1: ◆TTt1P6HN1I 2010/07/13(火) 18:15:51.94 ID:IOd+VqaJ0
季節は冬。
雪が降らないと誰もが思っているようなこの街にも数十年に一度の気まぐれなんて物があるようで、日本一の歓楽街と揶揄されるこの街は一昨日からの豪雪により薄い白粉なんかを纏っていた。
今日はクリスマスからマイナスすること十月十日。先のそれと並び立つ日本の二大恋愛デー、聖バレンタインだ。
ここに来るまでに立っていた看板には『バレンタインデー特別価格!』やら『チョコの様に甘~い夜を』という酷くお寒い文字がミミズの様に羅列されていた。
……まあ、それを酷くお寒いと揶揄してしまう事からお分かり頂ける通り、私にはフランス辺りの高級チョコを渡すような相手は端から居ないわけだ。
ああ……さっき路上でキスをしていたカップルの頭を一升ビンで殴りたい……。それはもうドクロちゃんみたいにエスカリボルグで、ガツンと。
「先輩……、そんな顔して飲むとせっかくのお酒が美味しくなくなりますよ?」
一軒目の大衆居酒屋からそんな事を言われている気がするが、そんな言葉は全く耳に引っかからない。
「うるさい。じゃあ何か芸でもしてみせろ。私を笑わせる事が出来たら甘~い口づけをくれてやる。もちろんディープだぞ?」
「その時は損害賠償を請求し」
ドガッ!
「に゛ゃっ!!」
手刀一発 to 脊椎。
「私の唇より神聖な物などない。寧ろ唇を当てられた方が金を払うべきだ」
「だからって殴らなくても……」
「殴ってるんじゃない。身長を縮めてるんだ」
「尚悪いわ!」
雪が降らないと誰もが思っているようなこの街にも数十年に一度の気まぐれなんて物があるようで、日本一の歓楽街と揶揄されるこの街は一昨日からの豪雪により薄い白粉なんかを纏っていた。
今日はクリスマスからマイナスすること十月十日。先のそれと並び立つ日本の二大恋愛デー、聖バレンタインだ。
ここに来るまでに立っていた看板には『バレンタインデー特別価格!』やら『チョコの様に甘~い夜を』という酷くお寒い文字がミミズの様に羅列されていた。
……まあ、それを酷くお寒いと揶揄してしまう事からお分かり頂ける通り、私にはフランス辺りの高級チョコを渡すような相手は端から居ないわけだ。
ああ……さっき路上でキスをしていたカップルの頭を一升ビンで殴りたい……。それはもうドクロちゃんみたいにエスカリボルグで、ガツンと。
「先輩……、そんな顔して飲むとせっかくのお酒が美味しくなくなりますよ?」
一軒目の大衆居酒屋からそんな事を言われている気がするが、そんな言葉は全く耳に引っかからない。
「うるさい。じゃあ何か芸でもしてみせろ。私を笑わせる事が出来たら甘~い口づけをくれてやる。もちろんディープだぞ?」
「その時は損害賠償を請求し」
ドガッ!
「に゛ゃっ!!」
手刀一発 to 脊椎。
「私の唇より神聖な物などない。寧ろ唇を当てられた方が金を払うべきだ」
「だからって殴らなくても……」
「殴ってるんじゃない。身長を縮めてるんだ」
「尚悪いわ!」
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