もはや長い時間戦うことは出来ないだろう。それでも彼は阿修羅ように戦場を舞う。
この戦いの先に未来があることを信じて……
「少年!!」
巨大な球体状の金属異性体の本体を前にして、切り札の超大型ビームサーベルを拡散され
次の一手を思案している青と白の機体に届くように彼は言った。
「未来への水先案内人は、この私グラハム・エーカーが引き受けた!」
赤い流星となった彼――グラハム・エーカーと愛機ブレイヴは巨大な球体状の金属異性体の
裂傷に向かって、血反吐を吐きながら、しかし、その顔には笑みを浮かべながら一直線に駆け抜ける。
「これは死ではない!!人類が生き残るための…!!」
そうこれは犬死などでは無い。
きっと少年は彼の押し開けた最後の扉を進み
その手に未来を掴むだろう。
この世界においてのグラハム・エーカーはその人生を一分の後悔無く全うした。
しかし、生と死の交わる狭間、彼の意識はまだ消えてはなかった。
幸か不幸かグラハム・エーカーの物語はまだ終わってはいなかったのである。
『私の妹がこんなに可愛いわけがないっ!』
引用元: ・グラハム「私の妹がこんなに可愛いわけがないっ!」