2: ◆tdNJrUZxQg 2019/07/06(土) 07:37:09.81 ID:ZRnZyA2Z0
ダイヤ「──はぁ? 吸血鬼?」
それは、ゴールデンウイークを明日に控えた4月26日金曜日のことでした。
鞠莉「そ、吸血鬼。最近噂になってるんだヨ」
ダイヤ「はあ……」
鞠莉「あ、ダイヤ~? その反応信じてないネ?」
ダイヤ「まあ……」
生徒会室で連休前の仕事を三年生三人で片付けながら適当に話を聞き流す。
鞠莉「なんでも、ここ最近夜になると出るらしいんだヨ……」
果南「で、出る……?」
鞠莉「……血……血……って呻きながら、校舎内で女生徒の血を探して彷徨うリビングデッドが……!!」
果南「……ッヒ!!」
鞠莉さんがおどろおどろしい口調で、眉唾な噂を口にすると、果南さんが涙目になって、書類で顔を隠す。
というか、吸血鬼からリビングデッドに変わっているのですけれど……。
鞠莉「身を隠したって無駄……リビングデッドの嗅覚は的確に活きの良い乙女の血の匂いを嗅ぎ分けて、喰らいに来るんだから……!!」
果南「…………!!」
鞠莉「果南みたいに活きの良い生娘なんか、特に──」
ダイヤ「──いい加減になさい」
書類の束で、鞠莉さんを軽くはたく。
鞠莉「Ow !」
ダイヤ「果南さん、大丈夫ですからね。こんなのただの噂話ですわ」
果南「……ぁ、ぁはは……そ、そう、だよね……」
鞠莉「もう!! ダイヤ、邪魔しないでよー!!」
怖い話で脅える果南さんを見るのが楽しいのか、鞠莉さんがぷりぷりと文句を言って来る。
ダイヤ「はぁ……噂話もいいですが……。早く仕事を片付けないと……。明日からは10連休なのですわよ?」
今年のゴールデンウイークは長い。
ここで仕事を連休明けに持ち越すのはよくないと思い、今日三年生はAqoursの練習そっちのけで生徒会の仕事をさせて貰っているのです。
これで終わりませんでしたなんて言ったら示しがつかないし、申し訳も立たない。
鞠莉「んーもう……ダイヤは頭が堅いんだから! こんな忙しいときにWitに富んだJokeで場を和ませようってマリーの気遣いがわからないの?」
ダイヤ「はいはい……」
鞠莉さんの言葉を聞き流しながら、果南さんに目を配ると、
果南「……………………」
顔を真っ青にしたまま、フリーズしている。
果南さんは普段はサバサバしているけれど、怖い話が滅法苦手なのです。
怖い話が苦手な人は一度こういう話を耳にしてしまうと、それが頭の中にこびり付いてどうしようもなくなってしまうもの。
引用元: ・ダイヤ「吸血鬼の噂」
ラブライブ!サンシャイン!! 黒澤ダイヤ B1タペストリー Ver. Summer Days 第二弾 タテ約1030mm×ヨコ約728mm
posted with amazlet at 19.07.07
角川書店 (2019-09-27)
売り上げランキング: 36,108
売り上げランキング: 36,108