QB「魔法少女になってよ」らんま「てめー、ぶん殴られてーか?」 その1
QB「魔法少女になってよ」らんま「てめー、ぶん殴られてーか?」 その2
QB「魔法少女になってよ」らんま「てめー、ぶん殴られてーか?」 その3
742 :42話1 ◆awWwWwwWGE 2012/12/03(月) 01:18:50.72 ID:croPxM6o0
(ありえない……)
その肉体はすでに活動限界を超えている。
この状態では一時的に表層意識を遮断して回復に集中せざるをえない。
完全に気絶しているように見えるそれを、三人の少女たちと一人の老婆が囲い込む。
「……動かねぇな」
「死んではいないの?」
「今、試してみるわ」
黄色い髪の少女が、その倒れた肉体に向けて銃弾を発砲した。
その弾は、当たる直前で、突如現れたタタミによってはばまれる。
「ふむ、これでは埒があかんの。なびきが来るまで待つしかないようじゃ」
そう言った老婆はまだよろよろとしている。
(ここまで想定と違うなんて、通常ありえない確率だ)
意識の途絶えた女らんまの肉体を守りながら、キュゥべえは思った。
一人ひとりが想定を超えた戦力を発揮している。
武闘家たちだけなら、もともとキュゥべえの専門外なのだから想定以上の働きをしても驚くほどのことではないかもしれない。
しかし、自分の契約した魔法少女たちが、一人は一度魔女にまでなり他もその直前まで陥れたはずの弱者たちが
どうしてここまでしぶとく戦い続けることができるのか。
そして、考えようによっては、何の戦力もなく特別に頭が良いとも言えない鹿目まどかに追い込まれているのだ。
いくら素質のずば抜けているまどかとは言え、そんなことがありえるのか。
(ありえない)
どれだけ計算を繰り返しても導き出される答えはそれだった。
考えてばかりいても仕方がない。
壊れたパイプからあふれる熱湯が大小の湯だまりをあちこちに作り、熱気は十分にある。
少し待てばまた強力な魔龍昇天破を撃てるだろう。
(今は回復に集中して、タイミングを見計らって魔龍昇天破を撃って反撃を開始する)
そう、キュゥべえが行動を決めた瞬間だった。
「飛龍、昇天破!」
コロンが突如、飛龍昇天破を放った。
それはちょっと強い風……少なくとも魔法少女たちにとっては何のダメージにもならない程度の威力だった。
しかし、ヒラヒラした衣服をめくるには十分な威力で、魔法少女たちはとっさにスカートを抑える。
「おばあさん?」
マミがコロンをいぶかしげに見た。
これが八宝斎ならセクハラの現行犯確定だっただろう。
「うむ、熱気が溜まりすぎればまたさっきのような魔龍昇天破を撃ってくるじゃろうからな。
こうして溜まる前に熱気を消費してやるのじゃ」
(!?)
コロンの説明にキュゥべえは内心絶句した。有効な反撃手段がひとつ封じられたのだ。
そもそもキュゥべえはコロンが飛龍昇天破の使い手だと知らず、乱馬がコロンから教わった技だなどとは知る由もない。
だから、そんな対策をされるとは思ってもいなかった。
「あ、なるほど。雪崩対策みたいな感じね」
そう言ってうなずくさやかのマントがゆっくりと垂れさがった。ようやく風が止んだのだ。
「それじゃ、あとは直接的な反撃を防げば良いわけだな」
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