海美ー!オレが作った弁当忘れてるぞ!ロコはいい加減起きろ!」

ロコ「スバル~、ロコはラストナイトにアートにイマーズ・ワンセルフしてスリーピィなんです~」

昴「ほら、顔を洗って寝ぐせを直せー」






昴さんのところは海美さんとロコさんの三人の共同生活だけど桃子達のところより慌ただしくて賑やかだ
二人の世話を焼いてる昴さんが一番忙しいはずなんだけど……
全く、昴さんは世話好きなんだから

そうして5人で地球プロの事務所に向かう。宿舎から事務所まで歩いて15分もかからないのは本当にありがたいね
 

746: 矢橋P 26/01/08(木) 19:32:23 ID:WrAt

地球プロ 事務所






P「今日の予定を確認するぞ」

P「事務所で準備を整えたら昨日話した現場に出発。俺が運転する車で移動する」

P「現場のスタジオに着いたら直ぐ打ち合わせしてリハーサルだ。本番は午後一からだな」



昴「ステージの内容は昨日確認した通りだよな?」 

P「ああ。他のCランクのアイドルとアイドル勝負だ」

P「といっても今回のデレクターさんはそこまでバチバチしたものは望んでいないらしい」

P「ただアイドルのパフォーマンスを流すだけじゃ単調だからと格好だけ勝負するみたいな感じだな」


星梨花「そうですか。それなら今回共演するアイドルと仲良くなれそうですね」

桃子「そうだといいけど。それで、そのあとは?」

747: 矢橋P 26/01/08(木) 19:33:41 ID:WrAt

P「15時にはスタジオを離れて同じ都内の別のスタジオに行く。そこではファッションモデルの撮影の仕事が入っているぞ」


昴「あまり休憩の時間はないけど撮影の仕事なら体の負担が軽そうだな」

桃子「今日は”練習日”だしね」

星梨花「こないだの二回続けてステージパフォーマンスの仕事が入った時は疲れて中止になってしまいましたね」


P「あの時は俺の調整ミスだ。済まない」

桃子「いいよ、あの日はバタバタしてお兄ちゃんも疲れていたんでしょ?」

昴「そうだよP。本来ならオレ達がより取り見取りする立場じゃないしな」
 

748: 矢橋P 26/01/08(木) 19:35:50 ID:WrAt

星梨花「今日のジナイダさんの動きはどうなってますか?」

P「あー、うん……」





ジナイダ「今日はずっとオマエらと一緒だゾ」ヒョッコリ

昴「うわっ、出た!」



P「そういうことだ。今日は”通常レッスン”はないから見学に徹してもらうけど……」ズーン

P(こいつ、いちいち付きまとってくるのが鬱陶しい。……と思ってたが一応こちらの言うことは素直に聞くし意外と大人しい)

P(何より一緒にいると星梨花が嬉しそうだから我慢してやるか)


ジナイダ「今日もヨロシクな」

星梨花「はい!」








 

749: 矢橋P 26/01/08(木) 19:37:38 ID:WrAt







そして……




PM 20:00



星梨花(今日も順調にアイドル活動が進み、全ての仕事を終えて事務所に帰って来ました)

星梨花(普通なら報告を終えて帰宅……なのですが今日は秘密の特訓の日なんです!)
 

750: 矢橋P 26/01/08(木) 19:41:40 ID:WrAt





地球プロ レッスンルーム




本来ならこの時間には電気を落として真っ暗になっちゃうレッスンルーム
ですが毎週の火、木、土曜日は深夜までレッスンをするんです
元々ステージに上がるのは通常の仕事をこなしつつDランク相応の実力を付けるために行っていたんですけど今でも続けています
最初の頃は辛くて毎日終わったらふらふらにでした。けど今は慣れてきたんで大丈夫です
 

751: 矢橋P 26/01/08(木) 19:42:26 ID:WrAt

レッスンボイス&ダンストレーナーさんは帰っている時間帯ですから主に自主練になっちゃいますね
だけどたまにスポーツトレーナーである海美さんが付き合ってくれるんです
海美さんも仕事終わってからの駆けつけですから申し訳ないですけど海美さんの指導があるのとないのでは大違いです

千鶴やまつりさんもたまに顔を出してくれます。お二人とも忙しい中なのに……
 

752: 矢橋P 26/01/08(木) 19:42:57 ID:WrAt

Pさんは毎回レッスン内容に毎回最後まで付き合ってくれます
レッスンに混じるわけではないですけど後片付けから戸締まりまで細かい業務は全て私達の代わりにやってくれるんです
Pさんがしっかり管理してくれるから事務所やレッスンルームを使わせてもらえるんです

そして23時を越えるか越えないぐらいに宿舎に帰るとこのみさんとロコさんが待っていて洗濯等、身の回りのことはサポートしてくれます
おかげでシャワーを浴びて直ぐ就寝するだけです


通常の仕事をしながら秘密のレッスンが出来るのは地球プロのみんなのおかげです。本当に感謝しないといけません



 

753: 矢橋P 26/01/08(木) 19:44:29 ID:WrAt


昴「よし、ここの部分をもう一回やろうぜ」

星梨花「はい!」

桃子「そうだね。今日のダンスバトルでもそこが甘かったってお兄ちゃんに指摘されたところだし」







ジナイダ「……」ジーッ

星梨花「ジナイダさん、どうかしましたか?」



ジナイダ「毎日ではないとはいえ、オマエ達は何でそこまで必死なんだ」

ジナイダ「別に命がかかっているというわけではないだろう?」
 

754: 矢橋P 26/01/08(木) 19:47:24 ID:WrAt

昴「オレ達は普通のアイドルとしては遅咲きだからな」

昴「オレは25歳、星梨花も23歳だ。これが10代っていうんなら無理せず焦んないでじっくり育成するべきなんだけど、もうそんなゆっくりしていられる時間はねーよ」

星梨花「そうですね。遅咲きでも未熟でも私達はCランク。無名の私達を見つけてくれたファンの期待を裏切るわけにはいかないんです」

昴「まあ20代って年齢も悪いところだけじゃないけどな。未成年じゃこんな無茶なこと出来ないぜ」
 
昴「でも桃子はまだ18歳だ。悪いな、オレ達に付き合わせて」
 

755: 矢橋P 26/01/08(木) 19:47:37 ID:WrAt

桃子「そんなこと言ったら桃子が一番特訓しなきゃいけない立場だよ。二人と違ってアイドルどころかダンスや歌を本格的に練習したのはこの歳になってからだもん」

桃子「桃子が少しでも二人に追い付きたいから自分の意思でやってるの。よけいな心配はいらないよ」





ジナイダ「そうか……」

ジナイダ(コレがアイドル……)
 

756: 矢橋P 26/01/08(木) 19:48:29 ID:WrAt

星梨花「そういえばジナイダさんはいくつですか?」

ジナイダ「ン?ジナイダの年齢か?」

ジナイダ「”この姿”になったのは7年前だが、誕生してから今までの時間という意味なら15歳だな」



桃子(……この姿?)

昴「げっ、まだ子供じゃねーか」

ジナイダ「フン、悪かったな」

星梨花「そんな、ジナイダさんはまだまだ成長出来ますよ」

ジナイダ「フフン。星梨花はよくわかっているな」

桃子(この子、突然変なこと言うからいちいち真に受けない方がいいかな)









 

757: 矢橋P 26/01/08(木) 22:36:26 ID:WrAt

同日 アメリカ 






 「la~~la~~la~~~♪」



アコラ「…………」

758: 矢橋P 26/01/08(木) 22:37:19 ID:WrAt

ジオット「コードネーム”アコラ”くんご苦労さま。どうだいカリオペくんの様子は?」

アコラ「ジオット様!わざわざ声をかけていただき光栄です」



ジオット「頼むよアコラくん。彼女、思い立ったら直ぐ行動するからさ。こないだみたいな事態になったら君がなんとかなだめてくれ」

ジオット「『正義の反対は慈悲、寛容』とはよく言ったもんだね。彼女は自分の正義(宗派の教義)にそぐわないものは正さないと気が済まないんだよ」

アコラ「責任重大で押し潰されそうです……」
  

759: 矢橋P 26/01/08(木) 22:38:41 ID:WrAt

ジオット「そう気を重くする必要はないよ。日本じゃアイドルに専属のプロデューサーって役職の人間が付くそうじゃないか。それに習って君を配属してみたんだ」

ジオット「今はさしずめ歌のレッスンってところかな?」


アコラ「ジオット様、カリオペ様の前でそのような発言は……」

ジオット「わかっているさ。彼女はアイドルのことを嫌悪しているからねぇ。彼女にアイドルになってもらう時もかなり反対されてね、説得するのに骨が折れたよ」

アコラ(あれほどジオット様に心酔しているカリオペ様が難色を示すほどなのか……)
 

760: 矢橋P 26/01/08(木) 22:40:11 ID:WrAt

アコラ「ジオット様、お聞きしたいことがあります」

ジオット「おや、何かな?」

アコラ「カリオペ様は何故アイドルを嫌悪しているのでしょう」


ジオット「僕も詳しいわけじゃないけどさ。どうも彼女の宗教の教義によると偶像を崇拝するのは禁忌にあたるらしい」

アコラ「偶像……」

ジオット「要するに神かそれにゆかりがあるもの、それ以外のものを崇拝するなってことさ。ましてやそれが俗なアイドルとなれば尚更だろうね」
 

761: 矢橋P 26/01/08(木) 22:41:25 ID:WrAt


カリオペ「la~~~」







アコラ「ですが、カリオペ様は自分の歌う歌を……聖歌とおっしゃっていますが歌の練習を一日たりとも欠かしたことはございません」

アコラ「ならば何故、嫌いであるアイドル活動であるはずの歌をここまで……」
 

762: 矢橋P 26/01/08(木) 22:42:13 ID:WrAt

ジオット「ああ……。君は知らなかったか」

ジオット「彼女はね、”具現返り”で自分の身体そのものを自分の理想とする天使に作り変えてしまった。そこまでは知ってるよね?」

アコラ「はい」

ジオット「人間ってさ、特に女性に多いらしいんだけど変身願望を持つ人間は一定数いるんだよ」

ジオット「でもさ、それってあくまで一時的な変身がほとんど。それかせいぜい一部分だけとか。髪型や髪の色を変えてみたいってぐらいだろう?」

ジオット「だっていくら別の自分に変わってみたいって言っても自分がこつこつと数十年かけて構成した身体を、両親がせっかく産んで育ててくれた肉体をまさか"全て丸ごと”造り変えたいなんて普通は思わない。普通はね」

763: 矢橋P 26/01/08(木) 22:43:54 ID:WrAt

アコラ「ですがカリオペ様は……」


ジオット「そう。彼女は自分の理想像になるために身体を捨てた」

ジオット「髪も、瞳も、身長も、爪の先から肌の色まで全て造り変えてさ。もう元の彼女の面影はどこにもない。さすがの僕もそこまでするとは思わなかったねぇ」

ジオット「そして具現化の根本である自分の意志でさえも段々侵蝕されつつあるみたいだね。具現返りとは具現化に身を委ねるということなんだから」

ジオット「あの異常な他宗教への排撃的な苛烈な性格も妥協を許さなかった結果、徐々にああなってしまったのかもね」

アコラ「…………」
 

764: 矢橋P 26/01/08(木) 22:47:20 ID:WrAt

ジオット「そんな彼女だけどね、声だけは元の彼女のままなんだよ」

アコラ「!!」


ジオット「つまり声と歌だけが『カリオペ』になる前の彼女の唯一残されたアイデンティティなわけさ。カリオペになる前は聖歌隊だったそうだしね」

アコラ(……ということは)

アコラ(同じ聖職者の父と母は殉職し、周りから見捨てられてこの世界の全てを憎み、天使になるために全てを捨てた彼女が唯一捨てなかったもの。それが声と歌なのか)












 

765: 矢橋P 26/01/09(金) 07:45:58 ID:j6II

数日後




オレは最近絶好調のアイドルユニット、真珠星のメンバー永吉昴!
Cランクになってから忙しくて忙しくてキャッチボールも出来ない日々だけど充実している日々を送れてるぜ!

だけど今日は久しぶりにオフを貰って一人で出かけているんだ
なんてったって教え子達にお願いされちゃ行かないわけにはいかないもんな









混黒高校 応接室



昴「おっす!」

静香「昴さん。今回はよろしくお願いします」

未来「監督~!」

昴「だから監督はやめろって~」
 

766: 矢橋P 26/01/09(金) 07:46:58 ID:j6II

福山校長「これで全員集まったみたいじゃな」

桜華「シアタープロジェクトの静香さんに未来さんに志保さん。そして真珠星の昴さん。忙しい中で集まっていただき感謝いたしますわ」





未来「桜華ちゃんだー!」ダダダッ



ダキッ!



