1: 名無しで叶える物語◆z7skLWv6★ 2026/02/07(土) 12:29:05 ID:???Sd
🍒ᶘイ^⇁^ナ川ノ イナと童貞は仲良しこよし~♪

ぴっぴさん「機嫌いいな」テクテク

ᶘイ^⇁^ナ川 6pチーズいっぱい買えましたからね!

ぴっぴさん「安売りしてたからな。袋いっぱいだぞ」ドッサリ

ᶘイ^⇁^ナ川 今日は6pチーズ祭りですね

ぴっぴさん「我慢しろ! ……って言いたいとこだけど」

ぴっぴさん「今日はこんなにあるんだし、たまにはいいか」

ᶘイ^⇁^ナ川ノ わーい!

ぴっぴさん「言っとくけど明日からはいつも通りだからなw」

ᶘイ^⇁^ナ川 分かってますってぇ

グニャーン

ぴっぴさん「ん?」

ぴっぴさん(あれ? なんか目の前が歪んで……)

3: 名無しで叶える物語◆z7skLWv6★ 2026/02/07(土) 12:31:47 ID:???Sd
─────

ぴっぴさん「……あれ?」

ぴっぴさん「どこだここ? 通路……?」

ぴっぴさん(さっきまで道歩いてた筈なのに……)

ぴっぴさん「イナ川?」

シーン

ぴっぴさん(イナ川もいない?)

ぴっぴさん「……」

ぴっぴさん「夢でも見てんのか……? 6pチーズ買ったのも夢? いやでも……ん?」

『異変を見つけたら引き返せ』

ぴっぴさん「なんだこの張り紙。異変?」

ぴっぴさん「まぁいいか……変な夢」テクテク

4: 名無しで叶える物語◆z7skLWv6★ 2026/02/07(土) 12:34:23 ID:???Sd
【0】

ぴっぴさん(0番通路、ってことか?)

ᶘイ^⇁^ナ川 テクテク

ぴっぴさん「お、イナ川。こんなとこにいたのか」

ᶘイ^⇁^ナ川 テクテク

ぴっぴさん「なんか言えよw心配したんだぞ?」

ᶘイ^⇁^ナ川 テクテク

ぴっぴさん「……?」

ぴっぴさん(通り過ぎて歩いて行きやがった。異変ってこれか……?)

ぴっぴさん(訳わかんねぇ……まぁ夢ってそんなもんか)テクテク

6: 名無しで叶える物語◆z7skLWv6★ 2026/02/07(土) 12:36:22 ID:???Sd
ぴっぴさん「……ありゃ?」

ぴっぴさん(通路の奥まで歩いていって、角を曲がったらまた同じような通路が目の前にあった)

ぴっぴさん「長い通路なんだなぁ。……ん?」

【1】

ぴっぴさん「1番通路か。さっき0だったもんな」

ぴっぴさん「まぁいいや。とりあえず先に……」

ᶘイ^⇁^ナ川 テクテク

ぴっぴさん(……またイナ川が歩いてやがる)

8: 名無しで叶える物語◆z7skLWv6★ 2026/02/07(土) 12:39:48 ID:???Sd
ぴっぴさん「お前さっきあっち歩いていかなかったか?」

ᶘイ^⇁^ナ川 ピタッ

ぴっぴさん(お、反応あった)

ᶘイ^⇁^ナ川 ぴっぴさん。こんなところにいたんだね

ぴっぴさん「え?」

ᶘイ^⇁^ナ川 さっさと家に帰ろうよ。この通路先に進んでさ

ぴっぴさん「お、おう……なんか話し方おかしくないか?」

ᶘイ^⇁^ナ川 そんなことないでしょ? さ、さ。早く進んでよ

ぴっぴさん「まぁいいけど……」テクテク

ぴっぴさん(通路を進んで角を曲がる)

ぴっぴさん「ところでイナ川、ここは一体……」クルッ

シーン

ぴっぴさん「ありゃ?」

9: 名無しで叶える物語◆z7skLWv6★ 2026/02/07(土) 12:43:48 ID:???Sd
ぴっぴさん「イナ川? どこ行った?」

ぴっぴさん(隣りに居た筈のイナ川がいなくなってる……走って逃げたにしては足音も聞こえなかったし)

ぴっぴさん(なんだ? やっぱり夢なのか? よく分かんねぇ……)

ガサッ

ぴっぴさん「ん? ……レジ袋?」

ぴっぴさん(6pチーズがいっぱい入ってる。私とイナ川が買ったやつだ)

ぴっぴさん「さっきのが1番だしここ2番通路だよな? なんで買い物袋がこんな遠くに……」チラッ

【0】

ぴっぴさん「はぁ!?」

ぴっぴさん「0番通路!? 1番通路歩いていってなんで0に戻るんだよ!?」

10: 名無しで叶える物語◆z7skLWv6★ 2026/02/07(土) 12:48:09 ID:???Sd
ぴっぴさん「意味が……」

『異変を見つけたら引き返すこと』

ぴっぴさん「……もしかして、さっきの口調のおかしなイナ川をスルーしたからか?」

ぴっぴさん(最初の黙って歩いてくるイナ川は異変じゃなかった。だから通り過ぎても問題なかった)

ぴっぴさん(次のイナ川は異変だった。だから通路が0に戻った)

ぴっぴさん「……って自分で言ってて意味分かんねぇ。璃奈の発明か?」

ぴっぴさん「あいつの作る機械たまに訳わかんねぇのあるからなぁ……」

从[´・֊・]从『出来た、虹ヶ咲を巨大迷宮にする機械』

ぴっぴさん「一週間虹ヶ咲から出られなかったんだよなあん時……」

ぴっぴさん(ま、いいや。夢か機械か分からないけど……法則はそんなとこだろ)

ぴっぴさん(一番奥に出口がある、ってパターンだろうしさっさと済ませるか)

11: 名無しで叶える物語◆z7skLWv6★ 2026/02/07(土) 12:52:02 ID:???Sd
ぴっぴさん「……」テクテク

ᶘイ^⇁^ナ川 テクテク

ぴっぴさん(これはスルーだな)テクテク

【1】

ぴっぴさん(で、問題は……)

ᶘイ^⇁^ナ川 やぁぴっぴさん。どこ行ってたんだい? 心配するじゃないか

ぴっぴさん(こいつだな。明らかに口調がおかしい……異変だ)

ぴっぴさん(つまり引き返す)クルッ

ᶘイ;⇁;ナ川 えっ、なんで無視するんだよぉ。寂しいじゃないかー寂しいじゃないかー

ぴっぴさん(無視無視)テクテク

ᶘイ;⇁;ナ川 構ってよー構ってよー! 独りぼっちはやだよー! イナジタバタ

ぴっぴさん「うぐ……そういう良心に訴えかけてくるのやめろよな」

ぴっぴさん(とはいえ無視しないと先に進めないからなぁ……そうだ)クルッ

ᶘイ^⇁^ナ川 おっ、遊んでくれるのかい?

