曜「善子ちゃんをくすぐり続けたら失禁した」 その1

301: 名無しで叶える物語 2017/12/30(土) 12:28:48.45 ID:8tm0zV6j.net
曜「うん! こんなものかな!」

善子「ええ」

曜「あっ、今のは」

善子「黙ってなさい」

曜「道具も片付けたし行こう」

善子「ええ。これだけ綺麗になれば文句言われないわよ」

曜「じゃあ手を繋いで……」スッ

善子「え? うん……」スッ

ギュッ

曜「えへへ。善子ちゃんと恋人繋ぎするの初めてかも」

善子「わ、私もよ……生まれて初めてしたわ」

曜「そうなの?」

善子「えっ、曜さんは?」

曜「私は……。でも、善子ちゃんとは初めてだからね!」

善子「私以外ともしたんだ……」

曜「善子ちゃんって意外と心狭い?」

善子「な、何でよ」

曜「大丈夫だよ。恋人繋ぎしたのは善子ちゃんが初めてじゃないけど、私の恋人は善子ちゃんが初めてだから」

善子「そうなの……」ホッ

曜「もし恋人も初めてじゃなかったら嫌?」

善子「……嫌」ギュ

曜「えへへ」ニヤニヤ

善子「気持ち悪いわね」

曜「ヤキモチ善子ちゃんすごく可愛いよ」ナデナデ

善子「うるさいわね! いいでしょ別に!!」

曜「今日はもう離さないからね」ギュ

善子「え……?」

曜「バスでのお願い。忘れたの?」

善子「あ、あぁ! それね! もちろん覚えてるわよ」

曜「忘れてたね」

302: 名無しで叶える物語 2017/12/30(土) 12:30:24.63 ID:8tm0zV6j.net
善子「『一生私の側にいなさい』。ほら、ちゃんと覚えてた」

曜「一日じゃなかった?」

善子「そんなの嫌。曜さんって明日になったら別の人に同じこと言ってそうだもの」

曜「言わないよ」

善子「ならもう一つお願い追加で」

曜「何でも聞くとは言ったけどそれはナシでしょ」

善子「私以外の人に『何でも』なんて絶対言わないで」

曜「え? いいけど何で?」

善子「もし『私と付き合って』なんて言われたらどうするのよ」

曜「あ、確かに」

善子「曜さんっていまいち自分のことよく分かってないわよね」

曜「そうかな?」

善子「自分がどれだけ素敵な人か分かってないじゃない」

曜「そんなの、善子ちゃんだけ分かっててくれればいいよ」

善子「……そうね」

曜「私も一つだけお願いしてもいい?」

善子「ええ。言われなくても曜さんとずっと一緒にいてあげるわよ」

曜「また善子ちゃんのおしっこ飲ませてね」

善子「それだけは嫌」

曜「え? 何でも聞いてくれるんでしょ?」

善子「『何でも聞く』なんて言ってないわ」

曜「そんなぁ……」

善子「他のことなら何でも聞いてあげる」

曜「ん? 今『何でも』って……」

善子「言ったわよ。他のことならね」

曜「じゃあ、私を善子ちゃんのトイレにしてください」

善子「」ヒキ

曜「あっ、今のは誤解だね! 変な言い方してごめん」

善子「酷い言い方ね。雰囲気も何もあったものじゃないわ」

曜「私を善子ちゃんのペットボトルにしてください」

303: 名無しで叶える物語 2017/12/30(土) 12:31:02.80 ID:8tm0zV6j.net
善子「同じじゃない!!」

曜「えっ」

善子「えっ??」

曜「善子ちゃん、ペットボトルを何だと思ってるの?」

善子「あっ! ペットボトルはおしっこするものじゃないわよ!? 知ってるから!!」

曜「ううん、そうじゃなくて」

善子「じゃあ何よ」

曜「ペットボトルは飲む物だよね」

善子「あっ……」

曜「えへへ。私のも飲んでくれるんだ」

善子「飲まない!!」

曜「だーめ。約束したもんね」

善子「こんなのずるいわよ!」

曜「飲みたくないの?」

善子「飲みたくない!」

曜「舐めたくないの?」

善子「舐めたく……もうっ!!」バシッ!

曜「いったぁ!?」ヒリヒリ

善子「本当、曜さんって最低!」

曜「えへへ」

善子「褒めてないわよ」

曜「うん♡」ギュ

善子「……」

曜「さっ、早くデートの続きしよ?」


デート編 前編終わり

311: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 16:29:56.42 ID:wLzZQm9n.net
 ショッピングモール

善子「ところで曜さん、何を買いに来たの?」

曜「秘密」

善子「教えなさいよ」

曜「まだ教えない」

善子「ふーん。まあいいわ、見てれば分かるわよね」

曜「そうだよ。先に言ったら面白くないもん」

善子「もしかして私へのプレゼントだったり?」

曜「」

善子「ごめん」

曜「何で言っちゃうの」

善子「だからごめんってば」

曜「内緒であげようと思ってたのに」

善子「だったら私のいないときに買いなさいよ……」

曜「だから一人で買いに来るつもりだったよ? でも善子ちゃんが」

曜「『私も一緒に行っていい……?』」ウワメヅカイ

曜「って言うから断れなくて」

善子「そんな言い方したかしら」

曜「したよ! たぶん」

善子「むしろ曜さんから誘ってこなかった?」

曜「だって私じゃ何がいいか分からなかったんだもん」

善子「何でも嬉しいわよ。曜さんが選んでくれたものなら」

曜「じゃあ私のおしっこかな」

善子「お店に売っているものでお願い」

曜「『プレゼントは、わ・た・し♡』ってオチも考えたけどダメかぁ」

善子「……」

曜「それならいいかも、って思った?」

善子「思ってない!」

曜「……」シュン

善子「一瞬思ったわよ! でもそれはダメ」

312: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 16:42:04.50 ID:wLzZQm9n.net
曜「どうして?」

善子「最初から曜さんは私のものでしょ?」

曜「そ、そうだね」カァアア

善子「何で私が言うと恥ずかしがるのよ」

曜「だって善子ちゃん真面目な顔して言うんだもん」

善子「曜さんはふざけて言ってるの? 私のおしっこ飲みたいとか何とか」

曜「大真面目だよ」

善子「でしょ? なら同じよ」

曜「……」ウーン

善子「別に無理に納得しなくてもいいわよ」

曜「バレちゃったら仕方ない、改めて聞くけどサプライズでプ レゼント貰うとしたら何がいい?」

善子「サプライズなの?」

曜「もちろん! 私としては善子ちゃんの驚いた顔が見たいし……」

善子「もう失敗してるわね」

曜「これはびっくり箱しかないかな?」

善子「そんなの貰って嬉しい?」

曜「嬉しくない」

善子「なら真面目に考えて」

曜「はい」

善子「でも、そうね……」

善子「誕生日でもないのに貰うのは何だか悪い気がしちゃうわね」

曜「私があげたくてあげるんだから気にしないでよ」

善子「私も半分出すから、二人のプ レゼントにしない?」

曜「あっ、お互い相手のプ レゼントを買うってこと?」

善子「あー、それもいいけどそうじゃなくて」

善子「二人の記念になるようなものが欲しいってこと」

曜「」

善子「あれ?」

曜「それって……」カァアア

善子「いや、どんなのを想像したのよ」

313: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 16:43:12.00 ID:wLzZQm9n.net
曜「エンゲージリングだよ」

善子「買えないわよ!!」

曜「給料三ヶ月分だっけ? 学生だからお小遣い三ヶ月分かな」

善子「三年分でも買えるか怪しいわね……」

曜「えっ、善子ちゃんそんなに貰ってるの?」

善子「三年分よ!」

曜「私なんて三十年かかると思うよ」

善子「いったいどれだけ高いやつ買おうとしてるのよ」

曜「だって私が給料貰うとしたら月百万は下らないでしょ?」

善子「それ、絶対怪しい仕事よ」

曜「水泳選手だよ」

善子「あっ、そうよね。でもそんなに貰えるの?」

曜「分からないけどまあ、そのくらいかな? と思いまして」

善子「たぶん貰えないわよ」

曜「そ、そんな……」

善子「月百万ってかなりの高給取りよね。いくら曜さんに才能があるとはいえいきなり貰えるとは思えない」

曜「私の才能は認めてくれるんだね」

善子「当たり前でしょ」

曜「善子ちゃんがチームの社長ならいくら出す?」

善子「えっ、曜さんをいくらで買うかってこと?」

曜「あっ、変なことはしちゃダメだよ? あくまで一人の選手としてだから」

善子「分かってるわよ。うーん、そうね……」

善子「年俸五百万くらいじゃない? 相場を知らないから当てずっぽうだけど」

曜「うーん、善子ちゃんを養えるか不安だ……」

善子「それだけ貰って不安って……」

曜「決めた。私、善子ちゃんに養ってもらう!」

善子「えぇ!? 私に!?」

曜「嫌?」

善子「嫌じゃないけど……」

314: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 16:44:34.49 ID:wLzZQm9n.net
曜「月収百万円は期待できるね」

善子「できないわよ! どんな仕事よそれ!」

曜「私が社長なら、専属の秘書に雇うかな」

善子「いったいどんな仕事をさせられるやら……」

曜「私の着せ替え人形になってくれればいいよ」

善子「嫌よ! ただの変態じゃない!」

曜「でも月百万だよ? 年間千二百万だよ?」

善子「うっ……」

曜「ボーナスも出るよ」

善子「いくらよ」

曜「三ヶ月分」

善子「つまり三百万?」

曜「エンゲージリング代」

善子「ずいぶん立派な指輪ね……」

曜「首輪でもいいけど」

善子「犬じゃないんだから……」

曜「わんっ!」ハァハァ

善子「」

曜「あ、引かないでください」

善子「ここじゃ人が見てるから、後でやってくれる?」

曜「やるの!?」

善子「嫌なの?」

曜「嫌じゃないけど……」

善子「じゃあ決まりね」

曜「善子ちゃんもなかなかの変態さんだね」

善子「わ、悪い?」

曜「ううん。ちょうど私の部屋に犬のコスチュームあるから持っていくね」

善子「曜さんの方がずっと変態じゃない!!」

曜「本当は善子ちゃんに着てもらおうと思ってたんだけどね」

315: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 16:45:56.62 ID:wLzZQm9n.net
善子「着るわけないでしょうが」

曜「うん。だから新曲の衣装にと思って全員分作ったんだ」

善子「うわぁ……」

曜「でも断られちゃった」

善子「当たり前でしょ」

曜「梨子ちゃんに犬をテーマにした曲を作ってってお願いしたんだけど、どうしても書けないんだって」

善子「梨子さんが犬苦手で助かったわ……」

曜「でも猫の曲なら、って作ってくれたんだ」

善子「何やってるのよ梨子さん!!」

曜「私は私で今度は猫の衣装を全員分作らなきゃだから大変なんだ」

善子「そうでしょうね……」

曜「ルビィちゃんも手伝ってくれてるんだけどね」

善子「そんなの手伝わせないであげて……」

曜「ダイヤさんにバレたら怒られちゃうかな?」

善子「私までとばっちりが来ないことを祈るわ」

曜「ルビィちゃんにメールしとくか」スッ

善子「……」グイッ

曜「え?」

善子「今は私とのデート中でしょ?」

曜「そうだけど」

善子「曜さんのスマホ、私が預かるわ」ヒョイ

曜「えぇ……」

善子「私が見てないとすぐ他の子とメールしてるんだもの」

曜「げっ」

善子「私が気づいてないとでも思った?」

曜「だって、メールが来たら返事しないわけにはいかないでしょ?」

善子「それ、他の子だったらキレてるわよ」

曜「う、うーん……? むしろ善子ちゃんくらいじゃないかな」

善子「何よ。不満?」

316: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 16:47:29.01 ID:wLzZQm9n.net
曜「気にしすぎだよ。私は善子ちゃんといるときは善子ちゃんのことをいちばんに考えてるよ」

善子「私といないときも考えて!」

曜「うん」

善子「だからスマホは没収です」

曜「ヤキモチ善子ちゃんは可愛いけど、これはちょっと面倒くさ善子ちゃんだなぁ」

善子「うっ……」

曜「心配しなくても善子ちゃんが思うようなメールはしてないよ?」

善子「分からないわよそんなの」

曜「じゃあ見ていいよ」

善子「……」スッ

 パスワードを入力してください

善子「0713っと」スッスッ

 ようこそ

曜「何で分かったの!?」

善子「私の誕生日」

曜「そうだけど」

善子「……」ニヤニヤ

曜「わっ」

善子「さてと、メールは……」

曜「見てもいいけど勝手に返信しないでよ」

善子「ん? これ誰かしら。私の知らない人ね」

曜「ああ、それは同じクラスの……」

善子「『今度一緒にランチしませんか?』ですって!?」

曜「誘われたんだけど迷ってるんだよね。その子の両親、厳しいからなかなか許してもらえなくて」

善子「『ごめんなさい。また今度にしましょう』っと」スッスッ

曜「ちょっと! 勝手に返信しないでってば」

善子「送信」スッ

曜「あぁ……」

317: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 16:48:59.97 ID:wLzZQm9n.net
善子「さて、他のメールは」スッスッ

善子「『曜さん好きです♡♡♡』」

善子「は???」

曜「ち、違っ……これはファンの子からのメールで」

善子「普通はファンの子にアドレス教えなくない?」

曜「だってその子、かなり前からずっと応援してくれててさ……」

善子「しかも何よこの返信」

善子「『ありがとう。私も大好きだよ♡♡』」

曜「」

善子「これは見てはいけないものを見てしまったわ」

曜「だからさ、これはファンとして大好きってことで……」

善子「ハートマークつける必要ある?」

曜「向こうがつけてきたから何となく」

善子「私へのメールにもハートマークなんてつけないじゃない」

曜「う……」

善子「どうして? ファンの子にはつけるのに私にはつけないの?」

曜「続き読んでよ。『これからも応援してくれると嬉しいな♡』ってあるでしょ」

善子「またハートマーク!!」

曜「でもどう読んでもファンレターの返事じゃん!」

善子「怪しい」ジトー

曜「ジト目善子ちゃんも可愛いね」

善子「はっ!? な、何言ってんのよ意味分かんない……」カァアア

曜「善子ちゃんは不意打ちに弱い……と」メモメモ

善子「まだあるわよ。これは曜さんから送ったメールね」スッ

善子「『またおしっこ飲みたいです』」

善子「何よこれ。宛先は……」

善子「ママじゃん!! こんなメール送ってたの!?」

曜「それは認める」

善子「おい」

318: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 16:50:47.05 ID:wLzZQm9n.net
_

319: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 16:51:15.02 ID:wLzZQm9n.net
曜「でもほら、返信読んでみてよ。断られてるでしょ?」

善子「いやそういう問題じゃ……ん?」

善子「『また今度ね』」

曜「ほらね?」

善子「断られてないわよ」

曜「『また今度ね』はやんわり断るときに使う常套句でしょ。って言うかさっき善子ちゃんも使ってた!」

善子「じゃあどうしてそれに『はい! 楽しみです!!』って返信してるのよ」

曜「そ、そんな返信したっけ……?」アハハ

善子「まあ、それっきり返信来てないみたいだけど……」

曜「既読スルーってやつだね。あはは」

善子「他の人にもこんなメール送ってるの?」

曜「まさか。おしっこのことは善子ちゃんとママ以外言ってないよ」

善子「おしっこじゃなくて! さっきからずっと誤解されるような内容ばっかりじゃない!!」

曜「それは読む人が悪いんじゃないかな」

善子「私のせい?」

曜「だってみんな善子ちゃんみたいな誤解してないよ?」

善子「……」

曜「善子ちゃんが勝手に変な意味に捉えてるだけだよ」

善子「そうかもね。疑ってごめんなさい」

曜「ううん。分かってくれればそれでいいよ」

善子「スマホ、返すわ」スッ

曜「ありがとう」

ピロリンッ

善子「ん、何か来た」スッ

曜「返してくれるんじゃなかったのー?」

善子「えーなになに? あ、ママからだわ」スッ

善子「『明日の夜はどう?』」

善子「……」

曜「……」

善子「曜さん、ちょっと」クイクイ

320: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 16:52:15.34 ID:wLzZQm9n.net
曜「ん?」

善子「このバカ!!」バチーン!

曜「いったぁぁあぁ!!?」

善子「何よこのメール! さっきの『また後でね』は明日の夜のことだったの!?」

曜「し、知らないよ!」

善子「ママもママよ!! 私の曜さんに手を出そうだなんて最低だわ!」

ピロリンッ

曜「また何か来たよ」

善子「話を逸らさないで!」

曜「ママからじゃない?」

善子「そうね、私が返信しておいてあげるわ」スッ

善子「『曜ちゃんごめんなさい、今のは別の人へのメールです』」

曜「ほら! 誤解なんだって!」

善子「私が見てることに気づいて慌てて誤魔化したんじゃないでしょうね……」

曜「善子ちゃんが見てるなんてどうやって分かるの」

善子「……確かに」

曜「何か別の用件で他の人に返信しようと思ったんでしょ。善子ちゃんもあるよね?」

善子「私はないわね。曜さんと違って友達少ないし……」

曜「……」

曜「善子ちゃんのスマホも見せて」

善子「は!? 嫌よ、見せるわけないじゃない」

曜「えへへ」スッ

善子「あっ、いつの間に! 確かポケットに入れておいたはず……」

曜「さっきトイレに置き忘れてたよ」スッ

善子「あ、そう言えば置いたような気が」

 パスワードを入力してください

曜「ここはもちろん私の誕生日だよね」

曜「0417……」スッスッ

 パスワードが違います

曜「えっ」

321: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 16:53:59.81 ID:wLzZQm9n.net
善子「残念でした。早く返して」

曜「0417」スッスッ

 パスワードが違います

善子「違うってば」

曜「嘘でしょ? 打ち間違えたかな」スッスッ

 ロックされました

善子「ん?」

曜「あ、三回間違えたからか」

善子「えっ!? パスワード入れられないんだけど!?」

曜「今日はもう使えないね」アハハ

善子「何てことしてくれたのよ!!」

曜「心配しなくても明日になれば使えるよ」

善子「酷い! 今日一日どうやって過ごせって言うのよ……」

曜「スマホなんかより私を見て欲しいな」

善子「それ私が言った!!」

曜「言ったっけ?」

善子「直接は言ってないけどそういうことよ!」

曜「最初からそう言ってよ」

善子「私とのデート中はスマホ禁止! の時点で気づきなさいよ!」

曜「でもさぁ」

善子「私のスマホがロックされちゃった以上、曜さんのスマホも渡すわけにはいかないわね」

曜「あっ、返してよ」

善子「明日になったら返すわよ」

曜「えぇ……」

善子「……」

……

322: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 16:56:20.31 ID:wLzZQm9n.net
_

323: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 16:56:47.97 ID:wLzZQm9n.net
善子「曜さん、これなんてどう?」

曜「ここ……写真屋さん?」

善子「そうよ。二人で一枚撮ってもらうの!」

曜「えー」

善子「嫌?」

曜「善子ちゃんはお洒落してるからいいけど私はこんなだし……」

善子「私はいいと思うわよ」

曜「そうだ、お洋服屋さんで良さそうなのを選んでくれない?」

善子「え、私が?」

曜「うん!」

善子「無理よ。曜さんと私じゃ服の好みが違うじゃない」

曜「善子ちゃんの好みで選んでいいんだよ?」

善子「……」

曜「って言うか善子ちゃんの好みで選んでください!」

善子「まあ、そこまで言うなら」

曜「ありがと!」ギュ

善子「分かったからくっつかないで」

曜「だって嬉しいんだもん……」

善子「どんなの選んでも文句言わないでよね」

曜「言わないよ。善子ちゃんが選んでくれたものなら何でも着る」

善子「ほら、その『何でも』ってやめなさいよ」

曜「何でもだよ? ビキニでもメイド服でも何でも着るよ?」

善子「いや、それは私が恥ずかしいから……」

曜「あそこでもいいよ」

善子「ん?」

曜「ペットショップ」

善子「ただの変態よ!!」

曜「あはは、冗談だよ。でも私も首輪見たかったから寄っていこう」

善子「衣装、まだ諦めてなかったのね……」

曜「鋭意制作中であります」ゞ

324: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 16:57:49.02 ID:wLzZQm9n.net
 ペットショップ

曜「おぉ……」キラキラ

善子「意外と種類があるのね」

曜「善子ちゃんにはこれかなぁ」

善子「何で私」

曜「うん、似合う似合う!」サッ

善子「やめてよ!」

曜「さあ、私に合うのを選んで」

善子「えっ、本当に首輪つけて写真撮るの?」

曜「えっ? 衣装だよ?」

善子「ああ、そうだったわね」

曜「犬のコスプレしてて首輪ならいいけど、この格好で首輪してたらただの変態だね」

善子「どっちもいい勝負だと思うわよ」

曜「千歌ちゃんにはこれ、梨子ちゃんにはこれかなぁ」サッ

善子「全員分買っていくの?」

曜「買わないよ?」

善子「買わないの!?」

曜「これを参考に自分で作るんだよ。本物の犬を繋ぐわけじゃないから金属じゃなくても大丈夫だもん」

善子「そうね。金属だと重そうだし、冬だと冷たそう……」

曜「あ、でも私に選ぶのは気にしなくていいからね?」

善子「ええ。どうせ金属じゃなくなるんだもの」

曜「ああ、そうじゃなくて。私に今つけるやつだよ」

善子「えっ」

曜「私と善子ちゃんで首輪買うって話だったよね?」

善子「聞いてないけど」

曜「あれ? 二人で記念になるようなものを……って話さなかった?」

善子「それが写真よ!!」

曜「あ、あぁ!! それで!?」

善子「いったい何だと思ったのよ」

曜「あはは。どうして急にコスプレ撮影したいなんて言い出したんだろうって思ってた」

325: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 16:59:16.49 ID:wLzZQm9n.net
善子「言わないでしょ」

