2: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/09/27(土) 00:43:58.09 ID:NJSLtuUs0
時間は十五時、どんよりとした空からは今にも雨が降り出しそうだ。
そんななか、桂木桂馬は誰もいない廊下を歩いていた。
普段は賑やかな廊下や教室も誰一人いないと広く感じるものだ。
しかし桂馬にはそんな気持ちはなく、ただいつも通りにゲームをしながら歩いていく。
桂馬「…………」
桂馬は教室に入る。誰もいない。
当然だ。舞校はテスト期間中。
勿論その間は部活も禁止されている。
だが桂馬は残っていた、その理由は。
桂馬(……二階堂、本当に教師かあいつは……)
テスト期間中にもかかわらず、小テストの採点をやらされたからである。
没収されたゲームを返してやると言われ、二つ返事で承諾したのが数時間前。
桂馬「くそ、また前みたいに腕がパンパンだ……」
桂馬は痛がる腕で自分の鞄を背負うと、教室を出る。
桂馬(……結局、有耶無耶でゲームは返してもらえないし、とんだ無駄骨だ……)
桂馬(……早く帰ろう……)
下駄箱に向かう桂馬が歩く廊下には誰もいない。
ゲームを再開した桂馬がリアルの風景を気にすることはなかった。
雨が降り出しそうな空を気にすることも……。
【中川かのん「あっ……雨、だね……」】の続きを読む