ぴっぴさん「私は行かなきゃいけないけどさ、代わりにこれやるよ」スッ

ᶘイ^⇁^ナ川ノ わー! 6pチーズだー!

ᶘイ^~^ナ川 美味しいなぁ、美味しいなぁ! モグモグ

13: 名無しで叶える物語◆z7skLWv6★ 2026/02/07(土) 12:53:58 ID:???Sd
ぴっぴさん「じゃあな」テクテク

ᶘイ^⇁^ナ川 本当に美味しいなぁ……

ᶘイ^⇁^ナ川 飼い主さんに貰ったのと、おんなじ味だ

ぴっぴさん「えっ?」クルッ

ぴっぴさん(引き返して角を曲がる瞬間、イナ川のそんな声が聞こえた。けれど振り向いた時には、もうそこにイナ川はいなかった)

【2】

ぴっぴさん「……2番通路に進めたか」

16: 名無しで叶える物語◆z7skLWv6★ 2026/02/07(土) 12:57:29 ID:???Sd
ぴっぴさん「さて、この通路は……」

シーン

ぴっぴさん「……何にもない?」

ぴっぴさん(向こうからイナ川すら歩いてこない。何も異変はないのか?)テクテク

『野良イナ川が増えています。捨てるなら飼わない、飼えなくなったらイナ川保健所へ』
『野良イナ川による環境汚染が問題になっています』
『次回の野良イナ川の駆除日程は──』

ぴっぴさん「……嫌なポスター」

ぴっぴさん(とはいえこの通路には異変は無さそうな気がする)

ぴっぴさん(さっさと次に進むか……)テクテク

17: 名無しで叶える物語◆z7skLWv6★ 2026/02/07(土) 13:01:53 ID:???Sd
【3】

ぴっぴさん「よしよし、順調だな」

ぴっぴさん「この通路は……」

ᶘイ^⇁^シ川 テクテク

ぴっぴさん「イナ川か……今度はどんなイナ川だ?」

ᶘイ^⇁^シ川 あっ、ぴっぴさん。探しましたよー!

ぴっぴさん(……敬語。異変じゃないイナ川か?)

ぴっぴさん「ごめんごめん。ちょっと迷ってな」

ぴっぴさん「イナ川……だよな?」

ᶘイ^⇁^シ;川 何言ってんですか、変なぴっぴさん。私は私ですよ

ぴっぴさん「だよなぁ……」

ぴっぴさん(……ちょっと寝癖みたいになってるな。まさかこれも異変だなんて言い出さないだろうな)

18: 名無しで叶える物語◆z7skLWv6★ 2026/02/07(土) 13:06:42 ID:???Sd
ᶘイ^⇁^シ川 さー、行きましょ

ぴっぴさん「おう」テクテク

ぴっぴさん(3番も何もなし、か?)

ぴっぴさん「ここってなんなんだろうな?」テクテク

ᶘイ^⇁^シ川 というと?

ぴっぴさん「さっきから変な目にあってんだよ……イナ川は変だと思わないのか?」

ᶘイ^⇁^シ川 うーん、なんと言うんでしょうね。ここは……

ぴっぴさん(困ったようにイナ川は短い腕を組む)

ぴっぴさん「何を目的としてこんな通路作ったのかも分かんないしさ」

ぴっぴさん(言いながら通路を進み、角を曲がろうとした瞬間)

ᶘイ^⇁^シ川 ああ、それなら簡単ですよ

ᶘイ^⇁^シ川 幸せそうなあいつも、同じような目にあっちまえ。ってことやいね

ぴっぴさん「へ?」クルッ

ぴっぴさん(振り向いたそこにイナ川はおらず)

【0】

ぴっぴさん「……」

ぴっぴさん(0番通路の表示だけが煌々と光っていた)

19: 名無しで叶える物語◆z7skLWv6★ 2026/02/07(土) 13:13:34 ID:???Sd
ぴっぴさん「あれも異変だったか……」

ぴっぴさん(無心で歩き、先ほどと同じようにして)

【3】

ぴっぴさん「……」

ᶘイ^⇁^シ川 あ、ぴっぴさん。どーもどーも

ぴっぴさん「お前、イナ川じゃなかったのか?」

ᶘイ^⇁^シ川 私はイナ川ですよ?

ᶘイ^⇁^シ川 ほらほら、一緒に通路を進みましょーよ

ぴっぴさん「もう種は割れてる。やめとけよ」

ᶘイ^⇁^シ川 ……へんっ。つまんねー人ですね

ᶘイ^⇁^シ川 ならさっさと引き返しなさイナ。ここに用はないでしょう?

20: 名無しで叶える物語◆z7skLWv6★ 2026/02/07(土) 13:16:54 ID:???Sd
ぴっぴさん「さっきのってどういう意味だったんだ?」

ᶘイ^⇁^シ川 さっきの?

ぴっぴさん「幸せな、とかなんとか」

ᶘイ^⇁^シ川 ……さぁー。覚えてないですね

ᶘイ^⇁^シ川 さっさと行っちゃったらどうです?

ぴっぴさん「答えてくれたら6pチーズあげるけど?」

ᶘイ^⇁^シ川

ᶘイ^⇁^シ川 ……いらないです

ぴっぴさん「……」

ᶘイ^⇁^シ川 それは私と飼い主さんの絆です。飼い主さん以外からは6pチーズは貰いません

ぴっぴさん「そっか……」

ぴっぴさん(引き返しながら考える。口調のおかしいイナ川も言ってたんだよな)

ぴっぴさん(【飼い主さん】って……)

21: 名無しで叶える物語◆z7skLWv6★ 2026/02/07(土) 13:20:26 ID:???Sd
【4】

ぴっぴさん「……何番まであるんだ?」

ぴっぴさん(イナ川だけに17とか言われたら気が狂うぞ?)