桜華「未来さん!?」

未来「卒業式以来だね。元気だった?」ギュー

桜華「もう!せっかく大人の対応として感情を抑えていましたのに……」

志保「未来、気持ちはわかるけど抑えて」
 

767: 矢橋P 26/01/09(金) 07:48:06 ID:j6II

静香(私達が開拓高校を卒業した後の話しなのだけど、かつて十一の分校を従え日本一の生徒数を誇った混黒高校は一ノ宮桜華さんの働きかけで解体、十一の分校は全部独立した)

静香(ただし、それだけで終わらずに今は知名度と設備がある混黒高校が中心となって混黒高校を含めた十二の高校が連携し合い力を合わせて運営している)

静香(それぞれ個性がある十二の高校が集まればどんな癖の強い生徒でも合う環境を整えることが出来るはず。また、たまに授業を交換し合って一般の生徒も勉強だけを詰め込むのではなく高校も農業や漁業を体験したり逆に開拓高校の生徒が混黒高校の教育設備を使わせてもらったり)

静香(それらを世間では混黒ネットワークと呼ばれていて、その珍しさに日本中から高校生が集まっているみたいね)

 

768: 矢橋P 26/01/09(金) 07:51:03 ID:8qL5

桜華「静香さん達に昴先生。お久しぶりですわ」

昴「ああ。桜華はあれから神桜高校の理事長として経営を頑張ってるんだろ。すっげーよな」

志保「福山校長と一緒に混黒ネットワークをまとめ上げているんですよね」


桜華「そうですわ。日本も少子化が進む一方です。ただ漠然と運営しては立ち行かなくなりますもの、せっかく縁が出来た全ての高校と協力していかないと」

桜華「それに開拓高校で学びました。勉強だけじゃない、受験勉強とは無縁な農業の授業であろうとも全ての経験は無駄にはなりません。色んな経験が人生を豊かにするのだと」

桜華「うちの生徒達には十二の高校を通して様々な経験を積ませたい。それがわたくしの理念ですわ」
 

769: 矢橋P 26/01/09(金) 07:52:33 ID:8qL5

福山校長「青臭いことばかりいう小娘じゃが結果的には成功しておる。わしのかつての理想とはかけ離れてしもうたが……まあええじゃろ」
 
桜華「わたくしも貴方が昔、神桜にしたことは忘れてはいませんことよ?」

福山校長「むむっ、それはお互い水に流すと約束したじゃろ」
 

770: 矢橋P 26/01/09(金) 07:53:09 ID:8qL5


昴「まあまあ、同じ理事長同士、仲良くしろよな」

静香「それで、桜華さんは765プロに出張シアタープロジェクト!のオファーを希望されているんですよね?」


静香(私達シアターメンバーが最近力を入れている『出張シアタープロジェクト!』は本来765プロ劇場で行うシアター公演を他の場所で披露するというもの)

静香(もちろん本来のシアター公演をないがしろにしているわけじゃない、あくまでシアタープロジェクトの活動の幅を広げるための外伝みたいな扱いだけど)
 

771: 矢橋P 26/01/09(金) 07:53:55 ID:8qL5

桜華「そうですわ。私達が卒業した後、開拓高校に入学を希望する生徒が一気に増えました。主にアイドル部が目当てですわね」

未来「やったね!これも静香ちゃん達がims甲子園を優勝したからだよ」



志保「…………」

未来「どうしたの志保?難しい顔して……」

静香「開拓高校のアイドル部は私と志保、それに麻美と由良里さんの4人だけだった。でも開拓高校の規模だと4人ぐらいでちょうどよかったの」

志保「ええ。部室も広くなくて静かだったけどその分集中できたしね。そんな開拓高校に大勢の入部希望者が押しかけたら……」

未来「あ……」

772: 矢橋P 26/01/09(金) 07:55:00 ID:8qL5

桜華「皆さんが危惧しているとおりですわ」

桜華「ですが大丈夫です。アイドル部に関しては私達がお世話になった坂夢高校と平面高校、そして混黒高校が練習の場を提供してくださってます。もちろん私の神桜高校もサポートしていますわ」



静香「それなら安心です」

志保「卒業してからもそのことが気にかかっていたんです。ほっとしました」
 

773: 矢橋P 26/01/09(金) 07:56:00 ID:8qL5

昴「それって野球部もか?」

桜華「ええ。アイドル部ほどではないですが野球部目当ての入学も増えました。それも天空高校や海底高校がサポートしています」

桜華「アイドル部や野球部だけではありません。神桜のバレー部も含め、全てみんなで協力し合っているのです」


福山校長「その各高校を繋ぐシャトルバスを出して行き来し易くしているのは混黒高校のなんじゃがな。少しは感謝してほしいわい」

桜華「もちろん感謝しています」

未来「混黒高校から開拓高校に行くのに電車で一時間ぐらいだったからね。便利になったなぁ」
 

774: 矢橋P 26/01/09(金) 07:57:59 ID:8qL5

桜華「話しが逸れました。アイドル部も増えて十二の高校がアイドル部に対する機運も高まっている、そこで今度の学園祭に静香さん達に来てほしいのですわ」

福山校長「かつて各高校でやってた学園祭は今は十二の高校の合同でやっとるんじゃ」 

桜華「混黒高校には無駄に広いグラウンドが三つもありますもの。十二の高校が出し物をしても困りませんわ」


志保「その学園祭で出張シアタープロジェクト!の出演を依頼したいんですね」
 

775: 矢橋P 26/01/09(金) 07:58:23 ID:8qL5
 
桜華「形としてはそうなりますが……本音を言えば開拓高校のOBに、"分校の希望”となった貴方達にお願いしたいのです」

桜華「今をときめく現役のアイドルでかつ、自分達と同じ高校から出たOBに学校祭を盛り上げてもらえれば生徒達の喜びは計り知れませんもの」

桜華「また一度、私達の高校を盛り上げてくださいませんか」ペコリ

 

776: 矢橋P 26/01/09(金) 07:59:33 ID:8qL5
静香「わかりました。プロデューサーとかけあってみるわ。承諾かどうかは事務所を通してからだけど」

静香「自分がアイドルを再燃焼するきっかけをくれた場所だもの、全力で取り組ませてもらいます」

志保「そうね。特に静香は返しきれない恩があるでしょう?少しは清算することね」

未来「むしろこちらこそありがとうだよ。心が弾むよ、なんだか高校生のあの頃に戻ったみたいでさ」


桜華「ありがとうございます。昴先生は……」

昴「教え子が頭下げているのに応じないわけにはいかないだろ。もちろんやらせてもらうぜ!」







その後、正式に765プロと地球プロに混黒高校と神桜高校からオファーが来たのだった

 

777: 矢橋P 26/01/09(金) 15:27:24 ID:8qL5


一週間後

地球プロ 朝のミーティング








P「ーーーということで混黒高校及びその周辺の高校から学園祭に特別ゲストとして出演することになった。今日一日はその打ち合わせと合同レッスンだな」

星梨花「ということは今日は765プロの皆さんに会えるんですね!」パァッ

P「そうだな。ただ一つ、いつもと違うのは真珠星だけのオファーではなくて地球プロ全体のオファーってことだ」
 

778: 矢橋P 26/01/09(金) 15:28:41 ID:8qL5

桃子「それって千鶴さんやまつりさん達も一緒に共演するってこと?」

昴「それもあるけど、今回はオレは真珠星としてじゃなく静香と未来と一緒に舞台に出るんだ」

P「そう、昴には事務所の垣根を越えた今回限りの特別ユニットを組んでもらうことになっている」

星梨花「そうなんですか?」ポカーン


昴「静香も未来もオレもOBみたいなもんでさ、せっかくだから真珠星としてじゃなくOB同士でパフォーマンスすることになったんだ」

桃子「そういえば昴さんは監督やってたんだっけ。だから今回は765プロと合同なんだね」

星梨花「でも、そうなると私と桃子さんの二人だけになっちゃいますよ?」
 

779: 矢橋P 26/01/09(金) 15:30:10 ID:8qL5


ぴょん



まつり「そこで今回はまつりがお二人のお助けをするのです!」ポポーン


桃子「まつりさん!?突然出てこられるとびっくりするんだけど」

P「まつりさんもよろしくお願いします」


P「ジュリアも参戦するんだがジュリアは高校側のロックバンドとコラボするから俺達には加わらない」

P「千鶴さんは別の仕事で当日来られないから今回はこの三人でパフォーマンスすることになるぞ」

星梨花「よろしくお願いします」ペコリ








 

780: 矢橋P 26/01/09(金) 15:31:25 ID:8qL5

そして



混黒高校







昴「それじゃオレは静香達と打ち合わせしてくるぜ!」

ジュリア「あたしは坂夢高校の軽音部と打ち合わせだ。なんかこういう青春ロックを感じると燃えてくるんだ、腕が鳴るぜ」


星梨花「静香さん達によろしく言っといてくださいね」

まつり「ジュリアちゃんも頑張るのですよ!」


 

781: 矢橋P 26/01/09(金) 15:32:31 ID:8qL5




P「俺達は他の事務所と絡むわけでも学校側とコラボするわけでもないから自由にしていいって話しだぞ」

桃子「……なんか桃子達、余り物みたいだね。突然自由にパフォーマンスしていいって言われても困るんだけど」

まつり「桃子ちゃんはお困りなのです?こういう時はのびのびと自分らしくパフォーマンスすればよいのですよ」

桃子「自分らしくといっても桃子達まだデビューして一年も経ってないし……」

星梨花「困りましたね……」


まつり(……)フム

782: 矢橋P 26/01/09(金) 15:33:52 ID:8qL5

P「せっかくBランクアイドルのまつりさんと一緒にパフォーマンス出来る機会だし、まつりさんをメインに添えて二人はサポートに回ったらどうだ?」

桃子「それが無難だね。桃子もそれが良いと思う」




まつり「ダメなのです」

星梨花「えっ」

まつり「そんなのまつりはおーけーしないのです。のーもあーなのです」

P「ですが……」


まつり「それは安全策であって最適解ではないのです」

まつり「始めに言ったはずなのです。今回まつりはお二人のサポートに回ると」

桃子「でも、桃子達は三人揃って真珠星だったの。二人だけだと弱くて……」
 

783: 矢橋P 26/01/09(金) 15:34:51 ID:8qL5

まつり「なるほどなのです。理解したのです、お二人に足りないもの」

P「……っ」




まつり「真珠星は誰かのステージに乱入したり大きな舞台で他のアイドルと共演させてもらったりと自分だけでステージを作る機会が今まで無かったのですね」

桃子「それは……」


まつり「それは星梨花ちゃん達が悪いわけではないのです。出来たばっかりでツナミの傘下に入ってない地球プロでは小さなハコでも押さえることが困難なのです。真珠星だけの単独ライブなんて夢また夢なのですから」

P(……確かに。おかげで真珠星はアウェイ上等!他のアイドルと喧嘩上等!というイメージが世間的にも付いてるぐらいだ。俺はそれを美点とばかりに思っていたが……)
 

784: 矢橋P 26/01/09(金) 15:37:10 ID:8qL5

まつり「世はアイドル戦国時代なのです。アットホームな場所でしか力を発揮出来ないというのでは困るのです」 

まつり「星梨花ちゃん達は周りが敵だらけの現場でも恐れずパフォーマンスが出来る、ぶらぼーなのです」

まつり「……でも今回は学園祭でのライブなのです。こういうところのライブはぱーふぇくと!というパフォーマンスより、びゅーてぃほー!ってパフォーマンスの方が喜ばれるのですよ?」
 

785: 矢橋P 26/01/09(金) 15:37:25 ID:8qL5

桃子「……よくわかんない」

P「つまりだ。今回は普段みたいに争うわけじゃない、完璧なパフォーマンスを求められているわけじゃないから失敗してもいいんだ。楽しく大胆にやろう!ってことかな」

まつり「そのとおりなのです!」

まつり「せっかく好きにしていいって言ってくれているんだから、たまには自分色のライブにしてもいいのですよ?」
 

786: 矢橋P 26/01/09(金) 15:39:01 ID:8qL5

星梨花「それなら!」

桃子「星梨花さん……」

星梨花「私は来てくれたみんなが喜んでもらえるような、まるでパーティみたいなライブをしてみたいです!」

P(星梨花……)



まつり「それはとってもすてきでびゅーてぃほーなのです」ニコッ

まつり「それでは今回は星梨花ちゃんをセンターにしてびゅーてぃほーにいきましょう!」
 



 

787: 矢橋P 26/01/09(金) 15:39:15 ID:8qL5

星梨花達がアイドル活動を始めてから一年も経ってない
先んじてソロデビュー経験がある昴はともかく、星梨花と桃子も真珠星としては板に付いてきたがまだまだ慣れないことはある
そんな中真珠星としてではなく即興の地球プロでの混合ユニットでいつもと勝手が違い戸惑うところをまつりさんのアドバイスのおかげで完全に方針を固めることができた
先輩達には感謝しないといけないな

方針が決まったところで学園祭ライブに向けて猛練習が始まった
本番まで二週間もないぐらい。急ピッチだけど不思議と他の仕事が挟まらずにこの期間だけは今回のライブに集中出来た

788: 矢橋P 26/01/09(金) 20:22:33 ID:8qL5







一週間後



開拓高校  部室





星梨花「今日はレッスン前に打ち合わせなんですね」

P「こちらの内容も固まってきたし、そろそろ昴達とジュリア達ともすり合わせしないとな」

桃子「まつりさんは自分の仕事で来られないから桃子達がしっかりしないとね」

昴(この部室も懐かしいな)
 

789: 矢橋P 26/01/09(金) 20:23:32 ID:8qL5


ガチャ



未来「お待たせ~」

静香「お久しぶりです」


星梨花「静香さん!未来さん!」

昴「よっし、全員揃ったか?」

静香「いえ、志保と可奈と翼が遅れるみたい。それまで待ちましょうか」

昴「こっちもジュリアが遅れてるからいいぜ」





ド、ド、ド、ド!
 

790: 矢橋P 26/01/09(金) 20:25:10 ID:8qL5
P「ん?」



ガチャ!



麻美「みんなーー!お久しぶり!」

静香「麻美!?」




P「ここの生徒さん?」

静香「違います、この白衣を着た人は七島麻美。私と未来の友人で……」

麻美「開拓高校に静香ちゃん達が来てるって聞いて飛んできちゃった!」

未来「麻美ちゃんも相変わらず元気だね」
 

791: 矢橋P 26/01/09(金) 20:26:13 ID:8qL5

麻美「そーれーでー、静香ちゃん?」ジリジリ

静香「あなた……まさかここで?」タジタジ

麻美「身体を診せて、いや診せなさい!」ガバッ

静香「ひぃっ!」バタン










麻美「うーん、前より筋肉が付きましたなぁ」モミモミ

桃子「えーっと……どういう状況?」

未来「麻美ちゃんはね、『スポーツドクター』なんだよ」

麻美「まだ見習いだけどね。今度は未来ちゃん!」ガバッ

未来「うわぁ~♪」



 

792: 矢橋P 26/01/09(金) 20:28:19 ID:8qL5





麻美「いいね~。さすが元アスリート、未来ちゃんも異常無し」モミモミ

未来「ありがと~」




星梨花「これがスポーツドクターなんでしょうか?」

P「なんか違う気がする」

桃子「本当なの?適当なこと言って静香さん達に触りたいだけじゃないよね」

静香「一応これでも見習いだけど腕は確かなのよ」ズーン

静香「だけどいきなり触るのはやめなさいってこの前言ったでしょ!」

麻美「あはは~、ごめんごめん。こんなことするのは静香ちゃん達だけだよ」
 

793: 矢橋P 26/01/09(金) 20:32:29 ID:8qL5

昴「桧垣先生とはうまくいってるみたいだな」

麻美「もちろん!まだまだ勉強しなきゃいけないことはたくさんあるけどね」

昴「それじゃ、せっかくだからオレも診てもらおうかな」

麻美「いいですよ昴先…………!」チラッ

星梨花「……」ドキドキ
 

794: 矢橋P 26/01/09(金) 20:33:06 ID:8qL5

麻美「ごめん、その前に」スッ

麻美「君、名前は?」

星梨花「箱崎星梨花です。地球プロのアイドルで真珠星というユニットに所属しています」

静香「ちょっと麻美。星梨花さんはあなたより年上なのよ?」



麻美「星梨花さん、足を診せて」

星梨花「は、はい?」

麻美「悪いけど拒否権無し!」ガバッ

星梨花「ひぃっ!」

昴「お、おい……」








 