曜「じゃあこの首輪はプレゼントってことで」

善子「私も買うの?」

曜「私が善子ちゃんの分を選ぶから、善子ちゃんは私の分を選んでね」

善子「それは分かるけど……」

善子「首輪って意外と高いわね」

曜「小型犬用なら安いよ」

善子「いや、曜さんつけられないでしょこんなの」

曜「善子ちゃんがつけてって言ったら何でもつけるよ」

善子「どう見ても首が絞まるわね」

曜「うん。だから中型犬用にしてくれるとありがたいかなぁ」

善子「そうね。じゃあ……ん?」

曜「あ、そっちは大型犬用だよ」

善子「これ……けっこういい感じかも」ジャラッ

曜「えっ」

善子「これ、つけてみて」ジャラッ

曜「これを?」

善子「ええ。ちょっと大きいけどある程度は調整効くはずよ」

曜「う、うん……」ジャラッ

善子「重そうね」

曜「もろ金属だもんね」

善子「金属アレルギーとか大丈夫よね?」

曜「うん、その心配はないんだけど……」

曜「どうかな?」ジャラッ

善子「なかなか似合ってるわ」

曜「これほとんどただの鎖じゃない?」

善子「その無骨さがまたいい感じよ」

曜「……」

善子「嫌?」

326: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 17:00:49.82 ID:wLzZQm9n.net
曜「善子ちゃんってかなりハードな変態さん?」

善子「えっ、どうして?」

曜「普通、人に首輪するとしたら革の柔らかそうなやつにしない?」

善子「普通は人にはしないけどね」

曜「こんな鉄の鎖をつけるなんて、それなりのことするってことだよね?」

善子「それなりのことって何よ」

曜「それは……鞭とか使ったり?」

善子「えっ」

曜「『ふふ、もっといい声で鳴きなさい!』ビシッ」

曜「みたいな……」

善子「しないわよ!!」

曜「でも善子ちゃんならいいか」

善子「だからしないって」

曜「四千円! 結構高いね」

善子「えっ? 値段見なかったから分からなかったわ。やめましょう」

曜「私がこれ買うよ。善子ちゃんはさっき私が選んだやつ買って」

善子「何で自分の首輪なんて買わなきゃいけないのよ! バカじゃないの!?」

曜「お互いに自分をペットとしてプレゼントするんだね」

善子「そんなプレゼント嫌!」

曜「私は満更でもないよ」ニヤニヤ

善子「やっぱり曜さんの方がずっと変態よ」

曜「これください!」

店員「いらっしゃいませ」ピッ ピッ

善子「あっ、待って!? 本当に買うの?」

店員「こちら、革のタイプが中型犬用、鉄のタイプは大型犬用となっておりますがお間違えないでしょうか」

曜「はい。私くらいなら大型犬用でも大丈夫ですよね?」

店員「かなり大きいワンちゃんですね。犬種は何ですか?」

曜「私です」

店員「はい?」

善子「えーっと! そう、ボクサー犬よ!! ちょうどこの子くらい大きな!」

328: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 17:10:26.74 ID:wLzZQm9n.net
店員「そうですか、このくらい大きいワンちゃんですと大型犬用でないと厳しいですね」

善子「そう! よかったわ。ありがとうございます!」

曜「善子ちゃん急にノリノリだね」シュッシュッ

善子「うるさい! あとそれは何!?」

曜「ボクサー犬だからね。ボクシングしてるの」シュッシュッ

店員「そ、それでは、こちらの中型犬用が二千円、大型犬用が四千円。お二つで六千円ですね」

曜「あ、私が二つとも出すから気にしないで」スッ

善子「逆に気にするわよ! ほら、半分出すから」スッ

曜「いいの?」

善子「こんな高いもの貰えないわよ」

店員「こちら、プ レゼント用ですか? ラッピングもいたしますが」

曜「あ、ここでつけていきます」

店員「」

善子「普通の袋でいいです!」

店員「か、かしこまりました」

曜「すみません、私の恋人なんですけど怒りっぽくて」

善子「余計なこと言わんでいい!」バシッ

曜「いてっ! こんな感じです」

店員「仲がよろしいんですね」フフッ

曜「首輪をつけて躾けないといけませんね」

店員「え」

善子「曜さんこそ躾が必要みたいね……」

店員「えぇと……」

曜「冗談ですから気にしないでください」アハハ

店員「あ、ありがとうございました……?」

329: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 17:12:15.77 ID:wLzZQm9n.net
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330: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 17:13:45.34 ID:wLzZQm9n.net
曜「いやー、いい買い物した!」ジャラッジャラッ

善子「店員さん困ってたわよ」

曜「冗談に決まってるのにねー」ジャラッジャラッ

善子「そうね」

曜「あれ?」

善子「どうしたの?」

曜「冗談だったのに買っちゃった」

善子「冗談だったの?」

曜「そのつもりだけど」

善子「嫌よ、返品しに行くの」

曜「善子ちゃんは本気だったか」

善子「違う!」

曜「まあいいや。これはこれで何か使えると思うし」ジャラッジャラッ

善子「それならいいけど……って言うかそれ歩くたびにジャラジャラうるさいわね」

曜「リュックに入れようか」

善子「そうね。貸して」

曜「はい」

善子「重たっ!!?」ズシッ

曜「だから言ったのに」

善子「こんなのつけるの!?」

曜「善子ちゃんはつけさせたいんでしょ?」

善子「ま、まあそうだけど……」

曜「じゃあ仕方ないね」ズシッ

曜「こんなこともあろうかとリュックで来て正解だったよ」

善子「どんな想定だったのよ……」

曜「首輪も買えたし、写真屋さんに行こうか」

善子「えっ、まさか首輪して撮らないわよね?」

曜「あはは。撮らないよ」

善子「ならいいけど」

曜「そんな姿善子ちゃん以外に見られたくないからね」

331: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 17:14:14.83 ID:wLzZQm9n.net
善子「……」

曜「結局服はこのままかぁ」

善子「さっきも言ったけど、よく似合ってるわよ」

曜「首輪が?」

善子「服よ!!」

曜「分かってるって」アハハ

善子「もう……」

 写真屋

曜「二人で写真撮ってもらいたいんですけど」

店員「はい、どのような感じにいたしましょう?」

善子「えっと……そうね、記念日っぽい感じで」

店員「失礼ですが、どのような記念日で……」

曜「婚約記念です」

店員「はい?」

善子「た、誕生日です!!」

曜「誰の?」

善子「私のです!!」

曜「えっ、もしかして誕生日って一年に一度じゃないの?」

善子「は?」

店員「衣装のレンタルはされますか?」

曜「どんなのがありますか?」

店員「お誕生日用ですと、女の子はドレスを選ばれる方が多いですね」

善子「まあ、そうよね」

曜「ウェディングドレスはあります?」

善子「ちょっと曜さん?」

店員「ありますけど……お誕生日ですよね?」

曜「いえ、結婚……」

善子「そう! 着てみたかったのよねぇ!!」

店員「かしこまりました。では、そちらの……」

332: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 17:15:29.11 ID:wLzZQm9n.net
曜「私はタキシードかな?」

店員「タキシード?」

曜「新郎新婦っぽい感じでお願いします」

善子「何言ってるのよ」

店員「えーと、お誕生日なんですよね?」

善子「も、もちろん! 新郎新婦風の写真が撮りたいなー、なんて……」

曜「この子、変わった趣味してますよね」アハハ

店員「え、えぇ」アハハ

善子「後で覚えてなさいよ……」

……

店員「お待たせしました」

善子「ど、どうかしら……?」フリフリ

曜「」

店員「お二人ともよくお似合いですよ」

曜「」

善子「何か言いなさいよ」

曜「いや、善子ちゃんと結婚式だなんて夢でも見てるのかと……」パーン

店員「」ビクッ

曜「夢じゃないみたい」ヒリヒリ

善子「店員さんびっくりしてるわよ」

曜「私もびっくりしてる」

店員「そ、それでは撮影に入りたいと思いますが」

曜「よろしくお願いします!」

善子「お願いします」

店員「では花嫁さんはこちらへ」

善子「違うわよ」

店員「あっ……失礼しました」

曜「善子ちゃん、雰囲気雰囲気」

店員「えーと、新郎さん? はこちらへ」

曜「私も新婦なんですけどね」アハハ

333: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 17:17:06.60 ID:wLzZQm9n.net
店員「で、では撮りますね」

店員「はい、もっと笑ってー」

曜「にこっ」

善子「……」ニコ

店員「はーい撮ります」

パシャッ

善子「うっ」

曜「あ、善子ちゃんフラッシュ苦手?」

店員「もう一枚行きます」

パシャッ

善子「まぶしっ」

曜「あはは」

店員「えーと、そうですね、新婦さんが目を瞑っちゃってます」

曜「しっかりしてよ」

善子「そ、そんなこと言われたって……」

曜「そうだ、いいこと考えた」

善子「何よ」

曜「これってカメラ目線じゃなくてもいいんですよね?」

店員「ええ、まあ」

曜「じゃあこうしよう」グイッ

善子「きゃっ!?」

曜「こんな感じで」

善子「ちょっと! これじゃキスシーンじゃない!」

曜「本当にしてるわけじゃないよ」

店員「じゃあ撮りますよ」

パシャッ

善子「うっ」

曜「あはは、カメラの方向いてないのに眩しいの?」

善子「眩しいわよ……」

曜「うーん。ちょっと見せてもらってもいいですか?」

334: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 17:18:13.20 ID:wLzZQm9n.net
店員「どうぞ」サッ

曜「あちゃー、けっこうガッツリ瞑っちゃってるね」

善子「ごめんなさい……」

曜「フラッシュ焚かないとダメですか?」

店員「フラッシュなしだと明るく撮れないので……」

曜「じゃあこうしよう」

曜「善子ちゃんは目を瞑ってキス待ち、私はそんな善子ちゃんにキスしに行く設定で」

善子「恥ずかしい!」

曜「フリだから大丈夫ですよ」

店員「え、えぇ」

曜「じゃあ善子ちゃんはこの辺りで、私はこの辺かな?」

店員「いいですね。撮りますよ」

パシャッ

善子「……」ビクッ

曜「あはは、目を瞑ってても怖いんだ?」

善子「仕方ないでしょ、昔から苦手なんだから」

店員「いい感じに撮れましたよ」

曜「本当ですか!?」

店員「本当の新郎新婦みたいです」

曜「えへへ」

善子「……」カァアア

曜「仕上がりって写真何枚でしたっけ」

店員「三枚ですね。こういう両開きタイプのものになります」

曜「じゃああと二ポーズか」

善子「も、もうこれでいいんじゃない? 一枚だけ額に入れて貰えばそれで……」

曜「えっ? せっかく着たんだしもっと撮ってもらおうよ」

善子「でも恥ずかしいし……」

店員「とってもよくお似合いですよ」

曜「ほら、店員さんも私たちのことお似合いって」

善子「いや、今のは服が似合ってるって意味よ」

335: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 17:19:07.07 ID:wLzZQm9n.net
曜「そうなんですか?」

店員「えーと……」

善子「店員さんを困らせないの。次のポーズ行くわよ」

曜「急に冷静に戻ったね」

善子「放っといて」

店員「じゃあ次は、こんなポーズはどうでしょう?」

善子「?」

曜「床ドンですか?」

店員「違います!!」

善子「何かごめんなさい」

店員「お二人でダンスをしているイメージだったんですけど」

曜「いいですね! それやりましょう」

善子「……」

店員「では新婦さんはこう、新郎さんはこんなポーズで」

善子「だから新婦じゃ……」

曜「善子ちゃん、手」スッ

善子「え、うん」スッ

曜「こんな感じですか?」

店員「いい感じです。撮りますね」

パシャッ

善子「あっ」ビクッ

曜「また目を瞑っちゃった?」

善子「だって……」

店員「もう一枚行きます」

曜「善子ちゃん、好きだよ♡」ボソッ

パシャッ

善子「えっ!? えっ!!?」カァアア

店員「すごくよく撮れました」

曜「わぁ! 善子ちゃん幸せそうな顔してる」

善子「やだ恥ずかしい!」

336: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 17:19:55.75 ID:wLzZQm9n.net
店員「まさに新婚さんって感じですね」

曜「じゃああとは床ドンかな」

店員「はい?」

曜「床ドンです」

善子「いや、聞こえてるわよ」

店員「えっと……」

曜「あ、衣装が汚れちゃいますかね?」

店員「いえ、床は綺麗にしてあります」

曜「なら問題ないですね! さっ、善子ちゃんも寝て」

善子「嫌よ!」

曜「ほら、そんなこと言わないで」グイッ

善子「恥ずかしいからやめてってば」

店員「……」

曜「そんなこと言うと無理やり押し倒しちゃうよー?」グイッ

善子「あっ……」

パシャッ パシャッ

善子「ちょっと! 撮るとき声かけなさいよ!」

店員「すみません! でも今しかないって気がして……」

曜「おぉっ!! これは……」

善子「消してよ!? 絶対消してね!?」

曜「これは……いけませんね」

店員「……」カァアア

善子「どんな写真撮ったのよ!」

曜「ほら」

善子「……」カァアア

店員「で、でもよく撮れたと思います」

曜「引き伸ばしてポスターで貰えますか?」

店員「追加料金がかかりますがよろしいですか?」

曜「はい!!」

善子「いや、いくらなのか聞きなさいって」

337: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 17:21:33.44 ID:wLzZQm9n.net
_

338: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 17:23:13.91 ID:gHklwJnr.net
曜「そんなの言い値だよ」

店員「いちばん大きなもので一万円ですね」

曜「じゃあ二セットで」

善子「私は要らないからね!?」

曜「あ、そっか。一緒に暮らすのに二枚も要らないね」

善子「暮らさないから!」

曜「それとデータもください」

店員「かしこまりました」

善子「はぁ……。もういいから脱がせてくれる?」

曜「いいの?」スッ

善子「ここで!? って言うか曜さんに言ったんじゃないわよ!」

店員「えっと……それでは新婦さんの方からお着替えでよろしいですか?」

曜「あ、私は自分で脱げますから大丈夫です」

店員「そうですか、では新婦さんはこちらへ」

善子「だから新婦って言うな」スタスタ

曜「でも似合ってたよ」スタスタ

善子「何で曜さんもついてくるのよ」

曜「え? 女子用の更衣室こっちでしょ?」

善子「そうだけど! その服は男子更衣室のでしょ」

曜「脱いだら置きに行くよ」

善子「はぁ? 最初から向こうで脱げば……」

店員「すみません、次のお客様がいらしたので受付だけ先にしてきてもよろしいでしょうか?」

善子「着替えは?」

店員「受付だけ済ませたらすぐ戻りますので」

曜「はい、いってらっしゃーい」ノシ

店員「すみません」ノシ

善子「ちょっ……他にスタッフいないの?」

曜「そういえばあの人一人しかいないのかな?」

善子「店長にしては若すぎるわね」

339: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 17:24:43.47 ID:gHklwJnr.net
_

340: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 17:25:10.59 ID:gHklwJnr.net
曜「私たちと同じくらいかな」

善子「……」

曜「善子ちゃん?」

善子「トイレに行きたくなってきたわ」

曜「えっ」

善子「実はさっきから我慢してたんだけど……なかなか言い出せなくて」

曜「ペットボトルあるよ」

善子「とりあえずこれ脱がせなさいよ! もし汚したら弁償よ!?」

曜「脱がせてだなんて……大胆だね」スッ

善子「そういう意味じゃない……っ」

曜「じゃあ自分で脱ぐ? 私ここで見てるから」

善子「こんなの一人で脱げるわけないでしょ!? 破いちゃったらどうするのよ!」

曜「ならちゃんと言ってよ。『脱がせて』って」

善子「ぬ、脱がせて」

曜「もっとこう……」

善子「いいから早く脱がせて!」

曜「了解であります」ゞ

曜「まずは背中のチャックからだね」ジーッ

善子「噛ませないように気をつけてね」

曜「はむっ♡」

善子「ば、バカっ!」

曜「噛んでって言ったじゃん」

善子「耳たぶの話なんてしてない!!」

曜「ほら、腕を下ろしてくれないと脱げないよ?」

善子「う……」スッ

曜「……」スルッ

善子「どこか引っかかってる?」

曜「肩にね」ペロッ

善子「ひゃんっ♡」ビクッ

曜「あはは」スルッ

341: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 18:09:38.96 ID:gHklwJnr.net
ワードが落っこちました
もう寝てやる

343: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 19:49:44.90 ID:gHklwJnr.net
途中からのバックアップが残ってたので修正したら投下します
ワードありがとう

345: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 20:52:16.69 ID:gHklwJnr.net
善子「やっと脱げたわ」

曜「ハンガーに掛けておけばいいかな」

善子「ええ。シワにならないようにね」

曜「あとはコルセットかな」

善子「後ろだけ外してくれれば後は自分で外せるからいいわよ」

曜「外すよ?」スッ スッ

善子「……」

曜「……」

善子「早く外してよ」

曜「善子ちゃんの背中、綺麗だね」ツツー

善子「あふっ♡♡」

曜「ん? これ好き?」ツツー

善子「だ、だからやめてって……」

曜「えへへ」ツツー

善子「本当にやめて! 漏れちゃうから!!」

曜「あ、ごめん」スッ

善子「やっと外れたわ。これでトイレに行ける……」

曜「そのタイツ? したまま行くの?」

善子「あぁ!? これも脱がないと!」グイグイ

曜「そんなことしたら切れちゃうよ!!」

善子「だってこれキツくて脱げないんだもの……!」

曜「貸して! 私が脱がせるから!」グイッ

善子「あっちょっと」

曜「ここ座って。いくよ」グッ

善子「うん……」

曜「うわ、これ本当にきついね」グイッ

善子「履くときはそうでもなかったんだけど……」

曜「……っ」グイッ

曜「太腿まで脱げた」

善子「膝伸ばせば一気に行けそう?」

346: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 20:53:18.83 ID:gHklwJnr.net
曜「善子ちゃん、この下着どうしたの?」

善子「え? ああ、トイレで履き替えたじゃない」

曜「あ、そうだったね。上と違うから変だなと思って」

善子「いいから早く脱がせて」

曜「失礼します……」スルッ

善子「下着じゃないわよバカ!!」バシッ!