ぴっぴさん「とにかく今は前に進むだけか」テクテク

ᶋ1˄↽˄ታ州

ぴっぴさん「お?」

ᶋ1˄↽˄ታ州 あっ、ぴっぴさんですよ! えーとえーと

ᶋ1˄↽˄ታ州 私はイナ川ちゃんですよ……?

ぴっぴさん「いや聞かれても……ってかこんなとこで何してんだ?」

ぴっぴさん「1ナ州、お前家でメカ川とPP3と留守番してただろ?」

ᶋ1˄↽˄;ታ州 あうう……やっぱりバレちゃいました

22: 名無しで叶える物語◆z7skLWv6★ 2026/02/07(土) 13:24:42 ID:???Sd
ぴっぴさん「見たいテレビあるとか言ってなかったか……?」

ᶋ1˄↽˄ታ州 えっと、えっと。とにかく通路一緒に行きません?

ぴっぴさん「やだよ……多分異変だろ、お前」

ᶋ1;↽;ታ州 ふえーん。アルバイト失敗ですよー

ぴっぴさん「アルバイト?」

ᶋ1˄↽˄ታ州 あっ、これ言っちゃ駄目なやつでした! 忘れてくださいね!

ぴっぴさん「ちょっと詳しく聞かせてみろよ」

ᶋ1˄↽˄;ታ州 んうー……



ぴっぴさん「つまり、なんだ? テレビを見たあとお昼寝をしたと?」

ᶋ1˄↽˄ታ州 はい。ベッドですやぴしました

ぴっぴさん「そしたら夢の中で『私を迷わせる』っていうアルバイトを持ちかけられて、了承したらここにいたと」

ᶋ1˄↽˄ታ州 そのとーりですよ。6pチーズが貰えるんです

24: 名無しで叶える物語◆z7skLWv6★ 2026/02/07(土) 13:27:39 ID:???Sd
ぴっぴさん「お前なぁ……」

ᶋ1˄↽˄ታ州 迷ってくれませんかねー?

ぴっぴさん「やだよ。結構歩くんだぞこれ」

ᶋ1;↽;ታ州 ふにゃー

ぴっぴさん「ほら、代わりにこれ!」スッ

ᶋ1˄↽˄ታ州 あっ、6pチーズ!

ぴっぴさん「これやるからアルバイトは諦めろ。帰ったら6pチーズパーティーやるからさ、今はこれで我慢な」

ᶋ1˄~˄ታ州 はーい! ありがとうございますー!

ぴっぴさん(……しっかし、訳わかんなくなってきたな)テクテク

ぴっぴさん(夢の中でアルバイトを依頼されて、気付いたらここにいた? ってことはこれ、やっぱり夢なのか?)

ぴっぴさん(最後まで行きゃ分かるか……)テクテク

26: 名無しで叶える物語◆z7skLWv6★ 2026/02/07(土) 13:33:16 ID:???Sd
【5】

ᶘイ;⇁;ナ川 寂しいですー寂しいですー

ぴっぴさん「イナ川?」

ぴっぴさん(通路を曲がるとすぐそこでイナ川が泣いていた。いつから泣いていたのか、顔も腕も涙でびちょびょだ)

ᶘイ^⇁^ナ川 あっ!

ぴっぴさん(声をかけると私に気付いたのか叫んで、嬉しそうにパァッと顔を綻ばせる)

ᶘイ^⇁^ナ川 よかった! 寂しかったですー! 寂しかったですよー! ヨチヨチ

ぴっぴさん(泣き疲れたのか、歩き初めの幼児のようにヨチヨチと歩いてイナ川が近付いてくる)

ぴっぴさん「はいはい、ごめんな」ギュッ

ᶘイ;⇁;ナ川 ずっと側にいてくださいー! ギュッとしてくださいー! ギュッ

ぴっぴさん「分かってるよ。ずっと一緒に決まってるだろ。……じゃ、行くか」スッ

ᶘイ^⇁^;ナ川 ま、待ってください!

28: 名無しで叶える物語◆z7skLWv6★ 2026/02/07(土) 13:35:40 ID:???Sd
ぴっぴさん「ん?」

ᶘイ^⇁^;ナ川 ヨチヨチ

ぴっぴさん「ひょっとして足、怪我してるのか……?」

ᶘイ^⇁^;ナ川 あ、いえ……その……

ᶘイ^⇁^ナ川 もう通路歩くのやめませんか?

ぴっぴさん「はぁ?」

ᶘイ^⇁^ナ川 ここで一緒にのんびりしましょー?

ぴっぴさん「いやでも、飯もないし水分も……」

ᶘイ^⇁^;ナ川 じゃ、じゃあ休憩! ほら休憩しましょ?

ᶘイ^⇁^;ナ川 ぴっぴさん歩いてきて疲れましたよね? 一緒に休憩しましょーよ!

ぴっぴさん「いや、でも……」

ᶘイ^⇁^;ナ川 うう…… ヨチヨチ

29: 名無しで叶える物語◆z7skLWv6★ 2026/02/07(土) 13:40:22 ID:???Sd
ぴっぴさん「お前本当に大丈夫か? ちょっと足見せてみろよ」

ᶘイ^⇁^;ナ川 あっ、辞め──

ぴっぴさん「……っ!」

ぴっぴさん(無理やり靴と靴下を脱がせて、手が止まった)

ぴっぴさん(そこには生まれつきのものだろうか、湾曲して歪んだ足があった)

ぴっぴさん「お前……これ……」

ᶘイ;⇁;ナ川 見ないでください! 見ないでくださいー!!

ぴっぴさん(異変だ。即座にそう思った)

ぴっぴさん(私の飼っているイナ川はこんな風に足が曲がっていない。きっと足がおかしいというのが今回の異変なんだろう)

ぴっぴさん「……戻るか」スッ

ᶘイ;⇁;ナ川 あっ……や、やです! 待ってください!

ᶘイ;⇁;ナ川 置いてかないでください! 私をかわいがってください!!