795: 矢橋P 26/01/09(金) 20:36:00 ID:8qL5

麻美「……やっぱりね」

麻美「左足が軽い炎症を起こしてる」

星梨花「!!」ビクッ

P「なんだって!」


星梨花「どうしてわかったんですか」

麻美「見ただけでわかるぐらいじゃないとスポーツドクターは務まらないよ」

麻美「全ての患者さんが触らせてくれるわけじゃないし、だいたいみんな怪我を隠したがるからね」

桃子「すごい……」
 

796: 矢橋P 26/01/09(金) 20:37:37 ID:8qL5

昴「それで……症状はどうなんだ?」

麻美「そこまで深刻なものじゃないよ。多分原因は練習のし過ぎだね」

麻美「おそらくアイドルデビューしてから本格的にレッスンを始めたんでしょ?今までより運動量が増えすぎて身体が追い付かないだけだと思う」


星梨花「……当たってます」

星梨花「それじゃもう練習をしちゃダメなんでしょうか?」オロオロ 

麻美「あくまで身体が突然の運動量増加に慣れてなくて筋肉がびっくりしちゃってる状態ってだけだから慣れてくば大丈夫」
 

797: 矢橋P 26/01/09(金) 20:38:12 ID:8qL5

星梨花「よかった……」ホッ

麻美「だけど炎症を起こしたら練習を中断して冷やさなきゃ駄目!炎症しているってことは筋肉からのSOSなんだよ!」

星梨花「……はい」

麻美「今回は軽い警告みたいなものだったけど次は深刻な怪我の前触れかもしれないんだから!取り返しがつかなくなる前に誰かに相談する!わかった!」

星梨花「はい!」
 

798: 矢橋P 26/01/09(金) 20:39:28 ID:8qL5


麻美「私もね。大好きだったバスケを怪我で辞めなきゃいけなくなったんだよ」

麻美「でも今はね、怪我してよかったって思えるよ」

麻美「自分みたいに無茶する人に寄り添うことが出来るからね」

静香(麻美……。あなた、怪我を完全に乗り越えることが出来たのね)
 

799: 矢橋P 26/01/09(金) 20:40:21 ID:8qL5

麻美「星梨花ちゃんに私のおすすめの湿布をあげる。今回みたいに腫れたら使ってね」

麻美「あと簡単なマッサージも教えてあげる。レッスン後にするだけで全然違うんだよ」


P「何から何までありがとうございます」ペコリ

麻美「頭下げなくてもいいよ~。静香ちゃん達で慣れてるから」

静香「そうね、麻美には本当にお世話になってるわ」

 

800: 矢橋P 26/01/09(金) 20:41:11 ID:8qL5

静香「……」ジーッ

P「どうかしましたか?」

静香「星梨花さんちょっといいでしょうか」

星梨花「はい?いいですけど」








静香「昴先生から聞きました、星梨花さんのこと。星梨花さんは父親にアイドルを反対されているんですよね」

星梨花「…………そうです」

桃子「ちょっと静香さん、その話題は……」
 

801: 矢橋P 26/01/09(金) 20:42:17 ID:8qL5

静香「私もなんです」

星梨花「私も?」


静香「私も高校生の頃、父親にはアイドル部の活動をしている姿を冷ややかに見られてました」

静香「そしてそのままアイドル活動を続けてアイドルになりたいって言った時、反対されたんです」
 

802: 矢橋P 26/01/09(金) 20:45:29 ID:8qL5
星梨花「……そうだったんですね。でも……」


静香「ええ、今は認めてもらったわ。ims甲子園を優勝してその実績でね」

静香「でもね、色々すれ違ったけど今では普通にアイドル活動のことを話せるようになったの」

静香「お父さん、面と向かってアイドルの話しても喜んではくれないけれど、私の見えないところで私のことチェックはしてくれるのよ」

静香「星梨花さんもいずれそうなれると思います。私も未来も昴先生もみんな応援しているから」


未来「そうだよ。みんなアイドルという仲間だもん。事務所が違うなんて関係ないよ」

麻美「ちょっと、私はアイドルじゃないけどみんなのこと応援しているからね」

麻美「アイドルのことはわかんないけど身体のことならなんでも相談してよ!」

星梨花「はい!」









 

803: 矢橋P 26/01/09(金) 22:08:17 ID:8qL5

その日の夜






P「765プロの人達やその周りの人達もいい人ばかりだ。今回のステージは凄くいいものになりそうだな」

桃子「今回は昴さんの人脈に感謝だね」

星梨花「…………」

P「毎回こういう現場だといいんだが、そうはいかないだろうな」
 

804: 矢橋P 26/01/09(金) 22:09:37 ID:8qL5

星梨花「…………」

桃子「星梨花さん、どうかしたの。足のこと?」

星梨花「いえ……。Pさん。私、お願いがあるんです」


P「……言ってごらん。精一杯叶えるように努力するから」

星梨花「今回のステージに私のお父さんとお母さんを招待すること、できませんか」
 

805: 矢橋P 26/01/09(金) 22:10:23 ID:8qL5

桃子「それって……」

P「そう思ったのは静香さんの話しを聞いたからか?」

星梨花「はい。私も向き合わなきゃ……って」

P「……そうだな」



星梨花「正直、怖いです。喧嘩して無理やり家を飛び出して……あれからお父さんに一度も連絡を取ってません」

P「それでも決断出来たんだ、星梨花は強いよ」
 

806: 矢橋P 26/01/09(金) 22:11:22 ID:8qL5

P「お父さんからは俺が直接伝える」


星梨花「わ、私も……」

桃子「いや、そこはお兄ちゃん一人に任せて星梨花さんは行かない方がいいと思うよ」

P「そうだ。連絡を今までよこさなかった一人娘が、知らない男と一緒に家に来て『自分のライブを見に来てくれ』と言ってきたらお父さんは激怒するだろうしな」

桃子「下手したらその場で星梨花さんがお兄ちゃんから引き離されちゃうかもしれないしね」

星梨花「そうですよね……」


P「伝えるだけ伝えるけどお父さんは来ないかもしれないし聞く耳すらも持たないかもしれない」

P「でもそれはそれでいいんだよ。星梨花の意思を伝えることが大事なんだ」

星梨花「わかりました。Pさんお願いします」









 

807: 矢橋P 26/01/09(金) 22:12:32 ID:8qL5

翌日 

箱崎家前







そして翌日俺は一人で星梨花の実家にやってきた
……星梨花の前では余裕そうな態度を演じたが正直かなり緊張している

P(電話で事前に連絡をしたが怒気をはらんだ声で明日直ぐに家に来いとのことだった)

P(だからといって気圧されるわけにはいかない。伝えるべきことはしっかり伝えるんだ)
 

808: 矢橋P 26/01/09(金) 22:13:48 ID:8qL5

<ピンポーン



ガチャ



P「夜分にすみません。Pと申します。娘さんを預からせてもらってます」

星梨花父「……入りたまえ」










P(すんなり家の中に通してもらえたが……)

星梨花父「君がPか」

P「はい」
 

809: 矢橋P 26/01/09(金) 22:14:56 ID:8qL5

星梨花父「いやー。娘が世話になっているね」

P(あれ)



星梨花父「思ったより若いのだね。真面目そうな青年じゃないか」

P(思っていたより気易い……!)

P(違う。口調は明るくて砕けていているが目が笑ってない!)

810: 矢橋P 26/01/09(金) 22:15:27 ID:8qL5

P「今回は突然訪問して申しわけございません」

星梨花父「いやいや、アイドル業務に携わる君こそ多忙のなか来てくれたのだろう?」

P「今一度、お詫び申し上げます。娘さんを許可なく勝手に預からせて頂いております。本当に申しわけございませんでした」ペコリ
 

811: 矢橋P 26/01/09(金) 22:16:29 ID:8qL5



星梨花父「……」

星梨花父「最低限の条件はクリアーといったところか」

P「……」



星梨花父「親を前にすれば誰しも謝りはする。それが空謝りだったとしても」

星梨花父「だがそういう輩に限ってこちらが甘い態度を取れば、謝ろうとする気持ちが引っ込むものだ。そしておもむろに、『本題ですが……』などと喋り出す」

星梨花父「君は最初に礼儀を通した。最低限の礼儀はあるようだな」

P「恐縮です」
 

812: 矢橋P 26/01/09(金) 22:17:44 ID:8qL5

星梨花父「さて、星梨花のことだが……」

星梨花父「アイドルデビューは星梨花と私の約束だった」

星梨花父「故にアイドルプロデュースは許可したが身の回りの世話までお願いしたわけではない。今すぐ返してもらおうか」

P「……っ」










星梨花父「……とまあ、前までの私なら即座にそう言っただろうな」

P「……」
 

813: 矢橋P 26/01/09(金) 22:19:04 ID:8qL5

星梨花父「全面的に認めたわけではない。だが最近テレビで見る娘がね、今まで見たことない姿なのだ」

星梨花父「妻も『あれほど輝いている星梨花を見たことがありませんね』と言っている。娘のことは23年間もずっと片時も目を離さなかったのに、だよ」


星梨花父「……最近になって思い始めてきたのだ。私は星梨花が変わるのが怖かったのではないか。そして星梨花はそれとは反対に変わるのを望んでいたのではないかと」

星梨花父「それは私のエゴだった。私は間違っていたのではないか……と」
 

814: 矢橋P 26/01/09(金) 22:20:00 ID:8qL5

P「……娘さんは未知なるものに対しての好奇心と向上心は誰よりも持っていると私も感じています」

星梨花父「……そうか」

星梨花父「一つ教えてくれ。世間では娘は”魔法が使えるアイドル”と囁かれているがあれはなんなのだ?」



P「あれこそが娘さんが心の中に秘めていたアイドルに対しての憧れ、アイドルとしての輝きの結晶です」

P「世間がいうような突然沸いて出てきた摩訶不思議な力ではありません。星梨花さんが積み上げてきたものが現れただけです」
 

815: 矢橋P 26/01/09(金) 22:21:21 ID:8qL5

星梨花父「では星梨花が不可思議に変わってしまったわけではないのか」

P「はい。星梨花さんはアイドルになって様々なことを経験し大きく成長しています。ですが根本の部分は変わっておりません」



星梨花父「君、娘さん呼びが星梨花さん呼びに変わっているぞ」

P「あ……」



星梨花父「まあかく言う私もだが。一人の人間を語るのに娘などと総称で呼ぶのは失礼だ」

星梨花父「……もう星梨花は私達の目の届くところにいる子供ではないのだろうか」
 

816: 矢橋P 26/01/09(金) 22:22:42 ID:8qL5

P「そう思うのであれば、星梨花さんを直接この目で見ていただけますか」


星梨花父「どういうことだね」

P「本日はその話しをするために伺いしました」

P「今度混黒高校という場所で小規模ではありますがライブがあります。星梨花さんはいち出演者として参加します」

P「星梨花さん本人から頼まれました。両親にライブに参加して自分のパフォーマンスを見てほしいと」
 

817: 矢橋P 26/01/09(金) 22:23:50 ID:8qL5

星梨花父「……」

星梨花父「今日その説得に星梨花は同行していないのだね」

P「は、はい」ギクッ

星梨花父「別に君や星梨花を責めたいわけではない。むしろ安心した」

星梨花父「今の心境で星梨花に会ってしまったら追い返してしまうかもしれん」

星梨花父「誤解はしないでほしい。今会っても恥ずかしさが先立ってまともに話せる自信がないのだよ」

星梨花父「星梨花に伝えてくれ、そのライブとやらには妻と一緒に必ず行く。その時に今一度話しがしたい。と」

P「ありがとうございます」

星梨花父「その時までには私も心の整理をつけなければならないな」








 

818: 矢橋P 26/01/09(金) 22:24:26 ID:8qL5

そして





星梨花「Pさん。……お父さんは納得してくれましたか?」

P「うん。とても前向きに了承してくれた。必ず行く、ってね」

P「ただ星梨花のライブを見に来るだけじゃなくてちゃんと星梨花と話しをしたいとも言っていたよ」

星梨花「そうですか。お父さんが会って話したい…………」
 

819: 矢橋P 26/01/09(金) 22:25:41 ID:8qL5

P「戸惑ってる?」

星梨花「……そうですね。正直、断られるかもしれないって思っていました。自分から言い出したことなのに情けないですよね」


P「いや、そうじゃないよ。親子だなぁ、って思ってさ」

P「お父さんも同じように戸惑ってたよ」

星梨花「そうなんですね。ふふっ」


P(親子といっても人間だ。価値観が合わないこともあるし、お互い譲れないことだってある)

P(でも、それでも親子というだけで歩み寄れるんだ。簡単に仲良くなれるわけじゃない、でもお互いが認め合えるのなら……)









 

820: 矢橋P 26/01/09(金) 23:46:04 ID:8qL5


数日後






ジナイダ「星梨花」

星梨花「ジナイダさん!」



ジナイダ「今度星梨花をメインでパフォーマンスするそうだな」

星梨花「そうなんです。ジナイダは当日の予定はどうなってますか?」

ジナイダ「ジナイダはまだ未熟だからステージの上には立てないが星梨花の役に立ちたいと思っている。何か手伝えることはないか」

星梨花「それなら……照明などの演出をお願いできませんか?」

ジナイダ「うむ、それならジナイダも得意だ。任せておけ」

星梨花「お願いします」
 

821: 矢橋P 26/01/09(金) 23:47:03 ID:8qL5

ジナイダ(ジナイダは知っている。Pとかいう人間も星梨花のユニットメンバーもあまりジナイダのことを快く思っていないことを)

ジナイダ(Pという人間は”肩書き上”ジナイダを好きになれるわけがないのだが)

ジナイダ(それでも星梨花だけはジナイダのことを疑ったりしないのだな)

ジナイダ(…………)










 

822: 矢橋P 26/01/09(金) 23:48:02 ID:8qL5
そして更に数日後

学園祭当日

混黒高校  第一体育館





ジュリア「今日来てくれた学生学徒のみんな!盛り上がっているかーーーー!」






\ワーーーーッ/   \ワーーーーッ/   \ワーーーーッ/

823: 矢橋P 26/01/09(金) 23:51:27 ID:8qL5


昴「今度はオレと未来達でビギナーズストライクを歌わせてもらうぜ!」

未来「パフォーマンス中に野球をやっちゃうよ~!」









\ワーーーーッ/  \え~~っ?/  \ワーーーーッ/ \え~~っ?/

824: 矢橋P 26/01/09(金) 23:52:32 ID:8qL5

まつり「まつり姫のすーぱーお披露目タイムなのです!」







\ワーーーーッ/   \ワーーーーッ/   \ワーーーーッ/

825: 矢橋P 26/01/10(土) 00:16:09 ID:yFKP



観客席





詰井「春日のやつ……俺と一緒に大学で野球をやろうって言ったじゃねーか」

冴花「詰井君、あなた大学に行かないで実家の手伝いしているんじゃないの」

詰井「うるせー、今日ぐらいは春日のライバルでいさせてくれよ」




唯香「あいつら本当にビッグになりやがって」

正「でも僕達は確かにあの時彼女達と一緒に活動していたんだよね」

陽葵「……あたしもまだ間に合うかな」
 

826: 矢橋P 26/01/10(土) 00:17:26 ID:yFKP

紗代子「いいよー!頑張れ昴ちゃん!」

歌織「本当に大きくなったわ……」

歌織(約束通りアイドルに復帰出来て……本当によかった)