曜「もう限界じゃない?」

善子「だから早くしてって言ってるのに……!!」

曜「下手に脱がせようとしてかかったら大変だよ」

善子「そ、そうだけど!」

曜「ペットボトル……はこの体勢だと溢しそうで嫌だなぁ」

善子「いや、何とかいけるんじゃない? 早く持ってきて!」

曜「直飲みしてもいい?」

善子「嫌よ!」

曜「ペットボトルに入りきるかな?」

善子「そ、それは……」

曜「私が飲む方が安全だよね」

善子「……」

曜「どうする?」

善子「……早くしてよ」

曜「え? どっちを?」

善子「曜さんが飲むの!! 早くして!!」

曜「『私のおしっこ、飲んでください』ってお願いして」

善子「本気でぶん殴るわよ」

曜「善子ちゃんのおしっこ飲ませてください」

善子「だから早くしなさいって言って……あ」ブルッ

曜「っ!!」チュゥゥ

善子「あぁ……」

曜「ごくっ……ごくっ……」

善子「溢れてない? 大丈夫?」

347: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 20:54:12.01 ID:gHklwJnr.net
曜「うん……じゅるっ、大丈夫……じゅるっ」

善子「恥ずかしいから音立てないで」

曜「ぴちゃっ、ちゅるっ」

善子「怒るわよ」

曜「……」チュゥゥ

善子「あ……♡」

曜「ん……っ」レロッ

善子「ちょっと! 舌入れないでってば!!」

曜「だって奥から出てくるんだもん……」

善子「そ、それはおしっこじゃ……」

曜「??」

善子「もう! 勝手にして……」カァアア

曜「もうすぐ終わりそう?」チュルッ

善子「ええ。もう……終わり」

曜「はぁ……美味しかった♡」ペロッ

善子「……」

曜「あれ? 何か残念そうだね」

善子「な、何でよ! いいから拭いて片付けるわよ」

曜「私が舐めたよ」

善子「濡れてることには変わりないでしょうが!!」

曜「自分で言って恥ずかしくならない?」

善子「なっ……!!?」

曜「店員さんも見てるし」

善子「えっ」

店員「……」カァアア

善子「あ、あのっ! これは違うんです……」

曜「大丈夫です! ちゃんと衣装は汚してません!」

店員「あ、はい」

曜「もしかして、店員さんも興味あるんですか?」

店員「えっ、な、何のことでしょう!?」

348: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 20:54:57.31 ID:gHklwJnr.net
曜「おしっこですよ」

店員「ま、まさか!! 私はそんな……」

曜「じゃあどうしてそんなに真っ赤な顔してるの?」

善子「当たり前でしょ! こんなの見たら誰でも恥ずかしいわよ!!」

店員「あの……もしかしなくても、曜さんですよね?」

曜「えっ」

店員「似てるとは思ったんですけど……」

善子「何よこの子知り合い?」

曜「もしかしてファンの子かな?」

店員「は、はいっ!」

善子「よりによってファンに見られたなんて……もう終わりだわ」

曜「メールありがとう」

店員「はい!! 曜さんのこと大好きで……いつも応援してます!」

善子「あなた、もしかしてハートマーク使いまくってた人?」

店員「え……はい」

曜「そうだったの!? 先に言ってよ」

店員「いえ……プライベートなのに邪魔しちゃ悪いかと思って」

善子「なら最後まで黙ってなさいよ」

店員「あぅ……」

曜「善子ちゃん、この子三年生だよ」

善子「えっ?」

店員「あ、はい! 浦女の三年です」

善子「」

曜「そういえば見たことあるなって思ってたんだ」

店員「覚えててくれたんですかっ!?」

曜「気づかなくてごめん。善子ちゃんに夢中でさ」

店員「曜さんに恋人がいたなんて……」

曜「うん、ごめんね。ファンの子たちには次のライブのときに発表しようかと思ってるんだ」

善子「初めて聞いたわよ」

349: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 20:55:52.51 ID:gHklwJnr.net
曜「だから、このことは黙っててくれると嬉しいな」

店員「……」

善子「お願い。ファンなら黙っててくれるわよね?」

店員「……」ジーッ

善子「な、何よ」

店員「あなた誰ですか?」

善子「えっ」

曜「あ、そっか。ライブのときは派手な格好してメイクもしてるから分かんないよね」

善子「あっ、ううん! 私はただの通りすがりよ!!」

曜「何言ってるの?」

店員「通りすがりなんですか!?」

善子「そ、そう! 決して同じメンバーとか、浦女の生徒とかじゃないのよ!」

曜「……」

店員「曜さんって見知らぬ女の子に手を出すような人だったんですか……」

曜「わっ、何かすごい誤解されたよ」

善子「そうよ。でもこのことは黙っててくれるわよね? ファンだものね?」

店員「ファンやめようかな……」

曜「やめないで!!」

店員「こんな人だとは思いませんでした。ごめんなさい」

曜「っ!」チュッ

店員「!!?」

善子「えっ」

曜「これで……忘れてくれる?」

店員「……」ドキドキ

善子「今のは何? まるで曜さんがキスしたように見えたけど」

店員「曜さんって……」

店員「キスがすっごく上手なんですね!!」

善子「」

曜「それほどでもないよ」アハハ

店員「私……嬉しいです」

350: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 20:56:47.66 ID:gHklwJnr.net
曜「これからも私のファンでいてほしいな」

店員「はいっ!!」

善子「曜さん」ギロッ

曜「バレたら困るでしょ? 口止め料だよ」

店員「そうだ、写真撮ってください!」

善子「ダメに決まってるでしょ! どうせSNSにアップされるに決まってるんだから!!」

曜「アップするの?」

店員「しませんよ! そんなことしたら他のファンの人に殺されちゃいます!」

曜「私のファンってそんな子ばっかりなの……?」

善子「私に聞かれても」

店員「ツーショットなのであなたは退いてください」シッシッ

善子「このっ……!」

曜「わーっ! 向こうで撮ろうね!?」グイッ

店員「あっ……♡」ビクッ

曜「ごめん変なところ触っちゃった」

善子「曜さんいい加減にして!」

曜「それじゃ、はいチーズ♡」

パシャッ

店員「きゃっ♡」

曜「もう一枚行っとこう」

パシャッ

店員「うふふ♡」

曜「あと一枚……っ」チュッ

パシャッ

曜「どうかな? よく撮れてると思うよ」

351: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 20:58:08.21 ID:gHklwJnr.net
店員「♡♡」チーン

曜「善子ちゃん、今のうちに」グイッ

善子「は??? 最後のキス要る!?」

曜「お金ここに置いとくからね! 写真できたら連絡して!」ダッ

善子「ちょっと!! まだ服着てないのに!」

曜「とりあえず上着だけ羽織って行くよ!」グイッ

善子「やだ、せめて下だけでも履かせてー!」

タッタッ

店員「」

店員「あれ? 私なんでこんなところで寝て……」

店員「三万円と、連絡先……?」

店員「こ、こここれって曜さんの字じゃない!?」

店員「もしかして私を三万円で……」

店員「♡」バタンッ

……

曜「はぁっ、はぁっ……」

善子「つ、疲れた……」

曜「善子ちゃん私の背中に乗ってただけじゃん」

善子「とりあえず下、履かせてくれる?」

曜「うん」スッ

善子「あ、自分で履けるからいいわよ」

曜「そっか……」

善子「えーと、言いたいことはたくさんあるんだけど」

曜「ごめん。ああするしか思いつかなくて」

善子「許してあげるわよ」

曜「本当にごめん! 善子ちゃんの前で他の子とキスするなんて……」

善子「だから許してあげるってば」

曜「え?」

善子「だって曜さんのおかげでバレずに済んだんでしょ」

曜「それはそうだけど……」

352: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:00:01.26 ID:gHklwJnr.net
_

353: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:00:30.98 ID:gHklwJnr.net
善子「私がいいって言ってるんだからいいの。何か文句ある?」

曜「……ないよ」

善子「それならいいわ」

曜「……」

善子「この後は? そろそろお昼でも食べる?」

曜「うん」

善子「何か食べたいものは?」

曜「ええと……善子ちゃんは?」

善子「私? えっと……」

善子「……曜さん」ボソッ

曜「えっ?」

善子「な、何でもないわよ!」

曜「善子ちゃん、まだお昼だよ?」ニヤニヤ

善子「忘れて!!」

ピコンッ

曜「あ、私のスマホ」

善子「またママかしら」スッ

善子「『三万円も貰えません♡ 曜さんにならタダであげます♡♡♡』」

善子「これってさっきの」

曜「いくら何でもタダで貰っちゃ悪いよね。お金はちゃんと払わないと」

善子「お金を払えばいいの?」

曜「え? だってそういうサービスじゃないの?」

善子「は???」

曜「えっ?? 違うの!?」

善子「曜さんそれ本気で言ってる?」

354: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:01:22.60 ID:gHklwJnr.net
曜「当たり前だよ。三万円って言われたから三万円払ったんだよ!」

善子「曜さんのバカぁああぁ!!」バチーン!!

曜「いったぁぁあぁ!!?」

善子「ファンの子をお金で買うなんて! 信じられない!!」

曜「失礼な! あの子はちゃんと自分からファンになってくれたんだよ!」

曜「自分が気づいてもらえなかったからって八つ当たりしないで!!」

善子「そんなこと言ってないし!! 女の子にお金を払ってそういうことするのがおかしいって言ってんの!!」

曜「善子ちゃんも撮ってもらったじゃん!」

善子「はぁ!!? 私は撮っ……んん??」

曜「善子ちゃんもしかして誤解してる?」

善子「今の写真代の話だったの!!?」

曜「そうだよ!! 何だと思ったの!?」

善子「……」カァアア

曜「今の流れで写真以外にお金払うことあった?」

善子「ないわね」

曜「善子ちゃん、あの子にキスしたのは許してくれたんでしょ?」

善子「……」

曜「いったい何に怒ってたのさ」

善子「やっぱり許さない!」

曜「えっ」

善子「私以外の人にキスするなんて絶対許さない!」

曜「えぇ!?」

善子「許してほしかったら、そうね」

善子「今日買った首輪、今すぐつけて」

曜「えっ、あれつけるの? ここで?」

善子「そうよ。曜さんは私のものだってみんなに教えてあげるわ」

曜「……わかったよ」ゴソゴソ

善子「早くね」

曜「ちょっと動かないでね」カチャカチャ

善子「ええ」

355: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:02:06.63 ID:gHklwJnr.net
曜「はい、できたよ!」

善子「私じゃないわよ!! 曜さんがつけるの!!」

曜「ほら、犬ならちゃんと鳴かないと」

善子「バカなこと言ってないで早く外して!!」

曜「お手」

善子「わん!」スッ

曜「お代わり」

善子「ばうっ!」スッ

曜「ちん……」

善子「いい加減にして!!」

曜「ごめん」カチャカチャ

善子「ったく、何やらせるのよ……」カァアア

曜「善子ちゃん怒ってる?」

善子「見ての通りよ」

曜「すっごい笑顔だよ」

善子「なっ……!? こ、これは違っ」

曜「そんなに夜まで待てないの?」

善子「待つわよ。待つに決まってるでしょ」

曜「どうしてもしたくなったら言ってね」

善子「……うん」

曜「じゃあお昼食べよう」

善子「そうね」

曜「ハンバーグがいいな」

善子「昨日食べたわ」

曜「じゃあハンバーガー」

善子「ほとんど同じよね」

曜「えーと、じゃあ……」

善子「あ、お蕎麦にしない?」

曜「お蕎麦?」

善子「ほら、もうすぐ年越しでしょ」

356: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:02:58.03 ID:gHklwJnr.net
曜「そうだけど、また家で食べるんじゃない?」

善子「そのときはそのときよ」

曜「善子ちゃんがいいならいいけど」

善子「実はちょっとダイエット中なの」

曜「えっ」

善子「みんなには内緒よ」

曜「う、うん……」

善子「曜さんは大丈夫?」

曜「大盛りにするから大丈夫だよ」

善子「ううん、そうじゃなくて。クリスマスとかで食べ過ぎたりしてない?」

曜「そうでもないよ。私の家は特にクリスマスのお祝いしないから」

善子「そうなの?」

曜「善子ちゃんの家にお邪魔すればよかったかな?」

善子「私はずら丸と一緒にルビィの家に泊まってたから」

曜「そうなんだ……」

善子「曜さんこそ、千歌さんや梨子さんと一緒じゃなかったの?」

曜「うん……」

善子「あっ、この話はやめましょうか」

曜「気を遣わなくていいよ。本当はその予定だったんだけど千歌ちゃんが旅館の手伝いで忙しくて中止になったんだ」

善子「じゃあ曜さんは一人寂しく家で過ごしたのね」フフッ

曜「あ、ううん。梨子ちゃんの家に泊まったよ」

善子「えっ」

曜「朝まで同じベッドで寝ちゃった」

善子「……」

曜「あ、何もしてないからね?」

善子「そんなの分かってるわよ……」

曜「善子ちゃんが他の子の話始めたんだよ」

善子「ごめんなさい」

曜「自分で地雷を踏みに行く新しいスタイルだね」

善子「そういうんじゃないわよ」

357: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:04:02.41 ID:gHklwJnr.net
善子「ただ、曜さんがどんなクリスマスを過ごしたか気になっただけ」

曜「クリスマスプレゼントも貰えたから幸せだよ」

善子「何か貰ったの?」

曜「もちろん善子ちゃんだよ」

善子「ば、バカ……」カァアア

……

 蕎麦屋

曜「さて、何食べようか」

善子「うーん、とろろそばがいいかしら」

曜「じゃあ私もそれで!」

曜「注文お願いしまーす!」

店員「はーい」

善子「とろろそば二つで」

曜「私も同じのを」

店員「ご注文は以上でよろしいですか?」

曜「はい」

店員「繰り返します、とろろそばをお二つ……をお二つでよろしかったでしょうか?」

曜「はい!」

善子「いや全然よろしくないわよ。とろろそば四つもいらないから」

曜「私は二つ食べるよ?」

善子「私は二つも食べない!」

曜「お腹空いてるのかと思った」

善子「空いてても同じのは食べないから……」

善子「とろろそば二つキャンセルで」

店員「えーと、とろろそばお二つでよろしいですか?」

曜「とろろそばと天ぷらそばで」

店員「かしこまりました。とろろそば三つと天ぷらそばがお一つですね」

曜「はい!」

善子「ちょっと! 今の聞いてた? とろろそば三つと天ぷらそば一つよ」

曜「だから私、二つ食べるよ?」

358: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:04:51.50 ID:gHklwJnr.net
善子「私は食べないから!」

曜「じゃあどうするの? 訳分かんなくなってきたよ……」

善子「一旦注文はキャンセル、とろろそば一つと天ぷらそば一つで」

店員「とろろそば一つと天ぷらそば一つですね」

善子「はい」

店員「オーダー! とろろ一丁天ぷら一丁!」

店員「とろろ一丁天ぷら一丁!」

曜「え、もしかして一人?」

店員「ええ、実はそうなんです」

曜「一人なのにやまびこしてるの?」

善子「やまびこ?」

曜「注文を大きな声で復唱するやつだよ」

善子「ああ、なるほど」

店員「決まりですので」

善子「何だか変なお店ね」

曜「オーダー! とろろ一丁天ぷら一丁!」

店員「はい?」

曜「やまびこ。どうぞ」

店員「とろろ一丁天ぷら一丁!」

店員「ありがとうございます!」ダッ

曜「ふふ」

善子「四つ出てきても知らないわよ」

曜「だから私二つ食べるって」

善子「私は食べない! って言うかしつこいわよ!」

曜「蕎麦屋あるあるだね」

善子「初めて聞いたわよそんなあるある」

曜「あ、デザート頼むの忘れた」

善子「デザートはまた三時くらいでいいんじゃないかしら」

曜「ダイエットは?」

善子「うっ……やっぱり今日はデザートなし」

359: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:06:44.84 ID:gHklwJnr.net
_

360: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:07:31.75 ID:gHklwJnr.net
曜「私は食べるけどね」

善子「曜さんもダメ!」

曜「私はダイエットしてないよ」

善子「してよ」

曜「何で!?」

善子「私一人じゃ続けられるか不安だもの……」

曜「善子ちゃんそもそも太ってないよね?」

善子「太ったのよ」

曜「何キロ?」

善子「ニキロ……」

曜「それ食べた後計らなかった?」

善子「え? 言われてみればそうかも……」

曜「それじゃあ太って当たり前だよ。食べた分の重さも入ってるんだから」

善子「そうだったのね。どうりで太った覚えがないわけだわ」

曜「じゃあデザート食べられるね?」

善子「う……でも半分にしとくわ」

曜「私は一個半か……食べられるかな」

善子「そこは半分ずつ食べるんじゃないの?」

曜「先に言ってよ」

善子「えぇ……」

……

店員「お待たせしましたー!」コトッコトッ

店員「天ぷらそばととろろそばですね」

店員「二つずつです」コトッコトッ

曜「ん?」

善子「ちょっと!!?」

店員「?」

善子「とろろ一丁天ぷら一丁って言ってなかった?」

店員「言いましたよ」

善子「じゃあ何で二個ずつ来てるの?」

361: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:09:04.33 ID:gHklwJnr.net
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362: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:09:59.73 ID:gHklwJnr.net
店員「あ……本当だ!!」

曜「仕方ないですよ、ミスは誰にでもありますから」アハハ

善子「作ってて気づくでしょ普通……」

店員「すみません、すぐお下げします」

曜「え、これ捨てるんですか?」

店員「はい。他に頼まれたお客様がいたらそちらに回すんですけど、今はこの通りですので」

ガラーン

善子「そりゃ忙しくもないのに注文間違えられたらね」

曜「善子ちゃん言い過ぎ」

善子「いつもこんなことばかりしてるんじゃないでしょうね?」

店員「うっ……次やったらクビだと言われてます」

曜「そりゃ大変だ。私たちが食べなきゃクビになっちゃう」

善子「一人しかいないんだから黙ってれば分からないでしょ」

店員「それはできません」

善子「変なところ真面目ね」

店員「あの、もしよろしければお会計は二つ分で構いませんので食べてくださっても結構です」

曜「いいんですか!?」

店員「ええ、どうせ処分するものですから」

善子「そんなことをしたら余計に怒られるんじゃ?」

店員「どうせ今日でクビですから……」グスンッ

曜「奢るよ。食べて」スッ

店員「えっ」

曜「気にしなくていいから」

善子「曜さん? 何もそこまで……」

店員「ありがとうございます!」

曜「いいよ、その代わりこれからも頑張ってね」

店員「はい!」

善子「……」

曜「ん?」

善子「えっと、ここで食べるの?」

363: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:10:39.51 ID:gHklwJnr.net
店員「えっ?」

曜「あ、もしかして善子ちゃん、私と二人で食べたかった?」

善子「……別に」

店員「……」

曜「ごめん、悪いんだけど今日は善子ちゃんの二人で食べたいの」

店員「私こそ気が利かなくてごめんなさい」

曜「うん、また今度ね」ノシ

店員「食べ終わったら呼んでね」ノシ

善子「……」

曜「ごめん、私も気が利かなくて」

善子「いや……いいけど」

善子「何かあの店員さん馴れ馴れしくなかった?」

曜「同じクラスの子だからねー」ズズッ

善子「えっ」

曜「あ、いただきますするの忘れた」パチン

曜「いただきます」

善子「ど、どうぞ……」

曜「……」ズズッ

曜「味はまあまあなんだけど何故かお客さん来ないんだよねここ」

善子「いや、どう考えてもさっきの子が原因よね」

曜「そうかな? おっちょこちょいなところもあるけど可愛いよね」

善子「あっ、またそういうこと言う」

曜「まだバイト始めて半年だから仕方ないね」

善子「半年もやっててあれ!? 向いてないからやめた方がいいわよ」

曜「しっ! 聞こえるよ」

善子「あっ……ごめんなさい」

曜「けどランチはまた今度かぁ」

善子「ん?」

曜「ほら、善子ちゃんも見たでしょ? メールの子だよ」

善子「えっ、あの両親が厳しくてなかなかランチ行けないっていう?」

364: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:11:21.31 ID:gHklwJnr.net
曜「そう。だからこうして仕事中に食べに来たんだけどねー」

善子「いや、せめて私のいないときにしなさいよ……」

曜「善子ちゃんはいいの?」

善子「何が」

曜「私が善子ちゃん以外の子と食べさせ合いっこするの」

善子「食べさせ合いっこ!?」ガタッ

曜「まあ、食べさせ合いっこは冗談だけど」

善子「だから冗談に聞こえないってば……」

曜「二人きりでもお昼食べるくらいはセーフ?」

善子「アウト、と言いたいところだけど……クラスメートなら仕方ないわよね」

曜「あ、いいんだ」

善子「ダメって言ったらどうするのよ」

曜「また善子ちゃんと三人で食べる」

善子「えぇ……」

曜「いい子だからきっと善子ちゃんも仲良くなれるよ」

善子「そ、そういう心配はしてないわよ」

曜「友達少ないみたいだから、善子ちゃんもなってあげてよ」

善子「そんなこと言われてもね……」

店員「あの……」

善子「わっ!? 急に現れないでよびっくりするじゃない!」

店員「ごめんなさい!」

曜「大丈夫だよ。善子ちゃん怒ってるわけじゃないから」

店員「そ、そうなんですか」

善子「びっくりしただけよ」

曜「ごめんね、まだ食べ終わってないんだ」

店員「あ、あの……そば湯いりませんか?」

善子「そば湯って確か……そばの茹で汁よね?」

曜「美容にいいんだよね」

善子「嘘くさいわね」

曜「だって肌つるつるだよ?」

365: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:12:12.90 ID:gHklwJnr.net
店員「……」ツルツル

善子「じゃあ一杯貰うわ」

店員「はい」ジョボボ

善子「その音やめて」

店員「??」

曜「善子ちゃん、この子は一般人だから……」

善子「そうだったわ。ごめん、今のは忘れていいから」

店員「はい……」ジョボボ

曜「……」

善子「……」カァアア

店員「このくらいでいいですか?」チョロロ

善子「あ、うん! いいわよ。ありがとう」ズズッ

曜「私も貰える?」

店員「あ……ごめんなさい。これで最後です」

善子「えっ、そばの茹で汁なんていくらでもあるんじゃないの?」

店員「私が飲んじゃいました」エヘヘ

曜「だから肌がつるつるなのか」ナデ

店員「あぅ……」

善子「むっ」

曜「あはは、善子ちゃんもっと飲みたくなった?」

善子「違うわよ」

店員「ごめんなさい。ほとんどのお客さんはそば湯を出す前に帰っちゃうから……」

曜「私もそば湯飲みたいな」

店員「そばを茹でないと……」

善子「私の飲む?」

曜「そんなにそば湯ばっかり飲んでるんだったらさぁ」ニヤニヤ

善子「あっまさか」

曜「そば湯、出せるんじゃないの?」

店員「……はい?」

善子「あ、忘れて? 曜さんはちょっと頭がおかしいだけだから」

366: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:13:07.37 ID:gHklwJnr.net
曜「ねぇ、働いてる間そば湯以外の飲み物飲む?」