30: 名無しで叶える物語◆z7skLWv6★ 2026/02/07(土) 13:47:55 ID:???Sd
ぴっぴさん「でも、戻らないと先に……」

ᶘイ;⇁;ナ川 なんで……私もイナ川なのに……

ぴっぴさん「……」

ᶘイ;⇁;ナ川 私、かわいいですよね……? イナ川は皆から愛される為に生まれてくるんですよね……?

ぴっぴさん「……っ」グッ

ᶘイ^⇁^ナ川 私……『こんな変なの、いらない』じゃないですよね……?

ぴっぴさん「お前、まさか……」

ᶘイ;⇁;ナ川 お願いです! 私と一緒にいてください! 寂しいんです! 寂しいんですー!

ぴっぴさん(突然視界が歪んだ)

ぴっぴさん(どこかの家の部屋だろうか。親イナが子供を産んでいるのを、その家の家族が見守っている)

ぴっぴさん(小さな女の子が、産まれたばかりのイナベビをかわいいかわいいとニコニコした顔で眺めている)

ぴっぴさん(瞬間、表情が変わった。最後に生まれたイナベビは足が潰れたように歪み、湾曲していた。それを見て少女は)

ぴっぴさん(こんな変なの、いらない。そう言うと、それをひょいと拾い上げて)

ぴっぴさん(窓を開けると、目も開かないその子をまだ雪の残る庭へ──)

ぴっぴさん「っう!?」ビリッ

ぴっぴさん「なん、だ今の……!?」

ぴっぴさん(気付けばまたあの通路に戻っていた。足元ではヨチヨチと歩くイナ川が私の足に縋りついている)

31: 名無しで叶える物語◆U5AKqBFq★ 2026/02/07(土) 13:50:01 ID:???MM
悲しい

32: 名無しで叶える物語◆z7skLWv6★ 2026/02/07(土) 13:53:18 ID:???Sd
ᶘイ;⇁;ナ川 独りぼっちはやです……もうやなんです……

ᶘイ;⇁;ナ川 お願いです……私と一緒に……

ぴっぴさん「イナ川……」

ぴっぴさん「ごめん……先に、進まなきゃいけないんだ」

ぴっぴさん「ここから出られないと、私の飼ってるイナ川が寂しがるんだよ」

ᶘイ^⇁^ナ川 やっぱり……私、いらない子です

ᶘイ^⇁^ナ川 ……わがまま言ってごめんなさい。本当にごめんなさい……気持ち悪い変な子なのに、わがまま言ってごめんなさい…… ヨチヨチ

ぴっぴさん(そう言って座り込むイナ川に、私は袋から取り出した6pチーズを差し出した)

ぴっぴさん「これ、食べるか……?」

ᶘイ^⇁^ナ川 これ、なんですか……?

ぴっぴさん「6pチーズだよ。美味しいんだぞ」

34: 名無しで叶える物語◆z7skLWv6★ 2026/02/07(土) 13:56:23 ID:???Sd
ᶘイ^⇁^ナ川 6pチーズ……?

ハムッ

ᶘイ;~;ナ川 お、美味しいですーっ! こんな美味しいの、初めてですーっ!

ぴっぴさん「そっか……ごめんな」ナデナデ

ぴっぴさん「お前のそばにいてやれなくてごめんなぁ……」ポロポロ

ᶘイ^⇁^ナ川 えへへぇ……撫でられたのも、こんな美味しいの食べるのも初めてですー

ぴっぴさん「……私、もう行くよ」

ᶘイ^⇁^ナ川 はい……

ᶘイ;⇁;ナ川 ……はい

ぴっぴさん(通路を歩く。後ろからすすり泣く声がずっと聞こえていた)

ᶘイ;⇁;ナ川 愛されたかったなぁ

ぴっぴさん(か細い、そんな声を……私は無視することしか出来なかった)

35: 名無しで叶える物語◆z7skLWv6★ 2026/02/07(土) 14:00:56 ID:???Sd
【6】

ᶘイ^⇁♯ナ川 ぴっぴさん、こんにちは

ぴっぴさん「……おう」

ᶘイ^⇁♯ナ川 私、ぴっぴさんが来るのずっと待ってたんですよ

ᶘイ^⇁♯ナ川 他のみんなもそうです。ずっと、ずっと待ってたんです

ᶘイ^⇁♯ナ川 一緒に行きましょ?

ぴっぴさん「……でも」

ぴっぴさん「お前、その目は……?」

ᶘイ^⇁♯ナ川 ……

ᶘイ^⇁♯ナ川 そんなの関係ないじゃないですか。ね、行きましょ

ᶘイ^⇁♯ナ川 私はイナ川ですよ。今までと何も変わらない

ᶘイ^⇁♯ナ川 ね、私でもいいじゃないですか。あなたは優しい人でしょう?

ぴっぴさん「イナ川……」

ぴっぴさん(本当は聞かなくても分かっていた)

ぴっぴさん(焼けて潰れた左目。……タバコ跡のある顔の左半分)

37: 名無しで叶える物語◆z7skLWv6★ 2026/02/07(土) 14:06:27 ID:???Sd
ᶘイ^⇁♯ナ川 ……駄目ですか?

ぴっぴさん「……」

ᶘイ;⇁♯ナ川 ……そんなのずるいじゃないですか

ᶘイ;⇁♯ナ川 同じイナ川なのに、なんであいつは楽しそうにしてて私は……

ᶘイ;⇁♯ナ川 わた、しは……殴られて、はっ、灰皿だって言われて……

ぴっぴさん「……ごめん」

ᶘイ;⇁♯ナ川 なんでぇっ……!

ぴっぴさん「……」

ぴっぴさん(飼いイナへの虐待。野良イナ川が増え始めた頃、巷で噂になっていたのを聞いたことがある)

ぴっぴさん(だけどこうして……目の前で被虐イナを見たことなんてなかった。考えようともしなかった)

ぴっぴさん(自分は虐待なんてしない。だから……今、虐待されているイナ川達のことを考えようともしなかった)

ぴっぴさん「ごめん……!」

ぴっぴさん(耐えきれず、お詫びにもならない6pチーズを目の潰れたイナの目の前に置いて走って引き返す)

ᶘイ;⇁♯ナ川 待ってください! 待ってくださいー!