歌織「そういえば紗代子ちゃん。麗花さんは?」

紗代子「わかんないんです。昴ちゃんが用務員を辞めた後、ふら~っと居なくなっちゃって」

紗代子「今はコーチをやってません。自由な麗花さんのことだから登山家に戻ったのかも」





星梨花母「あなた、そろそろみたいです」

星梨花父「う、うむ」ドキドキ
 

827: 矢橋P 26/01/10(土) 00:18:37 ID:yFKP

星梨花「……」スッ

星梨花「次は私のプロデュースしたステージです!」

星梨花「コンセプトはティーパーティー!会場のみんなの心をワクワクに!みんなで幸せになってもらいます!」

星梨花「今回のために作った新曲、Come on a Tea Party!」









\ワーーーーッ/   \ワーーーーッ/   \ワーーーーッ/

828: 矢橋P 26/01/10(土) 00:20:15 ID:yFKP

星梨花母「あの子らしい可愛らしい曲ですね」

星梨花父「うむ……」

星梨花父(彼のいう通りだ。星梨花の大事なところは変わってなどいなかった)



当然、学園祭のライブは大成功に終わった










そして

829: 矢橋P 26/01/10(土) 00:21:07 ID:yFKP

控え室





P「素晴らしかったよ。最高のパフォーマンスだった」

桃子「あれだけ練習したんだから当然だよ」

桃子「でも結局はまつりさんの独壇場みたいなものだったかな」

P「サポートに徹しているはずなのに存在感が凄かったな」

まつり「そんなことないのです。それに星梨花ちゃん考案のコンセプト、みんな喜んでいたのですよ?」

星梨花「えへへ、そうだと嬉しいです」
 

830: 矢橋P 26/01/10(土) 00:22:00 ID:yFKP

P「星梨花、お父さんが来ているが……」

星梨花「!」



まつり「後片付けはまつり達に任せて行ってくるのです」

桃子「言うことはちゃんと言わなきゃだめだよ」

星梨花「はい!行って来ます」





 

831: 矢橋P 26/01/10(土) 00:22:57 ID:yFKP

星梨花父「星梨花……」

星梨花「お父さん……」




星梨花「あの、お父さん。今まで…………」

星梨花父「いや、その先は言わなくてよい。子供が親に気を使う必要はないからね」

星梨花「まだ子供扱いしてるの。私も立派な大人なんです!」

星梨花父「親とはいつまでも子供扱いしたいものなんだよ」
 

832: 矢橋P 26/01/10(土) 00:24:18 ID:yFKP

星梨花父「アイドル、頑張れ」

星梨花「!」

星梨花父「たまには家に顔を出してほしい。言いたいことはそれだけだ」


スタスタ




星梨花「お父さん!」

833: 矢橋P 26/01/10(土) 00:25:05 ID:yFKP

ピタッ



星梨花父「なんだ」

星梨花「私がアイドルになれたのはお父さんのおかげです」

星梨花「本当にありがとう」


星梨花父「そうか……」グイッ



スタスタスタ
 

834: 矢橋P 26/01/10(土) 00:26:47 ID:yFKP

P(『お父さんに泣きついてアイドルになったんだろ』これはかつて黒羽九羽に言われたことだ)

P(しかしそれは黒羽九羽自身もそうだった。おそらくあの言葉は星梨花に挑発するだけじゃなく自分自身にも言い聞かせた言葉だったんだろうな)

P(のちに黒羽九羽は父親と絶縁している。おそらくその事を振り切って一から出直す為に、自らの足でアイドルを続ける為に)

P(でも……星梨花は違う。その事を受け入れていたんだな)











 

835: 矢橋P 26/01/10(土) 06:58:28 ID:yFKP

数日後

某国  とあるビル最上階 代表室





ピリリリッ!


ピッ



とある社長「この回線と番号はごく一部の人間しか知らないはず。何故知っている?貴様何者だ」

836: 矢橋P 26/01/10(土) 06:59:39 ID:yFKP


『〇〇〇の代表を続けなさい』



プツッ





側近「どうかされましたか?」

とある社長「私は現時点をもって代表を辞任する」

側近「ええっ!」











 



837: 矢橋P 26/01/10(土) 07:00:43 ID:yFKP

ホンフー「これで私のノルマは終わりですね」

ジナイダ「相変わらず便利な能力だな」

ホンフー「我が親友のフランシスの能力ですよ。これであの財団は解体したも同然でしょう」

ジナイダ「一言の電話で積み上げた組織が崩壊か。可哀想なものだな」

ホンフー「これでも彼らは運が良い方なんですよ。ルチアさんが担当する方々は心を壊されるのですから」





 

838: 矢橋P 26/01/10(土) 07:02:07 ID:yFKP

別の場所





カッ!


カッ!




「うわぁぁぁぁ!」


「あぁぁぁぁっ!」








ルチア「ケケケ、オマエ達はルチアの担当で運がイイ」

ルチア「命だけは助けてもらえるだからナ」




 


839: 矢橋P 26/01/10(土) 07:05:16 ID:yFKP

別の場所

とある組織の地下秘密基地








「何故だ!どうやってもツナミの勢力が弱まらない」

「国に進言してツナミが不利になるような法案を通そうとしたのに通らないなんて……」

「こちらも色々な工作を講じてみたがすべて無駄だった。いったいどうなっているんだ」
 

840: 矢橋P 26/01/10(土) 07:06:53 ID:yFKP

スッ


イレイザー「……」




「誰だお前は!」

「入室を許可した覚えはないぞ!」

「誰かこいつを始末しろ!」

841: 矢橋P 26/01/10(土) 07:09:05 ID:yFKP

イレイザー「ああ……醜い」




スゥゥゥ……



「き、消え……」


スゥゥゥ……



「ひぃぃぃ……」


スゥゥゥ……



「た、助け……」


スゥゥゥ……

842: 矢橋P 26/01/10(土) 07:09:48 ID:yFKP


シーン



イレイザー「削除完了だ」













 



843: 矢橋P 26/01/10(土) 07:11:04 ID:yFKP

アメリカ  とある秘密基地


ジオット・セヴェルスの護衛 イワノフ




イワノフ「全エージェントから連絡がありました。ミッションは全て終了したと」

ジオット「素晴らしい。さすがは僕の側近達だ」

ジオット「彼らを部下に持って僕も誇らしいよ」
 

844: 矢橋P 26/01/10(土) 07:12:48 ID:yFKP

ジオット「邪魔者も消したことだし、いよいよ始めようじゃないか」

イワノフ「日本の反ツナミ組織が残ってますが……」

ジオット「ああ、念のため潰す予定だったんだけどね。ジナイダくんが言うに彼らはまともに僕達と対決するつもりらしい」

ジオット「ヒーロー連合もそうさ。だから彼らは残してあげるんだ」

ジオット「しかしねぇ、まともに張り合うつもりなら受けて立つんだけど、他はどいつもこいつも狡い奴らばかりでさ」

ジオット「そういう輩はWorld・Destinyで何をしてくるかわからないからね。始末しておかないと」

イワノフ「……」
 

845: 矢橋P 26/01/10(土) 07:13:20 ID:yFKP


ジオット「さて、大掃除も終わったし始めよう。史上最大のアイドルの祭典、World・Destinyを」

ジオット「”人類最後”のお祭りだ。盛大に楽しく派手にやろうじゃないか」








十四章       終わり

846: 矢橋P 26/01/10(土) 07:26:16 ID:yFKP


いやー、長かった
この十四章が今まで書いてきた話の中で一番文字数が多いです。その数約26000文字

この章は幕間のような話しでしたが書きたいこと伝えたいことを詰め込んだらここまで膨れ上がっちゃった
もともと『祭りの開演』のタイトル通り、まつり姫が無双する話しにしようとしか考えていませんでした
私は自分の担当アイドルだから出番を増やす……ということはあまりしないのですが今回ばかりは担当のまつりに出番をあげよう……と思っていたのですけどね
それがいつの間にかこうなってしまいました

847: 矢橋P 26/01/10(土) 07:41:47 ID:yFKP
前回から随分時間が空いてしまいました。4ヶ月間も空いてしまって……
副業が忙しかった。というのもありますがWorld・Destinyの内容について煮詰まっていなかったというのもあります
この4ヶ月間ずっと考えていました

最低三回戦は必要だなぁ、と思い三回戦分の対戦相手と試合内容も考えなければいけない。こりゃ大変だ
決勝戦までダイジェストでさらっと流してもよいのですがね。それじゃつまらない
こんなに真面目に勝負の内容を考えるのは私ぐらいでしょうけど
もう対戦相手は決まっています。お楽しみに

848: 矢橋P 26/01/10(土) 07:42:13 ID:yFKP
これでWorld・Destinyまっしぐら……と言いたいところですがWorld・Destinyまでに真珠星にはまだクリアしないといけない壁がございます
World・Destiny開催までもう少しかかります

 




……やっぱりWorld・Destinyまでを1000レス以内で収めるの無理そう

849: 矢橋P 26/01/10(土) 20:14:40 ID:yFKP

カリオペ   天使となった者

ジオットの側近にしてお気に入り
黄金のように輝く髪、純白の肌、幼さと女性らしさ両方をぎりぎり保った体格、まさに全ての人間がうっとりしてしまうような容姿だが人の物とは思えぬ存在感が見惚れる脳を叩き起こす。魅力より畏怖が勝ってしまうのだ

元はどこにでもいる少女で両親共々熱心な信仰者だった
恵まれない地域に救いを与えるために物資を携えながら赴いた先で、全てを奪われた
両親の死を見届け、自らの終わりを目前にしても神を信じる心が限界を超えた時、彼女の具現化は発現した

今や元の彼女の面影は声のみ
彼女にとって元の自分のより天使の姿の方が大事なのである ●

850: 矢橋P 26/01/10(土) 20:16:09 ID:yFKP

アコラ   天使のお付き人

ツナミグループのエージェント。コードネームのアコラは『アコライト(侍者)』の略称である
ジオットの命でカリオペのプロデューサー(名目上は侍者)に任命された
任命される前はツナミグループ内でもこれといって特色のある立場ではなかったが、基礎能力自体は普通に優秀で単にツナミグループの層が厚いだけ

あのツナミグループにあっても他の者がカリオペを恐れおののき避けるなか、彼は恐る恐るではあるが向き合っていた
そのところもジオットは見込んでいる   ●

851: 矢橋P 26/01/10(土) 20:16:47 ID:yFKP

七島麻美   見習いスポーツドクター

静香や未来や志保と同じ開拓高校卒業生で大親友
卒業後は桧垣東児の指導のもと、勉強に励んでいる
医師免許は持っていないが桧垣はそんな肩書きより実践を重視しており、医学勉強の傍ら患者の診察を手伝わせている
元々アスリートだったことや怪我を自分で治療していたこともあって飲み込みが早い

医学の勉強が一からなので近いうちは難しいが将来は全てのアスリートに寄り添える医者になるだろう ●

852: 矢橋P 26/01/10(土) 20:17:13 ID:yFKP

一ノ宮桜華   神桜高校の理事長

麻美と同じ静香や未来の同級生
第二回ims甲子園の後、十三番高校の告発等が原因で十もあった混黒高校の分校は独立した
彼女はその時いち早く動き、混乱していた元分校達をまとめ上げ、各分校が混黒高校と分校同士ではなく高校同士として一緒に歩んでいく選択を提案した
彼女が居なければしがらみがあった元分校達は混黒高校と手を取ることはなかっただろう

今でも紗代子コーチや貴島校長とも交流があり神桜高校の女子バレーボールは全国でも有数な強豪チームとなっている ●

853: 矢橋P 26/01/10(土) 21:22:21 ID:yFKP










早朝

地球プロ事務所





P「いつもの朝のミーティングを始めるぞ」

星梨花「はい」

昴「うーす」

桃子「うん…」ネムイ



P「今日はそんなに忙しくない感じだ」

桃子「昨日の深夜レッスン長いちゃったから助かるね」ゴシゴシ


P「午前中は現場が無くてこのまま事務所でレッスンだな。午後からは……」

854: 矢橋P 26/01/10(土) 21:25:35 ID:yFKP


ガチャ




千鶴「ちょっとよろしくて?」

星梨花「千鶴さん!おはようございます」

千鶴「午前中のレッスンは中止ですわ。事務所全員でテレビを見るぞ。と、あの人が言ってます」

P「テレビ?いきなり何故でしょうか」


千鶴「昨日深夜にツナミグループのジオット会長から全世界に向けて重大発表がありました」

P「何っ!?」

千鶴「それを受けて日本でも上守代表から記者会見があったのですわ」







 

855: 矢橋P 26/01/10(土) 21:27:30 ID:yFKP


地球プロ 代表室






黒月「今、SMSでも大騒ぎになっているがツナミからWorld・Destinyの詳細発表があった」

黒月「アイドル界隈もこの話しで持ちきりになるだろう。我々も把握しておく必要がある」

黒月「他所の現場で話題に上がった時に『全く知りませんでした』ではいい笑い者だからな」


藤堂「それに事務所のみんなで正しい情報を共有することも大事だね」

藤堂「この手の話しには尾ひれが付くことが多いんだ」

このみ「上守代表の記者会見はもう終わってしまったみたいだけど、それらをまとめた特番がこれからあるみたいなの」

まつり「それをみんなで視聴するのです。感想もどんどん言って構わないのですよ」
 

856: 矢橋P 26/01/10(土) 21:28:30 ID:yFKP

ジュリア「やるやるって騒いだわりには続報がなかったからな。奴らのお手並み、見せてもらおうじゃないか」

P「……」

P(ついに……か)















 


857: 矢橋P 26/01/10(土) 21:29:47 ID:yFKP

        テレビ画面

※番組の内容は司会と解説とコメンテーターでお送りします







司会「ついに始まりますWorld・Destiny。あのツナミグループが先導する世界規模のアイドルの大会」

コメンテーター「全世界が注目してますからねー。楽しみですよ」

司会「昨日の深夜にジオット会長直々に発表された内容を上守代表が捕捉を入れて発表してくださいました。この番組では重点をまとめて紹介します」


 