店員「飲まない……かな?」

曜「トイレには何回くらい行く?」

店員「えっ」

善子「言わなくていいから」

曜「正直に」

店員「十回くらい……」

善子「飲みすぎよ」

曜「今日は何回行った?」

店員「今日はまだ三回です」

曜「じゃああと七回分あるね」

善子「ないわよ。まだ飲んでない分があるんだから」

店員「??」

曜「分かんないかなぁ」

店員「ごめんなさい……」

善子「分からなくて正解」ズズッ

曜「自分のおしっこ飲んだことは?」

善子「ぶふっ!!?」ゲホッゴホッ

店員「だ、大丈夫ですか!?」

曜「あるの? ないの?」

店員「え? ごめんなさい、聞いてなかった」

曜「だからおしっ」

善子「」パーン

店員「ひっ」ビクッ

曜「」ヒリヒリ

善子「ごちそうさま。お会計お願いしてもいいかしら?」

店員「あっ、すぐ準備しますのでお待ち下さい!」ダッ

曜「痛いんだけど」ヒリヒリ

善子「曜さん正気?」

曜「だってそば湯飲みたかったんだもん」

367: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:13:51.06 ID:gHklwJnr.net
善子「だからって一般人よ!? そば湯なんて出せるわけ……」

曜「じゃあ善子ちゃんが出してよ」

善子「ん?」

曜「そば湯。全部飲んだでしょ?」

善子「だから飲むか聞いたのに!」

曜「出せるの? 出せないの?」

善子「出せないに決まってるでしょ」

曜「じゃあおしっこでいいや」

善子「何で妥協したみたいになってるのよ……」

曜「あっ、善子ちゃんのおしっこは好きだよ? でも今はそば湯の気分なんだ」

善子「聞いてないわよ」

曜「でも、それだけそば湯飲んだらおしっこにもちょっとは入るよね」

善子「そうかもしれないけど」

曜「うん、じゃあ出して」

善子「嫌よ」

曜「そば湯飲みたいなぁ」ニコニコ

善子「わ、分かったわよ。ここじゃないところでね?」

曜「今飲みたいの!」

善子「嫌よ! 他にお客さんはいないけどさっきの店員さんがいるじゃない」

曜「たぶん自分のことに夢中で気づいてないよ」

善子「いくら何でもおしっこしてる客がいたら気づくわ」

曜「じゃあ私が掘りごたつの中に入るから、善子ちゃんは座ったまましてくれればいいよ」

善子「そうね、それなら……ってしないわよ!」

曜「あっ、こっちに来るよ」サッ

店員「お待たせしました。あれ? 曜さんは?」

善子「さ、さぁ? トイレに行ったんじゃない?」

店員「あ、そうですか……」

「……」スルッ

善子「ひゃっ」

店員「どうしたんですか?」

368: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:15:33.92 ID:gHklwJnr.net
_

369: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:16:03.93 ID:gHklwJnr.net
「……」フゥ

善子「あっ♡」

店員「??」

善子「何でもない!」

「……」ペロッ

善子「♡♡」ビクッ

店員「大丈夫ですか? 顔が赤いですけど」

善子「だ、大丈夫だから……」

「……」チュゥゥ

善子「あっふぅ♡」

店員「……」

善子「それより仕事はいいの?」

「……」チュゥゥ

店員「他にお客さんもいないので」

「まだ?」

善子「ごほんっ! あー、のどの調子が」

店員「今、曜さんの声しませんでした?」

善子「あー、気のせいよ。気のせい」

「……」レロッ

善子「……っ♡♡」ビクンッ

店員「風邪ですか? 気をつけてくださいね」

善子「はい……ありが」

チョロロ

善子「……ふぅ」

「……」ゴクッゴクッ

店員「??」

善子「そ、それにしても曜さん遅いわね。何してるのかしら」

「……」ゴクッゴクッ

店員「トイレでも行ったのかな」

善子「そうだ、ちょっと様子見て来てくれない?」

370: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:16:37.07 ID:gHklwJnr.net
店員「え、私ですか?」

「……」ゴクッゴクッ

善子「もしかしたらお腹痛いのかも」

店員「えっまさか食中毒……?」

善子「やめてよ私も食べたのに」

「ぷはぁ」

店員「ん?」

善子「ぷはー! お茶が美味しいわ! お代わり!」

店員「曜さん?」

善子「お代わり!!」

店員「はい……」

スタスタ

「善子ちゃん美味しかったよ」

善子「あっそ。もう少しでバレるとこだったわよ」

「善子ちゃん、もしかして興奮した?」

善子「し、してない!」

「そう? おしっこの味がちょっと変だったから」

善子「そば湯のせいよ。ところでそば湯の味した?」

「全然」

善子「そりゃそうよね。たった今飲んだばかりなんだから」

「後でまたちょうだいね」

善子「どうしてそこまでして私から飲みたいのよ……」

「他の人のを飲んだら嫌じゃないの?」

善子「そば湯ってそもそも人から飲むものじゃないでしょ」

「そうなの? 飲んだことないから分かんないや」

善子「じゃあ私は誰のを飲んだの」

「あの子の」

善子「えっ」

「じゃあ、あの子は誰のを飲んだんだろう……?」

善子「いや、曜さん自分で言ったわよね? そばの茹で汁って」

371: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:17:31.35 ID:gHklwJnr.net
「……」

善子「いいからもう出てきなさいよ。店員さんいないからチャンスよ」

「足、舐めてもいい?」

善子「は??」

「ううん、ごめん。忘れて」モゾモゾ

曜「ふぅ」

善子「おかえり」

曜「ただいま」

善子「それと、さっき何か言わなかった?」

店員「あ、曜さんお帰りです」コトッ

曜「あ、お茶入れてくれたんだ」

店員「はい。それと曜さんにはそば湯です」コトッ

曜「えっ」

店員「飲みたそうにしてたので」

曜「飲んでいい?」

善子「私に聞かないでよ」

曜「それでは……」クンクン

曜「あぁ……いい匂い♡」

善子「ちょっと待って!」ガシッ

曜「あっ返してよ」

善子「……」クンクン

善子「そば湯じゃないの!」バシッ

曜「だからそう言ってるじゃん」ヒリヒリ

店員「??」

曜「善子ちゃんったらそば湯をおしっ」

善子「やめなさい」グイッ

店員「ところで善子さんって曜さんと付き合ってたりします?」

善子「えっ」

曜「えへへ、やっぱりそう見える?」

善子「ただの先輩後輩よ。スクールアイドル部の」

372: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:18:25.70 ID:gHklwJnr.net
店員「あ、そうなんですか?」

善子「ええ」

曜「……」

善子「さて、そろそろ行こうかしら」

曜「うん……」

店員「また来てくださいねー」ノシ

善子「ええ、頑張って」ノシ

曜「……」

……

善子「味はよかったわね」

曜「そうだね」

善子「店員さんも、悪い人じゃないんだけど……」

曜「うん」

善子「また行ってもいいかなってところね」

曜「……」

善子「どうしたのよ、元気ないじゃない」

曜「善子ちゃんってさ」

曜「私と付き合ってることどうして隠すの?」

善子「えっ?」

曜「さっきのおそば屋も、その前の写真屋もそうだったよね」

曜「通りすがりって言ったりただの先輩後輩って言ったり……」

善子「……」

曜「私と付き合ってることってそんなに隠したいことなの?」

善子「だって……こんな関係他の人に知られたくないわよ」

曜「おしっこ飲む間柄なのは言わなくていいよ? でもさ、恋人ってことは言ってもいいんじゃない?」

善子「……」

曜「私と付き合うのってそんなに恥ずかしいことなのかな」

善子「そうじゃないわよ」

曜「そうでしょ。じゃなかったら嘘つく必要ないもん」

善子「……」

373: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:19:38.15 ID:gHklwJnr.net
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374: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:20:22.04 ID:gHklwJnr.net
曜「明日、みんなに言わない?」

善子「えっ……」

曜「せめてAqoursのメンバーだけでもさ」

善子「……」

曜「嫌?」

善子「曜さんは言いたいの?」

曜「言いたい……というよりは認めてもらいたいってのが近いかな」

曜「たぶんみんなおめでとうって言ってくれると思うよ」

善子「……」

曜「ダイヤさん辺りはものすごく反対しそうだけど」

善子「確かに」

曜「コソコソ隠し事をするのが苦手って言うかさ、私ってそういうの向いてないじゃん」

善子「嘘も下手だしね」

曜「それは褒め言葉かな?」

善子「まあ、下手に隠そうとして怪しまれるよりは自分から言うべきなのかもね」

曜「私はそう思うよ」

善子「……」

曜「明日までに考えておいてよ」

善子「分かったわ。もし言うときは一緒にね。抜け駆けはなしよ」

曜「うん」

善子「ってことは、二人だけの秘密は今日までってことね」

曜「おしっこは秘密だよ?」

善子「それは当然。私と曜さんが付き合ってるってことよ」

曜「もし別れたら気まずいかな?」

善子「別れる予定あるの?」

曜「ないよ。善子ちゃんが言い出さない限りは」

善子「私だって、曜さんが言い出さなければそんなつもりないわよ」

曜「えへへ」

善子「それと、みんなの前ではくっついてこないでよね?」

曜「えっ」

375: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:20:58.88 ID:gHklwJnr.net
善子「当たり前でしょ。目の前でイチャイチャされたら周りがやりづらいわよ」

曜「そんなぁ」

善子「バカップルみたいに思われるのも嫌だし」

曜「私は思われてもいいんだけどな」

善子「私が嫌なの! 学校ではこれまで通り普通にね」

曜「それじゃあみんなに言う意味なくない?」

善子「なら言わなくてもいいわよ」

曜「う……」

善子「次のライブで公表するなら、それまでは黙っておくのもいいんじゃない?」

曜「そうだね。善子ちゃんはどうしても私と隠れて付き合いたいみたいだし」

善子「そうじゃないけど」

曜「……」

善子「別に、私と曜さんじゃ釣り合ってないとか、そんなこと思ってないんだから……」ボソボソ

曜「ん?」

善子「もうこの話は終わり! 明日みんなに言いましょ」

曜「うん!」

善子「だから今日のことは二人の秘密に……」

曜「写真は見せてもいいよね?」

善子「写真……? あ、さっきの!? 絶対ダメ!」

曜「せっかく撮ったのに」

善子「あんなの絶対笑われるに決まってるじゃない」

曜「私三万円も出したのに」

善子「今更だけど、確か二万円って言ってなかった?」

曜「ほら、特大引き伸ばし印刷分だよ」

善子「あれ本当に作るのね……」

曜「給料三ヶ月分には程遠いけどね」

善子「え?」

曜「二人の記念にはなったでしょ?」

善子「……まあね」カァアア

曜「出来上がるの楽しみだなぁ」

376: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:22:32.13 ID:gHklwJnr.net
 映画館

曜「何見ようかなー」

善子「えーと、そうね。今やってるのは……」

曜「恋愛モノがいいかなぁ」

善子「こ、これって確かハードな濡れ場もあるやつよね……」ボソボソ

曜「善子ちゃんって怖いの平気?」

善子「えっ? も、もちろん平気よ! 私だって子どもじゃないんだし、こういう映画の一つや二つ……」

曜「?? まあいいや、チケット買ってくるから待ってて」タッ

善子「……」

善子(曜さんとそういう映画見ちゃうんだ……)ドキドキ

善子(映画の途中でキスされちゃったりして)ドキドキ

善子(それで、今日の夜は……)ドキドキ

善子(……)プシュー

善子「」

曜「チケット買えたよ。もう始まるみたいだから急ごう」グッ

善子「えっ……あっ、まだ心の準備がっ」

曜「トイレはさっきしたから大丈夫だよね!」タッタッ

善子「あ、うん……」タッタッ

……

「きゃああああ!!!」

「やめろ、こっちへ来るな!!」バンバンッ

「呪ってやるぅぅうぅ」

「うわああああ!!!」

曜「ひぃ……思ったより怖いね」ビクッ

善子「」

377: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:23:55.97 ID:gHklwJnr.net
_

378: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:24:24.47 ID:gHklwJnr.net
「お前だけでも……逃げろ……」

「一緒に生きて帰るって……約束したじゃない……!!」

曜「ううっ……いいシーンだなぁ」ポロポロ

善子「」

曜「ん?」

善子「」

曜「善子ちゃん」ペチペチ

善子「はっ!? あ、曜さん何して……」

「お前と会えて本当に……ぐわあああ!!?」

「きゃー!! ゾンビ!!!」

善子「きゃあああ!!?」

曜「怖がり過ぎだよ」アハハ

善子「曜さんこれラブストーリーじゃなかったの!? こんなの詐欺じゃない!」

曜「ラブストーリーじゃん! 世界のために恋人を殺すのか、それとも恋人のために世界を捨てるのか……うーん、悩む!」

善子「ひぇっ……」

曜「あっ、私はもちろん善子ちゃんだよ!」

「ごめんなさい……」ジャキッ

「やめろ……僕を……殺さないで……」

「あなたのことは好きだけど、私はこの街も大好きだから」

「頼む……」

「さよなら」

パーン

曜「え……」

善子「うわグロいっ!!?」

「完」

「♪~」

曜「いや今の何」

善子「何って血よ!! 撃たれたゾンビがヘリに巻き込まれて……」

曜「ひどい!! そんな……街のために恋人を捨てるなんて!!」グスンッ

善子「いやいやいやゾンビ倒せてハッピーエンドでしょうが」

379: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:25:23.86 ID:gHklwJnr.net
曜「は??」

善子「元が人間だったことすら分からなかったじゃない!」

曜「……善子ちゃんそれ本気で言ってる?」

善子「むしろあそこで助けてたら自分もゾンビ化してバッドエンドよ!」

曜「……私もゾンビになったら殺されちゃうのかな」

善子「そ、それは……」

曜「私は絶対善子ちゃんを選ぶからね」

善子「どちらかと言うと人の意識が残っているうちに殺してほしいわね」

曜「どんな姿になっても善子ちゃんは善子ちゃんだよ」

善子「そんなこと言われたら……私が悪いみたいじゃない」カァアア

曜「それにしてもあの選択はないな」

善子「いや、あるわよ……恋人との未練を断ち切って世界を救ったんだもの」

曜「やっぱり洋画はよく分かんないや」アハハ

善子「ん? 洋画??」

曜「えっ?」

善子「そういえばやたら俳優陣も外国の人が多かったような」

曜「だからホラーも平気? って聞いたじゃん」

善子「えっ!? もしかして隣に貼ってあったゾンビ映画!?」

曜「何だと思ったの」

善子「私はその隣の普通の恋愛モノかと思ってたわ」

曜「あれかなりキツい濡れ描写あるから気まずいかなって思って」

善子「そ、そうなんだ」

曜「知らずに見てたら恥ずかしい思いするとこだったよ?」

善子「知ってたけど……」

曜「善子ちゃんこういうホラー好きそうだし誘ってみたんだけど……ごめんね?」

善子「……」

曜「いやー、それにしても善子ちゃん、何度も私に抱きついてくるからドキドキしちゃったよ」アハハ

善子「えっ私そんなことしてた?」

曜「『曜さん無理ぃ……怖いのぉ……』」ギュッ

曜「って」

380: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:26:08.46 ID:gHklwJnr.net
善子「それは言ってないわね」

曜「言ってほしかったな」

善子「知らないわよ! って言うか私、内容ほとんど覚えてないんだけど」

曜「気絶してたもんね」

善子「やっぱり……」

曜「途中で私がキスしたのに無反応だったよね」

善子「人が気絶してるからって何してんのよ!」

曜「あんまり怖がったら途中で出ればいいかなって思ってたんだけど、気絶してたからそのまま見ちゃった」アハハ

善子「ひどい」

曜「最後のシーン以外は面白かったよ」

善子「どうしても納得いかないみたいね」

曜「いくわけないじゃん」

善子「……」

曜「私は善子ちゃんがゾンビになっても好きだからね」

善子「気持ちは嬉しいけどそのときは殺して」

曜「善子ちゃん無理ぃ……怖いのぉ……」ギュッ

善子「そういうのいいから」

曜「あ、今のは善子ちゃんが怖いんじゃなくて善子ちゃんを失うことが怖いって意味だよ」

善子「聞いてない」

曜「善子ちゃん冷たいなぁ。ゾンビ並みの体温だね」

善子「怒るわよ」

曜「私が温めてあげよっか?」

善子「え……うん」

曜「……」

善子「温めてくれるんでしょ?」

曜「今のは冗談だよ」

善子「もう! だから恋愛モノにしとけばよかったのよ!!」

曜「えぇ……」

善子「怖すぎて漏らすかと思ったじゃない」ボソッ

曜「私のおかげだね」エヘン

381: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:27:25.24 ID:gHklwJnr.net
_

382: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:28:00.68 ID:gHklwJnr.net
善子「まあ、そうかもね……」

曜「私はちょっと漏らしたけど」

善子「えっ」

曜「ほんのちょっとね」アハハ

善子「嘘でしょ?」

曜「嗅いでもいいよ」

善子「……」クンクン

曜「ね?」

善子「ちょっとどころじゃないわよこれ」ビチャッ

曜「うん……トイレ行かせて」

……

 トイレ

曜「うわ、意外と濡れたなぁ」フキフキ

善子「怖くなさそうな振りしてたけど本当は怖かったのね」

曜「善子ちゃんの前で恥ずかしい姿は見せられないよ」

善子「いや、今見せてるわ」

曜「いじわる」フキフキ

善子「替えの下着は持ってきた?」

曜「一応ね」

善子「よかった。でも曜さんこそおむつした方がよかったんじゃない?」

曜「善子ちゃんそういうの好きなの?」

善子「え?」

曜「分かった、今夜はおむつ用意しとくね」

善子「何か誤解してるわよ」

曜「彼女におむつさせてデートなんて相当な変態だね」

善子「違うから」

曜「でもしたいんでしょ?」

善子「……まあね」

曜「こんな可愛い服着てるのに実はおむつ履いてるんです……」

曜「ってのが好きなんでしょ?」

383: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:28:32.82 ID:gHklwJnr.net
善子「悪い?」

曜「全然。今度はおむつ履いてデートしよう」

善子「私は履かないからね」

曜「善子ちゃんはしたくなったら私がいるもんね」

善子「トイレじゃないんだから……」

曜「善子ちゃん専用のペットボトルだよ」

善子「それで首輪なのね」

曜「ペットだけに!」

善子「……」ハァ

曜「今のは善子ちゃんが悪くない?」

善子「そうね」フフッ

曜「喉が乾いたらいつでも言ってね。私は善子ちゃんの飲み物でもあるんだから」

善子「喉が乾いたわ」

曜「あ、ごめん。今出しちゃったばっかりだからまた後で」

善子「知らないわよ」チュッ

曜「んっ……」

善子「……」チュゥゥ

曜「ぷはっ……善子ちゃん、こっちからは出ないよ」

善子「黙ってキスくらいさせたらどうなの?」

曜「ごめん」

善子「……っ」チュッ

曜「……」

善子「……ありがと」

曜「……」

善子「早く下履きなさい」

曜「うん」スルッ

善子「今日は楽しかったわ」

曜「私も。色んな善子ちゃんが見られてよかった」

善子「でも……もう終わりなのね」

曜「え?」

384: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:29:29.47 ID:gHklwJnr.net
善子「今日のデートが終わったら、もう明日にはみんなにバラしちゃうんだもの」

曜「まだデザート食べさせ合いっこしてないよ」

善子「ええ、そうね」

曜「じゃあ食べさせ合いっこしよう」

善子「うん」

……

 フードコート

曜「本当に一つでよかったの?」

善子「え? これでも結構大きいわよ」

曜「だって二種類あれば『そっちの味も食べてみたいな♡』って言えるけど」

曜「一種類だと『自分で食べれば?』ってなるじゃん」

善子「言われてみれば……」

曜「『そっちのスプーンも食べてみたいな♡』とか?」

善子「意味が分からないわ」

曜「『間接キスしてもいい?』」

善子「気持ち悪いわね」

曜「『善子ちゃんのスプーン……』」

善子「気持ち悪いからやめてってば」

曜「まあいいや。はい」つ

善子「え? 食べろってこと?」

曜「あーん♡」つ

善子「あ、あーん……」パクッ

曜「美味しい?」

善子「まあまあ、かしら」モグモグ

曜「あーん♡」

善子「はい」つ

曜「ぺろっ」

善子「ひゃああ!? それ私の指だから!」

曜「美味しい♡」

善子「いいから早く食べて」

385: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:30:57.18 ID:gHklwJnr.net
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386: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:31:25.54 ID:gHklwJnr.net
曜「はむっ」パクッ

善子「こんなところ誰かに見られたらどうするのよ」

曜「どうせ明日には言うんだから関係ないよ」つ

善子「ぱくっ……まあ、そうだけど」モグモグ

曜「でも善子ちゃんは学校でお弁当食べさせ合ったりするの嫌なんだよね」

善子「誰も見ていなければいいわよ」

曜「本当!? じゃあみんなに言っておくね!」

善子「言ったら意味ないじゃない!!」

曜「『善子ちゃんと食べさせ合いっこするけど見ないでね!? 写真とか絶対撮らないでね!?』」

善子「本当にやめてよね」

曜「善子ちゃんが嫌がることはしないよ」

善子「そう。安心したわ」

曜「本当に嫌がることはね」

善子「本当に嫌よ」

曜「言ったら私のこと嫌いになる?」

善子「なるかもね」

曜「そっか……じゃあやめとくよ」

善子「私に嫌われなければ何してもいいの?」

曜「嫌われてもやることはやるよ」

善子「じゃあ何で聞いたのよ」

曜「善子ちゃんのためなら何でもするよ」

善子「ほらまた『何でも』って言った」

曜「本当に何でもするもん」

善子「本当にいいのね?」

曜「いいよ」

善子「何があっても私のこと嫌いにならないでよ」

曜「もちろん」

善子「ゾンビになっても?」

曜「……もちろん」

善子「一瞬迷ったわね」

387: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:31:54.30 ID:gHklwJnr.net
曜「じゃあ私がゾンビになったら嫌いになる?」