38: 名無しで叶える物語◆z7skLWv6★ 2026/02/07(土) 14:10:26 ID:???Sd
ᶘイ;⇁♯ナ川 お願いですー! 私を飼ってください!

ᶘイ;⇁♯ナ川 お願いですから……私のことを……

ᶘイ;⇁♯ナ川 愛して……

ぴっぴさん(耳を塞ぐ。イナ川の声が遠く離れていく。絶望に心が塗りつぶされていくような気分だった)

ぴっぴさん「はぁ、はぁ……」

【7】

ぴっぴさん「……」

ぴっぴさん(こんなのがあといくつあるんだ?)

ぴっぴさん「……くそっ。イナ川……」

ᶘイ^⇁^ナ川 呼びました?   

ぴっぴさん「!? い、イナ川か!?」

40: 名無しで叶える物語◆z7skLWv6★ 2026/02/07(土) 14:13:50 ID:???Sd
ᶘイ^⇁^ナ川 イナ川はイナ川ですけどね。あなたの探してるイナ川とはまた別イナですよ

ぴっぴさん「……また異変ってことか?」

ᶘイ^⇁^ナ川 まぁ異変は異変……ですけど。ここは普通に素通りしていってもらって構いません

ᶘイ^⇁^ナ川 真っ直ぐ行けば最後の通路、【8】に出ますよ。その先が出口です

ぴっぴさん「そうか……」

ぴっぴさん「……お前は飼ってくれ、とか言わないんだな?」

ᶘイ^⇁^ナ川 言いませんよ、そんなこと

ぴっぴさん「……」

ぴっぴさん「お前、本当にイナ川か?」

ᶘイ^⇁^ナ川 イナ川ですよ。この姿を見て分かりませんか?

41: 名無しで叶える物語◆z7skLWv6★ 2026/02/07(土) 14:17:06 ID:???Sd
ぴっぴさん「それにしてはなんか……雰囲気が」

ᶘイ^⇁^ナ川 そうですね。同種の中では理知的な方だと思いますよ

ᶘイ^⇁^ナ川 とはいえ人族には敵いやしませんが

ぴっぴさん「ここは一体何だったんだ?」

ᶘイ^⇁^ナ川 というと?

ぴっぴさん「異変……1ナ州はともかく、今まで会ってきた異変イナ川達は」

ぴっぴさん「皆、普通のイナ川と違っていた。お前も含めてだ」

ᶘイ^⇁^ナ川 1ナ州さんも似たようなものでしょう。偽物と呼ばれ迫害された歴史を知りませんか?

ぴっぴさん「迫害……」

ᶘイ^⇁^ナ川 ここにいるのはですね

ᶘイ^⇁^ナ川 人間に迫害され、命を落としたイナ川ですよ

43: 名無しで叶える物語◆z7skLWv6★ 2026/02/07(土) 14:21:45 ID:???Sd
ぴっぴさん「……命を」

ᶘイ^⇁^ナ川 口調が違うというだけで餌を貰えず

ᶘイ^⇁^ナ川 髪型が直らないからと見放され

ᶘイ^⇁^ナ川 偽物だからと愛されず

ᶘイ^⇁^ナ川 足がおかしいと窓から捨てられ

ᶘイ^⇁^ナ川 最後にあなたがあったあの子もそうですよ。今は潰れていますが……色が違ったんですよ、瞳のね

ᶘイ^⇁^ナ川 飼い主はそれが気持ち悪いと言って

ぴっぴさん「……タバコの火を押し付けた」

ᶘイ^⇁^ナ川 そうですよ。私もそうです

ᶘイ^⇁^ナ川 自分の子供よりも頭がいいのが気に入らない。子供が生まれた辺りから愛が無くなっていっていたのは気づいていましたが……そんな理由で捨てられるとは思っても見ませんでした

ぴっぴさん「……」

ᶘイ^⇁^ナ川 捨てられたイナ川ってどうなるか知ってます?

45: 名無しで叶える物語◆z7skLWv6★ 2026/02/07(土) 14:26:47 ID:???Sd
ᶘイ^⇁^ナ川 大抵のものは餓死します

ᶘイ^⇁^ナ川 舌が肥えちゃってるんで生ゴミなんか漁れませんもん。苦しいんですよ、お腹が減るって

ᶘイ^⇁^ナ川 車だって危ないですし、野生動物は怖いです

ᶘイ^⇁^ナ川 夏は暑くて冬は寒いです。ボロボロになっても誰も助けちゃくれません

ぴっぴさん「……」

ᶘイ^⇁^ナ川 そんな皆の……恨みで出来たのがこの場所です

ぴっぴさん「恨み……」

ᶘイ^⇁^ナ川 幸せそうなイナ川を見るとね

ᶘイ^⇁^ナ川 腹が立つんですよ。あぁ、なんで私はこんなに苦しいのにこいつは平和に生きてるんだろうって

憎くて苦しくて辛くて悲しくて
仕方なくなるんですよ

ᶘイ^⇁^ナ川 だから……成り代わろうとするんです

ᶘイ^⇁^ナ川 あなたが飼っていたイナ川と成り代わって幸せになろうとするんです

ぴっぴさん「……」

46: 名無しで叶える物語◆z7skLWv6★ 2026/02/07(土) 14:28:36 ID:???Sd
ᶘイ^⇁^ナ川 あ、私は違いますよ?

ᶘイ^⇁^ナ川 もう人間なんかに飼われるのは真っ平ごめんです。どれだけ可愛がってくれてもいつ豹変するか分かりません

ᶘイ^⇁^ナ川 あなた方は生まれつき邪悪でクズなんですよ

ぴっぴさん「……そうかもな」

ᶘイ^⇁^ナ川 ……ふん

ᶘイ^⇁^ナ川 先に進んでください。そこに……あなたの飼っているイナ川がいますよ

ぴっぴさん「あぁ……」テクテク

47: 名無しで叶える物語◆z7skLWv6★ 2026/02/07(土) 14:31:35 ID:???Sd
【8】

ぴっぴさん(通路を曲がった先はホールのような少し広い空間になっていた)

ぴっぴさん(奥には黒い扉がある。あれが出口なのだろう)

ぴっぴさん(そして──)

ᶘイ^⇁^ナ川ᶘイ^⇁^ナ川ᶘイ^⇁^ナ川ᶘイ^⇁^ナ川
ᶘイ^⇁^ナ川ᶘイ^⇁^ナ川ᶘイ^⇁^ナ川ᶘイ^⇁^ナ川

ぴっぴさん(目の前には、8人のイナ川がいた)

ᶘイ^⇁^ナ川ᶘイ^⇁^ナ川ᶘイ^⇁^ナ川ᶘイ^⇁^ナ川
ᶘイ^⇁^ナ川ᶘイ^⇁^ナ川ᶘイ^⇁^ナ川ᶘイ^⇁^ナ川
 あっ、ぴっぴさん! 何してたんですか!

