1 : ◆ES7MYZVXRs :2011/12/04(日) 14:12:03.20 ID:McvQY9qko
東京西部を切り拓いて作られた学園都市。現在時刻は午後十時。
学生の集まる第七学区のとある学生寮の一室に、不幸で無能力者な上条当麻と、安全ピンだらけのなかなかパンクな修道服を身にまとったシスター、インデックスはいる。
二人が出会ったのは、暑さの厳しい夏真っ盛りの時期だったが、気づけばもう寒さが辛い冬本番だ。
何だかんだ長い間一緒にいた二人だが、インデックスの言葉により何ともあっけなく終わりを迎えることになりそうだ。
「イギリスに帰ることにしたんだよ」
「おー、元気でなー」
「とうまあああああああ!!!」
上条の言葉が気に入らなかったのか、インデックスは途端に不機嫌になってベッドの上から飛びかかってきた。
大きく開けた口に綺麗に生え揃う白い歯を眺めながら、そこらの肉食動物でも飛びかかるまではもう少し時間をかけるだろう、とは思う。
そんな事を考えてる内に、上条の頭にインデックスの歯が食い込んだ。
「いぎゃああああああああ!!! いきなり何すんだよ!!!」
「返答があっさりとしすぎなんだよ!!」
「そ、そんな事はないぞインデックス! ほら、涙もポロポロ」
「せめてその目薬は隠してほしいかも!!」
とっさの演技もまるで効果なし。
もっとも、シリアスな場面では上条の演技というのは中々のものだったりもするのだが、こういった場面ではまるで役に立たない場合が多い。
上条の記憶には存在しないのだが、常盤台の電撃姫、御坂美琴にわざとやられたように見せるための演技も相当酷かった。
そんな大根演技の上に小道具まで見つかった結果、インデックスの怒りのボルテージはさらに上昇。
上条の頭を、まるで犬が骨をかじっているようにガジガジと咀嚼し始める。
「いだだだだだ!!! 頭がすり減る!!!」
「このまま噛み砕くんだよ!!」
「殺人予告ですからねそれ!? つかお前も行くつもりなんだろ!」
脳天をゴリゴリされて、若干涙目になりながら上条はたまらず声をあげる。
それでインデックスの怒りをどうこうできるとは思っていない。ただの苦し紛れの一言といったものだ。
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