善子「ならないけど撃つわよ」

曜「酷い」

善子「それが曜さんのためだと思うから」

曜「わ、私も善子ちゃんのためなら撃つよ」

善子「絶対無理ね」

曜「撃つよ! 動くな!!」スチャッ

善子「いいからスプーン置きなさいよ」

曜「無駄な抵抗はやめて私に愛を誓え」

善子「……恥ずかしくないの?」

曜「恥ずかしい」

善子「心配しなくても曜さんのことは大好きよ」パクッ

曜「うん」

善子「やっぱり隣の恋愛モノも見ない?」

曜「えっ」

善子「デートといえばああいう映画見るでしょ普通」

曜「あれ子どもも見ていいのかな」

善子「確か成年指定とかされてなかったと思うけど」

曜「ちょっと恥ずかしいけど善子ちゃんと一緒なら……」ドキドキ

善子「勘違いしないでよ? 別にそういうシーンが見たくて見るわけじゃないんだから」

曜「知ってるよ。私とどさくさに紛れてキスしたり抱きついたりしたいだけでしょ」

善子「それさっきの曜さんじゃない!」

曜「一日に二回も映画見ちゃうなんて相当な変態さんだね」

善子「変態なのかしら……」

曜「今度は漏らさないから!」

善子「私もトイレに行っておくわ」

曜「善子ちゃんには私がいるよ?」

善子「嫌よ。映画館の中なら暗くてバレないとは思うけど……」

曜「それじゃあトイレは行かなくていいね」

善子「話聞いてた?」

388: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:32:50.26 ID:gHklwJnr.net
曜「いいから行こっ」グイッ

善子「あっ、待って本当にトイレ行かないの!?」

……

 映画視聴後

善子「曜さん、もう終わったわよ」

曜「もう無理ぃ……恥ずかしすぎて死にそう」カァアア

善子「恥ずかしがり過ぎよ」

曜「だってあんな……女の子同士であんなこと……」

善子「だからそういうシーンもあるって言ったじゃない」

曜「こんなのほとんど   ビデオじゃん」

善子「違うわよ!」

曜「見たことあるの?」

善子「ないけど! 本物はこんなものじゃ済まないから!」

曜「見たんだね」

善子「まあ、露骨なのよりこういう方がむしろ   な気はするわね」

曜「コメントが変態っぽい」

善子「率直な感想よ」

曜「善子ちゃんって私とああいうことしようとしてるんだよね?」

善子「曜さんもいいって言ったじゃない」

曜「やっぱり無理だよ……」

善子「何、私とじゃ嫌なの?」

曜「善子ちゃんとだから無理なんだよ!」

善子「他の人とならいいの!!?」

曜「あ、そうじゃないよ。善子ちゃんとああいうことするなんて私たぶん恥ずかしすぎて死んじゃうよ」

善子「死にはしないわよ」

善子「……たぶん」

曜「やっぱりやめようよ」

善子「……」

曜「分かった、私が寝てる間にしていいから」

善子「それは嫌」

389: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:33:53.63 ID:gHklwJnr.net
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390: 名無しで叶える物語 2017/12/31(日) 21:34:28.97 ID:gHklwJnr.net
曜「何でも好きなことしていいのに」

善子「それじゃ私が一方的に満足して終わりでしょ?」

曜「それでもいいよ。私は善子ちゃんのペットなんだから」

善子「ペットボトルよ!」

曜「首輪買ったじゃん」

善子「買ったけど! 私は曜さんとしたいのよ」

曜「だからしていいって」

善子「ペットボトルでもペットでもなくて曜さんとしたいの!」

曜「だからぁ」

善子「恋人としてしたいの!! こんなの言わせないでよね」

曜「……」

善子「無理なことはしないつもりよ」

曜「分かった、そこまで言うなら頑張る」

善子「嫌だったらちゃんと言ってね?」

曜「言ったらやめてくれる?」

善子「ふふっ」

曜「えっ」

善子「本当に嫌そうだったらね」

曜「いじわる」


デート編 後編 終わり

399: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 13:57:20.28 ID:7OmXVtKi.net
 帰りのバス

善子「すっかり暗くなっちゃったわね」

曜「映画二本も見たからね」

善子「本当はカラオケも行きたかったわ……」

曜「あんまり遅くなるとママを心配させちゃうよ」

善子「……」

曜「ごめん、ママの話出されるの嫌なんだっけ」

善子「まさか忘れてないわよね?」

曜「え?」

善子「この後……このまま帰るつもり?」

曜「あ……も、もちろん覚えてるよ」

善子「……」

曜「実はさ、お母さんに今日は泊まってくるって言ってあるんだ」

善子「どこに?」

曜「ううん。それが決まる前に言ったから」

善子「?」

曜「お母さんの友達が来て一緒に飲むんだってさ。私は邪魔なんだよ」

善子「そんなこと言われたの?」

曜「まさか。私がいたらうるさいからね」

曜「飲みすぎないように気をつけなよ、とか」

善子「曜さんってお母さん思いね」

曜「どうだろ? 本当にお母さんのこと考えてたら『一緒にいたい』って言ってるよ」

善子「……」

曜「そういうわけでごめん、今日も泊めてもらっていいかな? もちろん家事は手伝うからさ」

善子「……」

曜「あれ? 嫌だった?」

善子「今日は曜さんの家に泊めてもらおうと思ってた」

曜「え、あぁ……ごめん」

善子「ううん、私もギリギリまで言わなかったのが悪いし」

曜「また今度ね」

400: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 13:58:17.35 ID:7OmXVtKi.net
善子「も、もし嫌じゃなかったらなんだけど……今日はどこかで泊まったり……」

曜「ホテル?」

善子「ほ、ホテル……」カァアア

曜「でも明日学校だよ」

善子「うん……」

曜「高校生がホテルに泊まるのはどうなんだろう」

善子「な、何もそういうホテルだなんて言ってないわよ」

曜「え? 善子ちゃん、そういうことしたいのかと思った」

善子「……」

曜「まあ、善子ちゃんの家だとママに聞こえちゃうもんね」

善子「ええ。曜さんの家なら二階と一階で聞こえないかなって……」

曜「でも善子ちゃん声大きいからなぁ」

善子「怒るわよ?」

プルル

曜「あ、電話」

曜「……」

善子「いいわよ、出て」

曜「そう? じゃあ」スッ

曜「もしもし、ママ?」

『曜ちゃん、ごめんね? 善子に何度も電話したんだけど出ないから』

曜「ごめんなさい。私のせいです」

『善子は一緒? ちょっと代わってくれない?』

善子「……」

曜「はい」サッ

善子「うん……」

善子「もしもし、何か用?」

『どうして電話に出ないのよ!! 心配したじゃない!!』

曜「うわっ」

善子「仕方ないでしょ、スマホにロック掛かっちゃったんだから」

『えっ?』

401: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 13:59:31.40 ID:7OmXVtKi.net
善子「曜さんにロックされちゃったのよ」

曜「あの、善子ちゃんが私のスマホを見たので私も見てやろうと思ったらパスワードが違って」

『あぁ……』

曜「私はもちろん善子ちゃんの誕生日にしてあるのに善子ちゃんは私の」

善子「余計なこと言わなくていいから」

『そういうことだったのね。善子、あまり曜ちゃんを困らせちゃダメよ』

善子「は? 曜さんが私を困らせてるんだけど?」

『……まあいいわ。曜ちゃんに代わって』

善子「ええ」サッ

『ごめんね、善子ったら勝手に曜ちゃんのスマホを見るなんて』

曜「いいんです。見られて困るようなことしてませんから」

善子「してたわよ」

『善子が曜ちゃんとはぐれたりしてないか心配してたのよ』

曜「あ、それなら大丈夫です。私とずっと恋人繋ぎしてましたから」

善子「だから言わなくていい!」

『ふふっ。ケンカとかしなかった?』

曜「何回かしました」

『あらそう。大丈夫?』

曜「えへへ。ほっぺがちょっと赤くなってるくらいですかね」

『あの子すぐビンタするから……』

曜「ママにもするんですか?」

『私はもう慣れてるから見切れるけどね』

曜「善子ちゃん、ママにビンタはダメだよ」

善子「……」

『そんなことしてるから友達ができないのよ』

善子「うっさい! 他の人にはしてないわよ!!」

曜「ん? それって私だからしてるってこと?」

善子「そ、そうは言ってない! 他の人はビンタされるようなことしないから」

『ケンカになるとすぐ手を出すのやめなさいよ』

善子「私を暴力女みたいに言わないでよ」

402: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:00:15.70 ID:7OmXVtKi.net
曜「そっかぁ。ビンタは『好き』の裏返しってわけだね」ニヤニヤ

善子「その気持ち悪い笑い方やめて」

曜「あ、でも善子ちゃんも何度も真っ赤な顔してました」

『えっ?』

善子「してないわよね」

曜「理由は秘密です」

善子「してないわよね!?」

曜「今だって赤くなってるよ」

善子「な、なってないから……」

『あんまりからかわないであげてね。いじけると厄介よ』

曜「気をつけます」

善子「ママも余計なこと言わないで」

『あ、そうそう。私今夜はお友だちの家に泊まることにしたわ』

曜「そうなんですか」

善子「ん?」

『善子、一人でもちゃんと作って食べなさいよ』

善子「いいわよ、一日くらい食べなくったって……」

『あと一人なんだから必ずおむつして寝なさいよ』

善子「余計なお世話よ!」

『曜ちゃんもどこか泊まってくるんですってね? 気をつけるのよ』

曜「あ……えっと」

善子「何でママが知っているのよ」

『まだ電話中だから……ごめんね? もう少し待ってて』

善子「ちょっとママ? 誰かいるの?」

『えっ? ううん、私一人よ。じゃあそういうことだからお休み』

曜「おやすみなさい」

善子「ちょっと!」

ツーツー

曜「あはは、今日は一人なんだね」

403: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:01:03.98 ID:7OmXVtKi.net
善子「ママって本当に勝手なんだから……」

曜「もしよかったら、夕ご飯だけでも作ってあげようか?」

善子「え? そのまま泊まっていけばいいじゃない」

曜「それはダメ。ママにも内緒で知らない人を家に泊めるなんて……」

善子「知り合いだけど」

曜「そういうことじゃなくて。ママに心配かけちゃだめだよ」

善子「曜さんなんだから心配かけないでしょ。むしろ曜さんが一緒の方が安心するわよあの人」

曜「うーん、でも黙って泊まるのはなぁ」スッ

プルル

善子「変なところ律儀ね」

曜「善子ちゃんとはきちんとお付き合いしたいからね」

プルル

善子「他の子とはそうじゃないお付き合いしてもいいわけ?」

曜「本当に面倒くさ善子ちゃんだなぁ」

善子「何ですってぇ……!」

『も、もしもしっ!?』

曜「あ、ママ? 図々しいお願いなんですけど、今日も泊めてもらえませんか?」

『えっ……あっ、だからダメだってば』

曜「そ、そうですよね! 二日連続はさすがにご迷惑ですよね!!」

『嫌っ、本当にやめてよ』

曜「すみませんでした。失礼します……」

善子「えっ、ママに断られたの?」

曜「ちょっと怒ってるみたいだった」

『だからダメなの! 何度も言わせないでっ……』

曜「ね?」

善子「……」

『もしもし曜? お母さんだけど』

曜「え」

善子「は?」

『今日は善子ちゃんの家に泊まってくるの? 失礼のないようにね』

404: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:01:50.66 ID:7OmXVtKi.net
曜「う、うん……」

『クリスマス一緒にいられなくてごめんね』

曜「……」

『それじゃ、おやすみ』

曜「……」

善子「おやすみって言われてるわよ。返事くらいしなさいよ」

曜「おやっ……すみ……」グスッ

善子「え、何泣いてんの? 気持ち悪いんだけど」

『もしもしっ!? 曜ちゃん!? 今のはええと、その、違うから!! またね!』ピッ

曜「お母さん……ありがとう」グスッ

善子「とんでもないことが判明したわ」

曜「お母さんも私のこと考えててくれたんだね……」

善子「ママが言ってたお友だちって、曜さんのママのことだったのね」

曜「え、そうなの?」

善子「何を聞いてたのよ」

曜「善子ちゃんのママ、もしかして私の家に泊まるの?」

善子「ママに泊まるほど仲のいい友だちなんて他にいないわよ」

曜「あぁ、それで私のお母さんがいたのかぁ」ポンッ

善子「曜さんってもしかしてバカ?」

曜「ん? でもどうしてママは『一人』なんて嘘ついたんだろ?」

曜「私のお母さんとなら隠さなくてもいいのに……」

善子「あのねぇ、電話で様子おかしくなかった?」

曜「そういえばちょっと熱っぽかったかも」

善子「つまり……そういうことよ」

曜「なるほど、ママが風邪引いちゃったからお母さんが看病してあげてるんだね。優しいところもあるなぁ」

善子「は?」

曜「ん? でも何でそれならお母さんが善子ちゃんの家に行かないんだろう??」

曜「病人に家に来させるなんてやっぱり優しくないや」

善子「わざと言ってるのかしら……それとも」

善子「まあいいわ。ママには後で言っておくから」

405: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:02:38.29 ID:7OmXVtKi.net
曜「ごめんね。今日は一人でご飯作って食べてね」

善子「曜さん作ってくれないの?」

曜「あ、家に上がることは断られてないけど……ううん、やめとくよ」

善子「はぁ? いいから泊まっていきなさいよ!」

曜「だから断られたじゃん。私はどこか他を当たるよ」

善子「他って?」

曜「千歌ちゃんか梨子ちゃんに電話してみる」

善子「他の人の家!? ダメに決まってるじゃない!」

曜「まだ聞いてみないと分からないよ」スッ

善子「いいから今夜は泊まっていきなさい」グッ

曜「……何で?」

善子「『何で』??」

曜「あ、善子ちゃんも私と一緒にいたいってこと?」

善子「当たり前でしょ!? そのくらい気づきなさいよ!」

曜「うん、じゃあ二人で泊めてくれるか聞いてみるね」スッ

善子「だ、だからそうじゃないでしょ……」

曜「あ、もしもし? 梨子ちゃん?」

善子「ごめんなさい! 掛け間違えたわ!!」ピッ

善子「はぁ、はぁ……」

曜「何するの」

善子「そんなに私と二人が嫌なの?」

曜「嫌じゃないよ。でも泊まるところが……」

善子「ママ、曜さんが泊まること反対なんてしてないわよ」

曜「してたよ」

善子「だから……それを説明させるの? 私に??」

曜「さっきから善子ちゃんが何言ってるのか全然分かんない」

善子「分かんないならいいわよ。今日は一人で寝るからいい」プイッ

曜「うん……」

善子「……」ムスッ

406: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:04:48.42 ID:7OmXVtKi.net
_

407: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:05:17.37 ID:7OmXVtKi.net
曜「もしかしていじけた?」

善子「別に」プクー

曜「ごめん」

善子「曜さんは私と二人きりで泊まるとしたらどんなことする?」

曜「え? 一緒にご飯食べて一緒にお風呂入って一緒に寝るかなぁ」

善子「ママと曜さんのお母さんは一緒に泊まるのよ」

曜「……えっ」

善子「ママたちは大人だからそれだけじゃ済まないでしょうね」

曜「そ、そんな……えっ? まさかさっきの電話……」カァアア

善子「だからさっきからそう言ってるでしょ!!」

曜「それでママの声が変だったんだ……」

善子「曜さんのママ、相当いじわるね」

善子「ママが娘と話してるのにやめないんだもの」

善子「バレたらどうするつもりなのよ……」

曜「つ、つまり善子ちゃんも私とそういうことがしたいと」

善子「えっ? あ、あぁ……うん」

曜「……」カァアア

善子「本当、曜さんって気が利かないわよね」

曜「ごめん」

善子「まあ、そういうところも……曜さんらしいと言えばらしいのかしら」

曜「……」カァアア

善子「恥ずかしがり過ぎよ。見てるこっちが恥ずかしくなるわ」

……

408: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:06:04.26 ID:7OmXVtKi.net
 善子の家

曜「お邪魔します」

善子「どうぞ」

曜「何だか……本当に悪いことしてるみたいだね」ドキドキ

善子「まだしてないわよ」

曜「ううん、ママに内緒で家に来ちゃうんだから」

善子「だから知ってるって」

曜「今ごろお母さんたち……」カァアア

善子「勝手に想像して恥ずかしがるのやめて」

曜「善子ちゃんは平気なの?」

善子「何が」

曜「自分もそういうことしようとしてるの」

善子「……平気よ」

曜「もしかして、誰かとしたことある?」

善子「ないけど」

曜「私はあるよ」

善子「えっ!!?」

曜「って言ったら怒るかな」アハハ

善子「あのね、嘘でもそういうこと言わないで」

曜「もし私が誰かとしたことあったら嫌?」

善子「そんなの……嫌に決まってるじゃない」

曜「嫌いになる?」

善子「ならないわよ! ならないけど……曜さんは私とだけすればいいと思う」

曜「……」ニヤニヤ

善子「だからその顔!」

曜「心配しなくても善子ちゃん以外とはしないよ」

善子「したら本気で嫌いになるわよ」

曜「う、うん……」

善子「約束だからね? 私以外とそういうことしないで」

曜「分かった」

409: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:06:57.40 ID:7OmXVtKi.net
善子「これから先ずっとよ!? 死ぬまでしないでね」

曜「もししたら?」

善子「曜さんを殺して私も死ぬ」

曜「ひぇっ……」ビクッ

善子「ってのは冗談だけど、そのときは曜さんのこと好きでいられる自信がないわね」

曜「善子ちゃんもなかなか冗談キツいね」アハハ

善子「浮気しなきゃいいだけの話よ」

曜「しないよ」

善子「絶対?」

曜「絶対」

善子「証明できる?」

曜「……どうすればいいの?」

善子「そんなの……言わなくても分かるでしょ?」

曜「善子ちゃんったら本当に善子ちゃんだね……」グイッ

善子「い、意味分かんないし……」ファサッ

……

曜「はぁ、はぁ……♡」

善子「……♡」

曜「善子ちゃん気持ちよさそうな顔してるね」ナデ

善子「すぅ……」

曜「寝ちゃったか」

曜「さてと、ご飯の支度しないと」スタッ

曜「あ、でもこの格好じゃなぁ……」

曜「暖房のおかげで寒くはないけどね」

曜「……」カチャカチャ

曜「これでよし」

曜「ご飯は何がいいかな」

曜「善子ちゃんの食べたそうなものは……」

善子「すや……」

曜「うん、カツカレーだね」

410: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:07:49.38 ID:7OmXVtKi.net
曜「よーし、作るぞー!」スタスタ

善子「……」

善子「曜さん……」

善子「ふふ」ムニャ

……

「ご飯できたよ」ユサユサ

善子「んぅ……?」

「ご飯」ユサユサ

善子「曜さん何してるの」

曜「ご飯作ってたの。できたから食べよう?」

善子「それは見れば分かるけど……」

曜「ん? あんまりお腹空いてない?」

善子「その格好はどうしたの」

曜「何って、エプロンだよ」

善子「じゃなくて。どうして裸なのよ」

曜「えっ」

善子「裸よね!? 私が寝ぼけて裸に見えてるわけじゃないわよね!?」

曜「やだな、下に着てるってば」クルッ

善子「下着だけじゃない! それほとんど裸よ!」

曜「善子ちゃんこういうの好きかなーって」エヘヘ

善子「だ、大好きだけど……」カァアア

曜「よかった。今日はカツカレーを作ってみたんだよ」

善子「あの……私、ダイエット中って言わなかった?」

曜「えっ、嫌なの?」

善子「ううん、食べたかったのは確かよ」

曜「ちょうどお肉がなかったから豆腐カツカレーなんだけどね」

【参考画像】
http://www.kubosannotofu.co.jp/img/recipe03.jpg

411: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:08:36.89 ID:7OmXVtKi.net
善子「曜さん大好き」

曜「ありがとう」

善子「それにしてもよく私がカツカレー食べたいって分かったわね」

曜「ん? 私が食べたかっただけだよ?」

善子「えっ」

曜「あ、ここは『分かるよ。善子ちゃんの恋人だもん♡』とか言った方がよかったかな」

善子「もういいわよ」

曜「さ、冷めないうちに食べようよ」

善子「ええ」

善子「いただきます」

曜「召し上がれ」

善子「……」キョロキョロ

曜「どうかした?」

善子「あれ、私のスプーンは?」

曜「え? ないよ?」

善子「あったでしょ。食器棚の手前よ」

曜「??」

善子「あ……そういうことね」

善子「あーん……」

曜「……」

善子「あーん!!」

曜「何してるの?」

善子「え!? 曜さんが食べさせてくれるからスプーン要らないってことじゃないの?」

曜「違うよ」

善子「違うの!?」

曜「善子ちゃん自分がどんな立場か分かってないみたいだね」

善子「へ? どういうことよ」

曜「首、気付いてないの?」

善子「首……?」カチャ

善子「あっ! これ首輪!? いつの間に……」

412: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:09:17.10 ID:7OmXVtKi.net
曜「自分が犬だってこと忘れちゃうなんて本当に善子ちゃんだね」アハハ