858: 矢橋P 26/01/10(土) 21:31:20 ID:yFKP

司会「まず、開催国はアメリカです」

解説「スポンサーであるツナミグループの本拠地はアメリカですからね。そりゃそうでしょう」 


司会「そして大会が行われる会場となるのがP・ドリームスタジアムです」

司会「このスタジアムは今年完成したばかりで収容人数が20万人の超巨大ドームです」

コメンテーター「20万人!?こりゃ、すごい!東京ドームでも5万人ぐらいなのに」
 

859: 矢橋P 26/01/10(土) 21:31:37 ID:yFKP

解説「その収容人数には逸話もありましてね。今年の夏にそのドームが完成した時、ギネス記録認定員が申請しませんかってやってきたんですよ」

コメンテーター「ギネス記録の方からお願いしに来ることなんかあるんですね」

解説「そしたらね、ジオット会長は『そんなものに興味はない』って一蹴しちゃったんですよ。それにはギネス記録員も困ってしまって」

解説「だから今のギネス記録にはスタジアムの最大収容人数世界一の欄は空欄なんですよね」

コメンテーター「はーっ!そんなこと言える人は世界の中でもジオット会長しかいませんよ。スケールが違うなぁ」
 

860: 矢橋P 26/01/10(土) 21:32:51 ID:yFKP

司会「このスタジアムの全体を写した写真がありますので表示します」





\ドン/





コメンテーター「これは……。確かに形はドームだけど厳ついなぁ、まるで要塞だ」



\わははー/




解説「20万人も収容するとなると万全の安全対策が必要になりますからね。頑丈に作ってあるんでしょう」

コメンテーター「なるほど……。地震や台風で崩壊したら大変だしなぁ」
 

861: 矢橋P 26/01/10(土) 21:33:59 ID:yFKP

司会「キャッチコピーも決まっていまして……」


司会「『運命の三日間』だそうです」


コメンテーター「運命の三日間?なんか壮大なフレーズだなー」

解説「運命の部分は大会の名前のDestinyにかけてるんじゃないですか?深い意味はないと思いすよ」


司会「三日間というフレーズは大会日程から来ているようです」

解説「ということは日程は決まっているんですね?」

司会「そうです。日程は今年の12月20日、21日、22日の三日間となっています」

コメンテーター「きれいにクリスマスを外してますねー」

解説「今が10月中旬ですからね、大会まであまり時間がありませんよ」
 

862: 矢橋P 26/01/10(土) 21:36:07 ID:yFKP

司会「予選は行わないと発表がありました。三日間は本戦のみとなっているようです」

コメンテーター「しかし世界中のアイドルが集うんだったらそれなりの人数が揃うんじゃないの、予選も無しで大丈夫?」


司会「それはジオット会長も思案したようです」

司会「そこで大会の形式を変更しました。当初予定していた個人ユニット戦から国をあげた団体戦へと」


解説「これはですね、要するにテニスやゴルフの全英オープンのような形式から野球のWBCやサッカーのW杯のような形式に変わったと表現した方が分かり易いですかね」
 
解説「元々ソロやユニット単位で参加して世界一を目指すのが、国で一つのチームを作って国ごとで世界一を目指すわけです」

コメンテーター「そっか!そっちの方が面白いかも」
 

863: 矢橋P 26/01/10(土) 21:37:33 ID:yFKP

司会「その方式なら三日間で全ての行程を完了させられると上守代表は説明していました」

解説「選手となるのは選ばれしアイドル達ですから。W杯みたいに予選をだらだら一ヶ月間もやって拘束するわけにはいかないでしょう。実に合理的ですよ」
 

864: 矢橋P 26/01/10(土) 21:37:56 ID:yFKP

司会「その上で他の大会には無い要素ですが、この大会期間中の三日間はスタジアム内から出る必要が無いということです」

コメンテーター「スタジアム内で寝泊まりするんですか?さすがにきついでしょ」


司会「先ほどスタジアム全体の写真を見た時に要塞みたいだとおっしゃいましたがスタジアムの外に宿泊施設が併設されています」

コメンテーター「ああ、だからか!」 

司会「宿泊施設だけではなく医療機関、ショッピングモール、スポーツジムまであるようです。スタジアム周辺で全てまかなってしまえるという」

コメンテーター「なんていうか……さすがツナミグループだぁ……としか言えませんよ」
 

865: 矢橋P 26/01/10(土) 21:39:36 ID:yFKP

解説「これはね、選手達にとって非常に良いことだと思いますよ」 

解説「例えばオリンピックだと選手達はスタジアムや競技場で試合を終えたら各それぞれ宿泊施設や選手村に戻るわけでしょう?」

コメンテーター「車や電車で移動する手間が省けますね。競技を終えた体にやさしい~」
 

866: 矢橋P 26/01/10(土) 21:39:47 ID:yFKP

解説「手間もそうですが今回、選手達は全員アイドルですよ」

コメンテーター「あっ、そうだ」

解説「有名どころのアイドル達が集団で人目が離れたところに移動するところなんか犯罪者達の格好の的ですよ。スタジアム内だったら防犯対策も万全を期すことが出来るでしょう」

解説「まあこの大会の開催中に事件を起こすということはツナミグループに喧嘩を売るのと同じなわけですから、そんな馬鹿はいないとは思いますがね」




 \アハハ/   \そりゃそうだ/

867: 矢橋P 26/01/10(土) 21:41:14 ID:yFKP

司会「選手達だけではなく20万人の観客分の宿泊施設が完備されています」

司会「つまり観客もこの三日間はスタジアムの敷地から出る必要がありません。ゆったりしながら観戦を楽しめるようです」

コメンテーター「アメリカの地理に不慣れな人はありがたいことですね。私なんか前回のオリンピックの時に現地に観戦しに行ったんですが会場までの道がわからずに迷ってしまったんですよ」




司会「更にこの大会のチケット、第一回の抽選は終わってしまいましたが……チケットを買った人はチケットを提示すれば中の宿泊施設を無料で利用出来るそうです」

コメンテーター「いやー、太っ腹だなぁ」

解説「出来たばかりのスタジアムの宣伝も兼ねているんでしょうね」
 

868: 矢橋P 26/01/10(土) 21:44:21 ID:yFKP

司会「さて、肝心のWorld・Destiny日本代表についてですが、上守代表は記者会見でWorld・Destinyの日本代表のメンバーの選抜は着々と進んでいるようです」

コメンテーター「まだ決まっていないのかぁ。とはいえ、そうそうたる顔ぶれになるでしょう」


司会「プロデューサーチーフは既に決まっています。765プロの高木順二郎さん」

解説「プロデューサーチーフというのはWBCでいうところの監督です。これもまた適任でしょう」
 

869: 矢橋P 26/01/10(土) 21:45:23 ID:yFKP

司会「以上でWorld・Destinyについてお伝えしてきました」

コメンテーター「日本中が沸いて盛り上がりそうな内容でしたね、ぜひ日本代表には優勝してほしいなぁ」

解説「アイドルブームを世界に広げたのは日本ですからね。優勝は充分あり得ると思いますよ」

司会「今や日本中、いや世界中が注目するW・DことWorld・Destinyの続報が分かり次第お伝えしていきます」









       終了

870: 矢橋P 26/01/10(土) 21:46:49 ID:yFKP


「「「「………………」」」」






星梨花「圧倒されちゃいましたね」

このみ「これだけのことをスポンサーを一切つけず自力でやるんですもの。軽く引いちゃったわ」
 

871: 矢橋P 26/01/10(土) 21:47:43 ID:yFKP

桃子「もうSMS上じゃ日本代表に誰が選ばれるかで活発な議論になってるね」タプタプ

桃子「千鶴さんとまつりさんの名前も上がっているよ」


千鶴「お声がかかれば光栄なことですけど、浮かれるにはまだ早いですわ」

黒月「そうだな。ツナミの威光ごときに目が眩むんじゃないぞ」

まつり「世界の舞台で活躍することもいいですが普段のアイドル活動の方が大事なのですよ」




P「知名度はまだまだ足りないかもしれないけど真珠星もなんとか出場出来るようにならないとな」

P(なんとかじゃなくて出場出来ないと困るんだが……)

872: 矢橋P 26/01/10(土) 21:48:52 ID:yFKP

黒月「何を言っているんだ?」

P「へ?」


昴「プロデューサー、オレ達はまだCランクだぜ?World・Destinyの出場資格はBランク以上じゃねーか」

星梨花「私達は出場出来ませんよ?」




P「あ……」

P(しまったぁぁぁぁっ!)

873: 矢橋P 26/01/10(土) 21:49:37 ID:yFKP


第十五章   『正念場』

 

874: 矢橋P 26/01/11(日) 22:48:24 ID:ngSj



黒月「無理だな」



千鶴「無理ですわね」



藤堂「無理だと思うよ」




P「ううっ……」

875: 矢橋P 26/01/11(日) 22:53:14 ID:ngSj

昴「それは流石に無理だって思うぜ」

桃子「桃子達つい先月Cランクに上がったばかりなんだよ。あと一ヶ月の間でCランクからBランクにランクアップ出来るわけないでしょ。馬鹿じゃないの?」

P「そこまで言わなくても……」

桃子「お兄ちゃんが非常識なことを言うからだよ!」



星梨花「い、意気込みはすごいと思います」

ジュリア「星梨花、バカPのことを無理にフォローしなくてもいいんだぜ?」
 

876: 矢橋P 26/01/11(日) 22:55:09 ID:ngSj

黒月「なぜそんなに先急ぐことがある。お前はユニットを結成して一年も経たずにCランクまで押し上げたんだ。他の新人プロデューサーから見れば羨むキャリアだぞ」

千鶴「また次もあるでしょうし、悔しさをバネに代えて次の大会に向けて努力するしかないのですわ」



P「そう……ですね」

P(非常識なことも浅ましいこともわかってる)

P(黒月代表や千鶴さんが正しいこともわかっているんだ。だが!)

P(もう”次”なんて……無いのかもしれない)










 

877: 矢橋P 26/01/11(日) 22:55:46 ID:ngSj

同時刻

とある建物






紬「ついに動き始めたようですね。ツナミが」

朋花「………」ゴゴゴ

エミリー「……朋花さん」
 

878: 矢橋P 26/01/11(日) 22:56:45 ID:ngSj

朋花「P・ドリームスタジアム……ふざけた名前ですね~」ゴゴゴ

紬「我が主、美也様のコードネーム、パイプ・ドリームを文字っているのでしょうか」

朋花「ここまではっきりと喧嘩を売られたのは初めてです」ゴゴゴ

朋花「紬さん。甲斐さんから提示されたあの件、了承しておいてください」

紬「承知しました」











 

879: 矢橋P 26/01/11(日) 22:58:22 ID:ngSj

アメリカ 秘密基地







ジオット「ホンフーくん、報告したいことってなにかな?」

ホンフー「カタストロフのため世界中を調査していたんですが気になるデータが」
 

880: 矢橋P 26/01/11(日) 22:58:50 ID:ngSj

ポン


ジオット「このグラフは?」

ホンフー「犯罪事件の件数です。こちらが自然災害の件数」

ジオット「急に伸びているね」

ホンフー「どちらもドリームマシンを起動してから上昇傾向でしたが特にアイドルの具現化を初めて観測した直後から急激に伸びているようです」
 

881: 矢橋P 26/01/11(日) 23:00:19 ID:ngSj

ジオット「なるほど。ドリームマシンによって発生した具現化はアイドルの具現化だけではなかったわけか……実に興味深い」

ホンフー「おそらく人間の憎しみ、妬みなどが具現化してしまったのでしょう」


ジオット「……災害を予想する者や犯罪を恐れる者もいるだろう」

ジオット「僕達はアイドルの具現化だけに注目していたけど、それだけではなく負の感情による具現化も発生しているわけか」
 

882: 矢橋P 26/01/11(日) 23:02:24 ID:ngSj

ジオット「むしろそっちの方が多いのかもしれないね。この世界の人間は他人の幸せを願うより他人の不幸を喜ぶ人間の方が多いんだからさ」

ホンフー「太古から怪しい魔人や人を貶める悪魔は存在しているのに人間を救う精霊や天使が具現化されてなかったあたりで察するべきだったのかもしれません」

ジオット「いやはや。せっかく想いが顕現する具現化が発生しやすい状況を作ってあげているのに、本当にこの世界は歪んでいるなぁ」
 

883: 矢橋P 26/01/11(日) 23:03:12 ID:ngSj




ホンフー「この様子だとカタストロフの結果は私達の予想を上回る厳しいものになるかもしれませんね」

ホンフー「ひょっとすると……全てが滅んでしまうかも」

884: 矢橋P 26/01/11(日) 23:03:57 ID:ngSj


ジオット「だとしても気にすることかね」

ジオット「それともカタストロフを中止しろと?あれほど長い時間準備したのに」


ホンフー「その……そこまでは……」
 

885: 矢橋P 26/01/11(日) 23:05:36 ID:ngSj

ジオット「ねぇ、男の子には二つの夢があるんだ」

ジオット「一つは最高のおもちゃを手に入れること、二つ目はそのおもちゃでたっぷり遊ぶことさ」


ホンフー「……?」

ジオット「でも遊んでいるうちにおもちゃを壊してしまうことだってある。だけど子供はおもちゃが憎くて壊してしまうわけじゃないんだ」

ジオット「おもちゃのことをもっとよく知りたいから壊してしまうんだよ」
 

886: 矢橋P 26/01/11(日) 23:06:40 ID:ngSj


ジオット「ホンフーくん。……僕はこの世界のことを”もっとよく知りたいなぁ”」




ホンフー「そ、それは……」

ジオット「もっと遊ぼうよ。この”おもちゃ”でさぁ」











 

887: 矢橋P 26/01/12(月) 12:01:45 ID:316X


ツナミグループ日本総支部





黒服「完成しました。これがBランク以上を基準に製作したW・Dの候補者リストです」


甲斐「……」ペラ

甲斐「……こんなところでしょうね」



黒服(……甲斐様は不満げだ)

黒服(国内の有名どころのアイドルは全てあのリストに収まっている。アイドルを知る人なら誰しもが心が躍る内容なのに……)
 

888: 矢橋P 26/01/12(月) 12:03:01 ID:316X


甲斐「そちらの準備はどうなっていますか」

黒服「はい。総員全力で取り組んでいますが完了まではもう少しかかるかと」

甲斐「急ぐように伝えなさい。World・Destinyまで時間がありません」

黒服「はっ!」
 

889: 矢橋P 26/01/12(月) 12:03:38 ID:316X


甲斐「……」

甲斐「この内容を指定した事務所に送りなさい」


黒服「これは……」

甲斐「それに合うステージの確保と運営に必要なスタッフの準備も」

黒服「はあ……」
 

890: 矢橋P 26/01/12(月) 12:04:49 ID:316X


甲斐「あなた達に多大の苦労をかけさせているとは思っています」

甲斐「ですがここが正念場、今後生きるか死ぬかの瀬戸際です。踏ん張りなさい」

黒服「はっ!」

黒服(それを言ったら甲斐様の方が我々の先頭に立ち、休まず働いておられるのに……)



甲斐「必要であれば私の名前を出しなさい。そうすればどこも融通してくれるでしょう」

甲斐「とにかく時間がないのです。一つでも多く準備を進めなければ……」
















 


891: 矢橋P 26/01/12(月) 21:11:03 ID:316X

数日後

地球プロ事務室






P(真珠星のことを第一に考えればW・Dは意識するべきじゃない)

P(W・Dになんとしても参加したいというのは自分勝手な考えだ)

P(だけど……)

892: 矢橋P 26/01/12(月) 21:12:02 ID:316X


黒月「まだ悩んでいるのか?」

P「いえ……」

黒月「そんなお前に上守甲斐からメールだ」

P「上守代表から?」

P(あれ?)


