1: 名無しで叶える物語(茸) 2022/05/16(月) 21:48:46.19 ID:EFoLSInc
特別なことなんて何一つない日々だった。
頭を揺らすアラームで目を覚まし、表示された【月曜日】という単語に憂鬱にさせられながら、今日もまた仕事かと悪態をつく。
ギリギリまで眠っていた顔に冷や水を叩きつけて意識を引っ張りだして、買溜めしておいた200ml程度の野菜ジュースを紙パックを握り潰すように胃に流し込むだけの朝食
ずぼらに歯磨き、最後にクリーニングに出した記憶さえ曖昧なヨレたスーツに着替えて家を出て、満員電車に揺られ、押し出され、前が詰まっていたのに舌打ちをされる
電車の中から見えた流れていく景色のように、自分の人生もその他大勢と溶け込んでいて、いてもいなくても変わらないのではないかと考えてしまう。
そんな日々――
「ハンカチ、落とされましたよ」
――そんな日々に、赤い色が差した。
頭を揺らすアラームで目を覚まし、表示された【月曜日】という単語に憂鬱にさせられながら、今日もまた仕事かと悪態をつく。
ギリギリまで眠っていた顔に冷や水を叩きつけて意識を引っ張りだして、買溜めしておいた200ml程度の野菜ジュースを紙パックを握り潰すように胃に流し込むだけの朝食
ずぼらに歯磨き、最後にクリーニングに出した記憶さえ曖昧なヨレたスーツに着替えて家を出て、満員電車に揺られ、押し出され、前が詰まっていたのに舌打ちをされる
電車の中から見えた流れていく景色のように、自分の人生もその他大勢と溶け込んでいて、いてもいなくても変わらないのではないかと考えてしまう。
そんな日々――
「ハンカチ、落とされましたよ」
――そんな日々に、赤い色が差した。
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