善子「犬じゃないし!!」

曜「え?」

善子「え??」

曜「さあ、冗談はこのくらいにして早く食べなよ」

善子「だからスプーン……」

曜「怒るよ?」

善子「もしかして私、まだ夢見てるの?」

曜「あはは」

善子「何だ……そういうことなのね。どうりでおかしいと思ったわよ」

善子「なぜか曜さんがほぼ裸エプロンで私の家にいたり、私のために料理作ってくれたり……」

善子「……」

曜「?」

善子「夢なら仕方ない、朝まで見させてもらうわ」ハムッ

曜「あ、本当にそのまま食べるんだ……」

善子「何だか上手く食べられないわね」

曜「犬なんだからもっと顔全体を使って食べないと」

善子「くっ……夢の中じゃなかったらぶん殴ってやりたいわ」

善子「……」パクッ

曜「おっ、上手」

善子「まあね」モグモグ

曜「美味しい?」

善子「美味しいわ。ちょっと薄味だけど、逆に健康的って感じ」モグモグ

曜「本当? 嬉しいな」

善子「これ本当にダイエット食?」

曜「いや、ダイエット食のつもりはなかったんだけど……」

善子「豆腐ってこんなに美味しかったかしら」パクッ

曜「私の愛だね」

善子「……」モグモグ

曜「急に真顔にならないでよ」

413: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:09:57.15 ID:7OmXVtKi.net
善子「だって、曜さんが変なこと言うんだもの」

曜「言っちゃダメ?」

善子「ダメじゃないわよ。夢だもの……」パクッ

曜「それじゃ私もいただきます」スッ

曜「あむっ」

曜「……」モグモグ

善子「美味しい?」

曜「うーん……」モグモグ

善子「何よ、まさか犬用の味付けだから人には美味しくないとか言わないでよね」

曜「百点かな」

善子「甘々ね」

曜「善子ちゃんでも食べられるように甘口にしたからね」

善子「私は激辛でも平気よ」

曜「顔中ヒリヒリするよ?」

善子「あ……確かに」

曜「でも美味しそうでよかった」

善子「犬も人間の味覚と同じなのね……夢だからかしら?」パクッ

曜「お代わりもあるから遠慮しないで食べてね」パクッ

善子「いや、太るわ……」

曜「大丈夫。ちゃんとカロリーは計算してるよ」

善子「そう? じゃあ貰おうかしら」

曜「うん」ニコニコ

善子「お代わり」

曜「お代わり!」スッ

善子「は?」

曜「お代わりって言ったら左手をポン! だよ」

善子「そっか、私犬なんだった……」ポンッ

曜「よくできました」ナデナデ

善子「……」

曜「待っててね、すぐ持ってくるから」スタッ

414: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:11:45.90 ID:7OmXVtKi.net
_

415: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:12:16.18 ID:7OmXVtKi.net
善子「何よこの夢……幸せじゃない」ニヤニヤ

曜「ふんふーん♪」

善子(曜さん、犬にもこんな食事作ってくれるのね……)

曜「らんららー♪」

善子(私、曜さんの犬で本当によかった……)

曜「はい、お待たせ」

善子「ありがと」スッ

曜「待て」

善子「いただきます」

曜「待て!!」

善子「あ……いちいち面倒くさいわね」ピタッ

曜「まだ待てだよ……?」

善子「はいはい」

曜「よし!」

善子「いただきます」パクッ

曜「うん! いい食べっぷりだね!」

善子「だって美味しいんだもの」モグモグ

曜「私も負けずに食べないと大きくなれないね」パクッ

善子「いや、曜さんは十分大きいから……」

曜「あ、今どこ見て言った?」

善子「何でもないわよ」モグモグ

曜「ふふ」モグモグ

善子「また作ってくれると嬉しいわ」

曜「当たり前でしょ。私は善子ちゃんの飼い主だからね」エヘン

善子「ええ」パクッ

曜「写真、撮ってもいい?」スッ

善子「好きにしたら?」モグモグ

曜「あ、いいんだ……」スッ

パシャッ

善子「きゃうんっ!?」

416: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:12:46.87 ID:7OmXVtKi.net
曜「ごめんごめん、フラッシュ切るの忘れちゃった」

善子「気をつけてよ……」ドキドキ

曜「それにしても今の声、本当に犬みたいな声してたね」アハハ

善子「犬なんだから当然よ」パクッ

曜「それじゃもう一枚」スッ

パシャッ

善子「こ、こら!! フラッシュ切ったんじゃなかったの!?」

曜「ごめん、操作がよく分かんなくて」

善子「貸しなさい。私が設定してあげるから」ヒョイ

曜「ずいぶんハイスペックな犬だな」

善子「当たり前じゃない。ただの犬じゃないんだから」

曜「そうだね」フフッ

善子「はい、これで撮って」スッ

曜「お、善子ちゃんからおねだりとは珍しい」

善子「別に撮ってほしいわけじゃないんだけど……」

曜「はいチーズ」スッ

カシャッ

善子「撮れた?」モグモグ

曜「うん、あとは私も一緒に写りたいね」

善子「いいわよ」

曜「はい善子」スッ

パシャッ

善子「何でまたフラッシュ!? っていうか掛け声!」

曜「あはは、フラッシュにビビる善子ちゃん可愛い」

善子「い、犬は夜行性だから明るい光は苦手なのよ……」

曜「猫じゃなくて?」

善子「わ、私は夜行性の犬なの!!」

曜「あはは、何それ」

善子「もう……フラッシュ本当に苦手なんだからやめてよね」

曜「ごめんね?」

417: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:13:30.03 ID:7OmXVtKi.net
善子「許さない」

曜「許して」

善子「……」モゾモゾ

曜「どうしたの?」

善子「トイレ行ってくるわ」スタッ

曜「善子ちゃんどこ行くの」

善子「トイレよ!」

曜「あっ、犬用のトイレ用意しとけばよかったな……」

善子「何それ。飼い主なのにそんなのもないわけ?」

曜「分かった、うん。私がトイレになれば解決だね」

善子「解決してないわよ」

曜「もしかして大きい方?」

善子「だったらどうなの」

曜「さすがにそっちの趣味はないかな……」

善子「あったら困るわよ。どこに飼い犬のフンを食べる飼い主がいるわけ?」

曜「フンとか言わないで」

善子「じゃあ何て言うのよ。犬なんだからそれしか言い方がないじゃない」

曜「えっと……リトルデーモン?」

善子「えっ、死にたいですって?」

曜「ごめんなさい! 今のは聞かなかったことに……」

善子「まあいいわ、曜さんがトイレでもいいから早くして」

曜「やけに素直だね」

善子「別にいいでしょ」

曜「じゃあ、私が床に寝るからその上でしてくれればいいよ」

善子「ええ」

曜「よっと……はい、どうぞ」ゴロン

善子「口にすればいいの?」

曜「うん」

善子「下着は……あれ? いつ脱いだのかしら」

曜「犬は下着なんてつけないよ」

418: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:14:12.17 ID:7OmXVtKi.net
善子「それもそうね」

曜「……」ドキドキ

善子「ふんっ……」

曜「え? 本当に大きい方なの?」

善子「違うわよ!」

曜「よかった」

善子「……」チョロロ

曜「あぁ……この味♡」ゴクッ

善子「気持ち悪いわね……」ジョボボ

曜「私……犬のおしっこ飲んじゃってるんだね……」ゴクッゴクッ

善子「本当にどうしようもない変態ね」ジョボボ

曜「そんなこと言われると嬉しくなっちゃう」チュゥゥ

善子「や、やめなさいよ! 犬なのよ!?」

曜「犬でも善子ちゃんだよ」チュゥゥ

善子「吸っちゃダメ……っ♡」ビクッ

曜「まだ出るよね? 出していいよ」チュゥゥ

善子「んぅ……♡♡」

曜「ごくっ……」

善子「も、もう終わりだから」

曜「まだ出るよね? 出していいよ」チュゥゥ

善子「いや、だから出ないって」

曜「まだ出るよね? 出して……」

善子「怖いからやめて!」バシッ

曜「いたっ」

善子「怖い夢は苦手なんだからね」

曜「美味しかったよ」ペロッ

善子「あっそ」

曜「さてと、もうごちそうさまでいいのかな?」

善子「え? うん、もう食べ終わったから……」

曜「じゃあ片付けちゃうね」スタッ

419: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:15:18.51 ID:7OmXVtKi.net
善子「えっと、私は?」

曜「いいよ、善子ちゃんは犬なんだから」

善子「そ、そうじゃなくて……」

曜「ああ、口の周りがカレーだらけだもんね」チュッ

善子「ひゃっ!?」

曜「私が綺麗にしてあげるから……」ペロペロ

善子「これじゃどっちが犬か分かんないわね」

曜「私も善子ちゃんの犬になりたいな」

善子「ふふ、覚えてたらね」

曜「はい、綺麗になったよ。でも一応おしぼりで拭いとこうか」ゴシゴシ

善子「もう少し優しく!」

曜「ごめん」フキフキ

善子「……」

曜「下も拭く?」

善子「自分で拭くからいい」ヒョイ

曜「じゃあ片付けしてきちゃうから」スタッ

善子「何から何まで悪いわね」

曜「気にしないで」

善子「……」

……

ザー バシャバシャ

曜(いや……それにしても善子ちゃんがここまでノリノリだとは)ゴシゴシ

曜(そんなにこういうの好きなのかな……)

曜(私じゃなかったらどん引きしてるよ)フフッ

曜(うーん、でもそうなると本当に犬用のトイレが必要かもなぁ)ゴシゴシ

曜(私が大きい方も処理できるようになればいいんだけど……)

曜(こんど挑戦してみる……? いや)

曜(それはさすがに超えちゃいけない気がする……)ゴシゴシ

「わんっ♡」

曜「おわっ!?」ビクッ

420: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:16:47.25 ID:7OmXVtKi.net
_

421: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:17:15.96 ID:7OmXVtKi.net
善子「くーん……」スリスリ

曜「善子ちゃん何してるの」

善子「飼い犬が甘えてるんだから喜びなさいよ」

曜「う、うん……」

善子「わんわんっ!」

曜「わ、わぁー可愛い……」

善子「ぺろっ」

曜「ひゃあっ!?」ビクッ

善子「……」ペロペロ

曜「ね、ねぇ何で首筋舐めるの? 好きなの?」

善子「好きよ」ペロペロ

曜「大丈夫?」

善子「何がよ」

曜「あのさ、始めた私が言うのもアレだけど……」

曜「善子ちゃん本当に犬になっちゃったの?」

善子「何言ってるの、私は最初から曜さんの犬でしょ」

曜「」ヒキ

善子「いいから早く撫で撫でしなさいよ」

曜「う、うん」ナデナデ

善子「きゅーん……」スリスリ

曜「この子誰だろう……?」

善子「洗い物終わった?」

曜「うん、終わったよ」キュッ

善子「じゃあお風呂♡」

曜「私と?」

善子「何よ、犬となんて入らないなんて言わないでよ」

曜「言わないけど……」

善子「じゃあ早く」グイッ

曜「分かった、分かったから……」

422: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:18:29.73 ID:7OmXVtKi.net
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423: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:18:57.58 ID:7OmXVtKi.net
善子「……」グイグイ

曜「……」

善子「お風呂、さっき沸かしておいたの」

曜「すごいワンちゃんだね」

善子「もっと褒めなさいよ」

曜「さ、さすが善子ちゃん!」パチパチ

善子「拍手じゃないでしょ。犬の褒め方知らないの?」

曜「え」

善子「こうよ!」

善子「『ほーら善子ちゃんよくできましたねー!』」ワシャワシャ

曜「」

善子「はい」

曜「よ、善子ちゃんよくできました……」ワシャワシャ

善子「わん♡」

曜「……」

善子「さーて、お風呂お風呂」ガラッ

曜「本当に大丈夫かな善子ちゃん……」

善子「早く曜さんも脱ぎなさいよ」

曜「うん……」ヌギッ

善子「私は犬なんだから洗ってあげてね」

曜「いいの?」

善子「は?」スッ

曜「ううん、それじゃあ失礼します」

ザー

善子「バカっ! 冷たいわよ!!」バシッ!

曜「だから最初は水なんだって!」

ザー

曜「うん、温まってきたね」スッ

ザー

善子「あー」

424: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:19:26.53 ID:7OmXVtKi.net
曜「……」ワシャワシャ

善子「気持ちいい……♡」

曜「シャンプーするから目、気をつけて」プシュ

善子「ええ」

曜「……」モコモコ

善子「……♡」

曜「気持ちいい?」

善子「ええ。人に洗ってもらえるなんて犬って幸せだわ」

曜「そ、そうだね……」モコモコ

善子「私が犬じゃなかったらやってくれないでしょ?」

曜「うーん、どうかなぁ」アハハ

善子「やってくれないわよ」

曜「……」モコモコ

曜「流すよ」

善子「いいわよ」

ザー

バシャバシャ

曜「顔は? 私が洗う?」

善子「当然」

曜「あんまり人の顔って洗うことないな」ムニュ

善子「ほひゃほうへほ」

曜「あはは、善子ちゃん変な顔」モニュ

善子「ほっほひへ……」カァアア

曜「……」チュッ

善子「な、何するのよ! びっくりして目に入ったじゃない!」

曜「うん……私も苦い……」ペッ

善子「痛い痛い! 早く水!」

曜「ごめん! ほら」スッ

ザー

善子「顔は自分で洗えばよかったわ……」

425: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:20:08.03 ID:7OmXVtKi.net
曜「ごめん」

善子「はい、じゃああとは体ね」

曜「……いいのかな」

善子「は? 飼い主なんだからちゃんと洗いなさいよ」

曜「善子ちゃんの体……私が洗っちゃっても」ドキドキ

善子「バカねぇ。犬の体見て興奮してるの?」

曜「そ、そんなこと……」ドキドキ

善子「本当に変態よね、曜さんって」

曜「言わないでよぅ……」カァアア

善子「ふふ」

曜「洗うね……」スッ

善子「って何で胸から……」

曜「あ、ごめん。普通はどこから洗うんだろ?」

善子「いいわよ、好きなところからで」

曜「うん……」モコモコ

善子「ん……♡」ビクッ

曜「落ち着いて私。これは犬の体なんだ……うん、犬の体」ドキドキ

善子「そうよ……。何も恥ずかしがることなんて……っ♡」ビクッ

曜「……」モコモコ

善子「あっ……曜さん上手♡」

曜「お尻も洗わなきゃね……」サワッ

善子「ひゃんっ♡」

曜「……」モミッ

善子「ちょっと」

曜「柔らかい……♡」モミモミ

善子「お尻ばっかり洗わなくていいから……」

曜「だめだ、私……我慢できなくなりそう」ドキドキ

善子「ね、次洗ってよ」

曜「え?」

善子「次」

426: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:20:48.68 ID:7OmXVtKi.net
曜「わ、私にそんなところ洗わせるの……?」

善子「何よ、嫌なの?」

曜「私恥ずかしくて死んじゃうよ」

善子「さっき思いっきり舐めてたけどね」

曜「それはおしっこだから……」

善子「今だって体洗ってるだけじゃない」

曜「そ、そうだけど……」

善子「……まあ、嫌ならいいわ。自分で洗う」

曜「あ、洗うよ! 飼い主だもんね!? 当然だよね!?」

善子「ええ」

曜「……」ドキドキ

善子「……」

曜「……」ドキドキドキドキ

善子「寒くなってきたわ」

曜「私もおしっこしたくなってきちゃった」

善子「えっ」

曜「ここでしてもいいかな? お風呂だからいいよね?」

善子「まあ、シャワーで流せば……」

曜「善子ちゃんごめん……っ!」スタッ

善子「えっ、立ってするの……?」

ジョボボ

善子「わっ!? 何で私にかけ……」

曜「ごめんね……っ! せっかく洗ったのに汚して……!」ジョボボ

善子「そ、そういうことじゃないでしょ」

曜「嫌ならやめるよ? やめるから……!」ジョボボ

善子「止められると思ってるの? それができてたらお漏らしなんてしてないわよ」

曜「うぅ……」ジョボボ

善子「わ、私もまたしたくなってきた……」モゾモゾ

曜「いいよ、しちゃおう? お風呂だから流せばいいよねっ!?」ジョボボ

善子「そ、そうよね……」チョロロ

427: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:21:28.63 ID:7OmXVtKi.net
曜「あぁ……善子ちゃんのおしっこと混ざって……」ジョボボ

善子「私は犬だから恥ずかしくない……犬だから……」チョロロ

曜「善子ちゃんごめんっ!」グイッ

善子「もごっ!?」

曜「飲んでっ! 私のおしっこ飲んで……っ!」

善子「……」ゴクッゴクッ

曜「どうっ!? 犬なのに人間のおしっこ飲んでる気持ちはっ!?」ジョボボ

善子「ぷはっ……犬も飲まないわよ!」ゴクッゴクッ

曜「そうだねっ……こんなの人間だけだよねっ!」ジョボボ

善子「人間も普通は飲まないっ……」ゴクッ

曜「善子ちゃんと私だけっ……!?」ジョボボ

善子「ええ」ゴクッ

曜「善子ちゃん本当に……っ」

善子「私も大好きよ」ギュッ

曜「……っ」

善子「曜さんに飼ってもらえて本当に幸せ」ギュ

曜「わ、私……」

善子「これからも大切にしてあげてね」

曜「私……善子ちゃんの飼い主じゃないよ」

善子「え?」

曜「善子ちゃん、本当に犬になっちゃったわけじゃないよね?」

善子「何言ってるの? 私は犬よ」

曜「鏡、見える? 曇ってて見えないか」キュッキュッ

善子「え……」

曜「思い出してよ」

善子「これって」

曜「善子ちゃんは人間だよ」

善子「……」

曜「ごめんね」ギュ

曜「やっぱり私、人間の善子ちゃんがいい」

428: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:22:56.07 ID:7OmXVtKi.net
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429: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:23:24.35 ID:7OmXVtKi.net
善子「な、何よ……夢なんだから仕方ないじゃない」

曜「どんな姿になっても……どんな善子ちゃんでも好きだよ?」

曜「でも……やっぱり善子ちゃんがいいよ……」グスッ

善子「犬になっても私は私でしょ……」

曜「そうだけど! でも私は!!」

曜「善子ちゃんの恋人でいたいんだよ!!!」

善子「……」

曜「飼い主じゃなくて恋人がいいんだよ……」ポロポロ

善子「バカね、犬だって恋人にしちゃいけないわけじゃないでしょ?」

曜「……」グスッ

曜「私のせいだ」

善子「えっ?」

曜「私が善子ちゃんに首輪なんてつけたから」

善子「寝てる間に着けたのよね。気づかなかったわ」

曜「私が善子ちゃんに犬用の味付けで料理したから」

善子「あれ犬用の味付けだったんだ……」

曜「私が善子ちゃんに犬になって欲しいってお願いしたから」

善子「したの?」

曜「嫌だよ……こんな夢覚めてよ……」バシッ!

曜「……」ヒリヒリ

曜「善子ちゃぁん……」グスッ

善子「ね、ねぇもしかしてこれって」

曜「お願いだよぉ……」ポロポロ

善子「夢じゃないの?」

曜「ううっ……」

善子「私、犬なの? 人間なの?」

曜「……」

善子「私どっち!? ねぇ! 教えてよ!!」ガシッ

曜「分かんないよ! 私だって本当に……」

善子「やだ……本当に私、おかしくなっちゃったの?」

430: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:24:28.59 ID:7OmXVtKi.net
_

431: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:24:57.79 ID:7OmXVtKi.net
曜「……」グスッ

善子「鏡に映った私は人間よね? でも私は犬なの」

曜「もうやだ……」

善子「私って何なの? これ夢なの? ねぇ……」

曜「……」グスッ

善子「そうだわ」

曜「……」

善子「曜さん、私は何?」

曜「分かんない……」グスッ

善子「そうじゃなくて。私は何だったらいいの?」

曜「え……? 善子ちゃんは……」

曜「一つ年下の後輩で、Aqoursのメンバーで、ちょっと生意気だけど可愛い後輩で」

曜「素直じゃないところが逆に可愛くて、でもたまに素直なところも見せてくれて」

曜「ママのことが大好きで、みんなのことも大好きで」

曜「私のこともちょっとは大好きで、そんな善子ちゃんを私も大好きで」

曜「善子ちゃんは……」

曜「私だけの恋人です」ギュッ

善子「……」

曜「……善子ちゃんは人間だよ」

善子「曜さん……っ!」

曜「善子ちゃんは人間だよ!! こんな首輪!!!」カチャカチャ

曜「こんな首輪をしたから!!! 善子ちゃんは!!」カチャカチャ

曜「外れろ!! 善子ちゃんを……!!」カチャカチャ

曜「人間の善子ちゃんを返してっっっ!!!」カチャ

カランッ

曜「はぁ、はぁ……」

曜「やったよ善子ちゃん……!」

曜「善子ちゃん?」

曜「善子ちゃん!!!」

パーン

432: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:27:34.81 ID:7OmXVtKi.net
善子「いったぁ!!!?」

曜「目、覚めた?」

善子「何すんのよこのバカ!!」ブンッ

バチーン!!