黒月「何かやらかしたんじゃないだろうな」

P「そのようなことはないはずですが……確認してみます」





P(甲斐から連絡が来る時は事務所じゃなくて俺に直接来るはずなのに……)

P(!!)



 


893: 矢橋P 26/01/12(月) 21:13:01 ID:316X

そして






昴「W・Dオーディション!?」

P「ああ、甲斐から告知が来た」

桃子「それって……」

P「World・Destiny日本代表への参加資格かけたオーディションだ」

894: 矢橋P 26/01/12(月) 21:14:53 ID:316X
昴「……マジか」

桃子「何で……」


P「概要によるとWorld・Destinyで日本代表は本気で勝ちに行く気らしい」

P「そしてあらゆる事態を想定するためにCランクからも”補欠”として二組だけ枠を用意した。そしてCランクからその一組を決めるオーディションだ」


桃子「一組?さっき二組って言わなかった?」

P「そのうち一組は既にストロベリーポップムーンに決まっている」

P「765プロの高木順二郎さんがプロデューサーチーフを引き受けた恩典らしい。プロデューサーチーフが務める事務所のアイドルが一人も居ないってのはおかしな話だろうしな」

桃子「確かにそうだろうね」
 

895: 矢橋P 26/01/12(月) 21:18:58 ID:316X

星梨花「それじゃ……」


P「そうだ」

P「真珠星もWorld・Destinyに参加出来る可能性が出てきたってことさ!」

 

896: 矢橋P 26/01/12(月) 21:20:18 ID:316X

昴「いょっしゃ!」グッ

P「昴も本当は出たかったんだな、俺にはあんなこと言ってたくせに」

昴「当たり前だろ!全世界が見ている大舞台で恵美や千鶴達と一緒に世界一を目指せるなんて、そんなのワクワクしない方が無理だって!」


桃子「もう!まだオーディションのこともよくわかってないのに……」チラ

星梨花「……」プルプル

桃子(星梨花さんも出たかったんだね)
 

897: 矢橋P 26/01/12(月) 21:23:41 ID:316X

桃子「それに……、お兄ちゃんもどうしても出たかったんでしょ?」

昴「”ツナミ絡み”だろ。バレバレだぜ?」

P「……ああ。プロデューサーが私情を挟むなんてプロデューサー失格だ」


昴「いいって。オレだってツナミのことは気に食わないんだ」

桃子「桃子もアイドルの力で育や環を助けようとアイドルになったの。お兄ちゃんとそんなに変わらないよ」

星梨花「Pさんの願いは真珠星の願いでもあるんです。プロデューサーの私情なんて言わないでください」


P「そうか。ごめんな」

P(この子達をプロデュース出来て本当に良かったな)
 

898: 矢橋P 26/01/12(月) 21:25:50 ID:316X

P「それでオーディションの内容だけど……オーディションって歌ってはいるが内容はアイドル勝負だな」

桃子「うえ……。結局そうなるんだ」

P「補欠として採用する以上、年期だとか知名度よりもとにかく実力が欲しい。という趣旨だな」




昴「なんだ、いつものことじゃん」

桃子「桃子達がいつも求められていることだね」

星梨花「もう慣れっこです!」

P「ああ、知名度や実績で判断されたら合格は無理だったかもしれない。これが最後のチャンスだ、絶対掴み取ろう」
 

899: 矢橋P 26/01/12(月) 21:27:32 ID:316X

P(今まで甲斐からこういう連絡が来る時は事務所ではなく直接俺に来た)

P(それが今回は事務所に来たということは……「今回は贔屓はしない、自らの実力で掴み取ってみせなさい」というメッセージだ)

P(上等だ。俺だっていくらW・Dに出場したいといっても甲斐からの施しで行くつもりはない!)
 

900: 矢橋P 26/01/12(月) 21:28:39 ID:316X

このみ「Pくんー」

P「どうしたんですかこのみ姉」

このみ「お客様よ」ニヤッ






 

901: 矢橋P 26/01/12(月) 21:29:52 ID:316X

ケイ「ごきげんよう、真珠星」


昴「小望月ケイ!?」 

桃子「突然だね」

星梨花「九羽さんはいま……せんね」

P「お一人なんですね。他のユニットメンバーはいないんですか?」
 

902: 矢橋P 26/01/12(月) 21:31:02 ID:316X

ケイ「九羽は星梨花と連絡先交換しているみたいだけど、私はあなた達の連絡先知らなかったからわざわざ事務所まで来てしまったわ」

星梨花「連絡ならケイさんが出向かなくても九羽さんに伝えてくれれば……」



サッ


ケイ「……」スッ

星梨花(ケイさんが黙って私の口元に手を出して言葉を遮りました)
 

903: 矢橋P 26/01/12(月) 21:32:00 ID:316X

P「立ち話も難ですから応接室にでも……」


ケイ「そういうのは必要ないの」

ケイ「私はあなた達に宣戦布告しにきたのだから」



星梨花「!!」

昴「W・Dオーディションか?」

ケイ「そうよ。このオーディション、あなた達真珠星と私達ブラスジョーカーズと実質上の一騎打ちになると思うわ」
 

904: 矢橋P 26/01/12(月) 21:33:07 ID:316X

P「他のCランクのアイドルもいるのにそれは早計ではないですか?」

桃子「静香さん達はいないかもしれないけど、朋花さん達の花咲夜だっているんだよ」



ケイ「先日まとめて多数のアイドルがBランクに上がったわ。ずっとCランクにいて今一歩、Bランクに届かなかったアイドル達ね」

ケイ「花咲夜もその一つ。知らなかったかしら?」


桃子「そうだったんだ」

星梨花「じゃあ朋花さん達は先にBランクになっているんですね」
 

905: 矢橋P 26/01/12(月) 21:34:16 ID:316X

ケイ「……つまり今、Cランクに残っているのはずっとCランクに留まり続けている中弛んだ者ばかり。そんなアイドルは私達の敵じゃないわ」

ケイ「お分かり?私達のW・D出場において最後の壁はあなた達なの。逆にあなた達にとっても私達が最後まで立ちはだかるのだけどね」

ケイ「W・Dを狙っていないというなら今この場で宣言しなさい。そんな腑抜けたあなた達を意識する私達がかわいそうだから」
 

906: 矢橋P 26/01/12(月) 21:35:08 ID:316X

昴「言ってくれるじゃねーか。安心しな、そんなつもりは微塵もねーよ」

桃子「桃子達が何回喧嘩を売られたと思ってるの?わざわざそんなこと言わなくてもよかったって思わせてあげるよ」

ケイ「ふふっ」
 

907: 矢橋P 26/01/12(月) 22:49:29 ID:316X

P「では他の二人が居ないのは……」


ケイ「そう、これが本題」

ケイ「今からオーディションの結果が出るまで私達に接触は厳禁よ。特に箱崎さんはね」

星梨花「……」
 

908: 矢橋P 26/01/12(月) 22:50:12 ID:316X

ケイ「九羽から伝言。『間違っても楽屋に来たり気軽に話し方たりするんじゃねーぞ』」

ケイ「ひかりも同じ意見よ」

桃子「だから二人とも居ないんだね」


ケイ「別にあなたを嫌いになったわけじゃないわ。それほどの覚悟で私達は望むということよ」

星梨花「……わかりました」
 

909: 矢橋P 26/01/12(月) 22:50:58 ID:316X

ケイ「突然押し掛けた上に失礼なことを言っている自覚しているわ。ごめんなさい」

P「構いません。むしろ塩を送ってくださり感謝しているところです」

ケイ「塩を?」



P「あなたの余計なおせっかいは真珠星の闘志に点けました」

昴「へっ、そういうことさ!」

星梨花「九羽さんに伝えてください。絶対に負けません。って」



ケイ「そう言ってもらえると、ここまで来た甲斐があったわ」

ケイ「それじゃ、次会う時はステージの上ね」




スタスタスタ

910: 矢橋P 26/01/12(月) 22:51:33 ID:316X

昴「みんな、今すぐレッスンしに行こうぜ!」

桃子「ここまではっきりさせられたら退くわけにはいかないよ!」

星梨花「はい!オーディションまで一生懸命頑張りましょう!」














 

911: 矢橋P 26/01/13(火) 18:12:45 ID:cLyK



亜利沙(みなさんこんにちは。新人記者の松田亜利沙です)

亜利沙利沙(今日は緊迫した現場に立ち会わせてもらってます)

亜利沙(ここは私達一部の記者だけが知る喫茶店。極秘の会談だとか秘密の打ち合わせ等に使われる場所です)

亜利沙(亜利沙とミーナさんの他にヒーローから莉緒さんと瑞希さんが同席してくれてます)

亜利沙(……そして、話しをする相手はマーカスさん。あのジオット会長の最古参の部下だそうです)
 

912: 矢橋P 26/01/13(火) 18:14:18 ID:cLyK

喫茶店内





マーカス「悪いねぇ、ご馳走になって」

ミーナ「いえいえ、今回はジオット会長の一番の古い友人でもあるあなたとお話し出来て嬉しいです」
 

913: 矢橋P 26/01/13(火) 18:15:49 ID:cLyK

莉緒(彼はジオットがツナミグループ全会長になるよりはるか昔から仕え、マフィア時代からジオットと苦楽を共にした部下)

瑞希(特別な能力はないそうですが、ジオット会長がもっとも信頼している男。とも言われています)

莉緒(そんな彼がなぜ記者のミーナさんとヒーローの私達と会談するのか)

莉緒(それは……こないだ日本で暴動事件があり、私達が出動したの)

莉緒(そして無事、事態は収まったのだけど助けた人の中に彼がいたの)

瑞希(私達はヒーロー活動に見返りを求めているわけではありませんが、彼が私達をいたく気に入ってぜひお礼がしたいと言ってきたのです)
 

914: 矢橋P 26/01/13(火) 18:16:53 ID:cLyK


ミーナ「それで……私達に話したいことがあるということでしたが……」

マーカス「何でもかんでもってわけにはいかねぇな。アニキのことは裏切りたくないんでね」




※アニキとはジオットのことです

915: 矢橋P 26/01/13(火) 18:18:11 ID:cLyK

ミーナ「……私達もあまり深掘りするつもりはありません。”カタストロフ”の正体について少しでもいいんで知りたいのです」

マーカス「なんだ、カタストロフのことを知ってんのかい。それなら話しが早いや」

ミーナ「具体的な内容までは把握してないです。ですから教えてください」

ミーナ「カタストロフとはどういう計画なんでしょうか」




マーカス「フフ……」

マーカス「それはペラペラ喋るわけにはいかねぇ。アニキへの裏切りになっちまう」

ミーナ「……そうですか」
 

916: 矢橋P 26/01/13(火) 18:19:19 ID:cLyK


カチャン



マーカス「へへっ、ごちそうさま。ここの料理もうまかったけど、やっぱり俺はハンバーガーが好きだね」

瑞希「ハンバーガー……ですか」

マーカス「アニキも大好きでね。俺達の故郷じゃ一番のご馳走さ。昔はこれを毎日腹いっぱい食べることが夢だったんだ」
 

917: 矢橋P 26/01/13(火) 18:20:43 ID:cLyK


マーカス「……カタストロフのことの代わりに少し昔話をしてやろうか」

マーカス「アニキはね紛争が絶えない貧しい地域で生まれたんだ」

マーカス「弟と妹の三人兄弟でね、幼い頃はその日の食い物にも困る有様だった」

マーカス「ある日のことよ、アニキが家族のその日の食事を探しに出かけた時のことさ」

マーカス「とある金持ちがアニキの前でビスケットを数枚足元に落としたんだ。もちろんアニキはそれに飛びついた」
 

918: 矢橋P 26/01/13(火) 18:21:31 ID:cLyK

亜利沙「……?」

ミーナ「……悪趣味な遊びですね」



マーカス「察しの通りよ。奴らはビスケットを足で粉々に砕き、飛びついたアニキを袋叩きにしたんだ。金持ちの奴らはそれを見ながらゲラゲラ笑っていやがった」

亜利沙「……」
 

919: 矢橋P 26/01/13(火) 18:23:16 ID:cLyK

マーカス「そうこうしているうちに弟は餓死しちまった」

マーカス「その時からさ、アニキが『力こそ全て、力があれば何をしてもいい』って思うようになったのは」



莉緒「それがジオットの理念の始まりなの?」

マーカス「……地獄はこれからさ」
 

920: 矢橋P 26/01/13(火) 18:25:36 ID:cLyK

マーカス「アニキは命からがら紛争地域を抜け出した。その時には家族はアニキと妹の二人だけしか残らなかったけどな」

マーカス「そこからアニキは死にものぐるいで”力”を集めた。俺がアニキの部下になったのもその頃さ」

マーカス「そしてアニキはちっぽけな組織のリーダーになった。まあマフィアみたいなもんでよ、生きるために悪いこともそれなりにやったさ」

マーカス「でもそれなりの生活は手に入れたんだ。アニキは妹には手を汚させることはさせなかったし、結婚もしたんだ。良い姉さんだったよ」

マーカス「今みたいに金なんかなかったけどあの頃が一番楽しかったなぁ…………それをっ!」
 

921: 矢橋P 26/01/13(火) 18:26:41 ID:cLyK


マーカス「カエサリオンよ!奴らがアニキの幸せをぶち壊しやがったんだ」




亜利沙「カエサリオン?」

莉緒「かつて地中海辺りのヨーロッパや北アフリカを支配していた資本グループよ」
 

922: 矢橋P 26/01/13(火) 18:27:48 ID:cLyK

マーカス「資本グループ?奴らは醜悪で傲慢な悪の組織よ!」

マーカス「奴らは一族の病気の娘のためにアニキの妹の心臓を奪いやがった」

マーカス「抵抗はしたさ、だが無駄だった。カエサリオンの権力にはまるで無意味だった」

マーカス「それからアニキは復讐を誓った。ただ殺すだけじゃ満足なんて出来ない、奴らから全てを奪って同じ地獄を味わわせると誓ったのさ」
 

923: 矢橋P 26/01/13(火) 18:28:42 ID:cLyK

莉緒「でも!それはもう終わったことでしょう」

マーカス「そうさ、15年かけてカエサリオンを”根絶やし”にした。あれは楽しかったなぁ……」




瑞希「ならそれで終わるはずでしょう。何故世界をめちゃくちゃにするカタストロフを起こそうとするのですか」
 

924: 矢橋P 26/01/13(火) 18:30:49 ID:cLyK

マーカス「……アニキはもう止まれないんだよ」

ミーナ「止まれない?」



マーカス「……復讐のために力が必要だった。ジャジメントに取り入れられるほどの力が」

マーカス「思い出したくもねえや……アニキはそのために悪魔と契約したんだ」


瑞希「!!」

莉緒「それって具現化じゃない!」

瑞希(つまり、この頃からジオット会長は具現化を理解していたわけですか)