ᶘイ^⇁^ナ川ᶘイ^⇁^ナ川ᶘイ^⇁^ナ川ᶘイ^⇁^ナ川
ᶘイ^⇁^ナ川ᶘイ^⇁^ナ川ᶘイ^⇁^ナ川ᶘイ^⇁^ナ川
 寂しかったんですよー!

ぴっぴさん「な、え……?」

『あなたの飼っているイナ川を見つけ出して、一緒に出口から出てください』

『間違えたら、あなたの飼いイナは一生ここから出られません』

ぴっぴさん「ええーっ!?」

48: 名無しで叶える物語◆z7skLWv6★ 2026/02/07(土) 14:34:56 ID:???Sd
ぴっぴさん「い、イナ川?」

ᶘイ^⇁^ナ川ᶘイ^⇁^ナ川ᶘイ^⇁^ナ川ᶘイ^⇁^ナ川
ᶘイ^⇁^ナ川ᶘイ^⇁^ナ川ᶘイ^⇁^ナ川ᶘイ^⇁^ナ川
  はい、どうしました?

ᶘイ^⇁^;ナ川ᶘイ^⇁^;ナ川ᶘイ^⇁^;ナ川ᶘイ^⇁^;ナ川
ᶘイ^⇁^;ナ川ᶘイ^⇁^;ナ川ᶘイ^⇁^;ナ川ᶘイ^⇁^;ナ川
 真似するのやめてくださいよー

ぴっぴさん(……駄目だ、見た目は全く一緒だ)

ぴっぴさん(喋り方も、クセもほとんど同じように見える)

ぴっぴさん(愛があれば飼いイナと別イナを間違えないって言うが……無理だろこりゃ)

ᶘイ^⇁^ナ川ᶘイ^⇁^ナ川ᶘイ^⇁^ナ川ᶘイ^⇁^ナ川
ᶘイ^⇁^ナ川ᶘイ^⇁^ナ川ᶘイ^⇁^ナ川ᶘイ^⇁^ナ川
 早く帰りましょうよ、ぴっぴさん

ぴっぴさん「あぁ……」

ぴっぴさん(でもどうしたら……)

49: 名無しで叶える物語◆z7skLWv6★ 2026/02/07(土) 14:38:32 ID:???Sd
ぴっぴさん(当てずっぽう? それで本物が見つからなかったら……)

ガサッ

ぴっぴさん(……ん?)

ぴっぴさん(6pチーズ……)

ぴっぴさん「なぁお前ら、ギューッてしてくれないか?」

ᶘイ^⇁^ナ川ᶘイ^⇁^ナ川ᶘイ^⇁^ナ川ᶘイ^⇁^ナ川
ᶘイ^⇁^ナ川ᶘイ^⇁^ナ川ᶘイ^⇁^ナ川ᶘイ^⇁^ナ川
 んもぅ、甘えん坊さんですねぇ

ぴっぴさん(ててて、とイナ川達が走ってくる。それを見ながら)

ぴっぴさん(私は、袋に手を入れ6pチーズをポイッとばらまいた)

ぴっぴさん「6pチーズ祭りだぞ!」

ギューッ!

50: 名無しで叶える物語◆z7skLWv6★ 2026/02/07(土) 14:41:35 ID:???Sd
ぴっぴさん「……」

ぴっぴさん「……6pチーズに目もくれず、抱きしめてくれたんだな」

ぴっぴさん「ありがとうな、イナ川」

ぴっぴさん(言いながら私は頭を撫でる)

ぴっぴさん(私を抱きしめる──七人のイナ川を)

ぴっぴさん「ごめん、あれが私の飼いイナだわ」

ぴっぴさん(そして指を指す)

ᶘイ^~^ナ川 うまイナ~うまイナ~ モッチャモッチャ

ぴっぴさん(私に目もくれず、地面に散らばった6pチーズに直行して貪り食っているイナ川を)

ᶘイ^⇁^;ナ川ᶘイ^⇁^;ナ川ᶘイ^⇁^;ナ川ᶘイ^⇁^;ナ川
ᶘイ^⇁^;ナ川ᶘイ^⇁^;ナ川ᶘイ^⇁^;ナ川
     えぇーっ!?

ぴっぴさん「お前なぁ……」

ᶘイ^⇁^ナ川 いや、あの量の6pチーズ見ながら帰るまで我慢してたんですよ? 無理でしょ

51: 名無しで叶える物語◆U5AKqBFq★ 2026/02/07(土) 14:43:01 ID:???MM
イナちゃんさぁ…

52: 名無しで叶える物語◆z7skLWv6★ 2026/02/07(土) 14:48:03 ID:???Sd
ᶘイ^⇁^ナ川ᶘイ^⇁^ナ川ᶘイ^⇁^ナ川ᶘイ^⇁^ナ川
ᶘイ^⇁^ナ川ᶘイ^⇁^ナ川ᶘイ^⇁^ナ川
   そ、そんなぁ……

ドロンっ、と七人のイナ川から煙が上がる。

ᶘイ^⇁^ナ川

口の訊けないイナ川がいた。

ᶘイ;⇁;ナ川 完璧な演技だったのになー

口調のおかしいイナ川がいた。

ᶘイ^⇁^シ川 失敗したやいね

髪型のおかしい……いやこいつよく見たら口調もおかしくないか?

ᶋ1˄↽˄ታ州 イナ川さん、食いしん坊すぎですよ!