曜「ぐえっ!!!」

善子「夢じゃなかったのね」

曜「ゆ、夢じゃないよ」ヒリヒリ

善子「全部夢じゃなかったのね!!?」

曜「今の痛さで覚めないわけないよ……」ヒリヒリ

善子「わ、私全部夢だと思ってて……」

曜「え?」

善子「だっておかしいもの……私の家に曜さんがいて、ほぼ裸エプロンで料理作ってくれて……」

善子「私のことこんなに大切にしてくれるなんて」

善子「夢だと思うに決まってるじゃない!!」

曜「ごめん」

善子「あと私のこと犬だって言うんだもの」

曜「そういう設定だったんだけど」

善子「どこに恋人にスプーンも使わせないでカレー食べさせるバカがいるのよ!!」

曜「ここにいるね」

善子「他にいたら困るわよ! このバカ!!」

曜「善子ちゃんがノリノリだったからこういうの好きなのかと思って」

善子「わ、私はそういう夢だと思って……」

曜「えっ、夢ならやるの?」

善子「仕方ないでしょ!? ああしなかったらせっかく作ってくれた曜さんの料理も食べられないしトイレも行けないし……」

曜「カレーを顔で食べてって言ったあたりで突っ込まれると思ったんだけどな」

433: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:28:43.09 ID:7OmXVtKi.net
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434: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:29:11.19 ID:7OmXVtKi.net
善子「……だ、だってそんなの」

曜「もしかして善子ちゃん、本当に犬になりたかったの?」 

善子「なりたくないわよ!」

曜「私の犬でも?」

善子「他にどんな犬になりたいのよ……」

曜「なりたいんだ?」

善子「な、なりたく……」

曜「そういえば首輪選ぶときの善子ちゃん楽しそうだったもんねぇ」ニヤニヤ

善子「バカ! もう知らない!!」

曜「ほら、体洗ってあげるよ」

善子「いいわよ、自分で洗うから!」

曜「そんなこと言わずにさぁ」ニヤニヤ

善子「さっきはあんなに恥ずかしがってたのに」

曜「だって善子ちゃんが犬になってたんだもん」

善子「は? 曜さんこそ普段からそういう願望があったんじゃないの」

曜「私はあるよ」

善子「あるんかい」

曜「だから夢が叶って本当によかったよ……」

善子「嫌な夢ね……」

曜「あ、もちろん善子ちゃんの犬にもなってあげるからね」

善子「ならなくていいから」

曜「ほら、首輪つけて♡」

善子「……」ドキドキ

曜「飼い主様ぁ……」

善子「つけない!!」

曜「つけてよ」

善子「つけないわよ! 私は人間のままの曜さんがいい!!」

曜「あら」

善子「あっ、今のは変な意味じゃないわよ? さっきの私みたいになってほしくないってだけで……」

曜「そんなに私がいいなら、私でいてあげるよ」ギュ

435: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:30:10.28 ID:7OmXVtKi.net
善子「ええ……そうしてちょうだい」

曜「えへへ」

善子「……本当に何なのよもう」

曜「あ、言っとくけどそれただの首輪だからね」

善子「は? 知ってるわよ」

曜「禁断の魔具とかじゃないからね」

善子「分かってる。私はただ雰囲気に飲まれただけよ……」

曜「自分の欲望にじゃないの?」

善子「本当に怒るわよ」

曜「あはは、怒った善子ちゃんも可愛い」ナデナデ

善子「だからって怒らせないで」

曜「私は人間じゃなくなったら殺されちゃうもんね」

善子「えっ」

曜「だってそうでしょ? 映画見た後言ってたじゃん」

曜「こんなに可愛い犬なのになぁ……?」

善子「もう!! 本当に曜さんって嫌いよ!」

436: 名無しで叶える物語 2018/01/01(月) 14:30:38.93 ID:7OmXVtKi.net
曜「えへへ。ほら、つけて」スッ

善子「つけない!」

曜「つけて?」

善子「しつこいわよ」

曜「じゃあ自分でつけちゃう」カチャカチャ

善子「あっ」

曜「わんっ!」

善子「か、可愛い……」ナデナデ

曜「わんわんっ!」

善子「可愛いけどダメ。外して」

曜「わん? わんっ!!」

善子「えっ」

曜「きゅーん……」

善子「えっ!!?」

曜「……」グスッ

善子「嘘よね?」

曜「わふっ」ギュッ

善子「まあ、外せば戻るんだしいいか……」ナデナデ


禁断の魔具(夢オチ)編 終わり

444: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 13:53:44.35 ID:ggCaMxiU.net
一夜明けていよいよみんなに公表?します
これで一段落しますが続きはまだ何も考えてません


カミングアウト編

445: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 13:54:32.30 ID:ggCaMxiU.net
 善子の家

ピピピ

善子「うっ……もう朝なの……?」

ピピピ

曜「むにゃ……」

ピピピ

善子「頭痛い……」

ピピピ

曜「えへへ善子ちゃん……」

ピピピ

善子「もう少し寝かせて……」カチッ

シーン

曜「だから大きい方も大丈夫だってば……」

善子「どんな夢見てんのよ!」パシッ

曜「んあっ!? な、何だ夢か……」

善子「もう準備しないと朝練に遅れちゃう……」

曜「あっ、すぐ朝ごはん作るからね」スタッ

善子「軽いものにしてね……」

曜「うん、ハンバーグだね!」

善子「嫌よ。カツカレーも嫌……」

曜「お茶漬けにしよっか」

善子「ご飯炊いてあるの……?」

曜「もちろん、寝る前にタイマー掛けたからね」

善子「いつセットしたのよ……」

曜「善子ちゃんが寝ちゃった後だよ」

善子「えぇ……? あの後?」

曜「うん。いくら疲れてても翌朝のご飯は作らないと」

善子「何なのその使命感は」

曜「やだな、嫁として当然だよ」

善子「朝から元気ね……」ハァ

446: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 13:56:24.19 ID:ggCaMxiU.net
曜「あっ、今のは誤解される発言だね。撤回して」

善子「は?」

曜「下ネタはよくないと思います」

善子「どんな頭してたら下ネタに聞こえるのよ」

曜「そこは『女の子でしょ!』って突っ込んでほしいなぁ」

善子「えっ」

曜「ごほん、善子ちゃんは寝ぼけてるみたいだね。顔洗っておいで」

善子「曜さんこそ昨日の残り湯で目を覚ましたほうがいいんじゃない?」

曜「もう冷たくなってるよ」

善子「だからよ」

曜「いやいや、死んじゃうから」

善子「はぁ……何だか疲れたわ。休みたい……」

曜「私はゆっくり休めたけどね」

善子「どこがよ! 結局朝方まで寝かせてくれなかったじゃない!」

曜「エナジードリンクを山ほど飲んだから元気だよ」

善子「あ……私のおしっこのこと?」

曜「もちろん」

善子「私、曜さんのを山ほど飲まされたけどこの通りよ」

曜「私のおしっこには疲労回復効果はないみたいだね」

善子「私のにもないわよ」

曜「今度飲んでみれば?」

善子「自分のを? 冗談じゃないわ……」

曜「私も自分の飲んでみるからさ」

善子「飲んでみなくていいから……」

曜「おっと、朝ごはんの支度するんだった」スタッ

447: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 13:57:07.55 ID:ggCaMxiU.net
善子「分かってるわよ……」

曜「寝てたら置いていくからね」

善子「……」

曜「知らないよ?」

ガチャ バタン

 キッチン

曜「って言ってもお茶漬けならすぐ作れちゃうからなぁ」ガチャ

曜「うん、具材は冷蔵庫の物で何とかなりそう」バタン

曜「食べやすいように細かく刻んで……」トントン

曜「ご飯にかけるだけ」サッサッ

曜「あとはお茶を淹れるだけかぁ」

曜「……」

曜「善子ちゃーん! まだー!?」

シーン

……

ガチャ

曜「善子ちゃーん?」

善子「すぅ……」

曜「あっ、二度寝してる!」

曜「ほら起きて! 遅刻しちゃうよ?」ユサユサ

善子「眠いのよ……」

曜「起きないとキスしちゃうよ」

善子「……」スヤァ

曜「寝たふりしなくていいから」

善子「うるさいわねぇ、するならしなさいよ」

曜「しない」

善子「しないんだ……」

曜「いいから顔洗っておいで」

善子「分かったわよ……」

曜「ほら起きて!」グイッ

448: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 13:57:48.59 ID:ggCaMxiU.net
善子「わっ……」

曜「起きた? 起きたね?」ペチペチ

善子「起きたわよ」

曜「このままだとまた寝てそうだから洗面所まで連れてくよ」グイッ

善子「あれ? ここママの部屋じゃないの」

曜「そうだよ」

善子「ってことは……っ!?」バサッ

善子「ふぅ……。おねしょしなくてよかった」

曜「善子ちゃんはしてたけどね」

善子「曜さんが飲んだからセーフってこと?」

曜「そう。善子ちゃんがどうしてもここで寝たいって言うから焦ったよ」

善子「ママのベッドで?」

曜「善子ちゃん寝ぼけると駄々っ子になるから大変で」

善子「……」

曜「可愛かったからいいけどね」

善子「次もしママのベッドで寝ようとしたら殴ってでも止めなさいよ」

曜「何で?」

善子「もし濡らしたら困るからよ」

曜「まあ、そうだね。私も怒られるのは嫌だし」

善子「今日は助かったわ」

曜「うん。じゃあ行こっか」グイッ

善子「はーい……」フワァ

 洗面所

曜「さあどうぞ」

善子「お湯出した?」

曜「ちゃんと温まってるよ」

善子「ありがと……」クイッ

ザー

善子「……」バシャバシャ

曜「……」

449: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 13:58:26.28 ID:ggCaMxiU.net
善子「何よ」フキフキ

曜「寝起きの善子ちゃんを見られる機会もなかなかないからね」

善子「まあ、そうよね。合宿かお泊りでもしない限りママ以外の誰かに見せることないから」

曜「しばらく見られないんだと思うと寂しいなぁ」

善子「そんなに見たいの?」

曜「見たいよ」

善子「あっそ……」スッ

曜「あ、歯みがきするの?」

善子「ええ」

曜「私が磨いてあげようか」

善子「いいわよ、歯ブラシが変なところに当たって『おえっ』てなりそうだし」

曜「じゃあ私は磨いてね」

善子「『おえっ』てなっても知らないわよ」

曜「わざとやらないでよ」

善子「そこまでいじわるじゃないわよ」

曜「少しは自覚あるんだね……」

善子「いいから早く口開けなさい!」

曜「あーん」

善子「全くもう……」シャッシャッ

曜「……」

善子「もう少し口開けて」

曜「あー」

善子「……」シャッシャッ

曜「……」

善子「こんなものかしら。大体磨けたわよ」

曜「じゃあ今度は私が」

善子「私はいいって」

曜「いいから」

善子「本当にいいって」

曜「そんなに『おえっ』てなるの嫌?」

450: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 14:20:38.18 ID:ggCaMxiU.net
規制かかった
ちょいとお待ちを

452: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:07:41.23 ID:ggCaMxiU.net
善子「嫌よ」

曜「じゃあ曜ちゃんの舌歯ブラシで磨いてあげる」

善子「おえっ」

曜「酷い」

善子「さすがに引くわよ」

曜「じゃあ普通の歯ブラシでいいよ」ムスッ

善子「結局自分で磨かせてくれないのね……」

曜「……」シャカシャカ

善子「……」

曜「……」シャカシャカ

善子「うっ」

曜「あ、ごめん」

善子「だからいいって言ったのに」ペッ

曜「やっぱり舌にしておけばよかった」

善子「自分で磨けばよかったわ」

……

 リビング

曜「あっ、ご飯冷めちゃったかな」

善子「お茶漬けだもの、お茶をかければ温まるわよ」

曜「そうだね」ジョボボ

善子「だからその音……」

曜「ん?」ジョボボ

善子「何でもない」カァアア

曜「はい、どうぞ」コトッ

善子「いただきます……」ズズッ

善子「あっつ!!」

曜「だから熱いから気をつけてねって言おうとしたのに」

善子「言ってよ!!」

曜「熱いから気をつけてね」

善子「遅いわよ」ヒリヒリ

453: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:08:32.81 ID:ggCaMxiU.net
曜「善子ちゃんって猫舌?」

善子「え? まあそうね。熱いお茶は冷ましてから飲むタイプよ」

曜「私は犬舌かなぁ」

善子「熱くても平気ってこと?」

曜「冷たい方が苦手かな」アハハ

善子「へぇ」

曜「善子ちゃんは猫舌だから氷水一気飲みできる?」

善子「できないわよ」

曜「えー……。猫舌っていつ役に立つの?」

善子「役には立たないわね」

曜「何だ、ただ可愛いだけか……」ズズッ

善子「可愛いのかしら……?」

曜「『こんな熱いの飲ませようとするなんてぇ……♡』」

曜「みたいな感じ」

善子「……」ズズッ

曜「可愛くないね」

善子「放っといて。それより……」

曜「嘘。可愛いよ♡」

善子「これ、まさかおしっこじゃないわよね?」

曜「えっ? ま、まさか」アハハ

善子「私が猫舌で味が分からないからって変な物食べさせないでよ」ズズッ

曜「いくら私でもご飯におしっこはかけないよ……」アハハ

善子「ならいいけど」ズズッ

曜「……」ドキドキ

善子「何よ、早く食べないとべちゃべちゃになるわよ」

曜「実はおしっこなんだよねこれ」

善子「げほっ!!? な、何ですって!?」

曜「匂いで分かるかと思った」

善子「お、おしっこ……!? これが!?」

454: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:11:17.88 ID:ggCaMxiU.net
曜「正確にはおしっこで淹れたお茶なんだけど」

善子「わーっ!!? ウチの急須で何やってるのよ!!」

曜「あれ、善子ちゃんの家はやらないの?」

善子「やらないわよ!!」

曜「ごめん、綺麗に洗っておくよ」

善子「洗っても嫌よそんなの」

曜「じゃあ新しいの買ってくるから、これはおしっこ用にすればいいね」

善子「おしっこ用って……」

曜「それにしても、おしっこで淹れるとお茶ってこんなにまろやかになるんだね」ズズッ

善子「ま、まあそれはちょっと意外だったわ」ズズッ

曜「朝一番だからかな?」

善子「体に悪そうね……」

曜「ご飯と具はまだあるから、今度は善子ちゃんのおしっこで食べたいな」

善子「私は嫌よ」

曜「何で? 私のは食べてくれたのに」

善子「どうして自分のおしっこで食べなきゃならないわけ?」

曜「じゃあ私だけ食べるから出して」

善子「……自分の、よく平気で食べられるわね」

曜「食わず嫌いはよくないね」アハハ

善子「そういう問題かしら……」ズズッ

曜「善子ちゃん、こういうのも平気なんだ?」

善子「え? 食べ物に使うってこと?」

曜「うん。もっと嫌がるかと思った」

善子「知ってたら絶対食べてないわよ」

455: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:12:04.81 ID:ggCaMxiU.net
曜「知っても食べてるってことは、美味しかったんだね」

善子「まあ、そういうこと……」ズズッ

曜「あ、おしっこはお代わりないからね?」

善子「……うん」

曜「もっと食べたかった?」

善子「……」ズズッ

曜「また今度ね」フフッ

善子「はい、ごちそうさま」ポンッ

曜「お粗末さま」

善子「急須は? 一度洗う?」

曜「え? 本当にやってくれるの?」

善子「……意外と美味しかったから」

曜「だよね!? 美味しいよね!?」

善子「黙って食べたら分からないかも」

曜「いや、さすがに分かるよ」

善子「私は分からなかったわ」

曜「分かってほしかったな……」シュン

善子「仕方ないでしょ猫舌なんだから!!」

曜「うん……」

善子「ほら、出すから急須持ってて」

曜「分かった」スッ

善子「……」

ショワァ

曜「うーん、いい匂い♡」

善子「朝だからちょっと臭いかも」ジョボボ

曜「そんなわけないよ。善子ちゃんのおしっこだもん」クンクン

善子「えぇ……」ジョボボ

曜「このまま飲んでいい?」

善子「ダメ。お茶漬けにするんでしょ」ジョボボ

456: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:13:49.75 ID:ggCaMxiU.net
曜「口つけて飲みたい……」

善子「ダメ! まだ朝なんだからそういうことは……」チョロ

曜「最後の一滴っ」ペロッ

善子「ひゃあん♡」ビクッ

曜「えへへ。善子ちゃんの可愛い声も頂きました」

善子「も、もう……!」カァアア

曜「さて、あとはお茶っ葉を入れてガスで沸かせば……」サッサッ

カチカチッ ボボッ

善子「朝からこんなことしてたの?」

曜「うん。実はもうお弁当も作ってあるんだ」

善子「えっ、いつの間に!?」

曜「ほら、洗濯物も干してあるでしょ」

善子「私と一緒に寝てたじゃないの」

曜「あれは二度寝だよ。やることないから善子ちゃんにいたずらした後寝ちゃったんだ」アハハ

善子「人が寝てるからって変なことしてないでしょうね……」

曜「してないよ」

善子「……」

曜「してほしかった?」

善子「なっ、何でそうなるの!?」

曜「してほしそうな顔してる」

善子「してない……」カァアア

グツグツ

曜「おっ、いい感じ」

善子「こんなにおしっこの匂いがするのにどうして気づかなかったのかしら……」

曜「善子ちゃんが火傷しないようにちょっと冷ましたからね」

457: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:21:21.32 ID:ggCaMxiU.net
_

458: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:21:49.82 ID:ggCaMxiU.net
善子「まあ、気持ちは嬉しいわ。それでも熱かったけど……」

曜「火傷するのは私だけで十分だよ」

善子「火傷したの? ちゃんと冷やした?」

曜「ううん、善子ちゃんの愛で私のハートが……」

善子「……」ハァ

曜「朝から滑った」

善子「朝だと余計についていけないわ」

曜「さてと」スッ

曜「お代わりお代わり」ジョボボ

曜「うーん、いい匂い♡」

善子「そういえば、お茶っ葉を先に入れてから沸かしたわね」

曜「あ、うん。そこに気づくとはさすが善子ちゃん」

善子「普通はお湯を沸かしてからお茶っ葉に注ぐような気がして……理由は知らないんだけど」

曜「おしっこと同じで、苦味を出さないためだよ」

善子「無理やりおしっこに例えなくていいわよ」

曜「実はお茶が美味しく出せるのは七十度くらいのお湯なんだ」

善子「へぇ。熱い方がよく出そうな気がするわ」

曜「そう。熱いとその分早く出せるんだけど、一緒に苦味まで出ちゃうんだよ」

善子「なるほど。今は時間がなかったから茶葉を入れて沸かしたってことね」

曜「あ、ううん。それもあるんだけど、おしっこの甘さが邪魔しちゃうかなって思ったの」

459: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:23:28.37 ID:ggCaMxiU.net
善子「確かに朝のおしっこって少し甘い匂いがするわね」

曜「だからお茶の香りを強く出したかったってわけ。苦味はおしっこのまろやかさである程度相殺できるかなー、なんて」

善子「……さすがだわ」パチパチ

曜「やめてよ、恥ずかしい」

善子「やっぱり私にもちょうだい」

曜「え、自分のだよ? いいの?」

善子「曜さんがそこまで考えてくれてるなんて思わなかった」

曜「あはは。私はいつだって善子ちゃんのことだけ考えてるよ」

善子「……」

曜「急に素に戻らないでよ。恥ずかしい」

善子「本当にそうしてくれればいいのに、って思っただけよ」

曜「お茶碗貸して。ご飯よそってくる」スッ

善子「ええ。ありがと」サッ

……

曜「はい、どうぞ。善子ちゃん風おしっこ茶漬けだよ」

善子「嫌な名前ね」

曜「メニューには『善子ちゃん風お(しっこ)茶漬け』って書くから大丈夫だよ」アハハ

善子「私風とか書かなくていい」フーフー

曜「うーん、これは紛れもなく善子ちゃんだね。風じゃないね」クンクン

善子「さっきよりおしっこの匂いが強い気がする……」

460: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:25:05.47 ID:ggCaMxiU.net
_

461: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:25:36.46 ID:ggCaMxiU.net
曜「もう少し時間をかけて出せばよかったかなぁ」