925: 矢橋P 26/01/13(火) 18:32:39 ID:cLyK

マーカス「悪魔と契約するためには本人の”最愛の人間”を生贄に捧げる必要があった」

マーカス「アニキは自分の最愛の妻を生贄にしたのさ」

マーカス「自分の大事なものを奪われておいて、自分だけの幸せを求める生き方なんてアニキは出来なかったんだよ」




莉緒「なんてことを……」

マーカス「じゃあどうすればよかったんだよ!俺達はただ泣き寝入りすればよかったっていうのかよ!」

亜利沙「…………」

926: 矢橋P 26/01/13(火) 18:33:59 ID:cLyK

ミーナ「……ですがその復讐は7年前に完了しているはずです」


マーカス「アニキはもう止まらないって言っただろう?」

マーカス「この先アニキが幸せになってもそれは”最愛の人を犠牲にして得た幸せ”さ。そんなもの、アニキは喜ばねぇ」

マーカス「……もうアニキは幸せになるつもりすらないんだよ」


マーカス「だから全てを敵に回して、誰かが止めるまで止まらない」

マーカス「”カタストロフ”はそのゴール。終着点だ」

927: 矢橋P 26/01/13(火) 18:36:20 ID:cLyK


瑞希「ですが……彼は強くなりすぎた」

マーカス「そうさ、最強さ。全世界を敵に回して、それでも勝ってしまいそうな勢いだからな」

ミーナ「…………」

亜利沙(そんなの……)





莉緒「それで……昔話はおしまい?」

マーカス「ああ。わざわざ聞いてくれてありがとよ」
 

928: 矢橋P 26/01/13(火) 19:55:27 ID:cLyK

マーカス「…………ドリームマシンという機械がある」



莉緒「ドリームマシン?」

ミーナ「聞いたことないですね」
 

929: 矢橋P 26/01/13(火) 19:57:01 ID:cLyK

マーカス「ツナミでも極一部の人間しか知らないことさ、トップシークレットだからな」

マーカス「俺も詳しくないけどよ、カタストロフにはドリームマシンが必須らしい。つまり……」

マーカス「World・Destinyまでにドリームマシンを壊せばカタストロフは止められる」



瑞希「まさか!!」ガタッ

莉緒「本当に!!」ガタッ



マーカス「P・ドリームスタジアムのそばに大型施設がある。表向きはツナミグループの管理施設ってことになっているけどな」

マーカス「そこの内部にドリームマシンがある。そこに侵入してドリームマシン壊せばカタストロフは止められると思うぜ」
 

930: 矢橋P 26/01/13(火) 19:58:21 ID:cLyK

ミーナ「……何故それを私達に伝えるのですか?」


マーカス「俺はカタストロフは起きてほしくないって思ってる」

マーカス「アニキに愛想を尽かしたわけでも世界の奴らに同情しているわけでもねぇ。俺はあの頃のアニキに戻ってほしいのさ」

マーカス「カタストロフが台無しになってくれればアニキも諦めがつくかもしれないからな」
 

931: 矢橋P 26/01/13(火) 19:59:20 ID:cLyK

瑞希「……どこまで信じてよいか計りかねますね」


マーカス「そうかい、それじゃもう一つ情報だ」

マーカス「アニキは元々どっかに呼ばれて出向くのは嫌いだ。呼ぶくらいならこっちに来いってな」

マーカス「ましてやWorld・Destinyが控えたこの時期は尚更お膝元のアメリカから動かない。だがな……」

マーカス「12月8日。この日だけはアラブ諸国の富豪達と会談しに中東に行く。当然、自慢の”側近”達も連れてな」
 

932: 矢橋P 26/01/13(火) 20:01:42 ID:cLyK

莉緒「本拠地のアメリカから部下が離れ、警備が手薄になるその日が最大のチャンスってわけね」

マーカス「これは世間にはまだ流れてない極秘情報だ。こんな身内情報を教えるんだ、少しは信用してほしいね」

マーカス「このことが世間に流れるのは一週間後だ。疑うならそれで判断してくれや」



瑞希「わかりました。まだ完全に信用したわけではないですが検討はしてみます」

マーカス「どうするかの判断はおたくらに任せるぜ。だが黙っていてもカタストロフはやってくるがな」
 

933: 矢橋P 26/01/13(火) 20:02:43 ID:cLyK

スッ



マーカス「……クリスマスはいいねぇ。この世界でえこひいきしないのは死神とサンタクロースだけさ」


莉緒「……?」





マーカス「最後に一つ言っておく」

マーカス「今年のクリスマスは”本物のサンタクロースがやってくる”」

934: 矢橋P 26/01/13(火) 20:03:36 ID:cLyK

亜利沙「サンタさん!?」

ミーナ「まさかカタストロフとは……」

マーカス「後は任せたぜ」






バタン













マーカス「……最後は余計だったな」

マーカス「奴らがあまりにも必死なもんだから、つい情けを出しちまった」
 

935: 矢橋P 26/01/14(水) 22:40:29 ID:XK5Z
二週間後






ツナミグループims甲子園アリーナ

W・Dオーディション会場






昴(ついに本番だな……)

桃子(ここに来るのはアイドルショーウインドウ以来だね)

星梨花(前よりもドキドキします)

936: 矢橋P 26/01/14(水) 22:41:39 ID:XK5Z

P「概要を確認するぞ」

P「このオーディションは俺達真珠星とブラスジョーカーズを含めCランクユニットが10ユニット集まってる」

P「始めに5・5の二つのグループに分けてグループ内で競って、勝ち上がったユニット二つが最後に直接対決する仕組みらしい」



桃子「了解だよ」

昴「……甲斐が考えそうなセッティングだな」

P「ああ。完全に狙っているんだろう」

P(あれから今日までの二週間、みんなは本当に頑張った)

P(出来ることはやったはずだ。後は本番にぶつけるだけだ)

937: 矢橋P 26/01/14(水) 22:42:33 ID:XK5Z







ケイ「いよいよね」

ひかり「九羽、そんなにピリピリして。体調は大丈夫?」

九羽「大丈夫さ、あたり前だろ」


九羽(今まで星梨花とは一勝一敗。今日の勝負で本当の決着がつく)

九羽(……ぜってー勝つ!)










Aグループ会場




ケイ「……」

ひかり「真珠星はいないようね」

九羽「星梨花はBグループか。なら当たるのは最後だな!」

938: 矢橋P 26/01/14(水) 22:43:23 ID:XK5Z



「もう勝ったつもりでいるなんて、随分余裕ね」




Cランクユニット 【スロウンメイデン】 
ユニットポリシー『常に居るべきは玉座、乙女の強い想いをあなたに』


スロウンメイデンのリーダー「Cランクの新参者が……身の程を知れ」
 

939: 矢橋P 26/01/14(水) 22:44:20 ID:XK5Z


ワイルドローズリーダー「ちょっと魔法が使えるぐらいでいい気にならないことね」



Cランクユニット 【ワイルドローズ】
ユニットポリシー『綺麗な薔薇には刺があるというけど、ちょっと危ない方が女は魅力的じゃない?』
 

940: 矢橋P 26/01/14(水) 22:45:08 ID:XK5Z

Cランクユニット 【アンダーアイ】
ユニットポリシー『う~ん、もう嫌い嫌い嫌い。み~んな嫌いになっていいの?』




アンダーアイリーダー「ここに居るユニット全員があんた達のこと嫌いなの。部屋の隅で大人しくしてたら?」

 

941: 矢橋P 26/01/14(水) 22:46:34 ID:XK5Z


九羽「……なるほどな」

九羽「ここに居るユニットは私達以外、仲良しこよしってわけか」

九羽「Cランクにずっと留まっているうちに馴れ合う関係になってしまったんだろ?」




「「「なっ!」」」




九羽「あんた達のことは先輩だと思ってはいるけどよ、仲良くするつもりはないぜ?」

ひかり「今回は九羽と同感」

ケイ「そうね。誰であろうと全員倒すつもりでここに来たのだから」











 

942: 矢橋P 26/01/14(水) 22:47:13 ID:XK5Z

Bグループ会場







星梨花「九羽さんは居ませんね……」

桃子「ブラスジョーカーズはAグループみたいだよ」

P(甲斐のやつ……)

943: 矢橋P 26/01/14(水) 22:48:10 ID:XK5Z


「星梨花ちゃん久しぶり~!」





Cランクユニット 【虹色スマイル】
ユニットポリシー『私達は三人で虹色だ!』




星梨花「お久しぶりです!」

虹色スマイルリーダー「こないだのステージ以来だね」

昴「でたな。三人しかいないのに”虹色”スマイル~」

虹色スマイルリーダー「も~、昴さんまだそれ弄るの~?」

 

944: 矢橋P 26/01/14(水) 22:48:53 ID:XK5Z


「私達はプロモーション合同撮影以来……です」


星梨花「チョコレートコスモスの皆さんまで!」




Cランクユニット 【チョコレートコスモス】
ユニットポリシー『甘いだけじゃアイドルはやっていけないの!私達の魅力で蕩けさせてあげるわ!』



チョコレートコスモスリーダー「今日はよろしく……」

945: 矢橋P 26/01/14(水) 22:49:42 ID:XK5Z



キラキラアワーズリーダー「桃子ちゃん、こないだの765プロとコラボしたんでしょ?静香ちゃんのこと教えてくれないかなぁ?」

桃子「いいよ。でもキラキラアワーズならいつか765プロとも共演出来ると思うけど」





Cランクユニット 【キラキラアワーズ】
ユニットポリシー『今日もキラキラ全開でいくわよ~!』



キラキラアワーズリーダー「でも765プロはツナミの傘下じゃないから。うちの事務所がオーケー出すかな~」

桃子「そこが難しいね」

 

946: 矢橋P 26/01/14(水) 22:51:09 ID:XK5Z

虹色スマイルリーダー「ねーねー。今日集まったユニットの誰かがW・Dに出場出来るんだよね」

チョコレートコスモスリーダー「誰が勝っても恨みっこ無しだよ」

キラキラアワーズ「誰にも譲らないけどね!」

星梨花「はい!勝つのは私達です」



虹色スマイルリーダー「星梨花ちゃんはやる気だね~」

虹色スマイルリーダー(……でも、多分この中だったら勝つのは星梨花ちゃん達だろうな)
 

947: 矢橋P 26/01/14(水) 22:52:29 ID:XK5Z

スタッフ「そろそろ本番開始します」

スタッフ「今回はリハはありません。いきなり本番ですが覚悟してくださいね」

スタッフ「グループ戦ではこちらが事前にお伝えしていた指定された曲を歌い踊ってもらいます」

スタッフ「こちらでそれを採点します。一番得点が高いユニットだけが勝ち上がる厳しい勝負ですが頑張ってください」












そして

948: 矢橋P 26/01/14(水) 22:53:50 ID:XK5Z
オーディション結果  




Aグループ

ブラスジョーカーズ   96点 win
スロウンメイデン    89点
アップルオッレ     87点
ワイルドローズ     83点
アンダーアイ      77点





「…………そんな」

「…………負けた」




九羽「……それじゃな」





 

949: 矢橋P 26/01/14(水) 22:56:50 ID:XK5Z
Bグループ



真珠星         92点 win
チョコレートコスモス  85点
キラキラアワーズ    84点
虹色スマイル      84点
セイントリリィ     82点







「やっぱり星梨花ちゃん達は凄いね~」

「ダンスも歌も……迫力が違ったよ」

「これは仕方ないね。悔しいけど」




星梨花「みんな……」

「勝ち上がったんだからそんな顔しないの」

「そうだよ。このオーディションに受かるってことはCランク代表になるってことなんだから。頑張ってよ!」

「Aグループはブラスジョーカーズが勝ち残ったみたい。彼女達に負けないでよ」


桃子「うん。絶対勝つよ」







 

950: 矢橋P 26/01/15(木) 10:54:31 ID:sezc
そして


決勝ステージ







九羽「……」

星梨花「……」


フイッ






ひかり(もう、この子は……)

P(星梨花……)

951: 矢橋P 26/01/15(木) 10:55:05 ID:sezc











VIPルーム





甲斐「……やはりこの二つのユニットが残りましたか」


黒服「どちらが勝つのでしょうか」

952: 矢橋P 26/01/15(木) 10:56:01 ID:sezc

甲斐「実力はある程度拮抗していますが……それでもというならばブラスジョーカーズが有利でしょう」

甲斐「ブラスジョーカーズの面々はユニット結成前からアイドル経験があるのに対して真珠星の周防桃子と箱崎星梨花はユニット結成時からアイドルを始めたばかり、体も経験もまだ足りない」

甲斐「それを補う努力はしてきたみたいですが、やはりここまで拮抗した場面だとそれが響いてくる」
 

953: 矢橋P 26/01/15(木) 15:20:13 ID:TVIF

黒服「では、ブラスジョーカーズが勝つと?」

甲斐「……そんなに勝負は簡単なものではありません。ましてや彼女達には”具現化”があるのですから」










\ドッドッドッ!/

954: 矢橋P 26/01/15(木) 15:21:08 ID:TVIF

黒服「始まりましたね。先攻はブラスジョーカーズですか」

甲斐「……この曲は黒羽九羽のソロ曲『ブラッククロウ』」

甲斐「九羽をセンターにして他の二人をサイドに置く。ここまではサマーフェスと同じ」

甲斐「サマーフェスのパフォーマンスを再現しようというだけなら、あまりにも芸がない。何か別の仕掛けがあるはず」









 

955: 矢橋P 26/01/15(木) 15:22:19 ID:TVIF


九羽「心も~体も~濡れ羽色に染めあげて~」



バサッ!







