1 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/07(日) 19:56:47 2DCr.8I6
男(僕の名前は男です。歳は12。双子の兄がそうだったからそうです)
男(僕は外の世界を知りませんでした。白い壁の六畳が僕の知る世界。なぜかというと双子の弟だからです)
男(忌み子と言われ、すぐに産湯で溺死されかけたそうですが、父が助けてくれ、今までなんとか生きながらえることができました)
男(ですがある日、母親に喉を切られ殺されかけました、そのときは八意 永琳先生に助けてもらったのですが、僕は声を失いました)
男(声を失いながらも僕は生きていました。しかしまた今日、僕は死にそうになっています)
男(ここはどこでしょうか。麻袋に詰められ馬車に乗せられどこかで投げ捨てられました。やっとの思いで袋から抜け出し、周りを見渡すと大きな穴が開いていました。そのほかには木。馬車で揺られていた時間を思うとおそらくここから今日中に家に戻るのは無理でしょう)
男(それに僕は家がどこにあるか。そしてどんな家なのかも知らないので、帰りようがありません)
男(あぁ、僕はもうここで死ぬんだ。餓死。もしくは妖怪に食べられるんだろうなぁ。そう諦めると心に空風が吹き、寂しくなります。たとえあの小さな六畳でも人の気配はありました。誰でもいいからこないかななんてありえないことすら考えます)
男(僕は近くにある岩に座りひざを抱え込みました。寂しいし死にたくない。六畳の世界でいいから生きていたい)
男(初めて見た世界はとても残酷でした)
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