受験という漠然とした不安が迫りながらも、三年目となる高校生活の変わらない毎日に飽きを隠せなくなっていた頃、彼女は私の前に現れた。
転校生が来る、という話は春休みの終わりには噂になっていた。私のところにも友達づてにその情報が入っていた。連絡網よろしく私は別の友達に転校生の話を渡してやった。友達はあれやこれやと空想を働かせては私に聞かせてきたが、私にはどうでもよかった。
その転校生がどんなやつでどんな事情を持っていても、所詮一年しかない付き合いだし、同じクラスになるかもわからない。仮になったとしても今と同じように、そいつとも適当に付き合うだけだ。
そう思っていた。
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