明朝、皆がそれぞれ動き出す。魔法少女は目覚め身支度をする。
とはいえ、彼女たちの武装は変身だけだからせいぜい普通の
身だしなみ程度だ。
彼女たちのどこが気に入ったのか、うららはマミやほむら、さやかに
杏子の髪を甲斐甲斐しく梳る。特に、素材がいいのに手入れをしない
杏子を弄っていた。
「舞耶も、こんなんだったなぁ」
彼女のいわゆるだらしなさは、憧れていた達哉ですらドン引きするほど
だった。一方でルームメイトのうららはきちんとしており、彼女が
いなければ舞耶は化粧水一つどこにあるかわからない有様だった。
「これから、戦いに行くんだぞ」
「戦いだけじゃないよ。終わった後のことも考えな」
それはうららの気遣いではあった。だが魔法少女としての戦いに
終わった後などない。いずれは力尽き消滅する宿命だ。
愛するパートナー(敢えて男性とは限定すまい)と添い遂げて、
白髪の生えるまで生きることなどできはしない
「生きて、帰ってくるんだよ。
……そうしたら、お化粧のやり方、教えたげる」
そのうららの思いを、彼女たちはくみ取れただろうか。
【ほむら「ジョーカー様呪い、という都市伝説」 後編】の続きを読む