天井「・・・以上が絶対能力進化の内容だ 何か質問はあるか?」
天井亜雄はこれから行われる予定の実験についての説明を終え、未だ実験の内容を記した書類から目を離さない被験者である少年 ―― 一方通行に問いかける。
一方通行は学園都市最高の頭脳を持つレベル5の第一位の能力者である。
その彼にこの程度の内容が理解出来ない訳もなく、この問いかけはこれまでも実験の説明を終えるたびに行われてきた形式的なものだ。
今まで彼から質問が返ってきたことなど一度もなく、それ故、天井は今回も一方通行から質問が返ってくるなどとは思っておらず、既に頭の中では全く別のことを考え始めていた。
一方通行「イヤだ」
天井「…は?」
しばしの静寂の後、唐突に一方通行から放たれた一言によって、無関係な事に思考を巡らせていた天井は一気に現実に引き戻される。
KADOKAWA (2018-03-24)
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