ザワザワ ザワザワ ザワザワ
 

956: 矢橋P 26/01/15(木) 15:26:36 ID:TVIF

黒服「黒羽九羽の背中からカラスの羽根が……これは具現化!」

甲斐「やはり、ためらいもなく使ってきましたね」


甲斐(だが具現化込みでも前回と同じ……)

甲斐(!!)




 

957: 矢橋P 26/01/15(木) 15:29:33 ID:TVIF

サーーーーーーッ……







「お、おい」

「ステージが暗くなっていくぞ」

「これも演出か?」
 

958: 矢橋P 26/01/15(木) 15:30:08 ID:TVIF



黒服「甲斐様、これは!」

甲斐「これも具現化です。おそらく発現元は小望月ケイでしょう」

黒服「それでは5人目の新たに具現化を発現したアイドルが誕生したということに……」

甲斐(センターの九羽が曲に合わせて羽根を展開し、小望月ケイの具現化がステージに暗闇を呼び演出を加える)

甲斐(それがうまく溶け合い、さながらミュージカルを見ているかのよう)

甲斐(具現化を発現するタイミングも完璧。サマーフェスから今日までの間でここまで仕上げてくるとは大したものですね)



黒服(ここまでの演出を自力でやるとは……。これでは普通のアイドルが太刀打ち出来るわけがない)

黒服(もはや真珠星のパフォーマンスを見るまでもない。結果はもう出たようなものだ)
 

959: 矢橋P 26/01/15(木) 15:31:07 ID:TVIF










ステージ裏



桃子「……ケイさんも具現化が使えるようになってたみたいだね」

昴「星梨花が光り輝く具現化ならケイは闇を彩る具現化って感じだな」

星梨花「それが九羽さんの具現化と抜群に噛み合っています」

P「……それをこの一番でやってのけるんだから、大した奴らだな」
 

960: 矢橋P 26/01/15(木) 15:31:46 ID:TVIF

P「俺達の予想通りブラスジョーカーズは”アイドルの具現化”を使った」

桃子「それじゃプランBってところだね。あまり使いたくなかったんだけどなぁ」

昴「この勝負、星梨花と桃子が鍵になる。二人とも、頼んだぜ」

星梨花「任せてください!」












 





961: 矢橋P 26/01/15(木) 15:33:09 ID:TVIF




\ドン!/





\パチパチ/  \パチパチ/ 







黒服「歌もダンスも高水準。に加えて具現化による演出、これはもう決まったようなものですね」

甲斐「……そうとも限りませんよ」
 

962: 矢橋P 26/01/15(木) 15:42:15 ID:TVIF

\welcome everyone!/



\Thanks for stopping by/











黒服「真珠星のパフォーマンスが始まったようですね」

甲斐(これは真珠星のデビュー曲『アイドルステアウェイ』)

甲斐(これもまたサマーフェスの時と同じ。ブラスジョーカーズに合わせた?いや、何か狙いがあってのことでしょう)



黒服(歌もダンスも悪くはないが月並み、ブラスジョーカーズの具現化を用いたパフォーマンスのインパクトに全く適わない)

黒服(やはり勝負は見えたか……)

963: 矢橋P 26/01/15(木) 15:43:05 ID:TVIF







桃子「駆け上がってゆけ」


昴「空へ架ける階段(ステアウェイ)」



星梨花「まるで鍵盤のように~」チラ


昴「……」コク

桃子「……」コク




星梨花「奏で!」


パチン



ピカッ!


964: 矢橋P 26/01/15(木) 15:43:36 ID:TVIF

甲斐「!!」

黒服「箱崎星梨花が光り、そして周防桃子の合図で真珠星全員の衣装が変わった!」

甲斐「……周防桃子の具現化は衣装及びメイクのデコレーションでしたか」




黒服「真珠星も歌のサビでここぞとばかりに具現化を披露してきましたね」

黒服(演出としてタイミングも完璧だ。……だがブラスジョーカーズのインパクトには……)

965: 矢橋P 26/01/15(木) 15:44:26 ID:TVIF

桃子「キラメキの招待状 あげる」



星梨花「一歩ずつ、憧れ、越え」



昴「やがてトップへ!」




「「「オンステージ Highest!」」」



「「「おいで Happiest!」」」









甲斐「……勝負は決まりましたね」

黒服「え?」
 

966: 矢橋P 26/01/15(木) 15:45:08 ID:TVIF





~~~~~♪




\ジャン!/





\パチパチ/  \パチパチ/

967: 矢橋P 26/01/15(木) 15:45:59 ID:TVIF

「両者のパフォーマンスが終わりました。これより判定に入ります」





九羽「…………」グッ

星梨花「…………」ドキドキ












「判定が出ました」

「W・Dオーディション。W・Dの切符を掴んだのは…………」
 

968: 矢橋P 26/01/15(木) 15:46:48 ID:TVIF

















「真珠星です」



九羽「…………っ」ガタッ

星梨花「…………あぁ」グッ

969: 矢橋P 26/01/15(木) 18:05:07 ID:TVIF






甲斐「…………」パチパチパチ

黒服「選ばれたのは真珠星ですか……」

甲斐「真珠星が選ばれた理由がわからないのですか?」

黒服「はい。教えていただけますか」



甲斐「最後のパフォーマンスで両チームとも具現化を使った。これが明暗を分けました」

黒服「はい。ですが私としてはブラスジョーカーズの具現化の方がインパクトもあり見応えもあったかと……」

甲斐「見栄えとしてはそうですね」

甲斐「ですが”アイドルのパフォーマンス”としてはどうでしょう」

黒服「はあ……」

970: 矢橋P 26/01/15(木) 18:06:34 ID:TVIF

甲斐「アイドル勝負において具現化とは料理でいえば香辛料みたいなものです」

甲斐「みんなが味噌汁やすまし汁を作っているところに突然にんにくやラー油を入れるようなもの」

甲斐「確かに格段と味は良くはなりますが、そういう劇薬は得てして全体の調和を崩してしまうものです」

甲斐「今回のブラスジョーカーズのパフォーマンス。二人の具現化を前面に押し出したはよいですがそのせいで日笠山ひかりが浮いてしまった」

甲斐「そのせいでユニットの調和が崩れてしまったのです」
 

971: 矢橋P 26/01/15(木) 18:07:09 ID:TVIF

黒服「あ……」

黒服「ですが、それは真珠星も同じなはず」


甲斐「ええ、確かに真珠星のパフォーマンスも箱崎星梨花と周防桃子の二人しか具現化を使っていない。永吉昴も浮いてしまう」

甲斐「ですがあなたが”インパクトが足りない”という真珠星のパフォーマンスは、具現化を控え目にして永吉昴を置き去りにしない配慮だったのです」

甲斐「結果、この二つを見比べると真珠星のパフォーマンスの完成度がブラスジョーカーズを僅かですが上回った。それだけのことですよ」
 

972: 矢橋P 26/01/15(木) 18:08:03 ID:TVIF

黒服「つまり……ブラスジョーカーズは具現化に過信し、溺れてしまったと?」

甲斐「そんな一言で片付けれる話ではありませんよ」


甲斐「まず前提としてこの勝負、先にブラスジョーカーズが具現化というカードを切った。もし真珠星がリスクを恐れて具現化を使わずにパフォーマンスをした場合、間違いなくブラスジョーカーズの勝ちだったでしょう」

甲斐「ブラスジョーカーズ唯一のミス。あれは調和した真珠星のパフォーマンスを見た後だからこそ気付けたこと。対比しなければ皆、ブラスジョーカーズの具現化に圧倒されていたでしょう」

甲斐「といって真珠星も条件は同じ。具現化を使う以上ブラスジョーカーズと同じ過ちを起こす可能性もあった」
 

973: 矢橋P 26/01/15(木) 18:12:23 ID:TVIF

甲斐「そもそも具現化を使うのは迂闊だったとブラスジョーカーズを責めることも出来ません」

甲斐「聞くところによるとアイドルの具現化はステージ上でしか発現出来ない。つまりレッスン等では発現出来ず、入念なリハーサルを行えないのですから」

甲斐「むしろこの期間の間でであそこまで曲に合わせるパフォーマンスを出来たことを賞賛すべきでしょうね」
 

974: 矢橋P 26/01/15(木) 18:13:19 ID:TVIF

黒服「では、ますますわかりません。なぜ真珠星は……」


甲斐「具現化を使うこと自体は愚策ではありません。ですがそれをきちんとまとめるにはユニットメンバーだけでは限界があるということです」

甲斐「ユニットメンバー以外の視点がね」

黒服「ええっと……」

甲斐「まだわからないのですか。真珠星にあってブラスジョーカーズに無いものが」













 





975: 矢橋P 26/01/15(木) 18:14:33 ID:TVIF






九羽「…………」スゥゥ

九羽「はーーっ」



ずかずかずか

976: 矢橋P 26/01/15(木) 18:15:08 ID:TVIF

星梨花「九羽さん?」

九羽「あー、負けた、負けた、負けた!」


星梨花「九羽さん達のパフォーマンスも……」

九羽「慰めはいらねーよ」


九羽「……ったく、ずりーよな。こっちは三人なのにそっちは”四人”なんてよ」

星梨花「!」

977: 矢橋P 26/01/15(木) 18:15:45 ID:TVIF

九羽「私達にもプロデューサー付けてもらおうかねぇ」

星梨花「その方がいいと思います」ニコニコ

星梨花「でも、そのためには九羽さんが他の人と仲良くなれるようにならないと。プロデューサーさん逃げちゃいますよ?」

九羽「ケッ、オドオドしてたお嬢さんが、本当に言うようになったもんだぜ」




九羽「……言って来いよ、World・Destinyに。私達の分までな!」

星梨花「はい!」











 

978: 矢橋P 26/01/15(木) 18:16:41 ID:TVIF









P(なんとかオーディションを勝ち取ることが出来た)

P(本当にぎりぎりだった。先にブラスジョーカーズがパフォーマンスをしてくれたという運もあっての勝利かもしれない)

P(とはいえまだまだ。これから運営との打ち合わせが……)

979: 矢橋P 26/01/15(木) 18:17:21 ID:TVIF

スッ






甲斐「初めてあの子達の役に立てたのではないのですか?」

P(甲斐……)

980: 矢橋P 26/01/15(木) 18:18:25 ID:TVIF

P(馬鹿にしやがって、何が初めてだ!)

P(……と言ってやりたいが、今までステージパフォーマンスは昴の経験と桃子の知識に頼りっぱなしだった)

P(今回のパフォーマンスは四人みんなで団結したおかげかもしれないな)
 

981: 矢橋P 26/01/15(木) 18:19:35 ID:TVIF

P「W・Dへのチャンスを与えて頂き、ありがとうございます」

甲斐「おや何のことでしょう?」


甲斐「それに浮かれている状況ではないですよ。しょせん、あなた達は補欠なのですから」

P「はは……」

甲斐「ブラスジョーカーズをはじめ、今日敗れたCランクのアイドルの為にも、Cランクの代表という自覚を持つことです」




スタスタスタ






P(ああ、わかっているさ!)



十五章   終わり

982: 矢橋P 26/01/15(木) 18:29:05 ID:TVIF
今回はブラスジョーカーズと真珠星との決着を着ける回でした


章タイトルは『正念場』でしたがこれはパワポケ11の『燃えて正念場』というBGMが元ネタです
パワポケ11でこのBGMが流れるのはサクセスの3年目の終盤、それまで今までのシリーズを振り返りつつシリーズ集大成……というようなシナリオ(魔人絡みは除く)から一転
今まで信じてきた常識が覆り、まさに物語が終焉に突き進んでゆく焦燥感溢れる曲だと思います。それをイメージしました

983: 矢橋P 26/01/15(木) 18:38:22 ID:TVIF

Cランクアイドル達を雑多に扱ってしまいました。みんなごめん
すべてに個人名を付けてあげれなかったよ…………。ユニット名には元ネタはちゃんとあります


最初に真珠星の同期は自身を含め、4ユニットいました
それがDランクからCランクに上がる時に3ユニットに
そして今回World・Destiny出場の時点で2ユニットになってしまいましたね。だんだんふるい落とされていくという


とまあ、こんなことほざいていますが彼女達の出番はこれで終わったわけではないですよ

984: 矢橋P 26/01/15(木) 18:57:44 ID:TVIF
最後にジオット・セヴェルスについて

今回で彼の過去を少しだけ掘り下げました。物語に影響がある話ではないしアイマスとも関係ないので入れるか迷いましたが……

自分はジオットのことは好きではありません。むしろ嫌い寄り
ですがジオットは他には見ない悪役です。外道だけど気さくではある
12のフリーターでしかない主人公にジョークを交えながら普通に話したりしますからね(そしてお金持ちなのに主人公に奢らせる)
その主人公からは『列に並んじゃった人』って称されるのですが、いったい何の列なのでしょうかねぇ

間違いなく人の上に立ってはいけないやべー人間なのですが、不思議なカリスマがある。そんな人です

985: 矢橋P 26/01/15(木) 19:03:49 ID:TVIF
1000レスも近いのでこれでこのスレはお終い。次のスレに行きます

いよいよWorld・Destiny開幕!………………の前にやることが
次の章もカロリー高いんだよなぁ……


ここまで見てくださった方がいらっしゃりましたらありがとうございます。どうか次のスレもよろしくお願いします
次のスレでこのシリーズも完結すると思いますので。次のスレを立てたらURLを貼ります
 

986: 矢橋P 26/01/15(木) 19:06:58 ID:TVIF

マーカス   ジオットの旧友

青い帽子を目が隠れるぐらいかぶり、一年中大きな青いコートを着る男

ジオットが小さな組織を旗揚げした時からの部下で今もジオットの側近を務めている、言われたことを黙々と実行するタイプ

当時の組織の部下は多数いたが、ある者はジオットを見限り、ある者はジオットから離れ、ある者は脱落する中で彼だけは変わらなかった

サイボーグでもなければ超能力者でもなく、特殊な才能があるわけでもない彼を側近に置いていることに疑問視する声がツナミグループ内でも上がっているが
ジオットは彼を"一流の人間"と称している   ●

引用元: P「燃えろ!アイドルリーグ!」