ああ……またこの夢か。
眩い光の中、顔も見えない少女が俺を呼び続ける夢……幼い頃から、幾度となく繰り返し見てきた。
普通何年も同じ夢を見続けたら、気味が悪いと感じるだろう。でも、俺はそんなこと一度もなかった。……それくらい、彼女は綺麗だった。
今まで、何度もその声に応えようとしてきた……けれども、俺の声は一度も彼女に届いたことはない。手を伸ばしても、途中で見えない壁に遮られてしまう。
まるで、二人は出会ってはいけないと運命づけられているみたいだった。
P「………そんな運命、クソくらえだ」
俺は行かなきゃいけない。この壁の向こう、彼女の元へ…
理由なんてない、必要ない。だって、
俺はもう、彼女に――
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