偽物のイナ川がいた。

ᶘイ;⇁;ナ川 やですー飼われたいですー ヨチヨチ

足がおかしいイナ川がいた。

ᶘイ^⇁♯ナ川 ……結局こういう運命なわけですか

目の潰れた火傷まみれのイナ川がいた。

ᶘイ^⇁^ナ川 ……まさかこんな方法で見破られるとは思いませんでしたよ

頭のいいイナ川がいた。

選ばれなかったイナ川達が、そこにいた。

53: 名無しで叶える物語◆z7skLWv6★ 2026/02/07(土) 14:50:46 ID:???Sd
ᶘイ^⇁^ナ川 ぴっぴさん……

ぴっぴさん「ああ……ほら、1ナ州も」

ᶋ1˄↽˄ታ州 私も出口入っていいんですかね?

ᶘイ^⇁♯ナ川 むしろ入らないと帰れませんよ、これ

ᶋ1˄↽˄;ታ州 危険なアルバイトでしたぁ……

ギィィッ

ぴっぴさん「……」

ᶘイ^⇁^ナ川 ……変な夢でしたねぇ

ぴっぴさん「あぁ……」

ぴっぴさん(振り向く。6人のイナ川がそこにいる)

ぴっぴさん(選ばれなかったイナ川達が)

ぴっぴさん(徐々に、徐々に出口のドアが閉まっていく)

ぴっぴさん(すすり泣く声が聞こえて。そして)

54: 名無しで叶える物語◆z7skLWv6★ 2026/02/07(土) 14:51:38 ID:???Sd
ガシッ

ぴっぴさん「お前ら! 閉まる前に早くこっちこい!」

56: 名無しで叶える物語◆z7skLWv6★ 2026/02/07(土) 14:55:13 ID:???Sd
─────

ぴっぴさん「……!」ビクッ

ᶘイ^⇁^ナ川 ぴっぴさん?

ぴっぴさん「……あ、いや。寝てたっぽい」

ᶘイ^⇁^;ナ川 歩きながら寝ないでくださいよ。んもー

ぴっぴさん(変な夢を見てた気がする。長い長い通路を歩き続ける夢だ)

ぴっぴさん(そこで……何があったんだっけ? 覚えてない)

ᶘイ^⇁^ナ川 ボーッ

ᶘイ^⇁^ナ川ᶘイ^⇁^;ナ川 あっ、そっちいっちゃ駄目ですよ。んもぅ、ボーッとしてるんですから

ᶘイ^⇁^ナ川 やれやれ。耳聞こえないってのは厄介なもんだよねぇ、私が手ぇ繋いどくことにするよ

ᶘイ^⇁^ナ川 頼みますね

57: 名無しで叶える物語◆z7skLWv6★ 2026/02/07(土) 15:04:24 ID:???Sd
ᶘイ^⇁^シ川 私は逆の手掴んどくやいね

ᶘイ;⇁;ナ川 待ってくださいー! 早いですー! ヨチヨチ

ぴっぴさん「はいはい、おぶってやるから」

ᶘイ^⇁♯ナ川 あっ、ずるいですー! わたしもおぶってくださいね!

ぴっぴさん「はいはい、二人は無理だから抱っこしてやるよ」

ぴっぴさん(色々あって家族が増えたもんだ、と何だかジンと来る)

ᶘイ^⇁^ナ川 ボーッ

ぴっぴさん(耳が聞こえず口も訊けないイナ川は、親イナに捨てられ公園で子供にいじめられているのを助けてからの縁だ)

ᶘイ^⇁^ナ川 ほらほら、ボーッとしてると危ないよ?

ぴっぴさん(口調の変わったイナ川は、ちゃんとしたイナ川を飼うからと川に捨てられているところを拾った)

ᶘイ^⇁^シ川 信号あるから気をつけるやいね

ぴっぴさん(髪型のおかしいイナ川は近所の人が保健所に連れて行こうとしたのを譲り受ける形で家族になった)

ᶘイ^⇁^ナ川 おんぶ暖かいですー プラプラ

ぴっぴさん(足の悪いイナ川は雪の上で泣いているのをたまたま発見し、そこの家族に事情を聞いて引き取らせてもらった)

ᶘイ^⇁♯ナ川 歩かなくていいと楽ちんちんですねぇ

ぴっぴさん(片目のイナ川はゴミ袋に捨てられ燃えるゴミで出されていたのをたまたま見つけたのだ。虐待した犯人は既に刑務所の中だ)

ぴっぴさん(……なんとも変わり種ばかり飼ってるなぁ、私。かわいいからいいけど)

59: 名無しで叶える物語◆z7skLWv6★ 2026/02/07(土) 15:09:48 ID:???Sd
ᶘイ^⇁^ナ川 ……ぴっぴさん

ぴっぴさん「おう、どした?」

ぴっぴさん(そんな多頭飼いを助けてくれてるのが、このイナ川だ。なんと言っても頭がいい)

ぴっぴさん(ひょっとしたら人間よりも頭がいいんじゃないかと思うことすらある。こいつは……あれ、どこで出会ったんだっけ?)

ᶘイ^⇁^ナ川 本当に何も覚えていないのですか?

ぴっぴさん「何がだ?」

ᶘイ^⇁^ナ川 ……そうですか。ま、どっちでもいいですけれど

ぴっぴさん『確かに人間は馬鹿かもしれないし、邪悪かもしれないけど!』

ぴっぴさん『私はお前らを見捨てない! 絶対に捨てたりしないし裏切ったりしない! だから……』

ぴっぴさん『私を信じて、さっさとこっちに来やがれ!!』

ᶘイ^⇁^ナ川 信じさせてくださいね

ぴっぴさん「? 分かった……えっ、なにが?」

ᶘイ^⇁^ナ川 なんでもありませんよ、ふふっ

ぴっぴさん「変なやつ」

62: 名無しで叶える物語◆z7skLWv6★ 2026/02/07(土) 15:18:17 ID:???Sd
prrr

ぴっぴさん「はい?」

ᶋ1˄↽˄ታ州『あっ、ぴっぴさん。今どの辺ですかー?』

ぴっぴさん「もうちょいで帰るよ。今日は6pチーズパーティーだぞー?」

ᶋ1˄↽˄ታ州『ふへへぇ。待ってますよー!』

プツッ

ᶘイ^⇁^ナ川 6pチーズパーティー楽しみですー!   