善子「何よ、私のおしっこは曜さんのより臭いってこと?」

曜「そんなこと言ってないよ。こんなに匂いがしちゃったら、食べた人は絶対善子ちゃんのおしっこが飲みたくてたまらなくなっちゃいそうってこと」

善子「他の人に食べさせるの!?」

曜「せっかくだしみんなにも食べてもらおうよ」

善子「嫌よ! 嫌すぎるわ!」

曜「私はもっとみんなにおしっこの良さを分かってもらいたいな……」

善子「分かってほしくないわね……」

曜「特に善子ちゃんのおしっこは世界一だと思う」ズズッ

善子「は? 他に飲んだことあるの!?」

曜「自分のと、善子ちゃんのママのと、善子ちゃんのだけだね」

善子「他の人のは飲まなくていいからね」

曜「さすがにそれは社会的にまずい気がするからね」アハハ

善子「いや、私の恋人としてよ。私のだけ飲めば十分でしょうが」

曜「うん、そうだね」ズズッ

善子「……どう?」

曜「最高」

善子「そう。じゃあ私も」ズズッ

善子「あっつ……くない?」

曜「善子ちゃんのは氷を三つ入れて冷ましたよ」

462: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:26:04.46 ID:ggCaMxiU.net
善子「変なところ気が利くんだから」

曜「えへへ」

善子「褒めてないわよ」ズズッ

曜「……」

善子「ところで、この具も曜さんが?」

曜「うん、作ったよ。冷蔵庫にあったものを切っただけだけど」

善子「お茶漬けの素もあったのに」

曜「おしっこを入れただけの食事を善子ちゃんに出せないよ!」

善子「いや、おしっこはともかく出していいから……」

曜「むしろお湯を入れた食事ばかりしないでよ」

善子「うっ……あれはたまに食べるから美味しいのよ」

曜「それにしても、よく今まで食べ物に使ってみようと思わなかったね?」

善子「普通は思わないわ」

曜「こんなに美味しいのに」ズズッ

善子「おしっこは好きだけど食べ物と合わせたくはないって言うか……分かるでしょ?」

曜「おしっこ好きなんだ?」

善子「好きじゃなかったら食べてないわよ」

曜「練乳をご飯にかけて食べたくはないのと同じかな?」

善子「そうよ。分かってるじゃない」

曜「私は善子ちゃんの練乳ご飯が食べたいけどね」

463: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:26:36.86 ID:ggCaMxiU.net
善子「私の練乳って何!?」

曜「あ、まだ出ないかぁ」

善子「出る予定ないけど」

曜「ママに出してもらうしかなさそうだな……」

善子「やめてよ気持ち悪い」

曜「善子ちゃんも飲んでたのに?」

善子「ご飯と一緒には食べたくないの!」

曜「私かけご飯は?」

善子「卵かけご飯みたいに言わないで」

善子「って言うか誰のだとしてもかけて食べようなんて思わないわよ」

曜「じゃあご飯かけ私?」

善子「ご飯との組み合わせから離れなさいよ……」

曜「うーん、善子ちゃんの好みを理解するにはまだまだ力不足かぁ」

善子「普通の料理でお願い」

曜「普通でいいの?」

善子「いいわよ」

曜「私の愛は?」

善子「それは入れておいて」

曜「うん!」エヘヘ

善子「おしっこじゃなくて気持ちの話ね」

464: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:27:09.84 ID:ggCaMxiU.net
曜「わ、分かってるよ」

善子「……」

曜「食べ終わった? すぐ片付けちゃうから着替えは待っててね」

善子「着替えて待つんじゃなくて?」

曜「私が着替えさせたい」

善子「えぇ……」

……

 善子の部屋

曜「今日はどんな服がいいかなー」

善子「学校行くんだから制服に決まってるでしょ」

曜「あ、そうか……」

善子「着替えるからあっち向いてて」

曜「うん」ジー

善子「あっち向いてて!」

曜「はーい」クルッ

善子「……」スルスルッ

曜「まだー?」

善子「もう少し」スルッ

善子「ん? 何か緩いような」

善子「ってこれ曜さんの制服!」

465: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:27:40.24 ID:ggCaMxiU.net
曜「リボン見なかったの?」

善子「まだつけてないわよ」

曜「じゃあ今日は一日制服交換で」

善子「えっ?」

曜「私は善子ちゃんのを着るね」

善子「いいけど、リボンは戻してね」

曜「リボンもセットだよ」

善子「それバレるやつ」

曜「意外とみんな気が付かないと思うよ」

善子「そうかしら……」

曜「じゃあこうしよう。誰かにバレるまではこのままで、バレたら戻るの」

善子「先生に怒られないといいけど……」

曜「あはは、今日の善子ちゃんは二年生なんだからバレないよ」

善子「えっ、学年まで入れ替わるの!?」

曜「そりゃ一人だけリボンの色が違ったら変だよ」

善子「リボンを交換するという考えはないのね」

曜「分かった、バレたら面倒だから交換してあげるよ」

善子「そもそも自分の制服着ればいいんじゃ……」

曜「はぁ……善子ちゃんの制服♡」クンクン

善子「待って、それがやりたかっただけ?」

466: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:28:12.53 ID:ggCaMxiU.net
曜「今日一日善子ちゃんの匂いに包まれて生活するんだね……」

善子「……お願いだから汚さないでよ」

曜「善子ちゃんの制服、ちょっとキツいね」ピチピチ

善子「曜さん、やっぱりダメ」

曜「大丈夫だよ、約束は守るから」

善子「じゃなくて! どう見てもサイズ合ってないじゃない!」

曜「何とか着れてるよ?」

善子「そんなに胸強調されてたら恥ずかしいわよ……」

曜「あ……」

善子「こんなの他の人に見せないでよ?」

曜「残念」スルスルッ

善子「やっぱりサイズが違うのよ……」シュン

曜「ほら、善子ちゃんも脱いで」スッ

善子「あっ……」ストンッ

曜「ごめん、ホックまで外しちゃった」

善子「無駄に手先が器用なんだから」

曜「うん、やっぱり自分のが落ち着くね」スルッ

善子「そうね」スルスルッ

曜「ちょっと善子ちゃんの匂いもついてるし、これでいいや」

善子「今の短時間で!?」

467: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:28:43.33 ID:ggCaMxiU.net
曜「今の私は犬だからね、嗅覚は人一倍だよ」クンクン

善子「そういえばその首輪まだつけてたのね」

曜「何だか気に入っちゃって……」アハハ

善子「外していきなさいよ」

曜「チョーカーだと思えばそう見えなくもないよね?」

善子「どう見ても首輪よ」

曜「没収されても嫌だし外すか……」カチャカチャ

善子「……」

……

 バス

善子「ねぇ、本当にみんなに言うの?」

曜「言おうよ」

善子「……」

曜「やっぱり嫌?」

善子「誤解されそうで心配なのよ」

曜「誤解って言うと……善子ちゃんと私が不純なお付き合いをしてる、みたいな?」

善子「一言にまとめればそういうことね」

曜「私がいかに本気で善子ちゃんのこと好きなのか熱く語ればいいのかな」

善子「熱くなりすぎて変なこと言いそう」

曜「それとも私たちの熱々ぶりを見てもらうとか」

468: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:29:20.14 ID:ggCaMxiU.net
善子「言い回しが古いわね」

曜「じゃあどんな熱いものならいいの?」

善子「熱さはもういいから」

曜「まあ、私としても善子ちゃんとは遊びだと思われるのは嫌かな」

善子「そう思われるようなことしてるの?」

曜「もちろん私はしてないよ? でも善子ちゃんはそう思ってるじゃん」

善子「……」

曜「本当は思ってるでしょ?」

善子「ほんの少し」

曜「……やっぱりね」フゥ

善子「自覚、あったなら直しなさいよ」

曜「だから公表したいんだよ」

善子「え?」

曜「もちろん私も気をつけるよ? これからは善子ちゃんがいるんだし、他の子に誤解されるようなことはしないようにしなきゃ」

曜「私は善子ちゃんだけの私なんだぞ、って自分にも言い聞かせるつもりでさ」

善子「結局他人任せね」

曜「……」

善子「他の人が曜さんに手を出してくるというよりは、曜さんから手を出さなければいいだけの話でしょ」

曜「手を出すなんて言い方やめてよ」

善子「すぐ人の頭を撫でたり、大好きって軽々しく口にしたり、やたらと抱きついたり」

469: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:29:52.69 ID:ggCaMxiU.net
善子「トイレ行くだけなのに手を繋いだり、ご飯のときあーんってしたり」

善子「あと、人の飲み物を間接キス目的で飲んだりするのやめなさいよ」

曜「そ、そんなことしてないよ……」

善子「誤魔化しても無駄よ。私全部見たことあるもの」

曜「う……」

善子「それとも本当に自覚がないわけ? だとしたら相当悪質ね」

曜「自覚はあります……」

善子「こんなの私じゃなくても嫉妬するわよ」

曜「ヤキモチ善子ちゃんも可愛いよ?」

善子「私が同じこと他の子にしてたら嫌じゃないの?」

曜「え?」

善子「私が他の子にも大好きって言ったりキスしてって言ったり」

善子「頭撫でてって言ったりご飯食べさせてって言うの」

曜「善子ちゃんそんなこと言ってる?」

善子「例えばの話よ」

曜「私にすら言わないじゃん」

善子「大好きは言ってるつもりよ」

曜「えへへ」

善子「……っと! すぐそうやって話を逸らすのもやめて!」

曜「はい……」

470: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:30:25.13 ID:ggCaMxiU.net
善子「いい? 本当に私のことが好きなら約束して」

曜「約束するよ」

善子「何をよ。まだ聞いてないでしょうが」

曜「何でもだよ」

善子「すぐ『何でも』って言うのもやめて」

曜「本当のことなのに」

善子「とにかく、私以外にそういうことはしないで」

曜「善子ちゃん以外に?」

善子「そうよ。普通はそんなことしないんだから」

曜「みんなしてそうだけどなぁ」

善子「しないわよ! 一度でも見たことあるの?」

曜「……ないかも」

善子「でしょ? 普通はそういうのは恋人にしかしないのよ」

曜「……」

善子「曜さんの恋人は私一人でしょ。だから私だけにすればいいの」

曜「……」

善子「え、まさか私以外にも恋人がいるなんて言わないわよね?」

曜「言わないよ!! さすがにそれは私でもしない!」

善子「したらどうする?」

曜「え、私がもし浮気したら?」

471: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:30:53.53 ID:ggCaMxiU.net
善子「そうよ」

曜「えっと……それは善子ちゃんが決めればいいような」

善子「私の言うことを何でも聞くってのはもう約束してるからダメ」

曜「それ以外で? うーん……」

善子「……」

曜「善子ちゃんの犬になるよ」

善子「昨日なったわよ」

曜「鎖で繋いでケージに閉じ込めていいよ」

善子「えっ」

曜「私が善子ちゃんのことしか見えなくなるまでたっぷりおしおきしていいよ」

善子「本当に?」

曜「えっ、ほ、本当だよ?」

善子「言ったわね。撤回は許さないから」

曜「え……もしかして善子ちゃん、そういうことしたいと思ってる?」

善子「さあ? それは曜さん次第かしらね」

曜「ひぇっ……」

善子「今のは半分冗談だけど」

曜「半分も本気なの!?」

善子「悪い!?」

曜「う、ううん……」

472: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:31:26.56 ID:ggCaMxiU.net
善子「何よその目は」

曜「で、でも私が善子ちゃんに飼われたすぎてわざと浮気するかも……」

善子「本気で曜さんのこと嫌いになるわよ」

曜「それは嫌」

善子「だったら冗談でもそんなこと言わないで」

曜「善子ちゃんに嫌われたら私死んじゃうよ」

善子「だから冗談でもそういうことは」

曜「本当だもん」

善子「……」

曜「私、まだ善子ちゃんの恋人として自覚が足りないかもしれないけどさ」

曜「善子ちゃんに嫌な思いはさせたくないよ」

曜「だからいきなり全部はできないかもしれないけど……」

曜「約束する。善子ちゃん以外にはしない」

善子「何をしないの? 言ってみなさい」

曜「すぐ人の頭を撫でたり、大好きって軽々しく口にしたり、やたらと抱きついたり」

曜「トイレ行くだけなのに手を繋いだり、ご飯のときあーんってしたり」

曜「人の飲み物を間接キス目的で飲んだりしないよ」

善子「何で一言一句覚えてるわけ……」

曜「自覚はあるからね」アハハ

善子「本当に悪質ね」

473: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:32:00.83 ID:ggCaMxiU.net
曜「だってヤキモチ善子ちゃんが可愛いんだもん」

善子「だからって今後は絶対にしないで!」

曜「うん」

善子「やっぱり公表して正解だわ」

曜「私もそう思う」

善子「曜さんは私のリトルデーモンだから絶対手を出させないでってみんなに教えなきゃ」

曜「その言い方は誤解されるような気が……」

善子「構わないわよ。それで曜さんが他の子に手を出さなくなるなら」

曜「……」

善子「まずは朝練の前にAqoursのメンバーに言いましょ」

曜「そうだね。でも練習どころじゃなくなったら申し訳ないなぁ」アハハ

善子「そのときはそのときよ。まあ、たぶんみんな切り替えてやるとは思うけど」

曜「うん」

善子「私が言うから、曜さんは余計なこと言わなくていいからね?」

曜「私、そんなに信用ないかな?」

善子「そうじゃないわよ」

曜「じゃあ二人で言おうよ」

善子「変なこと言いそうになったら引っ叩くからね」

曜「言ってから引っ叩いてよ」

善子「それじゃ遅いでしょ?」

474: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:32:35.24 ID:ggCaMxiU.net
曜「うーん、私何回叩かれるんだろう……?」

善子「せいぜい気をつけなさい」

曜「はーい……」

……

 屋上

曜「おはヨーソロー!」ゞ

シーン

曜「あれ?」ポツーン

善子「どうしたのよ」

曜「誰も居ないんだけど……」

善子「え? 今日は朝練なしなんて聞いてないわよ」

曜「私も聞いてない……」

善子「時間的にもそろそろ誰かいてもおかしくないのに」

曜「もうちょっと待ってみようか」

善子「ええ、そうね」

 五分後

曜「つまんなーい」ツンツン

善子「まだ五分しか経ってないわよ」

曜「朝練の時間終わっちゃうよ?」

善子「うーん……」

475: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:33:13.70 ID:ggCaMxiU.net
曜「ねっ、ねっ」トントン

善子「何よ。言っとくけど学校ではべたべたしてこないでよ」

曜「でも公表するんだよね?」

善子「公表はするけどべたべたしていいとは言ってない」

曜「むぅ」プクー

善子「そんな顔しても可愛いだけよ」

曜「……」カァアア

善子「何よ、自分は平気で言うくせに」

曜「恥ずかしいんだもん……」

善子「私に負けず劣らず曜さんも面倒くさいわね」

曜「善子ちゃんほどじゃないよ」アハハ

善子「何ですってぇ!?」

曜「そんな面倒くさ善子ちゃんにはこれ!」サッ

善子「首輪っ!? 置いてきたんじゃなかったの!?」

曜「外したけど置いてくるとは言ってないよ」

善子「そんなもの持ってきて……」

曜「もちろん、善子ちゃんがつけるんだよ」

善子「バカなこと言わないで。もう首輪はこりごりよ」

曜「あはは、じゃあ私が」スッ

善子「ちょっやめなさいって! 誰かに見られたら!」

476: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:33:45.25 ID:ggCaMxiU.net
曜「私がつけてるだけなのに? 善子ちゃんには迷惑かからないと思うけど」

善子「そういう問題じゃないの!」

曜「あ、もしかして自分以外には見せたくない……とか?」ニヤニヤ

善子「べ、別にいいでしょ何でも」

曜「うんうん。ヤキモチ善子ちゃんがやっぱりいちばんだね」

善子「うるさいわね……」カァアア

曜「キスしてもいい?」

善子「はぁっ!? ダメに決まってるでしょ。学校よここ」

曜「誰も見てないよ」

善子「見てなくてもダメ!」

曜「んー……♡」

善子「そんな顔してもダメなものはダメよ」

曜「早くしないとみんな来ちゃうよ」

善子「……」

曜「早くぅ」

善子「……っ」チュッ

ザワッ

曜「えっへへー! 善子ちゃんと学校でキスしちゃった!」

善子「あ、あんたたち……っ!!」

曜「え?」

477: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:34:21.63 ID:ggCaMxiU.net
千歌「曜ちゃんやるーぅ!」ヒューヒュー

ルビィ「おめでとう善子ちゃん!」パチパチ

ダイヤ「お、お二人には後で話があります」カァアア

果南「やめなよダイヤ。まだキスしただけじゃん」

鞠莉「そうよ、挨拶のkissかもしれないでしょ?」ニヤニヤ

ダイヤ「き、キスも校則違反です!!」

曜「そ、そんな校則ありましたっけ……」

ダイヤ「たった今追加しましたわ」

果南「まためちゃくちゃなこと言い出したよこの人は」

鞠莉「職権濫用デース☆」

ダイヤ「鞠莉さんにだけは言われたくありませんわね……」

善子「……」

花丸「よ、善子ちゃん……噂は本当だったの」カァアア

梨子「実際に見るとこんなに恥ずかしいのね……」カァアア

善子「だからやめてって言ったのよ……」カァアア

曜「い、今のは違くて! これはその、みんなが思ってるようなそういうことじゃ……」

千歌「『えっへへー! 善子ちゃんと学校でキスしちゃった!』」グヘヘ

曜「そんな気持ち悪い言い方はしてないよ」

千歌「こんな顔してたよ」グヘヘ

鞠莉「ちゃんと幸せにしてあげるのよ?」

478: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:34:58.42 ID:ggCaMxiU.net
善子「えっ私? 曜さんじゃなくて?」

鞠莉「キスの仕方、後で教えてあげるから……♡」

善子「……」ドキドキ

果南「鞠莉? 善子困ってるじゃん」

鞠莉「今のは少ーし期待しちゃってたわね?」

果南「えっ」

善子「し、してないっ! 微塵もしてないわよ!」

花丸「昨日デートしてたのってやっぱり二人だったずら?」

曜「見てたの?」

ルビィ「花丸ちゃんとお買い物してたら二人の声が聞こえて……」

善子「声かけなさいよ! まさか尾行とかしてないでしょうね!?」

ルビィ「し、してないよ……? 本当だよ?」

花丸「マルたちの行く先にたまたま二人がいただけずら……」

善子「してたんじゃない!」

梨子「ね、ねぇ曜ちゃん? さっき首輪持ってたけどあれ何かな……」

曜「あー、あれはね? 善子ちゃんとふた」

善子「何でもないから!! 曜さんも余計なこと言わないの!」

梨子「後で詳しく聞かせてね……?」

善子「絶対嫌!!」

ダイヤ「詳しい事情は後で聞くとして。時間もありませんので朝練始めますわよ!」

479: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:35:43.94 ID:ggCaMxiU.net
……

 朝練後

善子「曜さんのせいで酷い目にあったわ……」ハァ

曜「何だかんだでみんなおめでとうって言ってくれたね」

善子「そうだけど……たぶん梨子さんあたりは誤解してるわよ」

曜「首輪でそういうことしてるんじゃないかって……そんなわけないのにね」アハハ

善子「えっ」

曜「したね」

善子「絶対内緒だからね? それバレたらもう学校来られなくなるわよ」

曜「首輪のことはともかく、おしっこのことはバレたくないよね」アハハ

善子「当たり前よ! 曜さんと違って私は学校じゃ漏らしてないんだから……」

曜「私がおしっこ好きってことは千歌ちゃんと梨子ちゃんは知ってるんだけど」

善子「教えたの?」

曜「前に尿検査のときに……」

善子「待って、その話聞きたくない」

曜「袋に名前書く前にどっちがどっちのおしっこか分からなくなっちゃってさぁ」

善子「だから聞きたくないってば」

曜「飲んでないよ? 匂いだけで当てたもん」

善子「よく友達やめなかったわね……」

曜「あはは、そんなことで絶交してたらもう何十回も絶交してるよ」

480: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:36:20.58 ID:ggCaMxiU.net
善子「他に何したのよ!!」

曜「聞きたくないんじゃなかったの」

善子「聞きたくない!」

曜「善子ちゃんも誤解されないように気をつけてね」

善子「どう考えても曜さんのせいでしょ……」

曜「私も学校では気をつけないと」

善子「ええ。学校じゃなくても人前では気をつけてよね」

曜「分かった。私も善子ちゃんに嫌われたくないし……」

善子「……」

曜「行こうか? みんな気を遣って先に行ってくれたけどたぶんどこかで聞いてるよ」

善子「……手」ボソッ

曜「何?」

善子「繋いでもいい?」ボソッ

曜「善子ちゃん大好き」ギュッ

善子「こら! 手を繋いでって言ったのよ! 離して!!」

曜「離さないよ」

善子「また誰か見てたらどうするのよ……」カァアア

曜「誤解されるようなことしてないもん」

善子「してる! またダイヤに怒られるわよ?」

曜「私が善子ちゃんのこと好きなのは本当だよ」

481: 名無しで叶える物語 2018/01/02(火) 15:36:58.72 ID:ggCaMxiU.net
善子「……」

曜「善子ちゃんも私のこと好きでしょ?」

善子「……嫌いよ」

曜「そんなぁ」

善子「嫌いだからくっつかないで!」バッ

曜「待ってよ善子ちゃん」

善子「曜さんのことは好きだけど……人前でこういうことするのは嫌い」

曜「……」

善子「手、繋いであげるから。それで我慢しなさい」スッ

曜「えへへ」ギュ


カミングアウト編 終わり

引用元: 曜「善子ちゃんをくすぐり続けたら失禁した」