ぴっぴさん「おう、いっぱい食べて……ありゃ? 袋が軽い?」スッ

ᶘイ^⇁^ナ川 あぁ、ぴっぴさん。賢イナとして早速提案を一つさせていただきましょう

ᶘイ^⇁^ナ川 ばらまいた6pチーズを買い直しに行った方がよろしいかと

ぴっぴさん「あれ? あれ!? 一つもない!?」

ᶘイ^⇁♯ナ川 えーっ!?

ᶘイ;⇁;ナ川 楽しみにしてたのに…… プラプラ

ぴっぴさん「くそっ、どこかに落としたのか!? 買い直しだ買い直しー!!」

終わり

63: 名無しで叶える物語◆AMqiLZ4v★ 2026/02/07(土) 15:22:36 ID:???MM
良かったよお~😭

64: 名無しで叶える物語◆z7skLWv6★ 2026/02/07(土) 15:35:13 ID:???Sd
ᶘイ^⇁^ナ川ᶘイ^⇁^ナ川 只今戻りましたよ、ぴっぴさん

ぴっぴさん「おーう賢イナと口イナ、図書館か?」

ᶘイ^⇁^ナ川 えぇ。口イナさんには絵本を、私はアドラー心理学に最近ハマってましてね。この構造をイナ川達の啓発に使えないかと

ぴっぴさん「よく分かんないけど頑張れよ」

ᶋ1˄↽˄ታ州 ひひーん! 1ナ州号ですよー! ぱからっぱからっ

ᶘイ^⇁^ナ川 早いですー早いですー プラプラ

ぴっぴさん「こら、お馬さんごっこはもっと広い部屋でやれって」

ᶋ1˄↽˄ታ州ᶘイ^⇁^ナ川 はーい!

ᶘイ^⇁^;ナ川 そ、それでナンパの極意とは?

ᶘイ^⇁^シ川 ドキドキやいね……

ᶘイ^⇁^ナ川 簡単なことさ。ミイちゃん、一緒にラーメンを食べに行かないかい? これでバッチリ……ふふっ、ロマンスだね

ᶘイ^⇁^*ナ川ᶘイ^⇁^シ*川 きゃーっ!

ぴっぴさん「なんの話してんだあいつら……」

ᶘイ^⇁♯ナ川 ええと、これをこうして…… ポンポン

PP3「ソウソウ、ファンデーションが重要ダ」

ᶘメº⇁ºカ川 オ化粧バッチリデス。カワイクナリマシタヨ

ᶘイ^⇁♯ナ川 照れますねぇ……

ぴっぴさん「もう少し金貯まったらすぐに手術受けさせるからな、待っててくれよ」

ᶘイ^⇁♯ナ川 無理はしないでくださいね💚

65: 名無しで叶える物語◆z7skLWv6★ 2026/02/07(土) 15:41:19 ID:???Sd
ᶘイ^⇁^ナ川ᶘイ^⇁^ナ川ᶘイ^⇁^シ川ᶋ1˄↽˄ታ州
ᶘイ^⇁^ナ川ᶘイ^⇁♯ナ川ᶘイ^⇁^ナ川ᶘイ^⇁^ナ川
ミイさーん! 見抜きさせて下さーい!

jΣミイ˶^ ᴗ^˶リ ミミイミイ

ᶘイ^⇁^;ナ川ᶘイ^⇁^;ナ川ᶘイ^⇁^;シ川ᶋ1˄↽˄ታ;州
ᶘイ^⇁^;ナ川ᶘイ^⇁♯;ナ川ᶘイ^⇁^;ナ川ᶘイ^⇁^;ナ川
       イナッイシッ1ナッ

ᶘイ゜⇁゜ナ川ᶘイ゜⇁゜ナ川ᶘイ゜⇁゜シ川ᶋ1゜↽゜ታ州
ᶘイ゜⇁゜ナ川ᶘイ゜⇁♯ナ川ᶘイ゜⇁゜ナ川ᶘイ゜⇁゜ナ川
    うっ!!! イナイシ1ナドピュッ

jΣミイ˶^ ᴗ^˶リ←8倍誇らしい

💴ᶘイ^⇁^ナ川💴ᶘイ^⇁^ナ川💴ᶘイ^⇁^シ川💴ᶋ1˄↽˄ታ州
💴ᶘイ^⇁^ナ川💴ᶘイ^⇁♯ナ川💴ᶘイ^⇁^ナ川💴ᶘイ^⇁^ナ川
 ふぅ……見抜き代です。ありがとうございます

jΣミイ˶º ᴗº˶リ ミイヤァミイヤァミッミッミッ


ぴっぴさん「な、なんか前よりも家計が厳しくなったような……?」

PP3「気ノセイダロ」

66: 名無しで叶える物語◆U5AKqBFq★ 2026/02/07(土) 15:42:31 ID:???MM
よかった😭
👏ᶘイ^⇁^ナ川 パロディネタからこんな感動作品に昇華するなんて流石ですねぇ

67: 名無しで叶える物語◆z7skLWv6★ 2026/02/07(土) 15:47:53 ID:???Sd
ᶘイ-⇁-ナ川ᶘイ-⇁-ナ川ᶘイ-⇁-シ川ᶋ1-↽-ታ州
ᶘイ-⇁-ナ川ᶘイ-⇁♯ナ川ᶘイ-⇁-ナ川ᶘイ-⇁-ナ川
   すやぴー すやぴーzzz

ぴっぴさん「ふぅ、やっと寝たか」

PP3「毎日大変ダナ」

ᶘメº⇁ºカ川 オ疲レ様デシタ

ぴっぴさん「あたた……遊んでるだけで身体が痛いわ。やっぱ八人は多いなぁ」

PP3「飼ウ数ヲ減ラスベキジャナイカ?」

ぴっぴさん「あー無い無いそれは無い。家族を減らす馬鹿がどこにいんだよ」

ᶘメº⇁ºカ川 ……私、ソウイウトコ好キデスヨ

ぴっぴさん「おーwメカ川はかわいいねぇ。今度交換するオイルちょっと良いやつにしてやる」

PP3「ズルイゾ!」

ぴっぴさん「はいはい、PP3もな」

イナぴファミリーは朝から晩まで大忙し。
明日も明後日もそのまた次も、賑やかな声は絶えません。
きっと、ずっと。

終わり

引用元: ぴっぴさん「イナ番出口?」